プロフィール
概要
自称16歳で、既に亡くなってから幾星霜経過している(そのため実年齢は教えてくれない)。
常人には視認できない霊体であるが、「現象」としては存在しているため、ものに触れることも出来るし、逆に幽奈に触ることもでき、お湯に浸かればその部分だけスカスカの隙間になる。なお、ご飯は食べられないが「お供え」することによりその味を感じることができる。おまけに普通の幽霊ではあり得ない日焼けもできる他、実体があるため体重も存在する。
ポルターガイストを引き起こす能力があり、かなりドジっ子かつ泣き虫で恥ずかしい思いをしたり嫌なことがあるとすぐ何でも吹き飛ばす(一番の被害者はもちろんコガラシである)。霊力はかなり高いらしく、日本屈指の実力を持つとある神から求婚されたほど高位の霊…らしいが本人に自覚はない。誰に対してもさん付けで呼び、独りごとでも丁寧語を使う。
コガラシによると霊でいる期間が長いほど悪霊になりやすく、成仏時に閻魔大王に悪霊と判断されると地獄行きとなってしまう。だが幽奈自身、自分が成仏できない原因である未練が何なのかはっきりしていないため、コガラシと共に日常生活の中でその未練を探すことになる。
後に荒覇吐呑子により悪霊化のきっかけは誰からも認識されない「孤独」から来るものだということがコガラシに伝えられ、コガラシは幽奈を悪霊化させないためにも成仏するまで付き添っていくことを決心した。
コガラシが湯煙高校に入学すると、自分も学生気分を味わいたいとついてくるようになり、42話でとうとうほとんどのクラスメートにも存在が知れ渡るようになる。
46話でポルターガイストが発生しなくなり、宮崎千紗希から、コガラシに恋をしているからと指摘される。
戦闘力
潜在能力だけなら作中最高レベルの実力者。
現在でもポルターガイストで重さ推定数百kgの岩を複数動かす、本気を出すと飛行機並の速度で飛べる等の力を持つ。しかし、その真の力は、
・支離式(しりしき)という術者でも解除不可の呪いを容易く解除
・他心通(たしんつう)の術を狂わせ、周囲一帯に考えていることを筒抜けにさせる
を同時に行い、かるらの計画をほぼ一人で破綻させた。普段はポルターガイストと高速飛行からの体当たり以外の攻撃手段がなかったが、修行の甲斐あって任意で使用できるようになった。
(実際、前述の『真の力』にしても感情の昂りに呼応した結果である。)
また、生前の様子、死因、記憶喪失になった理由、未練と非常に謎が多い存在でもある。
朧が言うには「生前は相当強力な霊能力者だったであろう」とのことで、原作11巻にて葛城ミリアから御三家の一角「天狐幻流斎様に(霊波紋も含めて)そっくり」と言われている。
過去
ゆらぎ荘を訪れたコガラシの師である先代八咫鋼魔鏡院逢牙によりかつて千年前と百年前、そして数年前に世界を危機に陥れた大悪霊・餓爛洞の本体であり、天狐幻流斎その人であると正体を告げられる。逢牙によってコガラシ・呑子を始めとしたゆらぎ荘の面々が倒され、追い詰められた幽奈は自らの過去を知るため天狐家に向かう。
天狐の当主によると幽奈は幻流斎本人で、記憶がないのは自ら術で記憶を封印しているためだという。術を解くことは同時に過去の記憶を取り戻すことで人格が変わってしまう恐れがあるにもかかわらず、皆を守るために記憶の封印を解くことを決意。封印を解かれた幽奈は幻流斎としての術の力量を取り戻し、逢牙の霊装結界に通信術という形で干渉して結界を解除させ、術に無防備になった逢牙を鏡の中に封印し無力化した。だが、戦いが終わり過去の記憶を思い出そうとした瞬間過去の記憶が消えてしまい、元の幽奈に戻ってしまう。無力化された逢牙に対し、迷惑をかけたことを一言謝罪して和解しましょうと笑顔を向ける「幽奈」に毒気を抜かれた逢牙は敵対の意志を解き、和解する。
だが、全員が疲弊したタイミングで突如天狐の当主が正体を現す。彼こそが餓爛洞の真の主であり、天狐の始祖である天狐白叡であった。餓爛洞とは霊魂のエネルギーを貯め込むことで術者を不老不死に変える術であり、この術で白叡は不老不死となっており、また術の制作者である彼は餓爛洞を操ることができる。
白叡はかつて自らの娘・天狐幻(まぼろ)を溺愛していたが、娘は不治の病にかかり余命幾許もない状態に陥ってしまう。白叡は娘の魂と肉体を保存し、餓爛洞の術で不老不死とすることで娘を取り戻すと決意する。だが、餓爛洞の術は現状では白叡しか不老不死にしかできない。そのため白叡は娘のクローンである幻流斎を作り出し、娘の代わりに術を行使させて術を改良し自分以外でも不老不死になれるようにする実験を行っていたのだ。だが、2体目のクローンは教育に失敗してグレてしまい餓爛洞を世に解き放ち世界を滅ぼそうとしてしまう。これが百年前の大災害の真実である。以後は白叡が直接の教育から離れることでグレる問題は解決されたが今度は良い子になりすぎて非道の極みである餓爛洞の術を習得することを拒否するようになり、忌み名の術を使って無理矢理従わせ術を行使させてきた。だが、7体目のクローンは忌み名による強制を無効化する術を開発し、最後まで白叡に従うことなく死亡した。幽奈の正体はこの天狐幻の7体目のクローンである。
