概要
本名：北村克巳（1960年10月6日～2000年8月3日）
身長：173cm
血液型：B型
東京都出身の日本の元ボディビルダーでタレントでもあった。アジア人としては規格外のバルクと怪力を誇った、知る人ぞ知る伝説のボディビルダーである。
来歴
幼少期は特に取り柄のない目立たない子だったらしい。手先は器用で日曜大工や裁縫が得意で、電気屋が廃棄したオーディオやテレビ、ビデオ類をあっと言う間に修理してしまう程だった。
小学校から高校まで東京学芸大学の附属校で過ごす。校内ではダントツの体力の持ち主で、水泳、マラソン大会では独壇場。中学の健康診断の肺活量測定では、唯一一人だけメーターを振りきってしまい、測定不能だったという。成績もトップクラスで親にも従順。理想的な優等生であった。
中学2年生の夏には連続16時間という無謀なサイクリングに挑戦。携帯していた牛乳が腐っていたことに気付かず一気飲みしてしまい、最終的に意識を失い病院に担ぎ込まれてしまった。以来、彼の一番テーマは「限界への挑戦」へと変わり、それが元でたびたび親と衝突を繰り返すようになる。
サイクリングに劣らない常軌を逸した猛勉強の末、2浪して晴れて東京大学理科2類に合格した。しかし、目標を失いふらふらしていたところ、東大ボディビル部の先輩と偶然出会い、進められるまま関東学生選手権に出場する。が、55kg程度の身体ではまるで大人の中に子供が混じっているような状態で、恥ずかしさと情けなさで泣きそうだったという。
そこから北村のボディビルダーとして本格的に始めるきっかけとなり、その日以来東大に通わず、日雇いのアルバイトで金を稼ぎ、その金を大量の卵、サバ缶、牛乳、プロテイン、そしてそれらを強引に吸収させるための消化酵素（強力わかもと）に変え、貪る様に流し込み狂ったようにトレーニングする日々が続いた。初めはいつも満腹状態で吐き気を催すような状態だったが、そのうちわかもとを飲まずとも胃もたれしなくなったという。
ボディビルに専念するため東大を中退したが、家族の目があまりに厳しく、また人の役に立つ人間を志すようになり、東京医科歯科大学医学部を受験し直し（一発で受かるところが凄いが）、入学するもやはりボディビルを優先するあまり2年で中退。その際も、父親が彼の部屋のトロフィーや盾の類を外に投げ捨てた事もあったという。
1985年のアジア選手権でライトヘビー級の称号を獲得したのち、芸能活動も始めた。
1999年、NPCトーナメント オブ チャンピオン 強大な外国人が連なるヘビー級において3位入賞を果たした。
しかし、2000年8月3日、同大会での優勝を目指し過酷な減量を行った結果異常な低血糖状態となり、心不全（急性心不全）を起こし死亡した。享年39歳。彼が亡くなった時の体脂肪率は3%を下回っていたという。
亡くなる数日前にも倒れて病院に運ばれていたことがあり、実妹から「目眩がしたら飴一個でも摂って」と言われていたが、彼は「僕は、そんなわずかなカロリーすら摂取したくないんだ」と断る徹底ぶりだった。
関連タグ
愚地克巳：『グラップラー刃牙』の登場人物。名前はマッスル北村の本名に由来しており、連載前に彼のもとに取材をし、様々な筋肉を模写して作画の参考にしている。作者の板垣恵介はその時に腕相撲をした際、北村の計り知れないパワーに驚嘆したとのことであった。
