概要
南海高野線の輸送力増強の為、昭和40年代末期の1974年に登場。東急車輛製造が製造に関わっているためか、東急8000系に類似する切妻のステンレス製車体となっている。丸みを帯びた6000系や6100系とは違い、前面が切妻型となった。
相互直通運転先の泉北高速鉄道も、南海6200系をベースとしたセミステンレス車・3000系を導入した。
台車は6000系や6100系と違い、当初からS型ミンデン台車を採用している。6000系や6100系同様に車体はオールステンレスである。
2024年で車歴が50年を迎える編成もあるが、未更新車も含めて置き換えの予定は無い。
VVVF化改造
6200系は4両編成と6両編成が存在するが、前者は編成中に制御器や空気圧縮機(コンプレッサ)、電動発電機(MG)が1基しか無いため、故障時の冗長性を確保すべく他形式の車両と併結して運転されていたが、日中における4両編成の運用が増えた為、車両運用のネックであった。
そこで2009年より4両編成に関しては、制御装置を抵抗制御から8000系(2代)と同様のIGBT-VVVFインバータ制御に変更され、制御器や空気圧縮機、静止形インバータ(SIV)を2重にすることで単独運転が可能となりこの課題は解消されている。先頭車には排障器(スカート)が取り付けられた。内装についても8000系(2代)に準じており、車内LED案内表示器やドアチャイム、開扉誘導鈴などが取り付けられた。
登場から35年以上経過して制御装置をVVVFインバータ制御に更新するのは全国的に見ても非常に珍しい。
他形式からの編入
- 8000系(初代)から6521編成へ編入
8000系は1975年に登場した電車で、電機子チョッパ制御を採用している。1編成のみ製造された。省エネ効果が表れていたが、コストが高いことと誘導障害の程度が大きいことから量産は見送られた。さらに電気連結器を搭載していなかった為、他形式と連結せず単独でしか運用出来なかったが2001年、6200系として編入時に制御装置を抵抗制御へ変更し、電気連結器を取り付けられた事で6000系や6300系との連結が可能となっている。ブレーキは回生ブレーキから発電ブレーキに変更された。
制御装置は7100系1次車の廃車発生品を流用。
- 8200系から6200系50番台へ編入
8200系は南海初の界磁チョッパ制御車として、1982年から1985年にかけて6両編成3本が高野線用に導入された。8000系(初代)と同じく電気連結器を搭載していなかった為、単独運用となっていた。
登場から30年経過した2012年になると主流はVVVFインバータ制御であり、界磁チョッパ制御の更新部品の調達が困難になった為、2013年より界磁チョッパ制御から8000系(2代)や12000系と同様のIGBT-VVVFインバータ制御へ変更する更新工事が開始され、2015年に全編成の更新工事が完了。0番台のVVVF化改造車と性能が同等になったため、6200系に編入された。
6521編成と同様に電気連結器を取り付けられた事で、6000系や6300系との連結が可能となっている。内装についても8000系(2代)に準じており、車内LED案内表示器やドアチャイム、開扉誘導鈴などが取り付けられた。
編成表
- CONT=抵抗制御器、VVVF=VVVF制御装置
- CP=コンプレッサー
- MG=補助電源装置(電動発電機)、SIV=補助電源装置(静止型インバータ)
←難波 和泉中央・橋本→
抵抗制御車・0番台
形式 | クハ6501(奇) | モハ6201(奇) | モハ6201(偶) | モハ6201(奇) | モハ6201(偶) | クハ6501(偶) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
機器 | CONT | CP,MG | CONT | CP,MG | |||
6501編成 | 6501 | 6201 | 6202 | 6203 | 6204 | 6502 | リニューアルせずに床材のみ張り替え |
6503編成 | 6503 | 6205 | 6206 | 6207 | 6208 | 6504 | |
6513編成 | 6513 | 6217 | 6218 | 6231 | 6232 | 6514 | 後付けで1985年に6231・6232を組み込んだため、中間車の番号が飛んでいる |
6515編成 | 6515 | 6219 | 6220 | 6221 | 6222 | 6516 | |
6517編成 | 6517 | 6223 | 6224 | 6225 | 6226 | 6518 | |
6519編成 | 6519 | 6227 | 6228 | 6229 | 6230 | 6520 | |
6521編成 | 6521 | 6233 | 6234 | 6235 | 6236 | 6522 | 8000系から編入(旧8501編成)、排障器(スカート)装備 |
備考 | 弱冷車 | 8両編成の場合、4両目は平日朝ラッシュ時女性専用車 |
VVVF化改造車・0番台
形式 | クハ6511 | モハ6215 | モハ6216 | クハ6512 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
機器 | CP | VVVF,SIV | VVVF,CP | SIV | |
6505編成 | 6505 | 6209 | 6210 | 6506 | 戸閉減圧機構追加 |
6507編成 | 6507 | 6211 | 6212 | 6508 | 戸閉減圧機構追加 |
6509編成 | 6509 | 6213 | 6214 | 6510 | |
6511編成 | 6511 | 6215 | 6216 | 6512 | 戸閉減圧機構追加 |
備考 | 弱冷車 | 8両編成の場合、4両目は平日朝ラッシュ時女性専用車 |
VVVF化改造車・50番台
形式 | クハ6550 | モハ6270 | サハ6850 | モハ6250 | モハ6260 | クハ6560 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
機器 | SIV | VVVF,CP | VVVF,CP | VVVF | SIV | ||
6551編成 | 6551 | 6271 | 6851 | 6251 | 6261 | 6561 | 8200系から編入(旧8703編成) |
6552編成 | 6552 | 6272 | 6852 | 6252 | 6262 | 6562 | 8200系から編入(旧8705編成) |
6553編成 | 6553 | 6273 | 6853 | 6253 | 6263 | 6563 | 8200系から編入(旧8701編成) |
備考 | 弱冷車 | 8両編成の場合、4両目は平日朝ラッシュ時女性専用車 |
備考
上記の通り4種類のバリエーションに分かれており、両数、前面の形状、排障器(スカート)の有無で判別可能である。
- 6200系未更新(抵抗制御)→6両固定編成でスカートが取り付けられていない。
- 6200系更新車(VVVF車)→4両固定編成でスカートが取り付けられている。
- 6200系6521編成(8000系から編入・抵抗制御)→6両固定編成でスカートが取り付けられている。
- 6200系50番台(8200系から編入・VVVF車)→6両固定編成でスカートが取り付けられており、前面が額縁スタイルとなっている。
関連項目
泉北高速鉄道3000系(南海3000系も解説)