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概要編集

日蓮宗の総本山である久遠寺は肉や魚、酒、さらにはネギニンニクといった五葷(ごくん)の飲食や持込が厳しく制限されている。そのため修行僧や参拝客は身延山へ入山すると精進料理しかありつけないため、嗜好品として江戸時代初期に製造されたのがこの饅頭である。


身延まんじゅうの特徴として小麦粉醤油黒糖または三温糖を練り込んで混ぜた生地を使用しており、醤油の塩加減が小豆で作ったの甘さを引き立てている。大きさは10cm程の小判サイズで、「みのぶ」と書かれた焼印が押されている。


なお、一時期ピク百やウィキペディアでは「味噌饅頭」と書かれていたが、味噌は一切使用しておらず間違いである。おそらく皮の色で味噌を使っていると思い込んだ記事を参考にウィキペディアに書かれ、それを基にピク百にも書かれたと思われる(ウィキペディアに味噌は入っていない旨のラベルが貼られ、訂正されている)。


販売箇所編集

元々門外不出であったこと(土産物として販売を始めたのは身延線身延駅まで開通してから)、また消費期限が短い(夏は3日、冬は4日)こともあり、製造されている身延町の土産物店以外ではほとんど目にすることはない。主に久遠寺の近くにある甘養亭と身延駅前にある栄昇堂が製造・販売している。ごく稀に店から湯気が立ちのぼるが、これは身延まんじゅうを蒸している時に出るもので、自家製造の証である。


最初に製造を始めたのは甘養亭で、商標も甘養亭が所有しているが、関係のない他所に奪われることで商標料を請求されることや、違うものを「身延まんじゅう」として売り出すことを阻止する製法保護が目的である。そのため名称使用で揉めた山梨銘菓と異なり、栄昇堂など既存他店舗でも引き続き同じ商品名で製造・販売が続けられている。ちなみに各店舗で若干饅頭の色や味が異なる。


ほぼ現地調達しかできないため「幻の土産菓子」であったが、『ゆるキャン△』で登場してから知名度が上がり、かつ自家製造のため数に限りがあり、観光シーズンになると売り切れることもある(ゆるキャン△で登場したのは栄昇堂のほうで、店内に斉藤恵那のパネルがある)。ゆるキャン△でのブームを機にネット通販を始めたところもある。


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