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形容動詞

けいようどうし

いわゆる学校文法などにおいて用いられる日本語の品詞のひとつ。
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概要

物や事柄の性質状態を表す言葉で、その意味では形容詞と同様だが、以下の違いが特徴的である。
言い切りの形(終止形)が、「~だ」になる(例:「静かだ」「きれいだ」「おだやかだ」など)。
後ろに名詞(人、事、物)や代名詞がつくときは、「~な」となり、名詞と代名詞を総称して体言というため、この形を連体形(体言に連なる形)という(例:「静かな」町、「きれいな」人、「穏やかな」表情、など)。

文語では、終止形が「なり」、連体形が「なる」などとなり、動詞の「あり」とほぼ同様の活用をする(ナリ活用)。
また、タリ活用というものが存在し、これは漢文訓読の際に、その漢語が「性質」や「状態」よりも「様態」を表わしている場合、「◯◯とあり(「◯◯という様態」の意味)」と表現していたものが、-toariの母音oが脱落して生まれた活用語尾だった。
しかし、口語文ではそのような漢語は「◯◯として」「◯◯とした」という形で表現されるようになって品詞としての実体を失った。

活用例

口語

例 : 静かだ(常体)

未然形だろ「静かだろう」
連用形だっ・で・に「静かだった」・「静かでない」・「静かに」
終止形「静かだ」
連体形「静かなとき」
仮定形なら「静かならば」
命令形

例 : 静かです(丁寧体)
未然形「静かでしょう」
連用形「静かでした」
終止形「静かです」
連体形
仮定形
命令形

文語

例 : 静かなり(ナリ活用)

未然形なら「静かならむ」
連用形なり・に「静かなりき」・「静かになる」
終止形なり「静かなり」
連体形なる「静かなる時」
已然形なれ「静かなれば」
命令形(なれ)(「静かなれ」)和漢混淆文や訓読文以外ではあまり使用されない。

例 : 堂々たり(タリ活用)
未然形(たら)(「堂々たらむ」「堂々たらば」)和漢混淆文や訓読文以外ではあまり使用されない。
連用形たり・と「堂々たりき」・「堂々とす」
終止形たり「堂々たり」
連体形たる「堂々たる時」
已然形(たれ)(「堂々たれば」)和漢混淆文や訓読文以外ではあまり使用されない。
命令形(たれ)(「堂々たれ」)和漢混淆文や訓読文以外ではあまり使用されない。

余談

活用形式が、形容詞とは全く異なり、むしろ動詞に近いことから(特に古典語では「あり」と同じ活用形であったため)、「形容動詞」と名付けられた。
事柄の性質や状態を表す抽象名詞(「穏やか」「静か」「好き」「嫌い」など)に、上記の活用語尾が結合して派生したものであり、抽象名詞として採り入れることの多い漢語を語幹とするものが多い。

その形式の違いに注目して区分した方がわかりやすいために、いわゆる「学校文法」では教えやすさを優先して、「形容動詞」という品詞を設けたが、
学者によっては、抽象名詞に活用語尾が接尾辞として付いただけであると考え、「学校文法」から離れて、形容動詞という品詞を認めない場合もある。

なお、意味上は、連用形(用言に連なる形)が動詞や形容詞を修飾している場合(「優雅に踊る」「静かに話す」「清楚に美しい」など)は、副詞と同じ働きをしている。

起源

古代の日本語で、抽象名詞が形容詞的に用いられる場合に、「◯◯にあり(「◯◯の状態にある」の意味)」と表現していたところから生まれた品詞である。断定を表わす古典語の助動詞「なり」も、同様に「にあり」から発生したものであり、形容動詞の発生もこれを応用したものかもしれない。(古くは、抽象名詞が名詞や代名詞(体言)を修飾する場合には、抽象名詞を体言に直接前置していた。その後、「抽象名詞+の+体言」という方法も用いられた。これは明治以降の口語文でも盛んに用いられ、今日でも「静かの海」などの固有名詞の生成にはよく使われている)
やがて、「にあり」がつづまって(niariのiが脱落。古代の日本語では母音を連続して発音することが難しかったようである)、「なり」となり、更に中世以降「断定」を表わす助動詞「なり」が、「だ」に取って代わられるのに伴って、「◯◯だ」という形に変化した。

形容動詞の例

世間不景気 有名 著名 平凡 非常識 世俗
空間からっぽ 虚ろ 空虚
外見など小型 小柄 大型 大柄 巨大 不細工 華美 切れ長 華奢 無表情
性格冷静 正直 淫乱 欲張り 子煩悩 律儀 お人よし 無邪気 高飛車 勝ち気 意地悪 ぶりっ子 真面目 生意気 甘えん坊 優柔不断 傲慢 八方美人 聡明 賢明
魅力綺麗 豪華 美麗 美味 妖艶 甘美 可憐 清廉 優雅 おしゃれ 清純 上品 俗物
心情など幸せ/幸福 不幸 好き 嫌い 愉快 不愉快 無自覚 憂鬱 無気力 元気 本気
様子素朴 涼やか 爽やか 清涼 豊か 淫ら 淫靡 異色 異様 孤独 荘厳 爽快 清楚
状態平和 静か 清潔 快適 真っ暗 危険
その他無敵 最高 最低 秀逸 親切 純情 自由 本当 下品 残酷 邪悪 凶暴 特別


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