概要
小糸工業(現:コイト電工)が製造していたポリカーボネート型の樹脂灯器。
他社が三協高分子の灯器を採用していた中、小糸は三協灯器を参考に独自の樹脂灯器を開発した。
三協高分子との違いは背面に2本の線が縦線(横型信号機の場合)があり、プレートが中央よりにある事。
25cm灯器は三協より庇が内側にあるなどの相違がある。
又、レンズは小糸製のレンズを使用されているのも特徴。
アルミ灯器の増加で数を減らす中、石川県などでは三協網目レンズ置き換えもあってまだ残っている地域も多い。
尚、石川県などで使用されている止まれ灯器はこの灯器を再利用したものが大半となる。
鳥取県や秋田県、茨城県では赤だけ30cmの灯器も残っている。
又、都道府県によってはデザイン灯器が樹脂灯器だった地域も存在する。
レンズの変化
濃色レンズ世代
1980年(昭和55年)頃から小糸のポリカーボネート樹脂灯器で最初に装備されたレンズ。
樹脂灯器採用県(秋田県、石川県、兵庫県等)では本格的に樹脂灯器が採用され、特に石川県や長崎県はこの灯器を後に多く入れる要因となった。
バンドミラーのみだが、30年以上が立った現在でも三協のレンズと異なりレンズ焼けしている者が少なめとなっている。
又、金属製が中心県(神奈川県、千葉県、宮城県、茨城県等)でも場所によってはこの灯器も積極的に採用されており、海沿いが中心の県もあれば内陸部にも金属製と同じく設置されている県も多く存在した他、島根県でも小糸のみ樹脂灯器として採用されていた。
一方、海沿いでも大阪府、福島県、静岡県、三重県などの原則松下通工やオムロンしか採用されていない府県では採用されなかった他、和歌山県も小糸のみ金属製メインだったので原則採用されなかった。
金属灯器と異なり斜め庇の樹脂灯器は存在しない。
網目レンズ世代
1583年(昭和58年)か濃色レンズから緑色の網目レンズに代わり真青から緑色に代わった。
金属製と同じレンズを採用しているが、樹脂灯器の為、ぱっと見わかりにくい。
こちらもバンドミラーのみ採用されている。
金属製をメインにした県ではあまり採用されてなかったが、樹脂灯器がメインの県では小糸樹脂灯器のなかでは最も採用されていた。
中でも兵庫県や岩手県等のバンドミラーをメインに採用していた県では多く採用されていた。
しかし、金属製をメインにした県ではあまり採用されなかった。
ブツブツレンズ世代
樹脂灯器の中では最終世代灯器であり、この世代は樹脂灯器でソフトホワイトレンズとバンドミラーレンズが並行して採用されていた。
前者は神奈川県、千葉県、石川県、愛知県。
後者は宮城県、兵庫県、茨城県、長崎県、岩手県。
で採用された。
又、石川県や茨城県などでは塗装された樹脂灯器が多く、30cm灯器は前面だけ見ると金属灯器と見分けがつかない場合も。
しかし、網目レンズを並行して作用していた地域が多かった事、金属製が並行して製造された地域はアルミか金属型のみで採用された為、総数としては数が少なめとなっている。
更に九州や山陽地区などでは長崎県等を除いて電材擬きが主力となり始めたので地域によっては樹脂灯器採用県でも殆ど採用されなかった。
30cm物なら石川県か千葉県、25cmものなら愛知県、兵庫県、長崎県で多く見る事が出来る。
関連項目
小糸最終丸形…同社の鉄板灯器版。レンズは殆ど同じ。