概要
女性の落語家のこと。落語界では「落語は男がやるもの」という観念が強かったため、女性の進出が非常に遅れていた。現在でも女性を弟子に取らないという考えを持つ落語家も珍しくないが、女性の落語家は徐々に増えている。
この風潮は同じ寄席演芸でも講談とは対照的である。講談界では江戸時代から女性講談師がいたことが知られ、現在の講談師はむしろ女流が多数派となっている(講談協会では1988年から2012年まで男性真打が一人も誕生しなかったほど)。
歴史
1975年に上方落語の2代目露乃五郎(後の2代目露の五郎兵衛)に入門した露の都が初の「プロの女性落語家」と言われている。上記の落語界の風潮により、それまで正式にプロの落語家に入門する女性落語家は存在しなかったのである。
その後、江戸落語でも、次の通り女性落語家が登場している。
- 落語協会では1981年に3代目三遊亭圓歌に入門した三遊亭歌る多(当時:歌代)が初の女性落語家となり、1993年には古今亭菊千代(1984年に二代目古今亭圓菊に入門)とともに女性落語家として初の真打に昇進。(当初は「女真打」として別枠だったが2002年に撤廃)。現在は菊千代が古今亭駒子を、歌る多が弁財亭和泉、三遊亭律歌ら女性の弟子を真打に昇進させている。
- 落語芸術協会は、1986年に桂右團治(当時:小文)が10代目桂文治に入門、2000年に真打に昇進したのが初。(現:落語芸術協会監事)
- 落語立川流は、2006年に立川こはるが立川談春門下に入門。2023年5月に同派初の女性の真打に昇進、同時に立川小春志を襲名。
(円楽一門会は設立以来、長らく女性の落語家がなく2022年に1人入ったが前座になる前に廃業。)
2021年のNHK新人落語大賞では、上方落語協会所属の桂二葉(桂米二門下)が女性として初めて大賞を獲得している。
主な女流落語家
※記事のある人物・イラストのある人物を記載。
上記参照、旧名:三遊亭歌すみ⇒三遊亭粋歌。夫は柳家喜多八⇒十代目柳家小三治門下の柳家小八。
林家こん平門下。
上記参照。旧名:立川こはる
女流落語家をテーマにした作品
じょしらく...作者が落語に疎いため落語ファンにとってはおかしな描写が多い。詳細は当該項目を参照。