ポポロクロイス牧場物語
ぽぽろくろいすぼくじょうものがたり
長年、新作が待望されつつも情報が途絶えていたポポロクロイスシリーズの久々の新作。
最後に発売されたPSP用ソフト『ポポロクロイス物語〜ピエトロ王子の冒険〜』からは約10年ぶり、最後の新規作品であるPS2用ソフト『ポポロクロイス〜月の掟の冒険〜』から数えるとなんと約11年ぶりの家庭用ゲーム機新作。
まさかのコラボ&ハード
本作はポポロクロイス物語シリーズと、マーベラスの看板シリーズである牧場物語シリーズのコラボレーション作品。
さらに、対応ハードがそれまでのポポロクロイス物語シリーズとは違い、SCEI(現:SIEI)のPS系統ではなく、任天堂の携帯ゲーム機ニンテンドー3DSであることも往年のファンを驚かせた。
この件について、ポポロクロイス物語の原作者・田森庸介氏は
「新しいゲームの可能性について検討を重ね、試行錯誤を繰り返してきましたが……ようやく驚くべき打開策を見いだしました」
「諸般の事情でなかなか目処が立たなかったが、ゲーム・アニメ業界共に根強いポポロファンがおり、様々な人の助けを得て、ようやく念願が実現しました」
としている。
しかし、「ポポロクロイス」の商標はいまだにSCEIが保持しているため、おそらくニンテンドー3DSの画面にSCEI(SIEI)の会社名が出て来ると思われる。
まさにメーカーやハードの壁を越えた作品。
追記情報としてSIEIとして再登録されている。
開発会社やスタッフはかつて「ポポロクロイス物語」シリーズを手掛けた会社とスタッフが結集(すでに引退しており、この作品のために復帰したスタッフもいる)。
メインストーリーとゲームにおける冒険・バトルパートは『ポポロクロイス』の要素、ゲームの進展と共に登場する“牧場”での生活シミュレーションパートは『牧場物語』の要素を持つ。
戦闘パート
基本は町や村の外のフィールドやダンジョンで、モンスターと戦う。コマンド入力方式で成長要素もある。最大参加人数は4人。難易度設定やオートバトルも可能。
メインシナリオクリア後も遊べるよう、やり込みダンジョンが用意されている。
特技
仲間はそれぞれ特技を習得する。敵にダメージを与えたり、味方を回復したり、補助効果をもたらしたりと、特技の効果は多彩。この特技はレベルが上がると習得できる。
また、二人で協力して放つ「協力技」も存在。
牧場パート
ある程度物語を進めると牧場が利用可能になる。動物の世話をしたり作物を育てたりしてスローライフを満喫するも良し、収穫した作物や副産物を利用してアイテムを作ったり、出荷して換金し、冒険に役立てるも良し。そうしてお金を稼いだりすれば、牧場は発展し、大きくなっていく。
飼育できる動物は「牧場物語」シリーズを基準に選択している。
クエスト
冒険で出会う人々の中には、困っている人や助けを必要としている人がおり、そんな人たちのお願いを解決してあげると、お礼としてさまざまなアイテムをもらうことができる。クエストには、モンスターの討伐や作物の収穫など、さまざまなお願いがある。
やり込み要素
虫おじさんから「虫取り網」をもらうと、昆虫採集ができ、集めた虫を彼に渡すと冒険の役に立つアイテムをもらえる。
また、各地にある鉱山からは鉱石を採取でき、武器や防具の強化の素材にできる。
そして、ピエトロの趣味である各地のお土産収集ももちろん実装。
すれちがい通信
物語を進めることで、「すれちがい通信」を楽しむことができるようになる。
「すれちがい通信」では、すれ違ったプレイヤーから「宝の地図」がもらえ、手に入れた「宝の地図」を頼りに、地図に示された場所へ向かうと、冒険に役立つアイテムを入手できる。
シナリオは原作者・田森庸介氏による書き下ろしに、牧場物語のエッセンスを加えたもの。
時系列としては初代とポポロクロイス物語Ⅱの間にあたる。
ピエトロたちが暮らす平和な国・ポポロクロイス。
近頃、ポポロクロイスの人々は時おり現れる正体不明の魔物・黒獣(こくじゅう)に怯えていた。王子ピエトロは調査をする中で、国のみんなを安心させる方法はないものかと考える。
そんな折、ピエトロの13歳の誕生日を祝って城でパーティが開かれる。招かれた客人の一人であるガラリランドの外交官・マルメラは、そんなピエトロに「我が国ガラリランドには黒獣の専門家がいます。行けば対策方法が分かりますよ」と囁く。「対策を学べばポポロクロイスを救える」、そう考えたピエトロはガラリランドへ旅立つことを決意した。
