うわさ
美智子はかつて、素晴らしい芸者だった。
赤い着物を着た彼女がひらひら舞うと、それはまるで羽根を広げた赤い蝶のようだった。
しかし今となっては、彼女の舞を直視する勇気のある者はいない。
概要
アプリゲーム「IdentityV」に登場するハンターの一人。
多くの人に誤解されてるが、東京の芸者である。※「吉原遊郭」は江戸の東京浅草付近
pixiv内においては「芸者」「芸者(IdentityV)」「美智子(IdentityV)」より「美智子」のタグがつけられていることが多いので検索する際はそちらを使おう。
プロフィール
名前 | 美智子 |
---|---|
職業 | 芸者 |
年齢 | 27歳 |
記念日 | 2月18日 |
趣味 | 和歌 |
長所 | 踊り |
嫌いなもの | 鏡・他人の視線 |
好きなもの | 能面・ベール・和服 |
CV(日本語吹き替え版) | 石川由依 |
キャスト(舞台版) | 大滝樹(EP1~3)、中野あいみ(EP4~) |
原語版での通称は「芸者」ではなく「红蝶」、芸名が通称として採用されている。
苗字は不明。
容姿
芸者という呼び名の通り、小刀を仕込んだ扇子片手に赤い着物に身を包み、結い上げた長い黒髪を二つにしておろしている。普段はその状態でしずしずと歩くが、激怒すると豹変し、般若の面をつけ髪を振り乱しながら宙を舞う。
性能
外在人格(パッシブ能力)
- 三役
美智子は、3パターンの違った心理状態がある。
平静時は美人相。
警戒半径は比較的小さい。すり足のような歩き方で進む。
攻撃をする、スキルを使用する、板を壊すといったアクションの他、サバイバーから攻撃されるなど何かしらのアクションを起こすと下記の般若相に変化する。窓枠乗り越え等では変化しない。
憤慨時は般若相。
警戒半径は比較的大きくなる。常に宙に浮いており、そのままの状態で進む。
移動速度は美人相と比べ、大幅に遅くなる。
この形態になると画面中央下あたりに左右で表情の違う芸者の顔を模したゲージが出現。時間経過とともにゲージが減っていき、ゼロになると美人相に戻る。
ゲージがなくなるまでに般若相になる条件を満たすとゲージが最大になり、最初からやり直しになる。
サバイバーに顔を注視された時は狼狽相。
恐怖半径は変わらない。
刹那性滅が使用できなくなるだけで、それ以外の要素に変化はない。
ちなみに扇で顔を隠しているが懐中電灯の効果は無効化されない。
形態変化/固有スキル(アクティブ能力)
- 苦海ダンス
美智子が指定地点に40秒存在するアゲハを放つ。アゲハは終着点まで一定時間かけて飛んでいく。
【アゲハ】美智子の怨念が化けた蝶型の霊体。利那生滅の対象となる。
サバイバーがアゲハに触れた時、アゲハはそのサバイバーに30秒間とりつき、サバイバーを利那生滅の対象にする。
- 刹那生滅
美智子が覚醒し般若相になると、地形を問わず、視野に入っている最も接近したアゲハに向かって突進していくことができる。
ただし、美智子は他人の視線を恐れるため、アゲハに憑りつかれたサバイバーが顔を注視すると狼狽相になり、この技は失敗する。
刹那生滅の範囲内にいるアゲハには赤い鬼のアイコンが、刹那生滅できないアゲハには緑色の扇子のアイコンがそれぞれ表示される。
- 離魄移魂
存在感ゲージが1000溜まることで解放。
美智子が覚醒し、般若相になると、身軽に空中に飛び上がり周辺環境を見渡すことができる。
アゲハをかなり遠方まで設置できるため刹那生滅で瞬間移動のように各地へ移動が可能。
- 刹那生滅
サバイバーの恐怖心が美智子の力を高めた!
