概要
主人公の1人レッドの宿敵である組織「ブラッククロス」。よくある昔のヒーローものに登場する悪の秘密結社的存在であり、強力な幹部4名で構成された「ブラッククロス四天王」がいる。彼はそのうちの1人で、武士の心を持ったメカ。
経緯
この世界におけるメカという存在は、心臓部となる「コア」+身体を構成する「ボディパーツ」で構成されており、人格はコアに依存する。そのため、コアの知能によっては人間のような振る舞いもする。しかし、製作者であるDr.クラインは、人間の精神的強さをメカで再現しようと試み、もっと本格的な「心を持つ人格」を作り出そうとする。そしてついに「武士の心」をメカに搭載することに成功し、四天王の1人とした。
そうした製作経緯があるため、性格は非常に正々堂々とした武人の中の武人であり、FF4のルビカンテなどとよく似ている。最初にレッドが京の書院で出会った時には、自分の素性を隠しながらも、ブラッククロスに四天王がいることを敵であるはずのレッドに教えた。これは「自分がレッドのことをよく知っているがレッドはブラッククロスのことを知らない」ため、「レッドにブラッククロスの情報を教えることで互いのことを知った状態でフェアに戦いたい」という理由から。
とはいえ、悪の組織の四天王。やはり裏では悪事を働いており、書院の裏手に隠された基地では麻薬を大量に栽培していた。ブラッククロスの資金源を担う役割をしていたわけである。この基地を爆破したレッドに、突如襲い掛かる。戦闘では全体攻撃の「ムーンスクレイパー」が強力かつ印象的。
これに敗れるも、メカはコアさえ無事ならば修理やパーツ交換で復活できる。後にレッドがブラッククロス本拠地に向かう為、戦闘員のスーツを着込んで敵のシップ・ブラックレイに潜入するも、彼はこれを簡単に見破り、レッドを自ら追い詰めようと、重火器スタイルの「メタルブラック改」になって再び戦いを挑む。
なお、本作のメカ系エネミーの例に漏れず、自パーティーにメカ種族がいる状態で勝利するとプログラムを入手可能。メタルブラック(初戦)からは「猛虎プログラム」を、改からは「龍神プログラム」を覚えられ、メカ用パーツ「オクトパスボード」と同時装備する事でそれぞれ「タイガーランページ」「メイルシュトローム」が使用可能になる。
リマスター版のヒューズ編「ブラッククロス壊滅」でも同じ立場で登場するが、麻薬生産については「与えられた命令を遂行した」というものでしかなく、ヒューズによって工場が破壊されると「どこか晴れやかだ」と自分の心情を吐露しており、麻薬の生産を自らの意志で行ったわけではないことが強調された。
メタルアルカイザー
CV:速水奨(LORD of VERMILION ARENA/LORD of VERMILION Re:3)
そして本拠地のブラッククロス基地でも早くも復活し、彼は三度改造を受けていた。
その名は「メタルアルカイザー」。それは、究極の強さを生み出そうとするDr.クラインの夢と野望の結晶であった。そして、戦いの中で最強の戦士になるには、アルカイザーのコピーを生み出すという結論に達する。直前での復活したブラッククロス四天王との連戦で疲弊したアルカイザーの状況に付け込む絶好のチャンスではあったが、傷ついたアルカイザーを倒しても最強の証明にはならないことから、アルカイザーを回復させて戦いを挑む。
この、あまりにも正々堂々とした性格は、世が世なら致命的な弱点だが、しかしDr.クラインは「その心を失っては最強にはなれん」と評する。良くも悪くも、ブラッククロスという組織が、悪の組織ながらも独自の治安が保たれている証拠でもあろう。
戦いではアルカイザーの能力をそのままコピーしたかのような攻撃技が多く(例:ディフレクトランス→グライダースパイク、アル・ブラスター→サンダーボール)、特にアル・フェニックスを模倣した「ダークフェニックス」はかなり強力。
ただし攻撃パターンが完全ローテーションになってしまっており、慣れたプレイヤーには自身本来の必殺技にして唯一の全体攻撃「ムーンスクレイパー」も事前に対策されてしまうなど弱体化とも取れる点が見られる。やはり模倣だけでは限界があったのだろうか……
