概要
2010年07月01日にニコニコ動画へ投稿された、小雨大豆と酔狂倶楽部制作【酔狂文庫:【ショートショート】ビックフット】内のショート動画「ビックフット」の後日談。
※記事内の画像はイメージです。
ビックフット(後日談)
信じられないニュースが入って参りました。
ロイター通信社の報告によりますと、昨日未明。カナダ、ロッキー山脈の雪山で発見されたのは、なんとあの……
ニュースのタイトルには"アビシニアン航空機墜落事故"と映し出された映像。
そこは生物が生息しているのか疑われるような真っ白で幾つもの山々が画面の隅々まで広がる景色。そんな雪山の中に不自然な土色をした筋が映し出されていた。
空から突然何かで抉られたかのような跡にもみえ、自然に出来たとは思えない光景だった…。
飛行機は一ヶ月以上前にロッキー山脈の山奥に墜落し、生存者はいないと考えられていましたが…
先程、墜落現場から40キロも離れた地点で……
救助された子どもの回想では、墜落する機内の中でお父さんとお母さんが身を呈して自分を守ってくれたのだという。だから飛行機が墜落した時、乗員の中で彼だけが命をとりとめる事が出来たのだ。
だが異国の地で一人だけになってしまった子ども。
事故で自分のお父さんとお母さんも死んでしまい…
彼は悲しくて…
悲しくて……
ケガよりも火傷よりも、何よりそれが一番……辛かったのだそうだ。
そんな中、一人の小さな生存者を支えてくれたのが〝ビックフット〟だった。
雪山の中で、一つの小さな命が今こうして生き長らえたのはビックフットのおかげだったのだ。
それは飢えや寒さを凌ぐ以上に、一匹のUMAの存在が一人の人間を悲しみから救ってくれたのだという。
" ビックフットがいなかったら間違いなく彼は生きてはいなかったのだろう。 "
因みに、救出された子どもは大人達に「どうやって雪山で生活していたのか」何度も聞かれ、その度に『ビックフット』の事を語っていた。もちろん大人は誰もそんな人ならざる者と一緒にいた話を信じなかった。彼もだんだん面倒になってきたのか「寝て起きたら一ヶ月経っていた。」という事に切り換えた。
時は流れ、ある家庭の日常。
それは中学生がお爺ちゃんの家で暮らし、ご飯を食べて、テレビを見て、春休みの宿題に追われている場面。
この男子学生は鉛筆を鼻の下に挟んでやる気がない様子でー
なんて事を考えていたら、彼のお爺ちゃんが見ていたテレビから男性の緊迫した声が聞こえてきた…
それはUMA発見隊が雪男調査のためにカナダ・ロッキー山脈の雪山に登った内容だった。
調査には隊員達へ襲いかかる数々のアクシデントがあり…
降り積もる雪に足を奪われ、
遂に我々UMA発見隊が見つけたのが、
この……
雪男である。
しかしテレビの画面には、赤いマフラーを付け雪を山の形に積んだ変な雪だるまが映っていた…。
" またこんな事でお茶を濁されたとお思いの視聴者の諸君 "
と、強きな様子で前置きをする男性隊員。今回この発見が本物の雪男の証拠と核心する理由を語る。
それは…
この雪だるまが発見された場所がなんと……
隊員によると、なぜこのような場所に雪だるまがあるのか、依然ハッキリと分からないらしく……
このニュースをお爺ちゃんの家で見ていた男子中学生は懐かしむ様な笑顔をみせていた。
それは昔、異国の地で仲良くなった親友に教えてあげた物に似ていた。更にこの雪だるまには、そいつと別れる時にあげた赤いマフラーを付けていた。
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b・よこいずむ者 0:40~
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「僕」の友達だ。