存在感ゲージが2500(最大)まで溜まることで解放。芸者はより素早い速度で目標に近づける。
長所
最初から使用できる刹那生滅による追跡が最大の武器。
アゲハを設置して距離を一瞬で詰めれることもだが、視線さえ通っていれば倒した板や窓枠、背の低い障害物などを無視して接近できる。
クールタイムが非常に短く、実質8秒に1回使える神出鬼没。
離魄移魂により上空から索敵、救助に来たサバイバーを遠距離で見つけて刹那生滅で接近し救助狩りを行える。見つけられなくても離魄移魂を解いて落下した時に攻撃すると硬直がなく即時に2回攻撃できるため救助狩りを狙いやすい。
刹那生滅が出来ないのはサバイバーが芸者を直接見ている場合のみ。
サバイバーが芸者を直接視認出来ない状況(例としてあげるならばサバイバーが小屋の中におり、芸者は小屋の外にいるような状況)でも、芸者側が窓枠や壁越しに張り付いて、カメラを器用に動かすことによってアゲハを一方的に見つめる状況を作ることが出来る。
その際には刹那生滅が可能な鬼のアイコンが表示されるので、サバイバーにとっては防ぎようのない接近&攻撃を与えることが出来る。
短所
長所の項では「刹那生滅による追跡が得意」と書いたが、敢えて悪い言い方をするならば「それが全部」なハンターである。
最大の特徴である刹那生滅についても、アゲハ設置位置にすぐ移動できるが、暗号機の解読妨害したり全員に負傷を動きは芸者にはかなり難しい。それを補うための特質として瞬間移動、チェイスを速く終わらせつつ解読妨害できる監視者等が有効。
またアゲハをサバイバーにまとわりつかせると接近中にサバイバーに注視される、サバイバーが障害物の後ろを通るなどして視線が切れてしまうとその時点で刹那生滅を中断してしまうため、スキルのクールタイムが終わるまでただ追いかけるしかない。
特に存在感がMAXでない状態の時の刹那生滅は近づくスピードが遅いため、思ったよりも接近することが難しく、サバイバーはスキル接近中の音を聞いてアゲハから方向転換するだけで接近を遅らせることが間に合ってしまう。
また存在感がMAXの刹那生滅でも、アゲハを回収されて刹那生滅のタイミングを読まれて事前に止められる場面も多いために安心して使用は出来ない。加えて、道化師のダッシュと違って刹那生滅自体に攻撃判定はないため接近したあとは直接攻撃を加えないといけないため阻止されやすい。
【相性のいい内在人格】
一撃に賭ける「引き留める(ノーワン)」は必須。得意なチェイスを更に有利にする「閉鎖空間」か場面に合わせて対応しやすい「裏向きカード」のどちらかは装着しておきたい。
逆に時間経過で存在感が上昇する「傲慢」は芸者にとって存在感を上げるメリットがあまりないため他の内在人格を蹴ってまでつける必要はない。
サバイバーの芸者対策
前述した通り芸者の追尾能力はとても高く、一度見つかると完全に逃げ切るのは難しい。そのため芸者を相手にするときは逃げるよりも恐れず立ち向かうような動きが重要になる。
板窓操作中には無防備になるため刹那生滅の餌食になりやすい。相手の刹那生滅のタイミングを見て操作しよう。特に存在感がゼロの状態でのファーストチェイスでは刹那生滅のスピードは遅いため、焦らずにスキルの音を聞いてからアゲハから離れる、顔を注視すれば接近を遅れさせることが多い。
上記で恐れず立ち向かうような動きが重要と書いたが、あくまでそれはかなり接近された時の場合であり、ある程度の距離があればアゲハ警戒と顔をたびたび注視しながら距離を離す(いわゆる距離チェ) は芸者含めどのハンターにも通じる、オススメのチェイス方法でもある。
余談
勘違いされている方も多いが、美智子は吉原(江戸)、つまり現代でいう東京の芸者である。京都の芸者となると名称が芸妓となるため、注意されたし。
ゲーム内
ゲーム中に美智子を操作せずに放置すると鼻歌を歌い舞を踊りだす。曲名は「さくらさくら」。この歌声は永眠町でゲームが開始する際にも聞こえてくる。意外と声が可愛いので必聴。
窓を乗り越える際は足元が黒く染まり歪んだ状態になる。乗り越えるというよりも、その瞬間だけ障害物が通り抜けられるようになったかのように移動する。
ロッカーに入っているサバイバーの拘束はわざわざ自分もロッカーの中に入ってドアを閉めてから行う。
永眠町で路面電車に座ると、後述の過去もあってか物憂げな表情で俯く様子が見れる。
他キャラクター
中国では美智子の過去が掘り下げられたものと、リッパーとの関係が記されたアニメも公開されている。これはファンが製作したものを公式がリッパーと美智子の声優を起用して公開したものらしいが、フルボイスなので美智子(またはリッパー)ファンには必見。
血の女王の原語版での通称は红夫人で、美智子(原語版は红蝶)と合わせて双红と呼ばれている。
衣装(スキン)一覧
UR | |
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花嫁 | 白無垢 |
これは彼女がかつて憧れていた服装で、あの人を失ったあとに手に入れた。 | 故き衾露けき秋なり 心のうちに物ぞ悲しき |
