「再びジオンの理想を掲げるために!星の屑成就のために!ソロモンよ、私は帰って来た!!」
概要
型式番号AE/ZIM.G-BAZ-0186-A。
AE/ZIM社が開発したガンダム試作2号機専用設計の超大型バズーカで、アトミック(英語で原子力)の名の通り、核弾頭を発射する事を目的とした兵装である。
背面からアームによって保持された基部と、バレル部に分割して携帯する。バレル部はシールド裏に収納される。
戦略核であることを秘匿するためかニュークではなくアトミックと付いているほか、書類上では戦術核扱いで処理されているが、使用されるMk-82型弾頭は戦略核以上の威力を有しており、劇中ではコンペイ島(かつてのソロモン要塞)に集結した地球連邦軍の艦隊の大半を一撃で葬り去った。
(ちなみに、現実の戦術核と戦略核の違いは射程であって威力ではない)
この弾頭は「レーザー核融合弾」であり、起爆剤として核分裂反応を使わずミノフスキー・コンデンサーに蓄積された膨大な電力がレーザー光を発振して1点に収束され、10億分の1秒で1億度に相当する超々高熱を発生、それにより圧縮された重水素混合体がメガ粒子ボルトに換算されるエネルギーを開放する。アトミックバズーカの射出システムでなければ安全装置の最終解除は不可能であり、砲口のセーフティキャップも発射寸前まで排除できない構造になっている。
この装備に併せて機体を保護・冷却するラジエーターシールドも開発されている。このシールドはあくまでアトミックバズーカのバレルを運搬し、なおかつ核爆発の衝撃と熱から機体を守るための装備であるため、破損すると核攻撃自体が困難になってしまう(よって敵の攻撃から身を守るために使うのは推奨されない)。劇中ではこの弱点をガンダム試作1号機に突かれた事で退却を余儀なくされた事がある。また、漫画版に登場した重装備仕様は核攻撃直前に登場した事もあって別のシールドを使っている。
この武装に関し、戦略核にしろ戦術核にしろ、核搭載を前提とした兵器は南極条約違反であるという扱いがされがちで、劇中でもエギーユ・デラーズが演説の中で「ガンダム試作2号機は南極条約に違反した機体である」と明言して連邦を非難している。
しかし、南極条約は連邦とジオン公国の間で締結された協定なので、ジオン共和国成立後の宇宙世紀0083年には失効している(ただし、後の時代にも南極条約の一部は不文律として残っているため違反してはいけないことが暗黙の了解となっている)。
また、一部のファンからは『核兵器の「製造」と「保有」はグレーゾーンなので、「使用」さえしなければ条約違反ではない』と言われている。
ここに関しては『機動戦士ガンダム』25話が根拠となる。マ・クベが水爆ミサイルの発射準備があることを連邦軍に示した際に「無論、核兵器を使わぬと約束をした南極条約に違反はするが」と発言しており、水爆ミサイルを所有し、発射態勢をしている現状を条約違反と見なしていない。
さらに発射された水爆ミサイルの設計図が即座にガンダムに転送される場面で「南極条約の時の公開データだ、当てにしていい」との発言もあって、その核ミサイルの所有・存在・設計を地球連邦にも公表していたことも描写されている。これで「所有がすでに南極条約違反」だとするなら決定的に矛盾する。
公式側は「アトミックバズーカの開発」について一貫して条約違反として扱う姿勢を貫いているが、「映像作品を公式設定として優先する」という立場なので、『機動戦士ガンダム』における南極条約の具体的事例を引用すれば、違反とは言いがたい。
また使用する弾頭「Mk.82」は、南極条約締結以前の0078年に開発されたとする資料もある。
なお、核融合弾頭の運用に変更される以前の計画では「徹甲弾」「炸裂弾」「ビーム攪乱膜散布弾」「プラズマリーダー」などの運用を想定されていたとされる。
デラーズ・フリートは核兵器発射後の再利用策として、アトミックバズーカの基部にスキウレ(ビグロのメガ粒子砲を転用した移動砲台)の砲身を装着したビームバズーカを装備する計画を立てていたが、2号機が失われたため、実際に使用される事はなかった。
ちなみに、MSで核弾頭を運用する事自体は既にルウム戦役時にザクⅡC型で行っていた他、RX-78-2ガンダムのハイパーバズーカでも検討されていたが、こちらは廃案になっている。
スパロボでは
基本的にはMAP兵器扱い。当然ながら威力は絶大で、一部作品においては使用したか否かだけで勝敗が決したり、シナリオが分岐したりする。多くの作品では市街地でも平気で使用できるが、『スーパーロボット大戦EX』では異世界ラ・ギアスが舞台のためオミットされ(ラ・ギアスでは全土に張り巡らされた魔術により核兵器の類は使用できないようになっている)、本来はヴァル・ヴァロの武装であるプラズマリーダーを使用している(上記参照)。
ちなみに上述の連邦側の屁理屈が最も発揮されたのは『スーパーロボット大戦A』で、なんと三輪長官が開発計画の指揮を執り、「宇宙人は条約の適応外だから何発ぶっ放しても構わない」と詭弁を弄した挙句、景気づけの花火代わりにナデシコ目掛けて撃とうとした。
こんなネタも
同じサンライズ系列のアイドルアニメ、『アイカツスターズ!』。
この作品では自由奔放過ぎてどこに行くのか分からない二階堂ゆずを捕獲するために、お付きの生徒が捕獲ネットを発射するのにハイパーバズーカをぶっ放すというシーンがある。
そして2年目に入り、51話で。ゆずを捕獲するため幼なじみの白銀リリィが持ち出したのはなんとまさかのアトミックバズーカだった(もちろん発射するのは捕獲ネット)。
しかもギミックは元ネタ同様のモーション、ご丁寧に使うはずのないシールドまで所持。
発射した途端リリィはやはり元ネタ同様その威力で後ろにずり下がってしまう。……一応言っておくと、この子病弱です。
因みにこの一連のシーン、流石にやり過ぎた?のか円盤収録時にバズーカの色の変更(グレーから緑と黄色のツートンに)されたり、背後にあったシールドの削除と言った作画修正がなされている。
関連イラスト
関連項目
機動戦士ガンダム0083 核兵器 ガンダムGP02 サイサリス
孫策サイサリス(三国伝):アトミック・バズーカを模した巨大棍棒「強襲激鋼棍」で戦う。
ゼウスシルエット:C.E.のガンダム作品に登場した兵装。「長砲身の重火器」「ガンダムが使用する武器」「1発撃つだけで砲身が焼け付く仕様」などといった共通点を持つ。ただし、こちらは一点集中に特化した戦術兵器であり、攻撃範囲に関してはアトミックバズーカに劣る。
Mk5核弾頭ミサイル:ゼウスシルエットと同じくC.E.のガンダム作品に登場した核弾頭