関根大気
せきねたいき
1995年6月28日生まれ、愛知県出身。ポジションは外野手、左投左打。
東邦高校から2013年オフのドラフト会議にて横浜DeNAベイスターズから5位指名され入団した。背番号は「63」を着用。
50メートル5.8秒の俊足、遠投115メートルの強肩が持ち味。2016年シーズンは代打・代走・守備固め要員として5月以降フルで活躍した。
期待の若手の1人であるが、近年はあまり成績が安定しておらず、一軍と二軍を行き来することが多い。
2024年4月26日の巨人戦で左足を掠めるような形で死球を受けた。当初、球審は死球の判定を出していなかったが、関根のリクエストにより死球が認められて出塁した。ただ、当該シーンは当たってるかどうかかなり際どいもので、見る角度によってはボールが当たっていないように見えたこともあり、関根が虚偽の申告をして出塁したとして一部の巨人ファンが関根選手のXのSNSアカウントに対して心無い誹謗中傷の言葉を書き込む事態となった。
これに対し、関根選手は虚偽の申告はしていないと反論、野球ファンに対して誹謗中傷はやめるよう呼びかけるとともに、いくつかの悪質な書き込みに対して開示請求を行ったことを発表、同年8月15日に申請を行ったすべての書き込みの開示請求が認められたことを報告した。
関係者の反応
この関根選手の行動に対する反応は割れている。
折しも開示請求が通った8月15日は、パリオリンピック閉幕の直後で、同大会では成績不振に終わった選手(および自国の選手やチームに対して不利な判定をした審判員)に対するSNS上での誹謗中傷が大きく問題視され、JOCや元アスリートが直々に選手に対する誹謗中傷を控えるよう呼びかける異例の事態になっていたほどだった。
こうした背景もあり、アスリート経験者などからは関根選手の行動を支持する意見が多い。
一方で、
- 主に保守的なファンの間では「選手が自分に対する批判を封殺するための手段として悪用するのではないか?」「自分のプレイでそうした輩を黙らせるのがプロの選手というものではないのか?」という批判的な意見もある。
- 実際、開示請求後の関根選手は守備や走塁で幾つか致命的なミスを犯してしまい、それらが祟って一軍登録を抹消されてしまっており、DeNA側のファンからも「開示請求に気を取られてプレイがおろそかになっているのでは?」と皮肉られることになった。
- 「直接的な言い回しでの誹謗中傷が減るだけで、誹謗中傷のラインに抵触しないような遠回しな表現で選手を貶める流れができるだけだ」として、開示請求をしたからと言って根本的な事態の解決には程遠いという意見も。
- あくまで開示請求は被告側の情報を得る手段にすぎず、そこから裁判に持ち込んで有罪を勝ち取れるかどうかはまったくの別問題であり、誹謗中傷をしたユーザーの情報をネット上に晒したことで、却って関根選手側が不利になるのではないか(下手すると、裁判所側が「既に一定の社会的制裁を受けている」と見做して賠償金の請求等の訴えを棄却する恐れがある)
といった理由から、関根選手側の対応に否定的な見方をする意見もある。
いずれにしても、選手個人の力ではアスリートへの誹謗中傷を止めさせることなど不可能であり、スポーツ界隈、ひいては国全体が本腰を入れて取り組んでいかなければならないことは言うまでもない。
元プロ野球選手の里崎智也氏も、今回の一連の出来事について「(前略)誹謗中傷だって誰も動いてないじゃないですか?動いてるの関根だけじゃないですか?関根の他にも(誹謗中傷を受けている選手は)いっぱいいるはずですよね?各球団には、誰がどういう誹謗中傷をして、それを開示請求する部署があるはずなのに…」と、対応を選手に丸投げしているNPBの現状に苦言を呈している。