ピッチリとしたウェディングドレスで、髪がブロンドになっていたり通常からベール付きの仮面を身に着けているなど印象ががらりと変わる。後述の般若相の時は全体的に衣装が黒くなり、仮面がとげとげしいものに変わる。かつてはこのドレスを着ることを夢見、大切な人を失ってから手に入れたものらしい。また、着物と違い身体のラインがはっきり出るデザイン故、美智子のスタイルの良さがよくわかる。 | 正統派な白無垢であるが、般若相の際は白無垢が真っ赤に染まり、仮面がより凶悪なものとなり、普段より一層髪を振り乱す。 |
十三娘 | 永夜のオーロラ |
故郷を離れた一人ぼっちの美しい女性にとって、自分を守る唯一の方法と言えば、恐らく…切り札を多く手に入れることだろう。十三娘はよくこう言っていた。純粋な善意はバラを枯れさせるだけだ。価値のある詐取こそバラを咲かせ続けられる。 | 支配者の名前の真意は、その正体と同じようにあまり人に知られていなかった:彼女はこの永夜の都のオーロラとなりたい――極地の遭難者がその体温を失う直前、最後の慰めとして得られる美しさのように。 |
竹華 | 壱原侑子 |
竹の影、風の華。 | 壱原侑子の衣装。 |
xxxHOLiCコラボ |
SSR | |
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丹頂鶴 | 血まみれの扇 |
鶴なけば 氷の破片 日の破片 | 一体何があの憤怒の魂を解き放ったのだろうか?もしやあの乾ききった血汚か?それとも壊れた容顔か? |
期間限定販売 | |
白孔雀 | 紫孔雀 |
この汚れのない純粋は誰の為に踊らされているのか? | 孔雀は東南に向かって飛ぶが、5里も行けば一度引き返す。 |
羅生門 | 雨を祈る女 |
涙は、人を惑わすこともできれば、自分を惑わすこともできる。 | 神女が燃え盛る城の中で1人、最後の雨乞いの舞を踊った時、彼女の心にあったのは愛か、恨みか? |
演繹の星シリーズ。実装時のアオリ文「人の心は光届かぬ永の暗闇か 世の果てを燃える煩悩の焔か」 | |
更紗 | 硫黄の炎 |
かつて彼女は、あの人が瑠璃に反射された雨上がりの空の煙のような、眩暈がするただの幻だと思っていた。――遡及シリーズ衣装 | 炎はどんどん勢いを増した。彼女は心臓が締め付けられ、ドクドクと音を立てるのを感じた――飛び跳ねる炎の舌が、この復讐の夜を飲み込むまで。 |
黒澤紗重 | |
黒澤沙重の衣装。 | |
零~紅い蝶~コラボ限定 |
SR | |
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錦鯉 | 白い鯉 |
東洋から持ってきた華やかな衣装にふるさとへの恋しさが募り、異郷にいる孤独をいっそう掻き立てる。 | 錦鯉の良い運気のご加護は、服飾の光沢と共に、次第に褪(あ)せていくのだろうか? |
秋の萩 | 林中の影 |
露に濡れる庭の荻に秋の訪れを感じたが、足を踏み出して衣を濡らす気にはなれない。 | 寂しい林に落ちる月の光に、秋の愁いを消すことはできない。 |
深淵棲 | 忘憂 |
もし深淵を直視する勇気があるなら、脱出の道を見つけられるかもしれない。 | この世ははかない。悲しく笑い酒をあおる。 |
梅姫 | 海棠(かいどう) |
昨夜舞い降りた雪が枝に積もり、まるで梅の花が咲いたかのようだ。 | 人の心は容易く変わる。あの頃のままでいるのは、この花海棠くらいだろう。 |
夢の中に出てくる人 | 割れた瓷器像 |
深い夢を見て、心奥深くに秘めた情を慰める。 | 長らく消息が掴められていなかった遠東の瓷器像が、オークションに再び姿を現した。それに憑依していた凶悪な魂は、まるでもう一つの異界から来たようなものだった。愚かな人間たちはそれを見て、ピークマンの芸術は物を作る次元を遥かに超越し —— ついに異界を開く能力を持ったのだと断定した。 |
ミョウガ | 五光 |
食べた瞬間はほんのり甘く、飲み込んだ後は苦味が広がる——まるで私の人生のようね。 | 松に鶴、桜に幕、芒に月、桐に鳳凰、柳に…… |
花火 | バスローブの精 |
刹那の花火は、観客の心の中で永遠に存在する。 | 最初に化石温泉に影響された客として、鬼魅なるその姿は浴場内の幽霊伝説の由来となった。 |
R | |
---|---|
黄色い袖 | 紫色の上着 |
黄色の袖。柱を纏う、美しい夢。 | 紫色の被服。皇室を象徴する霊気が、東より昇る。 |
青い衣服 | 薄紅の影 |
青色の影。水に靡く、シルクのような髪。 | 粉黛(ふんたい)、笙歌(しょうか)。 |
初期衣装 | ボロい服 |
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初期衣装。すべてが自然に見える。 | 服がボロボロだ。本当にただゲームをしただけ? |
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背景ストーリー
「紅蝶」と呼ばれていた芸者美智子はとある宴会で異国の紳士・マールスに出会い、二人は当地で式を挙げ、共にマールスの故郷へ帰る。
しかし二人はマールスの父に猛反対され、彼は毎日のように美智子を嘲笑い、何とかして彼女を追い出そうとした。
その後マールスは仕事で出張に出かけ、美智子はその間に姿を消してしまう。
マールスの父は使用人と駆け落ちしたと言い張り、マールスに新しい嫁を探すよう催促する。
マールスは美智子を探し回ったが、誰も彼女の居場所を知ることはなかった。
背景推理(ネタバレ注意!)
