概要
鏡像世界のうち、「闇の氾濫」によって「ヴォイド」と化した第十三世界に由来する生物。
英語では「Voidsent」と表記される。
悲願成就のため、鏡像世界の統合を目指したアシエンだったが、第十三世界においてアシエン・イゲオルムが「やりすぎた」結果、光と闇の均衡が崩れ、闇が暴走。「闇の氾濫」によって、住人や生物は闇に侵食されて妖異と化してしまった。
なお、特定の属性のエーテルに偏り過ぎて異形の化け物と化す…という現象はヴォイドにおける闇属性エーテルに限った話ではなく、どの世界でどの属性のエーテルに侵されても起こり得る現象である。
第一世界における「罪喰い」は光属性エーテルによって変異したという点を除けば、妖異と同じ「特定属性のエーテルに偏り過ぎて生まれた化け物」である。
詳しい経緯は罪喰いの記事を参照。
特殊な条件が重なった極稀なレアケースではあるが、完全な妖異にはなれなかった「なりそこない」も存在する。
罪喰いと本質的に同じとは言っても、属性の司る性質が違うため、このような異形が生まれるに至った後の経緯はそれぞれの世界で異なる。
「鎮静・停滞」を司る光属性の罪喰いはなりかけると自発的な行動が無くなり、エーテルを奪わないが生物を襲う事で増やす。本能として強大な個体に従う性質があるが、自分自身が強大な個体に成ろうとする意志は見られない。
一方で「活性・発展」を司る闇属性の妖異は、他者からエーテルを積極的に奪い自らの物にし、自らが強大になろうとする。強大な個体に従う性質はあるがそれは力の差があるからであって、成り代われるなら成り代わろうとする動きがある。
また、闇の氾濫直前の第十三世界のメモリア大戦末期では闇の力に魅入られたメモリア使いによる戦争が頻発していたが、これも闇属性の「なりかけ」による影響が多分にあったものと思われる。
また罪喰いは死ねば少なくとも核となっていた魂は解放され星海に還るが、妖異は「活性」を司るが故に死んでも魂がその場に残り星海に還る事ができず、やがて周囲のエーテルを引き寄せて肉体を再構成し、何度でも蘇るため、何度殺されても安息は訪れない。
ただしこれは妖異自体の性質と言うよりはヴォイドの環境によるものであって、妖異でも原初世界で死ねば他の生物同様に星海に還る。
罪喰いでは肉体の変貌が始まる際に本人にとって壮絶な苦痛がある事が描写されているが、妖異にとってそのような苦痛があるかどうかは不明。見ている前で妖異に変貌したケースが無い。
強いて言えばネロさンが紫のパリパリになりかけた程度であるが、こちらは原初世界に戻って結晶を除去すれば普通に元に戻れた程度であり肉体の変異には至っていない。
インスタンスダンジョン「月の地下渓谷」では後半に闇のメモリア使いによって強制的に妖異に変化させられる人間が登場するが、第一世界のテスリーンほどの絶叫は上げていない。
ヴォイドの様子は断片的に語られているが、そこに住まう妖異は常にエーテルに飢えており、隙あらば物質界に顕現してエーテルを喰らおうとする事、長く滞在すれば闇の侵食を受けて妖異になってしまう事が明らかとなっている。
このうち低級の妖異は、自然現象として時折現れる「ヴォイドクラック」を通じて物質界に現れる。大概は冒険者や各国の自警団によって早々に排除されるが、中には中級・上級の妖異を「ヴォイドゲート」の儀式で召喚する邪教の信徒もおり、その場合は脅威が桁違いに跳ね上がり、リスキーモブやID・レイドボスとして遭遇する機会がある。
ただし、中級・上級の妖異をヴォイドゲートを通じて物質界に召喚する際には、大きな制約がかかる。
