概要
東方Projectの作品の一つである『東方地霊殿』に登場したキャラクターたちのグループまたは同作のシリーズに登場する地底世界に関連をもつキャラクターたちによるグループである。同作で地底世界に含まれる場所は主に旧地獄、旧都、旧地獄街道、地霊殿等。
pixivでは次掲載のメンバー全員が同時に登場する作品をはじめ、「地霊組」に含まれるメンバー数名が登場する作品にも用いられている。
地底関連では「地霊殿」が一つの集合グループとして捉えられることもあるが、「地霊組」は「地霊殿」を包括し、さらに広く地底全体に関わるキャラクターたちをまとめるものでもある。
地獄と旧地獄
今日の地獄には従来の地獄と、改革を訴えて発足した「新体制」の地獄、両者にも属さない者達など多次元の世界観が混在しており、旧都は従来の地獄の存在達が作り上げた新体制の地獄及びはぐれ者となることを選ばなかった存在達とはまた異なる社会である。
地霊殿は旧灼熱地獄跡地の上に建てられたもので、主にここから立ち上る怨霊たちを封じ込める役割を持つ。地霊殿建設は地底に流れついた嫌われ者達を受け入れて徐々に強大な力を持つようになった旧都を警戒した地上世界の妖怪たちが旧都承認の代わりに提示した条件である怨霊封じ及び管理という歴史的流れによるもので、この仕事と地上世界からの干渉の遮断がセットである。
地霊殿は新体制の地獄における怨霊管理の業務という面と、旧都建設の際に地上(幻想郷)と取り決められた相互不可侵の条件としての怨霊管理の実行機関という両面を通して新体制側にも旧都側の双方に接している(『地霊殿』、『東方文果真報』等)。
旧地獄からは熱水が間欠泉として地上に吹き上げており、『地霊殿』以後も『東方非想天則』や『東方茨歌仙』、『文果真報』などでもそれぞれのかたちで語られている。
地上ではそのエネルギーが発電や温泉としても利用されている。
茨木華扇は、旧都を含めた旧地獄について「 時を進める事を諦めた世界 」ともしている(『茨歌仙』)
メンバー
2017現在のpixivで「地霊組」に関係するのは次のメンバーである。
※東方地霊殿のボスキャラクターによるグループでもある
キャラクター名 | 初登場作品 | 主な地底との関わり |
---|---|---|
キスメ | 『東方地霊殿』 | 地底世界、風穴周辺 |
黒谷ヤマメ | 地底世界、風穴周辺 | |
水橋パルスィ | 地底世界、旧都 | |
星熊勇儀 | 地底世界、旧都、旧地獄街道 | |
古明地さとり | 地霊殿 | |
火焔猫燐 | 地霊殿 | |
霊烏路空 | 地霊殿 | |
古明地こいし | 地霊殿 |
この他、『地霊殿』で自機を務めた博麗霊夢や霧雨魔理沙、及び両名に協力した妖怪や魔法使いたちもグループに含まれることがある。
また東方Projectにおいて今後さらに地底世界について語られ、関連するキャラクターが登場した際にはそのメンバーが増加する可能性も持つ。
なお『東方星蓮船』にも地底に封じられていた経緯をもつキャラクター達が登場するが、同キャラクターたちはいずれも『星蓮船』にて地上へと移り、以後地上で活動している経緯やそれぞれ「命蓮寺」という大きなグループ体系で包括されているため、pixivでは「地霊組」のグループとしては描かれていない(2014年10月現在)。
一方「地霊組」のメンバーである古明地こいしは『東方心綺楼』における経緯からグループとしての「命蓮寺」のメンバーに含まれることもある。
また先述の華扇も地底世界を訪れており、旧都を見下ろす場所で石桜を鑑賞している。