そしてそれを突きつけるかの如く、アルカイザーは激闘の中で究極のヒーロー技「真アル・フェニックス」を編み出すのだった(ダークフェニックスを使われた後でアル・フェニックスを選択すると変化する)。
彼を倒した時のアルカイザーのセリフ「メタルアルカイザー お前は強かったよ しかし間違った強さだった」は有名。また特にメッセージは無いが、この時もパーティーが全回復する(それらしいエフェクトは出る)。
ファンの考察によればこの光はメタルアルカイザーが死の間際に発動したファイナルクルセイド(自身のLPを1消費し、味方を全体回復するアルカイザー専用技、類似技に命術のサクリファイスが存在)であり、メタルアルカイザーがヒーローに相応しい心を得た事による奇跡だとか
公式からは一切言及されていない為、ファンによる創作の域を出ないが、如何にもヒーローモノの特撮にありがちな考察であるため非常に支持を得ている説である。
…前二形態と違い撃破後のプログラム入手は不可能だが、これも「単純なメカを越えた存在になった」と解釈すれば良いのだろうか。
インペリアルサガ/エクリプス
メタルブラック
当初はブラッククロス四天王であったが、もののふの心を持っていたため組織の活動にやがて疑問を抱くようになり、自ら組織を抜け1人でさまよっていた。
Dr.クラインはこれをあえて止めず、自我を持って活動するようになったことに満足していたようである(おそらくこの一件がきっかけで、Dr.クラインは原作と違って狂った研究を最後には踏みとどまった)。
他の四天王から裏切り者として追われる身になるが、レッドに助けられたことでアルタメノス帝国に加わる。
その後はレッドの特訓に付き合ったり、唯一逃げ延びていた四天王アラクーネを討つなどの活躍を見せている。
ディスノミアにおいては、帝国側でレッドがアルカイザーであることを知る数少ない存在。ほかにはメカドックおよびヒューズがおり、フルブライトも明言ことしないが知っている事を匂わせる発言をしていた。
エクリプスの舞台ディミルヘイムでも人間の側に立つもののふとして活動しており、記憶を失い敵対勢力の真影帝国に身をやつしたDr.クラインの前に偶然現れたことで、クラインが記憶を取り戻すきっかけを作る。
記憶を取り戻したクラインが再結成したブラッククロスには参加せず、シュウザーが襲撃をかけたときもあくまでアルカイザーの仲間として戦った。
メタルアルカイザー
破壊のためだけに活動するブラッククロスが、「殺戮機械としてのメタルアルカイザー」として作り上げている(原作と同じ個体だが、設計がそういうものになっている)。
しかし手がけたDr.クラインがその方針に内心抵抗しており、メタルブラックの人格移植をしていない。のちにキューブのエネルギーを得て人格なき状態で活動を開始し、アルタメノス帝国を急襲したことで、メタルブラックたちに撃破された。
その後機体はレオナルド博士に修復されたものの、
メカドッグを用いた検証の結果、このボディはメタルブラックの人格の移植を前提としているだけでなく「思考回路を最適化する機能」があることから、
メタルブラックの人格が原作通り移植されれば、メタルブラックの人格はボディの機能で変質させられ、やがては彼の持つもののふの心とは無縁の殺戮機械に成り果てていく「間違った強さ」になる。
Dr.クラインはそのような事態を避けるために、このボディに対応した別のコアを設計しており、当初は空っぽの状態でメタルブラックが保持していた。
しかし、そのコアにかつてシュウザーに取り込まれ電脳冥界に霧散していた小此木博士の意識が宿り、コアを移植して小此木博士の意識を持ったメタルアルカイザーが誕生。メタルアルカイザーを奪っての復活を目論んでいた真の首領を、自ら編み出した「真ダークフェニックス」により撃破する。
小此木博士は、いずれ自分の人格が強制的に変えられた末に殺戮機械になることをおそれ、ボディにリミッターを設定。これにより殺戮機械としての役割を終え「新たな正義の戦士」として帝国の傘下に加わった。
関連タグ
サガフロンティア ブラッククロス 小此木烈人 ベルヴァ シュウザー アラクーネ Dr.クライン
セアト:同じく戦闘BGMがBattle#5。だが場違いだとネタにされている。