基本的には肉体を伴って物質界に転移できない為、魂のみが召喚され、召喚者が物質界に用意した「依代」(石像や生贄など)に憑依する事で肉体を再獲得する。
ギルドリーヴ「焚書任務」には、こうした妖異の情報を取りまとめた禁書が登場しており、排除すべき危険物として取り扱われている。
「暁月のフィナーレ」で実装されたリーパーは、ヴォイドの妖異と交信、契約を結んで「アヴァター」とする事で、その力を借りて戦う。
空間を切り裂いて瞬間移動をしたり、自身に一時的に憑依させる事で攻撃力を上げる。
黒衣森東部に生息する巨大ハエ「ナット」や、アバラシア雲海に生息する空飛ぶ猫「ゲイラキャット」は、元々はヴォイドから出現した妖異がそのまま種として根づいたものだとされている。
ナットはともかくゲイラキャットについては「かわいい」と認識されており、蒼天街では猫好きどもに甘やかされてふくよかになった「もちもちゲイラキャット」が登場。光の戦士が「最高だ、猫は吸うもの……!」と発言した事で猫好き一同が「同志ッッッ!!!!!」と認め合い、改めてかわいがる事が決まったのだった。
妖異学
こうした妖異を研究する「妖異学」がエオルゼアでは確立されており、研究が進められている。
神話や伝承、実際に召喚した妖異の強さなどに基づいて12の階級に区分した「妖異十二階位」が知られているが、あくまで学者達が机上で定めたものに過ぎず、参考程度にするのが良いとされている。
その中でも第一位のみをここに記述する。
暗闇の雲(Cloud of Darkness)
「クリスタルタワー」第三弾「闇の世界」に登場。ヴォイドを統べる魔王の一人とされる。
古代アラグ帝国の始皇帝ザンデと「血の契約」を交わし、原初世界へ侵入する為のヴォイドゲートを開かせる。力を蓄えて物質界に顕現する事を目指していたが、光の戦士達によって一度は倒され、大きく力を削がれた。しかしあくまで一時的なものであり、目的を果たした光の戦士も撤退を選ぶしかなかった。
「漆黒のヴィランズ」のクロニクルクエスト「希望の園エデン」再生編1層において、極性を励起する為、光の戦士の記憶から再現する形でリーンによって召喚。実際とは似て非なる姿だったが、波動砲を始めとした強烈な攻撃で一行を苦しめる。
スカアハ(Scathach)
「シャドウ・オブ・マハ」第三弾「影の国ダン・スカー」に登場。
第五星暦の時代、魔法都市マハと古都アムダプールによる「魔大戦」が勃発。これにより環境エーテルが乱れ、水の災い「第六霊災」が始まってしまう。
マハの魔道士たちは民を空に逃がす為に魔航船「アーク」を建造し、船内の棺に千を超える妖異を封じ込め、その魔力を利用しようとした。その中枢が魔王級の大妖異、「影の女王」ことスカアハだったが、妖異の暴走によって計画は頓挫。封印するのが精一杯だった。
以来「アーク」は空を彷徨う亡霊船と化していたが、眠りから覚醒したディアボロスがスカアハに目をつけ、棺を持ち去ってしまう。眠りから目覚めた女王は、かつてマハの魔道士が創造した「約束の地」へ至り、自らが支配する影の国「ダン・スカー」と成した。最奥の宮殿にて光の戦士一行を待ち受けるが、激戦の末に敗北する。
ディアボロス(Diabolos)
ID「腐敗遺跡 古アムダプール市街」、「シャドウ・オブ・マハ」に登場。
マハの大魔導士クェーサルが、抑止力として利用するために召喚した戦略級妖異。アムダプールとの戦いに投入されて陥落寸前まで追い込むも、アムダプールの白魔道士らによって封印された。
長き眠りから覚醒後、フェルディア、フォルガルなど複数の妖異を率いて暗躍。アークに封じられていたスカアハの棺を奪取して解放した後、光の戦士に倒されたスカアハを吸収して力を手に入れる。
