概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。TC『ドラえもんプラス』4巻及び、藤子・F・不二雄16巻に収録。
様々な交通標識を模したステッカーで、標識の裏に対象者の名前(ジャイアンのような愛称でも可)を書いて部屋の扉や壁などに貼り付けると、その標識の効果が対象者に現れる。
種類
「進入禁止」のみのび太に、それ以外は全てジャイアンに使用。
- 進入禁止
「車両進入禁止」を模したステッカー。ドアに貼り付けると、対象者はその部屋に入ろうとしても通り過ぎてしまい入れなくなる。
- 警笛ならせ
「警笛ならせ」を模したステッカー。対象者がクラクションのような鳴き真似をさせられる。
- 矢印の方にだけ、進め
「指定方向外通行禁止」を模したステッカー。対象者は矢印が書かれた方向にしか進めない。
- ゆっくり進め
「徐行」を模したステッカー。対象者の動きがスローモーションになる。アニメ版では言葉もスローになっていた。
- 車をとめるな
「駐停車禁止」を模したステッカー。対象者はステッカー付近に止まることが出来ず、止まろうとしても勝手に走り出してしまう。
- すべりやすい
「すべりやすい(スリップ注意)」を模したステッカー。対象者が勝手に転んでしまう。
- 落石注意
「落石のおそれあり」を模したステッカー。対象者の頭に物(作中ではバレーボール)が落ちてくる。
- そのほかの危険
「その他の危険」を模したステッカー。対象者に他の標識にないトラブルが起こる。作中ではジャイアンが母ちゃんと先生と犬に追いかけられるはめになった。
ストーリー
のび太はスネ夫からジャイアンの機嫌が悪いから家に引っ込んでいた方がいいと忠告されるも、こんな天気の良い日にジャイアンのことなんかと、全く気にせず引き返さなかった。だがその直後本人に遭遇してしまい、さっきのことを聞かれていたため、追いまわされてしまった。何とか逃げ切って家の中に入り、昼寝をしようと自分の部屋に向かったが何度やっても全く入ることができなかった。
するとそこにドラえもんがやって来て、ドアに交通ひょうしきステッカーの「進入禁止」を貼っていて、この裏にのび太の名前を書いていたからだったと説明される。それは留守中のび太からどら焼きを守るためだったが、のび太はこのステッカーにジャイアンの名前を書いて町中に貼ることにし、貼り終えると皆と空地で遊び始めた。
するとそこにジャイアンがやって来たが、「警笛ならせ」のステッカーのおかげでジャイアンの存在に気付くことができ、その後のび太は「矢印の方向へ進め」や「徐行」、「駐車禁止」のステッカーを利用ジャイアンを挑発、翻弄した。
けれどもそんな中のび太は空き缶につまづいて転んでしまい、ジャイアンに迫られてしまう。だがそこに先ほど貼ったステッカーを集めて体に付けた男の子がやって来たため、ジャイアンは飛んできたボールが当たって転んでしまい、更に母ちゃん、先生、そして犬が怖い顔をして迫って来ていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1987年6月19日に、水田版は2024年3月9日にそれぞれ放送している。
1987年版
- サブタイトルが「交通標識ステッカー」に変更
- 冒頭にはボールで遊んでいたスネ夫が店番中のジャイアンを挑発し、追いかけられる下りが追加されている。だがこの後ジャイアンはすぐ店番から解放され、のび太と遭遇した。
- 進入禁止のステッカーを貼った目的を聞かされた際、のび太はちょっとすねた様子だったがすぐに気を取り直している。また。ドラえもんがのび太に説明した標識は「徐行」、「駐車禁止」、「滑りやすい」、「落石注意」、「その他の注意」であった。
- のび太がステッカーにジャイアンの名前を書いた際、最初は注意しようと思ったが、すぐに自分も乗り気になっている。このためステッカーはドラえもんも協力して町中に貼っている。
- 空地に来た時ジャイアンは買い物中で、ドラえもんものび太と一緒にジャイアンをからかっている。
- ジャイアンは立ち止まれなくなったことで、母ちゃんから頼まれた配達ができなくなってしまった他、0点のテストを注意しに来た先生をスルーしてしまったり、犬の尻尾を踏んでしまったりしていて、これらのことでラスト3人がジャイアンに迫る型になっている。
- この様子を見てのび太は「ちょっとやり過ぎたかな?」、ドラえもんは「まぁいいんじゃなのの、たまには」と言っている。
2024年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトル画面左斜めからのアングルになっていたため、人物の並び順は一緒だが、視線はそれに合わせられている。
- ジャイアンは「俺のために殴られろー!」と言って、のび太を追いかけた。
- のび太は「警笛」のステッカーを空地前の電柱に貼っていて、その後「止めれ」と「安全地帯」のステッカーも使ってジャイアンをからかっていた。またこの時のび太は、自作のクッキーを叔母さんの所に持っていく途中のしずかと会っていて、ジャイアンから離れた後、ご馳走になっている。
- ジャイアンのもとへた、野球ボールだけでなくサッカーボールも飛んできていて、この後すぐ持ち主の男子たちが謝りに来ている。また、犬がこの場にやって来たのは、走るのを止められなくなったジャイアンに自分の骨を蹴っ飛ばされたから。