CV:小山力也
概要
『The Super Star』の第1章にて、麻倉花がグレート・スピリッツから戻ってくる際、一時的に持ち霊とした第二次世界大戦の戦没霊の一人。
本来は戦争にも反対だが、敵を滅することに固執する戦闘狂であることは否定できない。そのため、花に戦闘を邪魔された際には激昂して躊躇なく花を「殺害」している。
- 「プチ修羅地獄」のコミューンでの出来事なので、当然両者ともすでに死んでいるため「死んでから更に死んだ」ことになるが、当時の咲太郎を含め、地獄のコミューンに囚われている魂は自分が死んでいることを自覚できていない場合が多い。
- 鴨川羊介とヤハべえも、偵察・監視・邪魔のためにこのコミューンを訪れて他の霊を使って干渉してきたが、やはり咲太郎に「殺害」されている。
一方で、物分かりも決して悪いわけではなく、花と共に長野県に向かった際の途中で米国海軍の軍艦に着陸した際には、米海軍の兵士たちに軽いジョークを飛ばしている。その際、そこにいた将校は生前に咲太郎が戦った米国のとある猛者の孫であったため、彼に祖父からの伝言を伝えて別れを告げた。
- この時は花も霊体であるため、霊なのに物質的に具現化してレーダーにも感知されており、それまで霊能力を持たなかった米国海軍兵士たちの霊能力を強制的にこじ開けていたという事になる。霊体がオーバーソウルを介さずに物質に干渉するというのは、作中では仏ゾーンやルシフェルの事例など珍しいケースとされる。
能力
オーバーソウル(O.S.)は生前使っていた拳銃を媒介とした可変甲縛式O.S.「ゼロ戦マン」。小型のゼロ戦の形状から人型に変形する可変型の甲縛式O.S.で、他の第二次世界大戦の戦没霊を弾丸に変換した機銃「御霊ランチャー」で攻撃する(咲太郎の同僚たちが含まれているわけではない)。
- つまり、他の霊を武器として使う珍しいO.S.である。
- 同時に、「霊(花)が霊(咲太郎や他の戦没霊)を使うO.S.」になるが、過去にはグレート・スピリッツ内では散見されたものの、現世での使用はシリーズ初である。
来歴
幼馴染であり親友だった戦艦大和の整備員の青梅戒造とは、共に千春を想う三角関係でもあったが、咲太郎は出兵する直前に千春との間に子を設けていた。
しかし、咲太郎と戒造は、ルーク・ラッソの手引きによって「世界の真実の一部」を目撃し、咲太郎は霊能力を開花しなかったが戒造は強力なシャーマンとして覚醒し、ルシフェルの姿を視認したためにルシフェルに殺されかけた。しかし、戒造は驚異的な才能と知略で逆にルーク・ラッソとルシフェルを押し返した。
- この際のルシフェルは、数多の分身を現世に解き放っていた上に「大天国(ビッグ・ヘヴン)」を追放されていたため、本来の実力からは比較にならないほどに弱体化していたという事情もあった。
そして、戒造は「真実」の一部を知ったことで絶望と怒りと無力感を覚えてモラルを失い、咲太郎は敵対することになり、咲太郎は戦死して戒造は生き残り、「鬼」を抱えて生きていくことになった。
その後、「フラワーオブメイズ」に直面した麻倉花が、二度目か三度目(または四度目)の「死」を迎えた際に、ハオがこれ幸いと花を「プチ修羅地獄」に修行に送り込んだ先のコミューンで出会ったが、実はハオは最初からこれを予定しており、咲太郎を花にあてがうことはハオの計画の一つだったと判明した。
地獄にて、仲間と共に何度も敵と殺し合いを繰り返し、花から「自分たちは既に死んでいてここは地獄である」ということを聞いていても納得できずに、上記の通り花を殺害したりしていたが、仲間たちの方が物分かりが良く、花と仲間たちに説得され、更に花の後ろに「闇鬼(ダイダラボッチ)」の姿を視認したことで、花がすでに「ある状態」に達していると確信したことで、花の一時的な持ち霊となること同意した。
長野県での青梅戒造との戦闘を経て、老婆になった千春と再会し、初めて孫の姿を確認した(孫娘は咲太郎が視えていなかった)。そして、咲太郎をこの歳まで待っていた千春は途端に寿命が尽き、霊体なので妙齢の姿に戻り、咲太郎と共にグレート・スピリッツに還った。
その後、花が阿弥陀丸のクラウドとファウストⅧ世のクラウドと共に咲太郎のクラウドの召喚に成功している。
- 阿弥陀丸のクラウドは、作中で登場したのはこれが三体目である。一体目と二体目は、ハオが花と葉のクラウドに模擬試合を行わせた際に、姿こそ見せていないが両者共に阿弥陀丸のO.S.を使用している。
余談
- O.S.「ゼロ戦マン」のデザインは、当初巻頭表紙などに描かれていた物と大幅に異なるが、これらが「ゼロ戦マン」なのか、それとも異なるオーバーソウルなのかは現状不明である。
- 青梅戒造は、恐山アンナや麻倉花と共に、「(小鬼でない)鬼を自ら生み出し、持ち霊として昇華させる」という数少ない事例の一人である。