影により硬質化した肉体にはいかなる攻撃も通じなかったが、光の戦士達の連続攻撃と、彼らに協力した空賊レオファード、封印の護り手ケット・シーによって敗北、消滅した。
その後「セイブ・ザ・クイーン」の掉尾を飾る「旗艦ダル・リアータ攻略戦」にて、アラグ帝国が妖異の兵器化を目指して創造した「ディアブロ・アーマメント」が登場。ガレマール帝国軍第IV軍団に発掘され、起死回生の兵器となる筈だったが暴走してしまう。
また、昔のガレアンの人々は、住んでいた土地を追われて寒冷地帯に追いやられた際、魔法が扱えないという種族の欠点を補うべく、独自の技術で自らの半身となる妖異と契約を行い、同胞たちを護るために農具でもある大鎌を携えて侵略者に立ち向かった。その方法が敵の指揮官を暗殺して撤退に追いやるというやり方であったため、大鎌を携えた妖異使いの戦士はその姿から『魂の収穫者』…リーパーと呼ばれるようになっていったという。
階位不明
リリス(Lilith)
赤魔導士のジョブクエストに登場。
毒を撒き散らす能力の他、人心を支配して操る能力を持つ。
太古の昔、第五星暦の時代にて魔法都市マハで邪法の研究家カロワイズに召喚され、その血を奪われて封印されていた大妖異。
階位については触れられていないが「大妖異」と言及されている。
カロワイズはリリスという妖異の血を自身に取り入れる事だけが目的であったため、あえて弱い依り代に憑依させた上、毒の能力の対策を入念に行っていたため、リリスは血を奪われた上に柩に封印されてしまう。
以降、1000年もの間封印されていたため、人間に対して激しい憎悪を抱いている。
リリスの血を取り入れた者は他者からエーテルを奪い取る能力を持つ。
他者からエーテルを奪って自身に上乗せすることで、通常では肉体が耐えられないほどの高出力の魔法を扱う事ができるようになる。
その代償として他者からエーテルを奪う事の強い衝動に駆られるようになる。これは特殊な錬金薬を服用することである程度凌ぐ事もできるが、堪え切れずに他者を襲ってしまう事もある。
ただしこれらの血の力はリリスがこの世界に存在している事が前提であるため、リリスがヴォイドに還ってしまうと失われてしまう。そのため、カロワイズはリリスを封印してこの世界に留めた。
この血はカロワイズの子孫へと受け継がれており、100年ほど前のイシュガルドにてカロワイズの性を持つ人物が「夜の血族」と名乗り妖異召喚から赤魔法まであらゆる魔法を独学で習得・実践していたが、当時のイシュガルドには異端として弾圧されていた記録が残っている。
光の戦士(とアリゼー)に赤魔法を手ほどきした赤魔導士シ・ルン・ティアがかつてアラミゴで組織していた革命軍「紅の疾風」の元メンバー・ランバードもカロワイズ性であり、シ・ルンと光の戦士が非合法人身売買の現場で助けた少女アリアも母方の系譜にカロワイズ性があった。
リリスは封印されながらも血族の思考を少しずつ操り、自身の依り代に相応しい「器」を作り上げようとしていたのだ。そして全てが成った時、「最高の器」であるアリア自身の手によって柩の封印は解かれてしまった。
オルトロス(Ultros)
FF6からゲスト出演のタコ。
例によって一緒に出演している先生共々、今作では呪術師ギルドの召喚実験で召喚された妖異ということになっている。
ただ現れはしたものの別に特段悪さをする訳でもなく、妖異だからと封印されかかった所を泣き落としで見逃してもらい、ウルダハのコロシアムで下働きをしている。
階位は不明だが人間に泣き落としするくらいなので多分下の方。
ゴルベーザ四天王
黒衣の騎士ゴルベーザに従う四体の大妖異。
月竜アジュダヤのエーテルを授かったことで強大な力を得ている。