概要
イギリスでポピュラーな栄養食品。濃い褐色の水飴状の液体である。
元々イギリスではビール醸造の過程で発生した沈殿物(酵母)を食べる習慣があったが、これがマーマイトの原型と言われている。
こう見えても、
- 顕微鏡が発明される→酵母という存在が明らかになる→「あれ?じゃあこの酵母の中身を煮詰めたらものすごい栄養剤になるんじゃね?」→マーマイト誕生
- ビタミンという物質が発見される→マーマイトはビタミンBの宝庫→「ビタミン摂取にマーマイト」で宣伝
- 工場の機械化による大量生産が当たり前になる→マーマイトを大量・安価に供給できるようになる
というように、科学の発展と密接な関わりを持つ食べ物である。
イギリスにおいてはメジャーな食品であるが、発酵食品の常として、イギリス国内でも好みが分かれる。日本における納豆と似た立ち位置だと言える。
味
強い塩辛さとほろ苦さ、そして濃いうま味が特徴。独特の香りがあるが慣れると癖になる人も多い。基本的にはトーストの上に薄く塗るもので、厚くベタ塗りする人は初心者扱いされる。
同じ発酵食品であるチーズやバター、醤油などと合わせるとまた違った味わいとなる。ピーナツバターと合わせる人もいる。
少量を隠し味として使えば、料理にコクを与えて深みが増す。濃い味のソースとは特に相性が良く、カレーの他、デミグラスソースに使うのもおすすめ。
日本人からすると、味・香りは「焦がし醤油」や「ものすごく癖の強い八丁味噌に近い」との感想もあり、名古屋人には受け入れやすいという話もある。
余談
- メーカーは好みが分かれる点を逆手に取り、「マーマイト好き専用サイト」と「マーマイト嫌い専用サイト」を製作しそれぞれの思いをぶつけあうという広告を行っている。
- 見た目から、外国人とくに留学生がチョコレートと勘違いする場合があり、何も知らずに大量にトーストに塗りたくっての一口目にて痛い目を見る、という光景がぼちぼち発生する。
- 著名な愛好家にエルトン・ジョンがおり、国外でのライブツアーの際は必ず携行するという。
関連タグ
ベジマイト - オーストラリア版マーマイト。少々味が異なる。
ビタマイト - ニュージーランド版マーマイトの輸出時の商品名。イギリス版より少しマイルドな味付け。
アワメイト - イギリス版マーマイトのニュージーランドでの商品名。
セノヴィ - スイス版マーマイト。
ボヴリル - 牛出汁版マーマイト。
エビオス - 日本版マーマイト。他と違い薬(乾燥錠剤)として作られているため飲みやすい。