最大霊力量は約730万と作中でも非常に高い。これは狭霧の約3650倍、かるらや朧の約243倍と凄まじい値である。但し、これは蛾爛洞を倒すために集められた超越者と呼ばれる霊能力者たちの平均(約700万)よりやや上程度、コガラシの師匠逢牙に至っては、約16倍もの差をつけられている。
単純な力の差であれば大きく劣っており、多彩な妖術を駆使することによって強敵と渡り合っている。
真実
七代目天狐幻流斎は、生まれた時から実験体であると言い聞かされて育った。
二代目の轍を踏まぬよう人間らしい生活は与えられており、お風呂と恋物語を好む普通の少女として育つも、周囲からは腫れ物扱いされており、友人と呼べるのは白叡が連れてきた少女、流禅ぐらいのものだった。
ある日、彼女は流禅の力で相性のいい男性を探す相性占いを受けてみる。
その結果、当時はまだ生まれてもいない男の子・冬空コガラシが見つかるも、自分は一生異界から出られない身だからと諦めるしかなかった。
苦しい実験の日々の中、そこで彼女は白叡の衝撃的な言葉を盗み聞きする。
流禅の未来予測で望む未来を演算できるなら、もはや幻流斎は不要。人間ですらない上に存在理由すら奪われ、更に実験の影響で余命が一月もないことを知って絶望する彼女に流禅は言う。相性占いに未来を生きる少年が選ばれたのは、彼女が幽霊になる可能性があるからだと。
その言葉に「実験体でしかない自分にも他の人間と同じ魂がある」と知った彼女は泣き崩れ、自分が幽霊になった場合の未来を見せてもらうことにする。
その未来では、彼女は生前を忘れゆらぎ荘の幽霊「湯ノ花幽奈」としてコガラシとともに暮らし、恋人となって幸せな日々を過ごした。
だがそれも長く続かなかった。六代目八咫鋼・魔鏡院逢牙に餓爛洞の主と目された幽奈は逢牙に襲われ、コガラシが彼女を庇って消滅するという結末を迎えてしまう。
彼女は残り少ない命をコガラシを救う未来を探すことに費やすことに決める。
そして彼女は幻流斎としての記憶を残したまま幽霊になってみるが、この場合現世に長く留まることができないまま成仏してしまった。
彼女の未練とはコガラシと共に過ごしたいというものであり、未練の正体がわかっているとやがて未練が晴れて成仏してしまう。つまり「幽霊になるには未練が必要だが、幽霊であり続ける(=未練を知らずに過ごす)ために記憶を消しておかなければならない」という状態が発生した。
正体を知ってからも戦闘時にしか記憶が戻らず生前の記憶がすぐに消えてしまうのは、この世に留まり続けるためのセーフティロックとして自らかけた術によるものである。
だが逢牙との戦いの際に一時的に記憶を戻しても、逢牙には敵わず未来は変わらなかった。
アプローチを変え、自分だけの力ではなく他の力を借りることを模索した末に当代最強の鬼・荒覇吐呑子の存在に辿り着く。
呑子は本来死んでいるはずだったが彼女の干渉で生存し、呑子がゆらぎ荘に来たことで他の人物の運命も変わり、結果ゆらぎ荘に狭霧、雲雀、かるらといった多彩な面々が集まることとなり、それによってコガラシと幽奈が恋人として結ばれることはなくなっていたが、彼女はコガラシが生きられるならそれでも良いと思っていた。
しかし、再び未来に脅威が現れる。宵ノ坂醸之介である。
禁術によって逢牙以上の脅威となった醸之介を倒すには、どうしても最後にはコガラシが犠牲になる未来を避けられない。禁術を使う前に倒せば東軍西軍のパワーバランスが崩れ、多数の犠牲が生まれる。
せめてコガラシだけでもと後者の道を選ぼうとするが、それは幽奈が幸せになれないと流禅に止められる。様々な可能性を模索するもコガラシが犠牲になる展開を避けられずにいたが、そこで彼女はふと「もし自分がいなければ」と考えつく。
あえて幽霊になった直後に消滅し、自分がいなかった場合の世界を垣間見ると、それは幽霊騒ぎがないためコガラシがゆらぎ荘に来ず、他の面々も平穏な日々を過ごす未来だった。
自分さえいなければこんな未来にはならないと知ってしまった彼女は幽霊にならないため、流禅に「未練を消して欲しい」と頼む。
流禅は記憶を消すことだけは行ったが、彼女が幸せになれない選択を許容できず「自分のいない未来を見た」という記憶を消すだけに留めてしまった。
このため未練が残されていた彼女は幽霊となり、死後の未来を見た記憶も残っていたため、逢牙との戦いのために必要な呑子をゆらぎ荘に来るように手引きした後に自ら記憶を封印した。こうしてゆらぎ荘の幽霊「湯ノ花幽奈」が誕生したのである。
なお、ゆらぎ荘に現れたのは生前の最後の思い出と言える場所だったため。当時は女子寮ではなく「ゆらぎ庵」という名前の温泉旅館だった。
醸之介を倒した数年後はゆらぎ荘の若女将に任命。
同じくゆらぎ荘の経営者となったコガラシと結婚して生涯を共に暮らした。
関連項目
荒垣なぎさ:声優が同じで巨乳。放送時期までも同じである。
古橋文乃:公式コラボで共演した。彼女は母と死別しているためか、霊感がある様子だった。