ワイル病
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わいるびょう
レプトスピラという細菌による感染症。
ワイル病(ワイルびょう)は、レプトスピラという細菌の感染によって起こる感染症である。正式な病名は黄疸出血性レプトスピラ症(おうだんしゅっけつせいレプトスピラしょう)。
世界中で発生がみられるが、特に熱帯地域の発展途上国での流行が多い。日本での発生は比較的少ないが、沖縄では散発的に流行することがある。下水道工事関係者や畜産関係者の患者が多く、職業病のひとつである。
この病気はヒトだけでなく、ヒト以外の動物も発症する。レプトスピラ症にかかっている動物の糞や尿で汚染された土や水が、体の傷や粘膜に触れることで感染する。特にねずみが多い場所では、レプトスピラに感染したねずみの糞や尿からうつる可能性が高くなる。沼や湖での水泳、急流でのラフティングやカヤックなど、水関連のレクリエーションで感染することが多く、特に洪水の後が危険。ちなみに、人から人への伝染はまれ。
レプトスピラ症の初期には、発熱・頭痛・筋肉痛・嘔吐・下痢など、インフルエンザと似たような症状があらわれる。多くの場合、軽症のまま1週間程度で回復する。
しかし、ときにワイル病と呼ばれる重症型に進行することがある。ワイル病では肝臓と腎臓が侵され、黄疸(皮膚が黄色くなる)および全身の出血傾向(鼻血・歯茎からの出血・体中にあざができる)がみられる。ワイル病の致死率は10%以上と高く、危険な病気といえる。また、その症状から、エボラ出血熱や黄熱病との鑑別が難しい場合がある。
菌をやっつける薬を服用するが、早期に(ワイル病になる前に)行う必要がある。
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