概要
CV:庵野秀明
兄弟の一人に妹の加代がいる。
幼少期は飛行機のパイロットを夢見ていたが、眼鏡を常用するほど視力が悪い事を理由に諦める。
夢に現れた同年代のイタリアの航空設計技師ジャンニ・カプローニ(モデルとなった本人は実在する)に導かれ、学才にも恵まれた事からエンジニアとしての道を目指す。
現在の東京大学在学中に関東大震災に遭遇し、里見菜穂子と出会う。
卒業後学友の本庄(モデルは本庄季郎)と共に三菱財閥系の航空機メーカーに入社、第二次世界大戦に近づく当時の日本の状況下で軍用機の開発に向き合う事となった。
ドイツへの留学や実際の航空母艦「鳳翔」の視察などを経て新世代機の設計に試行錯誤する中、休暇で訪れていた長野県軽井沢町で菜穂子と約10年ぶりの再会を果たす。
2人の良好な関係に菜穂子の父親も交際を認めるが、彼女は肺結核に罹患していた。
その後も遠距離恋愛を続けるが、仕事に苦悩する二郎のそばにいたいと療養中の菜穂子が二郎の職場と自宅のある愛知県名古屋市(もしくはその郊外)まで出てきてしまう。
この事態に当時二郎に住まいを提供していた上司の黒川は菜穂子の健康状態を憂慮したが、2人の説得と菜穂子の父親、黒川夫人の理解もあって、二郎と菜穂子は婚約と入籍を果たした。
その後二郎は周囲の人たちとの協力や支援もあり、九六式艦上戦闘機の前身で後の零式艦上戦闘機の誕生に繋がった九試単座戦闘機の開発に成功するが、病状が悪化した菜穂子は終戦を迎える前に他界してしまう。
終盤で敗戦と妻を亡くしたショックを引きずったままのニ郎は久しぶりに夢の中でカプローニと再会。
その草原で菜穂子とも再会を果たし、2人に励まされて夢から目覚める前に物語は幕を閉じた。
パーソナリティ
基本的に物静かで、感情の起伏も少ない博識な優男である。
ただし幼少期には護身術を習得しており、成人後も不器用ながら身の軽さを披露している。
飛行機の設計思想などに熱が入ると周囲に気づけないがちであり、独特の着眼点や発想力もあるが普段からマイペースなので本庄に呆れられる事も多かった。
また入社当時は事前挨拶の無しや課題提出の順番などを黒川に注意されている。
成人男性の喫煙者が多かった当時を反映してからなのか作中でも煙をふかすシーンがかなり多いほどのヘビースモーカーであるが、後述の大元のモデルとなった実在の人物は非喫煙者であったと遺族が証言している。
モデルとなった人物たち
公式発表にある通り、氏名と航空機エンジニアとしての経歴は実在の堀越二郎をモデルとしている。
ただし妻の菜穂子とそのドラマについては実在の作家堀辰雄と、結核で他界した彼の婚約者および彼女をモデルとして小説のタイトルにもなったヒロイン菜穂子をベースに設定された。
宮崎氏は作品制作にあたって、少なくとも堀越氏の遺族の了承を得たとしている。
なおこれまで宮崎氏は雑誌などでのインタビューで、父親が関東大震災を経験している事、戦時中に航空機部品メーカーの工場長兼社長補佐をしていた事、結核で他界した先妻がいた事を明かしている。
この事から風立ちぬの二郎の人間としての根幹部分は、宮崎氏の父親がモデルになったのではないかと推測するファンも多い。
作中で登場した計算尺はヘンミのNo.254WNだが、中段と下段の目盛りが逆転して描かれている。