しかし、それは謎の存在「闇のグリフォト」が企む、ポポロクロイス侵略の序章だったのだ。
そんな事とは知らず、マルメラが発動させた転移陣によって遠いガラリランドの地にやってきたピエトロ。
そこで、世界を脅かす敵の正体を知り、ピンチに陥るピエトロだったが、彼を救ってくれた妖精をはじめとする色々な存在に助けられる。
やがて「光のガラリエル」の詩の導きに従って、様々な仲間と共に、ポポロクロイスとガラリランドの両方を救いたいという思いで、頼もしい仲間たちと共に、再びピエトロは旅立つ事になる。
バトルに参加するキャラクターは太字表記。ピエトロとナルシアのCVは2パターン有り、設定で切り替えが可能。
主要人物
本作の主人公。突如として現れ、作物に被害を及ぼす黒獣の調査をしていたが、13歳の誕生日会に現れたガラリランドの女外交官・マルメラから、ポポロクロイスを襲う魔物・黒獣対策の専門家がガラリランドにいることを聞き、新たな冒険に旅立つ。
それまでの作品と違い、短髪。
バトルでの特技は、風の力を剣に集めて刃に変え、直線上の敵にダメージを与えるウィンドスラッシュなど。
本作のヒロイン。ピエトロを想う森の魔女。誕生会の夜にピエトロと久々に会う。ピエトロの後を追い、ガラリランドへの転移陣に飛び込む。
それまでの作品と服装が異なっており、二又のとんがり帽子をつけていない。ピンクを基調とした農業向きの服装になっている。
バトルでの特技は、杖に宿した聖なる光で邪悪をなぎ払い、敵全体にダメージを与えるホーリーアークなど。
CV:江原正士
白い鎧に身を包んだ正義の騎士。何者かに罠にはめられてガラリランドに転移する。
バトルでの特技は、騎士の誓いを心に刻んで気合いを溜め、自身の攻撃力をアップさせる気合いなど。
CV:大塚明夫
機械工作に高い技術を持ち、発明品を続々と作って世界征服を企む「悪の魔王」(自称)。野望をもってガラリランドにやって来た。
バトルでの特技は、砲から強力なミサイルを発射し、命中した敵にダメージを与えるハイパーミサイルなど。
その他登場人物
ギルダ
CV:野沢雅子
ナルシアの姉(とされる)で、非常に強い力を持つ森の魔女。
緑の木々の奥深くにある館で、妹のナルシアと共に暮らしている。
CV:西村知道
ピエトロの父で、ポポロクロイス第16代国王。
CV:佐久間レイ
ピエトロの母で、ポポロクロイス王妃。竜族。
CV:間宮くるみ
ピエトロの妹で、ポポロクロイス王女。生まれたばかり。
CV:田中秀幸
ブリオニア王国最後の住人。非常に博識で、現在はポポロクロイスで学校の先生をしている。ブリオニアが墜落した以降は、ポポロクロイス城で暮らしながらピエトロたちの冒険をサポートする。
CV:塩屋浩三
ポポロクロイス王国の大臣。やや怒りっぽいが心配性。ピエトロの事をとても気にかけている。
ナレーション
CV:井上喜久子
本作オリジナルキャラクター
CV:関智一
ガラリランドに転移した時に、森で倒れていたピエトロを助けた男の子。口は悪いが、何かと気にかけてくれる、弟思いな性格。
ルーが作った野菜をあちこちの町や村で売っており、顔が広い。ルーの兄。実はルーとは血のつながりのない義理の兄弟。ガラリランドの城の親衛隊長の息子で、ベルクの甥にあたる。
バトルでの特技は、地面に叩き込まれた拳が大地を揺るがし周囲の敵にダメージを与えるアースブレイクなど。主に格闘術で戦う。
CV:保志総一朗
森で倒れていたピエトロにカブのスープを作ってくれた男の子。野菜作りが大好きで、あちこちの町や村で売られるほど腕もいい。
優しい性格。ニノと一緒に森の中で暮らしている。ニノの弟。実はニノとは血のつながりがなく、異変以降行方不明になっていたガラリランド王の一人息子であるルーファス王子だと判明する。
バトルでの特技は、弾に込めた癒しの力によって、ダメージを受けた仲間のHPを回復するヒールドロップなど。武器はパチンコだが、射程は近距離。
青いおおかみ
CV:こおろぎさとみ
窮地のピエトロを救った美しい狼。ピエトロを献身的にサポートし、優しく包み込むように励ます。
物語後半に差し掛かったところで、正体が明らかになる。
カボチャマン
CV:???