この先ゲーム内における「背景推理」等のネタバレを含みます。
1.故郷 | ここは、ご先祖様の終着点であり、私達の始まりの地。 |
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日記の1ページ:置屋に入る時、私はそこを眠り続ける街と呼んでいた。深夜の街は、深い眠りに包まれ、動いているものはとても目についた。 | |
2.置屋 | 嵐の流れに身を任せる浮き草のようなこの身。どうして風を恐れるものか。 |
1枚の写真:年若い女の子が花魁の伴奏のため三味線を弾いている。 | |
3.芽生え | いつの日か、お前も喜びと悲しみを運んでくれる彼の人に会うであろう。 |
1枚の写真:お座敷で端正な顔立ちの若者が酒を飲みながら虹色の和服に身を包んだ若き芸者の舞いを堪能している。 | |
4.旦那 | 夏虫の如く愚かで、己の命をも惜しまず火に飛び入る。 |
2枚の乗船券:古いもののようだが、保存状態がいい。 | |
5.臆病 | ここは、まったくの見知らぬ国。女性たちは、派手な帽子を身に着けている。 |
帽子飾り:6インチほどある美しい蝶の帽子飾り。その先端はとても尖っている。 | |
6.暗雲 | 彼が遠出をすることになり、記念に一緒に写真を撮ることにした。 |
1枚の写真:和服を着た若い女性とその夫が、暗い表情をしている老人の後ろにたたずむ。写真の後ろには「人を不愉快にさせる女」と書かれている。 | |
7.寒気 | 人の心は、他人には変えられない。 |
とある電報:妻駆け落ち、すぐ戻れ。父 | |
8.恋愛 | 貴方の枕元を行き交う、その思いは断ち切れるものではない。 |
1枚の写真:憔悴しきった青年が街角で、尋ね人のビラ貼り付けている。ビラには恥ずかしそうに映っている者の写真が印刷されている。 | |
9.怨念 | 思いを断ち切れず、その気持ちは恨みに変わる。 |
日記の1ページ:あの人は、本当にこのこと知らないのか?いや、あの帽子飾りは…きっと知っているはず。知っていなければおかしいはず。 | |
10.再生 | 全てを忘れるとは簡単に言うけれど、心に巣くう鬼を追い出したところで人として再び生きていくことはできない。 |
しかし、消え去るまで、一体どこにいるべきなのだろうか? |
美智子はかつて吉原遊郭で最も名が知れていた芸者だった。彼女が赤い着物を纏い舞を披露する姿は、まるで翼を羽ばたかせる紅蝶のようだった。そんなある日、彼女はとある宴会でマールスという名の異国の紳士に出会った。マールスは薄く頬を染めた様子の美智子に一目惚れし、二人は当地で式を挙げ、彼の故郷へと向かった。
しかしマールスの家族はこの新婚夫婦を認めようとしなかった。中でも父親の反対が一番激しく、全うな家族にこんな婦人を嫁に入れてはいけないと騒いでいた。マールスの心が変わることは無かったが、その後彼は上司の命令を受け、印度に6ヶ月間出張することになる。美智子が印度生活に慣れるか心配だった為、彼女を家に置いて行くことにした。これがすべての不幸の始まりだったのだ。
マールスが帰国する1週間前、濃厚な霧が漂う深夜、美智子が失踪した。彼女は用人と駆け落ちし、おまけに家の財産を一部盗んでいったと、マールスの父はそう言い張った。当然マールスはそんな言葉を信じず、毎日外で妻を探し回った。しかし誰もあの可憐な東方美人を再び見かけることはできない。それは彼女自身だってそうだった。
記念日タスククリア(1回目)
一通の古びた手紙
尊敬なるドネリー様:
前回お会いした時から6か月が経ちました。近頃はいかがお過ごしでしょうか?
