概要
第4話「逆転寄席」に登場したキャラクター。34歳。
旋風亭の女芸人で、芸歴12年のバルーンアーティスト。通称「プー子」。
外見
ピンクのセミロングの髪型でバルーンアートの帽子を被り、赤鼻をつけピンクを基調としたピエロのような派手な衣装を着ている。豊満な胸に脚も綺麗というナイスバディで、ぶりっ子じみた口調で喋る。
匂いが強い香水を付けており、このためソバに香りが移る事を嫌う被告人の内舘すするとは仲が悪い。
『1』に登場した松竹梅世をよりアバンギャルドにしたようなルックスと言えるかもしれない。
芸風
落語家の一門にいるのにバルーンアーティストをやっているのは、亡くなった父が旋風亭の落語家だったためで、父のような落語家になることを夢見て旋風亭に入門した。
バルーンアートの腕前はお世辞にも上手いとは言えず、ケーキを作ったつもりが希月心音に「モンスターの生首かと思った」と称されるほど不気味な出来で、本人もセンスがないことを自覚している。
サスペンダーを引っ張って豊満な胸に叩き付けて揺らす「バッルーーーーン!」が持ちネタ。
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ここから先、ネタバレがあります!
割れた落語家の夢
旋風亭獏風を殺害した真犯人。
大好きだった父の芸名“旋風亭美風”を継ぐつもりで旋風亭一門に入門した風子だが、彼女には落語の才能がなかったため(風子自身も自分に落語の才能が無いことは理解していた)師匠の獏風からバルーンアートをするよう命じられていた。
風子自身は落語家の娘としてのプライドからバルーンアートはしたくなかったとの事だが、それでも美風の名を継ぐために芸に励んでいた。
しかし、師匠は“旋風亭美風”の名を弟弟子に継がせたため、風子は師匠と弟弟子を激しく憎むようになる。
最初は復讐のために、襲名記念公演の日に美風に師匠殺害の罪を着せるつもりだったが、風子が用意した偽のダイイングメッセージを見た美風が自分が疑われない為にすするに容疑を擦り付けてしまった。
計画自体はあったが、犯行自体は勢い任せだった。
そして美風の多重人格の一つである磯田定吉の証言で香水を付けた人が殺害犯と判明し、更に夕神迅の手刀によるハプニングで隠していた額の傷が判明し、告発される。心音に追い詰められると、普段のぶりっ子じみた性格が豹変し、口調もドスのきいた関西弁に変わった。
自分がソバアレルギーだという事から、そば粉まみれの現場に入れないというアリバイを示したが、獏風が作っていたのはソバではなくうどんであり、それから被害者を殺した凶器の正体に気付いた心音に凶器を隠した方法を暴かれ(知らなかったとはいえ風子が凶器を処分する様子を見ていた夕神も、真相を知って彼女の行動に納得していた)、自身の犯行を認めて逮捕された。
裁判後、すするの証言によると、獏風が風子に美風の名前を継がせなかったのは父親の名前や落語に縛られずに、風子自身の芸の道を歩ませるためであったらしい。
獏風がうどんを作っていたのは、彼女の新たな門出を応援するためだった。
……その回りくどい優しさに気付いていれば、今回の事件は起こらなかったかもしれないという意見もあるのだが、一方でこれは獏風には自分の考えだけしか頭になく自分の中だけで完結しているだけのただの偽善という見方もある。
というのも、実は落語界において「名跡」の管理は先代、あるいは先代遺族の専権事項であり、たとえ一門のトップであろうがその権限は犯す事ができない。名跡襲名においては彼らの意思がまず絶対条件となる。つまり美風の名跡はそもそもが風子、あるいはその家族の権利・所有物であって獏風のものではない。獏風が自由に扱う事が出来る名跡は前座名と自らの管理下にある名跡だけである。その為、風子が名跡の襲名を望む以上、本来師匠である獏風に出来ることは現状の風子の襲名は時期尚早として襲名を引き延ばす事だけであり、たとえ弟子とはいえ遺族を無視して他者に名跡を襲名させる事は本来許されないのである。
現実問題として「三遊亭圓生」という名跡の襲名に関して、遺族間の不一致で旧圓生一門間の激しい対立を起こし結局誰も襲名できなかった事例や、「三遊亭小圓遊」という名跡が遺族の意向によって現在まで封印状態にあるという事例がある。
こういったことを考えると、今回の襲名に関してはいくら自分の弟子とはいえ、仮にも先代の遺族であるはずの風子の意向を無視して行われており、師匠という立場を振り翳して遺族たる弟子の固有の専権事項を犯しその所有物を奪って他人に渡すという、明らかに業界の禁忌を犯した愚行であると言わざるを得ない。
いうなれば遺族の形見の品を許可なく他人に売り渡したり好き放題する行為に等しく、これでは風子が反感・憎悪を抱くのも無理はないのである。
仮に殺人という事態にならなくとも、このような不義理で杜撰極まりない襲名は結局上述の圓生襲名騒動のような大きな問題を引き起こしていたであろうことは明らかである。
せめて風子に自らの思いを伝え、充分に説得して本人を納得させる形で筋を通しておけば、こんな事態にはなっていなかったのである。
まぁ逆転裁判の世界では違うと言われればそれまでの事ではあるのだが…
ちなみに彼女のブレイクモーションは、バルーンアーティストだという事と持ちネタの「バッルーーーーン!」から、勘がいいプレイヤーなら薄々オチに気付ける。
また、ピンク色の髪もカツラであり、素顔は長い黒髪を持つ素朴な印象の女性である。
時を経て海外での人気が爆発
2018年頃に、サスペンダーを引っ張って豊満な胸に叩き付けて揺らす「バッルーーーーン!」をする風子のモーションGIFがTumblrに投稿され海外で認知され始める。
2022年6月22日にアイルランド出身の独立系2Dアニメーター・speedoru氏が制作した逆転裁判の二次創作アニメ動画が公開。
アニメの劇中に風子が登場したことをその動画を観たファンの感想がTwitterなどに投稿。それが急速に伸びたことで風子の二次創作イラスト等が、TwitterやNewground、そしてPixivに数多く投稿され、風子の海外名である「geirutoneido」の閲覧数が急激に伸びることとなった。
逆転シリーズ豹変美女の系譜
白音若菜→旋風亭風子