ピエトロの前に時折現れる、カボチャマスクをかぶった謎の男。記憶喪失のようだが、どこかあの男に似ている。
マルメラ
CV:井上麻里奈
ガラリランドの女外交官。謎の魔物「黒獣」の対策を携えて、ピエトロの誕生会に現れる。だが、それはポポロクロイス王国で活動しやすくするための表の顔で、実際は闇のグリフォトの手先だった。
パルメラ
CV:佐藤利奈
マルメラの妹。破滅的な性格で予想外の事をする。黒獣の実験に情熱を注ぐ。
デュー
CV:吉野裕行
マルメラの弟。プライドが高くわがままで、メカの改造が好き。
泉の妖精
CV:島本須美
ピエトロと仲がいい、森の泉に住む親切な妖精。時に知恵を貸してくれる。
コニー
CV:川田妙子
ピエトロと行動を共にし、冒険をサポートするガラリランドの妖精。明るく前向きな性格。最初はニノからは快く思われず、コニー自身もニノを快く思っていない。逆にルーの事は初めて見た時から気に入っている。
エリリス
CV:國府田マリ子
ガラリランド・ウルバン地方の「静かなる森の牧場」を守る妖精。中性的で真面目な口調で話す。
ロマリア
CV:西原久美子
ズズール地方の「優しき地熱の牧場」を司る妖精。男っぽくさばさばした口調で、喋り出すと止まらない。
フォートリエ
CV:杉山佳寿子
コルダン地方の「誇り高き風の牧場」を司る妖精。年期の入った口調で話す。
セドナ
CV:折笠富美子
ガラリス地方の「大いなる天空の牧場」を司る妖精。
ゴメル
CV:速水奨
ポポロクロイス城の兵士。ピエトロの世話係のような立場であり、兄貴肌で少し口は軽いが、ピエトロとは非常に仲がいい。
実は、コルダンの町出身で、アンナの兄。コルダンの畑に実りをもたらすために、マルメラに仕えていた。そのため、ピエトロを裏切るが、終盤で一行に協力する。
メイロン
CV:松岡洋子
マシュー村村長。頑固なところがあり、旅人であるピエトロ達の事をあまり歓迎していない。
サーシャ
CV:間宮くるみ
冬の大地に住む少女。自分の家の畑が黒獣に汚され、どれだけ作物を育てても実らず、泣いていたが、ピエトロ達に助けられる。
アントン
CV:小杉十郎太
夏の大地にある町に住むガラリランドの歴史を研究する学者。医者・獣医である夫人がいる。「ガラリスの異変」について重要な話をピエトロたちに話す。
マウリシオ
CV:小林通孝
マウリシオ牧場の牧場主でマユリの父。ズーモへの愛情は誰よりも強い。
マユリ
CV:福圓美里
ズーモへの愛情は父譲り。行方不明の父を心配している。
ベルク
CV:檜山修之
秋の大地・コルダンの街の町長にして英雄。ある城の親衛隊長だった男の弟。コルダンの発展に心血を注いでいる。物語が進むと、ニノの叔父であることが判明する。
キジェ
CV:江原正士
ガラリランドの元参謀。ガラリランドに起こった異変の真相を知っている。
イスカス
CV:小西克幸
闇の塔にある牢にとらわれていた謎の男。キジェやベルクとは顔見知りのようだが…。
彼の正体は、ガラリランド王家の一員で、10年前の事件当時の王弟。ルーの叔父にあたる。賢い男だったが、マルメラと出会い、彼女に洗脳されて取り返しのつかないことをしてしまい、それを悔いて牢に残っていた。
ミレイユ
CV:阿澄佳奈
秋の大地・コルダンの街の住人で、ベルクの娘。アンナと仲が良い。
アンナ
CV:中原麻衣
秋の大地・コルダンの街の住人。ゴメルの妹。町の中の錆びた騎士像に何かを感じている。実際、この騎士像、誰かさんとそっくりで…?
