概要
てんとう虫コミックス13巻及び、藤子・F・不二雄大全集4巻に収録。
ストーリー
のび太は持っていた宝の地図を怒りながら破り始め、一緒に宝を求め穴を掘っていたドラえもんから四月バカでスネ夫達に騙されていたことを説明する。のび太はこんな大穴を掘って損したと愚痴を言うが、その時向こうの方でおとが音がしたため振り向くと、そこには懸命に崖に穴を掘っている老人がいたため、僕らの仲間がいると騙されていることを説明しに行く。
だが老人から化石を掘っていたことを聞かされると、ドラえもんとのび太は夢中になって掘り始めたため、老人に怒られてしまった。文句を言いながら帰宅した2人はママから早く昼食を済ませるよう言われ、昼食を食べ始めるが、のび太の閃きで焼き魚の骨やみそ汁に入っていた貝殻を庭に埋め、上からタイムふろしきをかけて化石を手作りし始めた。
2人はまだ老人があの場所で化石を掘り続けているのを確認すると、そこで変な石ころを拾ったと、作った化石を見せ始めた。すると老人は大発見だ!と大騒ぎしだし、更に化石は何億年も昔の生物の姿なので、魚や貝も進化していない原始的な種類であるべきなのだが、これらの化石は現在の姿と全く違わず、こんなのは世界でも初めてだと大興奮だった。
ドラえもんはタネ明かしをしようとしたがのび太に止められ、2は笑いをかみ殺しながらその場を去り、町に戻ると我慢するのを止め一気に大笑いした。そしてその時のび太が捨ててあったゴミを見つけ、これらも使ってもっと面白い化石を作ろうと言い出した。これにドラえもんは「いくらなんでもすぐばれるよ」と言ったが、そこでエイプリルフールだと打ち明けて大笑いするんだと言われると、それならと先ほどと同じ方法で化石を作り再び老人の元に持って行った。
だがこの時老人はいなかったため、その場にに埋めておくことにした。するとその最中に老人が娘を連れてやって来て、ドラえもんとのび太は彼女から父親は子供の頃から古生物学者になるのが夢だったが、色々な事情でそれが叶わず年を取った今になってやっと好きな研究ができるようになったことを説明されてしまう。話を聞いたドラえもんとのび太は打ち明ける状況ではなくなってしまったことに慌て出し、どちらが打ち明けるかでもめ出したが、一、二の三で一緒に打ち明けることを決意。
しかし言い出そうとすると、老人がリンゴの芯の化石を発見し、リンゴは外国から近代になって入って来た植物だが、これから古代の日本にもリンゴがあったことになる!と力説し出した。更に続いてのこうもり傘もコウモリそっくりだから始祖鳥以前にもいたことになるや、缶ジュースの缶はオウムガイの一種、ほうきは巨大なウミユリだと勘違いし、世界の古生物学者はひっくり返る大騒ぎだと、娘と一緒になって感激しだしてしまった。
これにドラえもんとのび太は「聞いてよっ」と叫んで、とうとう四月バカであること白状し、タイムふろしきで化石を元に戻して証明して見せた。これに肩を落とす老人をよそに、2人はそろりそろりとその場を去ろうとしたが、その時ゴミの中から出て来た何かがゴソゴソと老人の方に這って行き、彼がこれを摘まみ上げると、本物の三葉虫であった。
老人が急いでドラえもんとのび太を呼び止めると、2人は怒られると思って土下座して謝り出すが、この三葉虫をどうやって作ったのかを尋ねられた。だがそんな物は作れる訳ないと言うと、老人は本物の化石がゴミで作られた化石の中に混じっていた事で、先ほどのタイムふろしきで復元されていたことに驚き、しかもこれが世界のどこからも見つかっていない新種であるあり、しかも生きていると大興奮だった。その後ドラえもんとのび太はジャイアンとスネ夫に「宝の地図をありがとう。素敵な宝物が見つかったよ」とお礼を言うが、当の2人は何のことだか分からず首をかしげていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年9月18日及び1996年3月29日に、水田版は2006年3月24日及び2019年3月15日にそれぞれ放送している。ちなみにサブタイトルの「!」に関しては、前者はつかず、後者は2つとも1つだけになっている。
1979年版
- お爺さんに怒られた後、ドラえもんは「僕らも誰かを騙してやりたい」と言っている。
- 女性には白目も描かれていて、前髪のカールは丸みを帯びていた。
- ラストはのび太の「スネ夫もらった地図が本物の宝の地図になっちゃった」のセリフで締めくくられている。
- 本編終了後のショートアニメは、のび太が落ちていたタイムふろしきを剥がすと、そこには石化したドラえもんが半分埋まっていたというものだった。
1996年版
- 春休みスペシャルとして放送。サブタイトルは「エイプリルフール」となっている。
- 二人が乱暴に掘り始めた後、お爺さんからゲンコツをされている。
2006年版
- サブタイトルには「エイプリルフールだからって...」の煽り文句が追加されている。
- スネ夫はいつもバカにしたお詫びとして、家に代々伝わる宝の地図だと言ってのび太に地図をわたしていて、ジャイアンも「せっかくの11万両なのに」と言っている。
- お爺さんに怒られた後の「感じ悪い」のセリフはのび太が言っていて、ドラえもんは「あんなに怒ることないよね」と言っている。
- お爺さんを騙した後、ドラえもんとのび太は少し申し訳ない気持ちになっている。
- 生きた三葉虫を見せられた際、ドラえもんは「台所にいるやつ?」と聞いている。
- ラストでジャイアンとスネ夫はのび太達の様子を笑いに現地まで来ていて、のび太達もここでお礼を言っている。また一方でお爺さんは書斎で復元された三葉虫を水槽で飼いながらメモを付けていて、三葉虫もこちらにウインクしている。
2019年版
- スネ夫は父親の知り合いの考古学者からこっそり聞いたらしいと言って、のび太に地図を渡しており、ジャイアンはその宝には1億円の価値があると言っていた。更に心の友や、初めに宝を見つけた人が億万長者だとも言って、のび太をその気にさせている。
- 怒ったお爺さんは「ここは私の見つけた場所だ。邪魔するならあっちげ行け!」と言っていた。
- のび太の「誰かを騙してやりたい」は「脅かせやりたい」に変更されている。
- 2006年版と同じく、帰り道でドラえもんは少し罪悪感を抱いていて、のび太にどんな嘘でもついていいわけではないことや、ジャイアンとスネ夫に騙されたことを言って、エイプリルフールにつく嘘わ人を楽しませるのじゃないと言われたことで、のび太はお爺さんが明らかに偽物だと分かる化石を作ろうとゴミ置き場から色々なものを持ち出した。
- 娘さんに言おうとおもったのは、本人には言いづらいと思ったからだった。