概要
2011年11号から2018年12号にかけて連載され、巻数は全38巻。
タイトルの通り、刑務所生活を題材としている。
下記のストーリー通り、罪を着せられ、脱獄に奮闘する栗田陸(リク)や他の囚人達との団体生活が主なストーリーとなっている。
また、作業や休憩や行事は実在する施設と同じである。
別冊少年チャンピオンでは佐々木麗乃真のスラム時代を描く『囚人リク外伝』が連載。
ストーリー
ある日の夜。隕石が都心に激突したことにより、東京は壊滅した。
その10年後、東京は復興が進みつつあったが、隕石クレーター内部は復興から取り残され、治安が極端に悪化したスラム街となっていた。10年前の隕石墜落で孤児となった少年・栗田陸はそんな町でたくましく生きていた。
しかし、極楽10年7月8日、彼は「おじさん」と慕う警察官、藤本吾朗と些細な事から軽い口論を行い、交番を出た直後に入ってきた数人の男に殺害されかけている現場を目撃してしまう。
恐怖心で現場から隠れていたリクだったが、すぐに頭目らしき男に見つかってしまう。リクはとっさに藤本巡査の銃を発砲し、男の頬に傷を負わせた。
男はリクに「貴様には特別な絶望を用意する」と言い残し立ち去った。
「この街を変える事が…できると思ったが…返り討ちにあってしもうた…」「しかし生きるんだぞ…リク…何が何でも…明日を信じて」と言う虫の息の藤本巡査を救おうとリクは救急車を呼び、仲直りしようと精一杯の笑顔で接するが直後に藤本巡査は死んでしまう。
泣き喚く暇も無く、リクは藤本巡査の殺人容疑で逮捕、懲役30年の刑となり、極楽島特級刑務所に送られた。おじさんを殺した男はなんと警視総監鬼道院永周だったのだ!
極楽島特級刑務所は名前とは裏腹に鬼道院の言ったことが真実であると身をもってわかる恐ろしい場所であった・・・。
登場人物
極楽島特級刑務所
第27(ニーナナ)木工場
- 野木田卓
- 泥棒の罪で捕まっている少年。リクが入る前までは房で一番立場が弱く、最初は自分の下の立場が出来るとリクをイジメようとしていたが、リクのまっすぐな生き方に触れレノマに立ち向かうほどの勇気を見せる。
- 佐々木麗乃真
- スラムで孤児として育つが、慕っていた院長が自分を臓器売買で売ろうとしていたことを知り、院長殺害。紆余曲折あり少年マフィア団の頭目となり少年ながら一目置かれる存在となる。その後、ファミリーを守るために自分から警察に捕まり懲役28年の服役中。27木工場のボスとして君臨する。
- 天野渉
- レノマの取り巻きのお調子者。女好きだが純愛主義者。刑務所に入ったのは自分が生きるためにスラムを取り囲む壁を作る側として働きながら、壁の外の女性に惚れたことに対する矛盾を解決できず夜中にバイクで走り鬱憤晴らしをしていた際に工事中の壁を壊そうとバイクで体当たりをしたため。自分なりにかっこよくあろうとする所が有り、虎沢愛の窮地を救ったり、リクに鬼道院との対面の機会を作らせようとするなど男気も有るが、リク達の脱獄の計画を知った際は秘密にされていたことに憤るも、たとえ最初から言われても怖気づいていた自分自身の器の小ささも自覚しており葛藤するが、無二の親友である松尾の友として脱獄に参加。
- 松尾智広
- レノマの取り巻きの一人。天野とは親友。建設現場で働いていたが、スラムを取り囲む壁の手伝いをしなかった親方を誇りに思っている。父親は腐敗した警察に非協力的だったためリンチを受け死亡。見た目とは裏腹に臆病な所も有るが死期が近い母が決死の覚悟で自分に会いに来たことをきっかけに自分を奮い立たせ脱獄に参加。
- 須藤直也
- 上記と同じく同房の一人。読書好きの大人しい少年だがコンピューターに詳しく、スラムに関して興味を持ちネットで調べた結果懲役入り。
- 菅利道
- 同房の彫師(ただしモグリ)。違法営業で懲役。極楽島の中でも他人に刺青を入れることもある。
第26(ニーロク)木工場
- 江田史郎
- 『極楽島の巨人』の異名を持つ26木工場のボス。少年のころから桁外れの身長を持ち、それに見合った腕力を持つが初登場時レノマに1コマで負けた。スラム育ちの犯罪者ばかりの極楽島に有り侠気溢れる言行で慕われている。母親の様に慕った寿司屋のおばさんを殺され激情のままに実行犯を三人殺害、懲役20年。模範囚だったが、寿司屋再建の夢を捨てきれず今を生きるために脱獄に参加。