虫おじさん
牧場にいる。ピエトロが集めた虫を渡すと、種類や数に応じて虫スタンプやアイテムをくれる。
ブラックバロン
CV:玄田哲章
ガミガミ魔王の部下。原作漫画版にのみ登場するキャラクターだったが、本作でゲーム初登場&声が付いた。
ガミガミ魔王同様に中年だが、ガミガミ魔王とは正反対に女性にモテる。
ある事情から、失踪したガミガミ魔王を探している。
トリクシー
CV:ゆきのさつき
ブラックバロンの右腕的存在。常に冷静・無表情。ドリルに並々ならぬ情熱を注ぐ。
ガラリランドの女の子達
会話をしたり、プレゼントをあげたりしてコミュニケーションをとることで、仲良くなることができ、それぞれの女の子は、好きなものと嫌いなものがあり、プレゼントするものに応じて反応や好感度が大きく変化する。
ある程度仲良くなれば、牧場へやってきてくれるようになり、冒険や牧場生活に役立つ特別なアイテムをくれる、それぞれの特殊能力が発揮されるなど、ピエトロ王子たちの冒険を手助けしてくれる。作物の世話をピエトロの代理で行ってくれることもある。
どうやらこの女の子達はガラリエルの加護を受けているらしい。
彼女たちと初めて出会った際にはルーンファクトリーシリーズのような初対面ムービーが入る。
レイラ
CV:能登麻美子
冬の大地にある、雪深いマシュー村に住む女の子。純粋な性格で何かを作ることが好き。
村にやってきたピエトロの事が少し気になる様子。
クローディア
CV:加藤英美里
夏の大地にあるゾウン集落で暮らす女の子。大人しく真面目な性格で、本が好き。
大きな町で勉強するのが夢。
エミリア
CV:斉藤千和
ランプリング集落に住む、男勝りで姉御肌な性格の元気な女の子。
父と共に炭坑で働き、鉱石を採っている。
リリー
CV:水沢史絵
秋の大地にあるコルダンに住む、天真爛漫でやや天然な女の子。
ピエトロのことを「ピー君」と呼ぶ。虫全般が大好き。
アイリス
CV:田村ゆかり
春の大地にあるガラリスに住んでいる、気が強い女の子。
ピエトロを「眉は父親似、目元は母親似」と評した。好きなものは実験とネコ。
ガラリランド
季節の異なる4つの大地がある異世界。
花々が咲き誇る春の大地、常夏の太陽が降り注ぐ夏の大地、木々が色づく秋の大地、一面の銀世界が広がる冬の大地に分けられる。ポポロクロイス王国同様、黒獣の被害に苦しんでいる。
黒獣(こくじゅう)
ポポロクロイス王国およびガラリランドに突如として現れた謎の魔物。闇の力を持ち、これによって汚された大地は、生命を育てる力を失う。すなわち、農地が汚されると、そこの作物は実りを迎えることなく枯れてしまう。黒獣の力に侵された土地には黒いもやがかかっている。
大地に住み、各地の「光の牧場」を司り、その力で大地を守る存在。黒獣は闇の力で妖精達を封印し、大地を作物の育たない不毛の地に変えている。大地を元に戻すには、畑の奥に潜む、妖精を封印した黒獣を倒し、妖精を解放する必要がある。
遺跡
当初はガラリランドの4つの大地は、封印されていて行けないが、その封印は「光の牧場」を解放することで解除される。
だが、「光の牧場」の入り口は茨で閉ざされており、残された道が遺跡。奥には遺跡を守るガーディアンが立ちはだかる。
ともしび
妖精の封印を解く光。明かりの灯った「ともしび」を遺跡の前でかざすと、扉を開くカギにもなる。
ガラリランドには4つのともしびが存在。
ガラリス王家
ガラリランドを修めていた一族。しかし、光のガラリエルに異変が生じて以降、王族は全員行方が分からなくなっていた。
王家の者は全員、「ひかりのゆび」と呼ばれる力を持っており、黒獣に対抗でき、光のガラリエルの加護を失った畑でも作物を実らせることが出来る。(もしかしてアースマイトなのかもしれない)
闇のグリフォト
CV:斎賀みつき
あらゆる生命を喰らい尽くす邪悪な存在。ガラリランド全域に黒獣を解き放ち、大地を汚してその力を糧に生きている。
光のガラリエル
CV:玉川紗己子
ガラリランドを守護する存在。闇のグリフォトにより、4つの大地とその大地を守護する妖精を封印され、力を使えなくなってしまっている。
妖精コニーが管理していた牧場の封印を解いた事で、ピエトロの力を借りるため、夢を通じてお告げを伝える。