CV:小形満
概要
主人公・星奈ひかる父方の祖父。
厳格で堅物な性格で、家族や周囲の人々に対して愚痴ることが多くその態度を隠そうともしない。
孫娘のひかるに対しても普段から厳しい態度をとっており、朝の挨拶も「おはよ~!」などと軽いノリというだけで不快感を示し、わざわざ「おはようございます」と言い直させる程。
堅物で現実主義者な政府高官の父親同様、こんな厳格で堅物な性格だからなのか、プリキュアシリーズお馴染みとなる、居候キュアに該当しそうなプリキュアが本編で全く存在しなかった理由の遠因ではないのか……との声もある。
プリキュア側と妖精側双方に居候が実際に全く存在しない作品は、2021年現在でスタプリのみである(ちなみに、プリキュア側のみ居候が全く存在しない作品は、スプスター、ハトプリ、スマプリ、キラプリ)。
現実主義で安定な人生こそ良しとする考えから、「やりたいことで生きていく」というライフスタイルに対する偏見が非常に強い。
当然ながら、ひかるの母の輝美が何年も連載を持てていないのに漫画家の道を今でも諦めずに頑張っていることは良くは思っていない。それどころか、ひかるが星座や宇宙に熱中していることもあまり良く思っていない。これはひかるが科学への使命感を持って星座や宇宙に取り組んでいるのではなく、ただ楽しいからという浮ついた気持ちでやっていることに苛ついているようだ。対照的に寛容な妻の陽子に対して「おまえも甘いな」と苦言を呈している。
ただし、良くは思っていなくても、禁止したりとかそういうことはしない。一言二言皮肉めいた文句を言ったら「フン!」と鼻を鳴らして距離をとってしまうようなタイプ。
古格な価値観を持つ春吉だが、彼が一番大切にしている考えは「家族は一緒にいるべき」というものであり、ひかるや輝美も家族として一緒にいてくれるのだから、彼女たちがやりたい事もある程度までは認めないといけないという思いもある様子。また彼女らが危険な目に逢えば普通に心配する。
ひかるはこんなお爺ちゃんに多少の苦手意識はあるようだが、彼が持つ家族への思いのようなものは分かっているようで、うざがったりせずに素直に言うことは聞いている。
また春吉自身、彼女らが危険だったり不憫な出来事に直面すると少々分かりづらいが素直に心配している。
一方で春吉は、実の息子の陽一に対して「育て方に問題があった」と嘆くまでに失望を抱いている。
これは陽一が家族と一緒に暮らせる安定した大学教授の仕事を捨ててフリーランスの研究者となり、殆どの月日を趣味を兼ねたフィールドワークに費やして帰ってこない奔放な生活を送っている事に原因がある。この事は春吉にとっては「自分の夢のために家族を捨てた」としか思えず、とても許せるものではなかったのである。
第23話の七夕の日に一年ぶりに再会した時にも、なんとか仲直りしたい息子の陽一の気持ちをよそに、春吉は口をろくに利かず嫌悪感を見せていた。
しかし、その根底には「息子の我儘のせいで嫁と孫に寂しい思いをさせてしまった」と言う負い目もあるようで、単純に価値観の相違による嫌悪だけではなく、輝美とひかるを思いやってのことでもある。また、そのように思うと言うことは、陽一が輝美とひかるの後押しと理解を得た決断であることを伝えていないのかうまく伝えていない節があり、そのため独断なわがままにしか見えてないようでもある。
同話では息子と一緒に過ごすのが嫌であった事から、家から抜け出てしまい、それをテンジョウに付け込まれてノットレイにされてしまうが、プリキュア達によって救われた。
そこへやって来た陽一からプリキュアたちが身を隠したので、プリキュアたちに代わって陽一に介抱されることに。当初は口を利くのも肩を貸されるのも拒んでいたが、一度怪人化した疲労はさすがに尋常ではなく、結局陽一の肩を借りて帰った。
安定しない仕事をしてはいても頼り甲斐はある息子の姿を見て「育て方に問題があった」という考えを思い直し、また夜のバーベキューパーティでララから「父親と一緒にいるひかるの姿が楽しそう」と諭された結果、態度が多少は軟化。翌日の旅立ちを僅かだが見送っている。
なお、空見遼太郎とは旧知の仲で、互いに「遼ちゃん」・「春ちゃん」と呼んでいる事から幼馴染みである模様。二人きりの時は、普段な頑迷さもなりを潜め、素の悩みをこぼしている。陽子も含めて幼馴染みだったことが遼太郎の回想で判明した。
つまるところ、面倒なツンデレお爺ちゃんなのである。
このことは息子との確執から逃げるため七夕に関連する大きな記事が書かれた新聞を持っていたにもかかわらず、遼太郎に指摘されるまで今日が何の日か認識していなかった(つまり最初から読んでいなかった)ことからもうかがえる。
遼太郎以外だと、第22話の件で世話になったララにも孫の友人としてかなりな信頼を置いている。
第26話から長期間ひかるが家を留守にできたのも「ララが一緒なら」という理由から。
第23話のコピーフワ騒動ではひかるが咄嗟に「おじいちゃんに大事な話があって」と言った後に陽子が「好きな人でもできたんじゃないの?」と解釈した時に春吉は「じっくり話を聞こう!」と食いついたため息子の件もあるためか、普段は厳格に接しても彼なりに孫娘の将来について思うところもあるのだろう。
なお、この一連のやりとりで陽子の発言を本作のカップリングと解釈する視聴者も一定数いた模様。
余談
プリキュアシリーズにおいて主人公の祖父に当たる人物としては珍しく健在な上(どういうわけか既に亡くなっているパターンが多く健在なのは坂東宗吉以来)、配偶者と共に登場するのはシリーズ初。
演者の小形氏は陽一役の大塚明夫氏よりも年下である。
共通点があるキャラクター
セドリック(ちいさなプリンセスソフィア):担当声優が同じ。春吉とは逆に父の職業を継いだ息子だが、出来損ないの烙印を押されて父にも否定され続け、鬱屈して悪に走ってしまったキャラクター。
スクルージ・マクダック:リメイク版の担当声優が同じ。家族を愛する厳格な老人だが事情があって肉親と長期間連絡を取らなかったキャラクターで、ストーリーに宇宙の侵略者が関わっていく繋がり。
斉木熊五郎:面倒なツンデレお爺ちゃん繋がりで容姿も似ている。