概要
光覇明宗で(蒼月紫暮をのぞいて)最強と言われた人物。 本名はキョウジ。
光覇明宗大僧正・和羅(にぎら)の兄だが、人間を守るためではなく、力を振るって妖怪を滅ぼすことにだけ興味を示し、一般人が傷つくことも厭わなかったため破門となった破戒僧(破壊僧でもある)。
和羅の兄という立場とその強さにより破門後も妖怪退治を依頼されることも多く、その和羅や彼の側近をして「法力だけは最強」と言わしめている(もっとも実際の戦闘力自体、和羅を遥かに上回るのだが)。
経歴に違わず非常に暴力的かつ好戦的な性格で、柄も口も悪く、基本的に口より先に手が出る危険極まりない男であり、人探しの際も最初に一般人を殴ってから尋問したり、気に入らない人間は罵声を浴びせながら殴り飛ばして踏みつけたり、女であっても全く容赦せずに平気で顔面を殴りつけたり、命乞いする妖怪を封印せずにそのまま滅し尽くす等、その暴挙は枚挙にいとまがない。
そんな凶暴な凶羅だが、実は子供の頃に孤児だった彼は弟の和羅と共に日崎御角に拾われた過去があり、さすがの凶羅も「ババア」などの悪態は吐くものの彼女に対しては頭が上がらず、久しぶりに再会した際にはバツが悪そうに視線を逸らしたり、泊まっていくよう促された時は反発しながらもぶっきらぼうに応じるなど、まるで反抗期の息子のような一面を覗かせる事もある。
昔は和羅との兄弟仲も良い子供であったが、法力比べの際に誤って和羅の顔に火傷を負わせてしまった事があり、その時に御角から力の使い方を説かれていたが、兄として仲の良い弟に一生消えない傷痕を負わせてしまった事は彼のトラウマにもなっているようであり、荒んだ性格となったのもこれが原因とも思われる。
和羅は当初潮を獣の槍の伝承者として認めていなかったため、凶羅に獣の槍の奪還を依頼、最初は強大な法力によってとらを絶体絶命にまで追い詰めるが、獣の槍の声に応え、槍の力を発動した潮に敗れる。
和羅が潮を獣の槍の伝承者として認めた後でも潮ととらを倒すことに執念を燃やし、非常に強力な規格外の武法具「穿心角(せんしんかく)」を手に再び戦いを挑む。
しかし山魚との戦いによって勝負は中断、そのまま決着はつかなかった。
くらぎが本山を襲った時にその場にいたが、法力僧達がくらぎに放った拘束用の法術「月輪の陣」を弾き返され他の法力僧共々動きを封じられてしまう。
その間くらぎと日崎御角が対峙し、凶羅は拘束された自身の足を切り捨ててでも助けようとしたが、間に合わずに御角は力尽き、凶羅は悪態をついて姿を眩ました。
最終決戦時に人知れず参加し「結界のもっとも弱い部分」をたった1人で防衛。
数多くの黒炎の屍の上で「いつもオレは、バカどもの尻ぬぐいだぜ―――」と呟いた後、
御角から説かれた力の使い方や潮ととらとの戦いを振り返りつつ、誰にも看取られる事無く力尽き、絶命した。