pixivでは新体制による現行の地獄の関係者と『地霊殿』以後に登場しそれぞれの初登場作品で旧都や地霊殿以外の「地獄」との要素で語られたキャラクターたちの枠組みについて「東方地獄組」などのグループ性も見出されている。
「東方地獄組」としてグループ性が見出される存在としては先述の新体制側の代表的な機関である「是非曲直庁」(『東方花映塚』)に所属する閻魔である四季映姫・ヤマザナドゥや死神の小野塚小町や、「 アウトロー 」に位置する存在としてのヘカーティア・ラピスラズリの一派などがある(『文果真報』)。ヘカーティアは強大な力を持つ三つの世界の「地獄の女神」でもある(『東方紺珠伝』)。
地上との関わり
近年では地底世界の妖怪達が地上へ顔を出すことも増えており、人間の里でお酒と弾幕ごっこ観戦を楽しむ者や弾幕ごっこに参加する者、とある目論見からお寺への入信を希望する者、神社に儀式を執り行いに行く者など、それぞれの地上との交流が生まれている。
これとは逆に地底世界側が地上世界側を呼び込むこともある。
例えば地霊殿と旧地獄の観光ツアーも行われており、週刊誌に広告を出すなど外部に開かれてもいる(『文果真報』)。文々春新報創刊号に広告を掲載したツアーは「 古明地観光 」が主宰するもので、広告キャラクターをお燐が務めることもあって地霊殿関係者との関係性がうかがえるものとなっている。両世界は不可侵の関係であったが、ヒトの交流によって部分的ながら互いに少しずつ開かれようとしている。
上記の地霊組メンバーにみる地上との関わりの一例として、それぞれの初登場作品以後のものとしては次のようなものがある。
- キスメ
- ヤマメ
- 近年幻想郷に建立された命蓮寺の門をたたく。結果はとある事情から入信お断り(『求聞口授』)。
- パルスィ
- 勇儀
- さとり
- 地霊殿観光ツアーとして地霊殿を一部開放する(『文果真報』)
- お燐
- 博麗神社に遊びに訪れる他、さとりの命で怨霊回収を行う(いずれも『茨歌仙』)
- お空
- 間欠泉地下センターの管理の傍ら地上世界にも顔を出す(『非想天則』自由対戦モード)
- こいし
さとりからの評価
地霊組に含まれるメンバーの内、キスメからこいしまで(『地霊殿』を初登場とするキャラクター)は『外來韋編』ではさとりがクロスレビューの形で人物評を寄せており、その概要としては次のようなものである。さとりレビューにはさとり本人のコメントもある。
キャラクター名 | さとりからの評価の概略 | 評価点数・その他備考 |
---|---|---|
キスメ&ヤマメ | 地底の入り口での侵入防御への感謝・能力の肯定 | 10点 |
パルスィ | パルスィの心の本質部分を見抜き皆が思うより「ずっと優しい子」とする | 8点 |
勇儀 | 心のうちにある「嫉妬」を見抜き、その不器用さに心を寄せる | 7点 |
さとり | 自身の能力への肯定 | 11点(自己評価にして最高点数) |
お燐 | つい撫でてしまうほどにかわいいペット | 10点 |
お空 | 手伝いや毛づくろいをしてくれるかわいいペット | 10点 |
こいし | 妹として心配。能力を使わないのは残念 | 7点 |
本クロスレビューには霊夢や魔理沙もコメントを寄せているが相手が地底世界で生きるほど存在にしてそれぞれの危険性や強すぎる個性もあって警戒が強く、話が通じるという勇儀を除いて総じて評価も低い。
この内魔理沙はこいしについて「 組んでみると素直で扱いやすい奴 」としており、これは『東方憑依華』でこいしと完全憑依のコンビを組んだ際のことが念頭にあるか。
霊夢はさとりについて「-1」という数値を越えたマイナス評価を行っており、さとり自身がやはり数値を越えて「11」のプラス評価を行ったのと対照的である。魔理沙のさとり評は「0」。