概要
藤子・F・不二雄大全集4巻に収録。
大きさの箱と細長い筒のセット。箱の方には側面に互いが四次元空間で繋がっている3つの穴が開いて、筒には中央にレンズが備えられている。箱の中で座り、上の穴に目を近づけ、真ん中と下の穴に片手と片足をそれぞれ差し込むと、筒の両端からその手と足が飛び出し、筒のレンズの見た光景が使用者の目に映る。これにより、この筒をもうひとつの体として自在に操り、歩き回ったり、家にいながらにしてあちこちの光景を見たり、物をつかんだりすることができる。
ストーリー
のび太は『小学四年生』の五月号を先月の3日に貸したことを訪ねると、ジャイアンは始めは頭を悩ませていたが、思い出したと言うと、だいぶ前に返したと言い出した。これにのび太が「嘘だ」と言うと怒って胸倉をつかんできて、通りかかったスネ夫も訳を聞くとのび太の方が悪いし取り消して謝るべきだと主張して来たので、仕方なくのび太は土下座をして謝ることとなってしまった。
帰宅後泣きながらこのことを説明するとドラえもんは、返してもらっていないのは確かなことを確認すると、「マジックボックス」の一組を取りだした。試しに時分が入り、壁の穴に左足を入れると筒の方からその足が飛び出して来て、ぴょんぴょんと歓談を下って、同じ要領で出した腕も使ってママの眼鏡を取って帰ってきた。
さっそくのび太もこれを使ってジャイアンから例の本を取り戻すことにし、野比家の前でこれを目にしたしずかは驚いていたが、そのままジャイアンちへ到着。勝手に戸が開いたことでジャイアンの母ちゃんは不思議そうにしていたが、このままジャイアンの部屋へと移動し例の本を回収した後、仕返しをするためジャイアンを背後から蹴っ飛ばした。
これにジャイアンは怒ったものの辺りに人の姿はなく、怪しいと思ったこの筒を窓から放り捨てた。するとそこにスネ夫が通りかかり、ジャイアンにだいぶ前に貸した『こども百科事典』を返して欲しいと訪ねて来た。またもジャイアンは返したと言い張っていたが、のび太は本棚からこの本を持ち出し、スネ夫の手に持たせた。
これによりスネ夫はジャイアンから殴られることとなったが、ジャイアンも母ちゃんから説教され、この最中にのび太が出した手で体をくずられたので更に叱られることとなった。この時ジャイアンは手の存在に気付き捕まえて、怒りながらのび太のもとに向かったが、この途中でのび太が出した足が犬の尻を蹴ったことで、ジャイアンはこの犬に追われることとなり、のび太は部屋の窓から「そんな筒知らないなあ」とジャイアンに言っていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版ではアニメ化されず、水田版にて、2018年11月2日に放送されたのが初のアニメ化となった。
2018年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトルでは、のび太は左の方の穴に手足を入れている。
- ジャイアンがのび太から奪った漫画は具体的な名前は言われなかったが、後に『ベガくん』であることが判明した。
- ドラえもんが手足を入れたり覗いたりした穴は原作とは全て左右逆になっている。ちなみにママは机に新聞を乗せて読んでいて、のび太はドラえもんに頼まれてこの箱を使い、ママに眼鏡を返してから漫画を取り返しに向かっている。
- しずかは焼き芋を買っていて、ちょっと買い過ぎたかもと言っていたので、のび太は一つ持ち去って食べている。そしてこの後、棒を犬に見つけられ、その飼い主に犬の遊び道具として投げられてしまったので、目を回すことになった。だが足を噛まれてしまったので、急いでドラえもんが取り返しに行き、ジャイアンの家まで運んで行った。
- ジャイアンは大福を食べながら漫画を読んでいた。
- のび太が漫画を取り返せた際ドラえもんは読み終わったらこの漫画を読ませてと頼んでいて、この道具も返してと頼んだが、原作通りのび太が仕返しに使った。
- のび太はこの道具を使ってジャイアンが食べていた大福を食べたり、バットで殴ろうとしたがバットを手に取った際、ボールが転がったのでジャイアンはこれを踏んづけて転んでいる。
- ジャイアンは筒を見つけたが、ドラえもんの道具だとは気付いておらず、ストレスを発散するためこれをマイクカバーにして歌い出したため、ドラえもんとのび太はこの歌を聞いて苦しむこととなった。このためジャイアンが犬に追いかけられる下りは描かれていない。