あなた様から預かっていた物ですが、すでに適切な処置を取らせていただきました。彼女の存在が他人に見つかることは二度とないでしょう。
ただ、運送にかかる費用が予想を超えているため、預かり料金が不足する事態にならないよう、もう少し援助いただけたら幸いです。
また、ご子息が不安をそそるような調査を始めたと聞きました。不必要な争い事を招かないためにも、早急にご返信いただけたらと思います。
では。
敬具 ユージン・ヘイワード
※補足
手紙の差出人である「ユージン」は踊り子の叔父。黄衣の王記念日タスクの15年前に湖景村に引っ越しており、そこでは供物として動物の血肉を水神に捧げる儀式が行われていた。
湖景村ステージの建物には蝶の影が映る紅紫色の窓がある。
記念日タスククリア(2回目)
黄ばんだ手紙
親愛なるマルス
申し訳ない。例の物の在り処を見つけたのは、すでにオークションで落札された後だった。
売り手は匿名、オークション主催者は身分を提供してくれない。周辺の調査によると、事が起こってから大分時間が経っているため、役に立つ情報は多くないようだ。
今分かることは、スタイルが良く容姿も優れた若い女性であり、方言のような訛りがあること。しかしその描写から言えば、その売り手は美智子と大きな違いがある。
落札者の方に至っては、いくつかの手段を通して彼の連絡先を入手した。しかし何度連絡を試みても、相手からの応答はなかった。
でもどうか安心してほしい。城内調査を終えた後、彼の荘園へ私が自ら赴こうと思っている。その紳士が気前良く手放してくれれば良いのだが。
(その荘園は君の新しい目的地からそう遠くない。良かったら一緒に行かないか?)
心からあなたのものであるはずの全てが、あなたのもとヘ戻ってこれる事を祈っている。
忠実なる友人 ベハムフィール
※補足
ベハムフィールはマーサ・ベハムフィール(空軍)の姓と一致するが、サバイバーの空軍には身分証明書が2通あるなど偽名疑惑もありマーサ本人からの手紙とは言い切れない。
記念日タスククリア(3回目)
日記の1ページ
昨晩眠りにつく前、荘園の使用人が私の客室の入口に現れた。彼らは未だにベハムフィールの消息を掴んでいない。
当初の私とベハムフィールの約束では、3日前にはもうここへついているはずだった。そんな現状を私は少し意外に感じた。
更に意外なことに、使用人はあのハットピンを私に渡した。
それはとうに私の記憶の姿とは違っていた。宝石は剥がれ、ピンの先端は得物のように尖っていた。これによってそれは装飾品というより道具に近かった。
使用人によると、荘園の主人の気が変わったらしく、私さえ良ければ夜が明けた後にこのハットピンを持ち去って良いらしい。私には一晩、考える時間がある。
深夜、私はこのハットピンを握って眠りについた。私は夢であの黄昏の街に戻った。
しかしここ数年私を煩わせていた悪夢とは違い、今夜の街は平和で穏やかだった。耳元に響く美智子が大好きなあの和歌も、最後のパートに差し掛かったところだ。
私が再び目を開けた時、時間はすでに夜明けになっていた。手中のハットピンに目を向け、それに奪い去られた全てを思い返し、私は決断した。
朝食の時、私は残ると使用人に告げた。私は必ず荘園の主人が話すと約束した「物語」の結末を知りたい。たとえその条件が、荘園の主人のゲームに参加することであっても。
※補足
ハットピンは背景推理5の「蝶の帽子飾り」のこと。
生前に美智子へ贈られたピンを知ることから日記の主はマールスであり、マールスは荘園のゲームに参加した(サバイバー)ことが明らかになった。
xxxHOLiCコラボ
コラボストーリー内にて下記が明かされた。
- 荘園には日本っぽい女性アクセサリーがある(おそらく「蝶の帽子飾り」=「簪」のこと)
- 持ち主の女性は本当の意味での参加者というわけではない
- 荘園には彼女が愛したこれらのアクセサリーと、それを求めて来た者のみが存在する
- 行方不明になった女性を探す者にとっては荘園に落とされたアクセサリーと主催者が約束した手掛かりだけが最後の希望だった