第16(イチロク)木工場
- 椿陽平
- 16のボス。該当項目参照。
極楽島特級刑務所の職員
- 白石
- 叶
- 谷村
- 虎沢愛
- 荻野
- 北島
- 山岡
- 原田
- 看守の一人。看守に化けた椿を見破り、リク達の脱獄計画をバラしたのだが、逆に椿に説得される。看守長によって気絶され、地獄島の看守として再登場したのだが、薬を服用したことによって弱っている囚人さえも痛めつける容赦ない性格へと変貌された。だが、田中一郎によって薬の服用をせず、リク達の脱獄計画の陰ながら手伝った。
- 加藤
- 看守の一人。私人としては家族思いで、いただきますとごちそうさまを忘れない良き父で有るが、公人としてはモブキャラとしか思えない顔と名前からは想像もできない外道。豚の糞に紛れ込んだスコップから囚人が何らかの企みをしているのを感づいたのだが、それを吐かせるために森田、レノマ、リクの三人を特別懲罰房にぶち込み、拷問を加える。特に実行犯であると確信したレノマとリクに対する物は激しく、棒打どころか生爪を剥ぐ、強烈な精神ダメージを与える等の行為を平然と行い、元同僚を脅迫して証拠を掴もうとするも、それが失敗に終わると、とうとう証拠の捏造に手を出す。最終的にはレノマのファミリーの決死の作戦により家族を人質に取られ失脚、改心。しかしモブキャラ同然と思われていた人物でありながらそれまでの外道行為、かっこいいポーズなどから読者に与えたインパクトは相当な物が有った。
- 内海
- 看守の一人。ロープの痕跡だけでリク達の脱獄計画をバラした後、銃で唐周龍の右肩を狙撃し、リク達の脱獄計画の完全阻止するが、椿によって阻まれてしまう。
- 鬼道院永周
- 田中一郎
- S煉の囚人で革命家。リクに脱獄のアドバイスを教えた張本人。
- 唐周龍
- スラム最強のギャング、「ドラゴンクロス」の2代目総長。
- 沢田拓児
- スライスデビルの異名を持つスラムの殺し屋。スリで2年の短期刑。証拠こそないが暗殺稼業を請け負っていたことは公然の秘密となっている。極楽島内でレノマの暗殺を請け負うも人生初の暗殺失敗。レノマに対する偏執的な復讐の念に取りつかれ、脱獄メンバーに加わり脱獄直前にレノマ暗殺の機をうかがう。地獄島編ではキングとして登場し、選手達の体を切断させたのだが、レノマにボコられ、そのまま退場する。
- 森田秀充
- レノマの一番の部下。脱獄の情報収集の為にスコップを盗んだ犯人はレノマとリクだったが、代わりのスコップ調達には自分が関与したことを高木に自白するも二人を庇い、特別懲罰房で拷問を受けた。
- 高木元文
- N炊事場のお頭。豚さんをこよなく愛する心優しき囚人。罪状不明。男の中の男。
- 藤本吾朗
- 奈落谷交番の巡査。腐敗しきった警察と無秩序なスラムの中にあって、数少ない良心的な人物。リク三歳の頃泣いていたリクと知り合い、侠気のあるリクを何かと可愛がり共に遊び、道を説き、ケーキを送る等親子の様な関係を築いていた。スラムの現状に心を痛め、密かに鬼道院の不正の告発を狙っていたが察知されてしまい死亡。彼の言葉と生き方はリクに大きく影響を与えた。鬼道院の不正のマスターデータを所持していたらしく、物語最序盤で退場した人物ながら極めて重要な人物。
- 藤本光
- 藤本吾郎の娘。女性なのに男のような外見や体格が特徴。看守になりすまし、鬼道院の目的を探る。レノマとともに脱獄計画を立てている。
- 椿美雪
- 椿陽平の妹。貧しい中、兄と共にスラムを生き抜いていたが病気にかかり、治療費目当てに裏大会に出場した椿の人質となるも偶々訪れたレノマが救出。その後は病気も完治しペットショップで働き兄を待っている。
- 神木和哉
- レノマの部下。森田によってレノマの危機を知らしめ、レノマを救出すべく運送業者に扮して高木と協力。他のファミリーとともに加藤看守とその家族を脅し、彼を封じることに成功、その後も影からできる範囲でレノマ達に協力している。