「お前ならできる。約束だぞ」
CV:草尾毅
概要
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に登場したガミラス人。劇中時代では既に故人。ガミラス総統であるアベルト・デスラーの実兄。死没後に生まれたが、息子にランハルト・デスラーがいる。
アベルトとは歳が離れており、アベルトが8歳の頃には既に成人に近い姿だった(小説版によると8歳差。ただし設定画は8歳のアベルトの隣に25歳くらいのイメージで描かれている)。少なくともアベルトが14歳の頃には既に結婚していて、子供も授かっている。
天才的な戦術家として「統一戦争の英雄」と評されるのみならず、人格面でも優れており、大きなカリスマを持っていた。
その優秀さから叔父であるエーリク・ヴァム・デスラーの後継者と目されており、エーリクら重鎮が交わしている「血の誓い」を彼も交わしている。
ある日、血の誓いを交わした者のみが参加できる会議に8歳のアベルトが忍び込み、よりにもよってガミラス星の寿命が残り少ないという重大事実を聞いてしまう。血の誓いを交わしていなかったアベルトは掟に従って殺されそうになるが、直前でマティウスが制止。アベルトに血の誓いを交わさせ、ガミラスの未来を共に背負うことを約束させることで彼を助けた。
この一件により、兄弟はガミラスのため手を取り合っていくことになるが、そのわずか6年後にマティウスは若くして死没(小説版によるとテロが原因)。さらにその4年後にはエーリクも死没してしまい、ガミラス民族の存続という重責は全てアベルトに圧し掛かることになってしまった。
マティウス・アベルト兄弟は周囲から何かと比較されており、「マティウスは陽でアベルトは陰」と評されていた。さらに彼らの母親であるアデルシア・デスラーは、亡き夫の面影があるマティウスにのみ愛を捧げ、アベルトのことはなおざりになっていた。そのためアベルトはマティウスのことを若干妬んでもいた。
しかし兄弟仲は決して悪くはなく、アベルトにとっては妬む以上に尊敬する大好きな兄であった。兄への暗い想いも厳密には妬みというより兄と違う世界に置き去りにされることへの拒否感の方が強い。
アベルトが独裁者になってまでガミラス民族の存続のために奔走し続けたのは、何よりも兄との約束があったからである。ガミラス総統となった後、マティウスの妻がアベルト暗殺を企てた際も、兄への想いから命を奪うことはせず、表向き処刑したように見せかけて息子ともども追放した。
続編の『宇宙戦艦ヤマト2205』でも、約束を交わしたシーンがたびたびデスラーの脳裏に過っている。