水素獣エッチ
すいそじゅうえっち
マヨネーズでおなじみのキユーピーが、1970年代に販促用に作った「怪獣トランプ」、そのスペードの10のカードに描かれていた怪獣である。
類別的にパチモン怪獣に属されるが、1970年代は『ウルトラシリーズ』や『スペクトルマン』、『仮面ライダー』や『快傑ライオン丸』などの特撮怪人や怪獣のパーツを部分的に描き換えた絵柄の駄菓子系ブロマイドやトランプが横行している中、このキユーピーの怪獣トランプの絵柄は基本的にオリジナルの怪獣であるため、正しくはパチモン怪獣ではない。
水素獣エッチは、その中にあっても特に個性的で印象深い怪獣と言える。
まず球体の頭に、魚で言う胸びれと長い脚のみが着いているという見た目のインパクトの強いデザインもさることながら、身長1,000m(1km)という実に初代ウルトラマンの25倍にも及ぶ体高を有していながら、正に水素獣と言うべきか体重500kgという圧倒的な軽重量(軽自動車のスズキ・アルト2014年モデルが610kgであるからそれよりも軽い)は、並いる怪獣の中でも特に異彩を放つ。
パチモン怪獣の中で最もメジャーな存在の一つと言える。ちなみにエジプト出身。
かつて池袋に存在したアンティークショップ「えむぱい屋」は、水素獣エッチをソフビ人形化して販売。のみならず、店の創立10周年記念として唐沢なをき主演の特撮映画『モーレツ怪獣大決戦』を製作し、同じ怪獣トランプに登場した「宇宙ウナギ・メトロカバヤン」、「熱戦獣ヒーター」、「メロン原人メロメロン」と共に映画へ登場させている。
なお、同作ではその軽さに相応しくガス気球のように浮遊する能力を見せた。
その後は、『モーレツ怪獣大決戦』と主要スタッフが被っている短編特撮テレビドラマ『Ζ 行け!あひるお姉さん』にも再登場した。
また、これらとは別に河崎実監督の特撮映画『地球防衛ガールズP9』にも姿を見せている。