説明
文章や絵画などをかくペースが速いことを指す。
では速筆な人が歓迎されていたかといわれれば決してそうでもなく、当時は仕事が早い=仕事が雑だとみなされていた節があったらしく、編集から「真面目に仕事やってくれないと、上司に叱られます」と言われてむっとした例もあったという。
それどころか速筆の作家は原稿料も安かった(原稿料を時給換算していた例もあった)こともあり、速筆作家として有名な池波正太郎、吉村昭などがそれに愚痴をこぼしていたこともある。
速筆の人物・キャラクター
実在の人物
- 秋本治、荒木飛呂彦:週刊連載を一度も落としたことがなく、しかも週休2日体制を保っていた。
- 荒俣宏:漫画を描くのは遅筆気味だったが、文章を書くほうは速かった。
- 池波正太郎:小説家きっての速筆。海外で遊ぶための時間を作りたいという一心でいたら、速筆になったという。
- 石ノ森章太郎:「ひとりの著者が描いたコミックの出版作品数が世界で最も多い」というギネス記録を保持しており、多忙を極めた時期には月600枚ほどの原稿を執筆していたという。
- 大久保篤:原稿自体は完成していたが、休載に興味があるという前代未聞の理由で休載したことがある。
- 猿渡哲也:40年以上にわたる活動で一度も原稿を落としたことがなく、現在でも週間連載を掛け持ちできるほか、背景を描かない・過去作品の構図の再利用などの力の抜きどころのうまさも速筆の秘訣とされる。
- 鳥山明:漫画のネームを描かずにいきなり下書きから描き始めたことがある。
- なもり:季刊誌に一挙に100ページ掲載したり、『ゆるゆり』のコミックス4巻限定版ではなんと1万回ものサインを直筆したりしたことがある。(「※このなもりは特別な訓練を受けています」も参照。)
- 真島ヒロ:速筆で有名な漫画家であり、自身の連載作品が同じ週に2話掲載など速筆に関するエピソードに事欠かない。
- 吉村昭:編集が催促すると、毎回完成された原稿が金庫に保管されていたほどの速筆。
- サンドロビッチ・ヤバ子(原作)だろめおん(作画):週刊連載で2年以上休載したことがないという常軌を逸した連載ペースで単行本が全く追いつかないという事態に陥ったことがある。