概要
てんとう虫コミックス26巻及び、藤子・F・不二雄大全集12巻に収録「水は見ていた」に登場。
これのモニター部分に水を入れ、機械に付いているダイヤルで時間を指定すると、その時間にその水面に映っていた光景があたかもビデオのように水面に映し出される。見終わった水を瓶などに保存しておけば、いつでも同じ光景を見ることができる。
ストーリー
良い天気の中のび太は空地の土管で昼寝をしようと思ったが、先に男性が寝ていたため断念し家で昼寝をすることにした。だが部屋に帰ると、どこでもドアが開けっ放しになっていて、その中からドラえもんが帰って来て、映画館の天井に吊るして置いた水を回収しに行っていたという。そしてドラえもんは水ビデオを取り出し、早速二人はこの水を入れて映画『大魔境』を楽しみ、ドラえもんはこの水を他にも映画を撮った水を貯めた棚にしまった。
今度はのび太が水道水を見ようと持ってきたため、これをセットすると、雨が降ってから大きな川に出るまでの景色が映し出されたが、その途中には寂しそうな顔で笹船を川に流す男の子の姿も映っていた。更にのび太は他にも色々な場所の水を持ってきて、初めに公園の水をセットすると、夜の公園のベンチに先ほどの男性が移っていた。
続けて二人は学校の横の小川の水、表通りの水たまりの水を映し出し、釣りをするも一匹も釣れずつまらなそうにしている皆を見て楽しみ、しずかの家の風呂の水もセットししずかの入浴もみようとするが、その時本人が訪れて来たため、慌てて水をひっくり返して誤魔化した。
そして二人はしずかから手紙を乗せた笹船を拾ったことを聞かされ、読んでみると先出人が水ビデオに映っていた男の子で、兄さんというのが空地にいた男性だと気づき、この二人が兄弟であったことにも気づく。急いで空地に行き、男性から事情を聞くと共に訳を話し、どこでもドアで男性を故郷の田舎まで送り届け、男性は無事弟と再会することができた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1982年2月12日に、水田版は2015年3月15日にそれぞれ放送している。
1982年版
- サブタイトルが「水ビデオ」に変更。
- のび太は一度、そこは自分の指定席だと男性に行ったが、男性が目を覚まして「何かようかい?」と聞いてきたため、引き返した。
- ドラえもんが他にも色々な映画を撮りためた水を保管
- 水ビデオに映った地中の映像は真っ暗ではなく、ちゃんと地層が移っていた。また、表通りの水は見ておらず、しずかの風呂の水を見た際は、しずかが浴槽に足を入れる場面のみが映っていた。
- 男性には一郎、そしてその弟には次郎という名前が与えられていて、手紙の後半はしずかが読み上げている。またドラえもん達はこの手紙の差出人がさっきの男の子かどうかは分からなかったので、再度水ビデオを使い、笹船に手紙が乗せられていたことを確認し確信を得た後、しずかが描いた似顔絵と公園にいた男性を見比べ本人であることを確かめた。
- ドラえもん達が来た時、男性は土管の後ろに隠れて、田舎に帰れなくなったのは、務めていた会社が倒産し電車賃すら払えない状況になっていたからだった。しかしドラえもんに「歩いてだって帰れるよ!帰る気になればいつだって帰れる!」と一喝され、最初はムッとした顔をしたが決心を決め帰るきになった。
- ラストでのび太は「これでお父さんの病気も良くなるね」、ドラえもんは「うん、良くなるよ」と言って、一安心している。
2015年版
- のび太は1982年版と同じく、そこは自分の指定席だと男性に行ったが、男性が目を覚ましたため引き返した。ただし指定席は特等席に、そじて男性がのび太に行ったセリフは「用がないならさっさと行け!」になっている。
- ドラえもんは水を入れた瓶を木に吊るして、ドラマの撮影を記録していて、理由は見物人が多くて見られなかったからだった。ちなみにそのドラマのタイトルは『片棒』というものだった。
- 今回も1982年版と同じく、表通りの水を映し出すシーンはなく、しずかの風呂の水を見た際の映像もこれまた同じものだった。更にこの兄弟の名前も1982年版と同じであり、この後の流れに関してもほぼ同じであったが、男性の似顔絵はドラえもんが水ビデオから男の子の顔をスクリーンショットして現像し、これを元に機械で作成した。
- 男性は初めドラえもん達の話を信用しなかったが、しずかから弟の名前や手紙が来ていることを言われ、事情を話した。
- 手紙の後半は物語のラストの方で男の子の心の声として読み上げられていて、事が一件落着した後、ドラえもんとのび太はしずかから、協力してくれたお礼を言われ照れていたが、さっき自分が部屋に来た時どんな水を見ていたのか聞かれ、はぐらかしながら「絶対内緒!」としずかから逃げていた。