「かわいい晃牙から離れるのは、身を裂かれるよりも痛くて苦しい……」
「ぜんぶ言わせんなっ、アホらしい! そんぐらい大好きなんだよ、俺はずっと!」
概要
スマートフォン向けアプリゲームあんさんぶるスターズ!及び、あんさんぶるスターズ!!のキャラクター、朔間零×大神晃牙の腐向けカップリング。
制作元はHappyElements。
ふたりは同じユニットUNDEADに所属しており、また軽音部(「!!」ではサークル・バンドBB)にも共に所属している。さらにUNDEADの前身となったユニットデッドマンズにおいても共に活動していた。
「!」の時点で零は高校3年生、晃牙は2年生であるが、零が1年留年(留学)したため年齢は2つ違いである。
イベントが開催される毎に特定のペアを推す傾向がみられる運営だが、こと当CPにおいては「!」リリース当初、ひいてはメインストーリーから関係性が示唆されていたいわばおおきいおねえさん向け筆頭のコンビである。思いもよらない方向から急な供給を食らうので、当人たちが登場しないイベントストーリーでも油断せずに臨んでほしい。
おすすめストーリー(!・!!共通)
はじめに、あんさんぶるスターズは2000話以上に及ぶ膨大な話数からなるアイドルたちの物語である。零と晃牙が気になるが、どの話から手を付ければいいのか分からない……特にあんさんぶるスターズ!!から夢ノ咲学院に転校してきた新規ユーザーに向け、零と晃牙の関係性を追うために読むべきストーリーを(主観になるが)選りすぐった。ネタバレを気にしない人は当ページの「ゲーム内での二人」を参考にしてほしいが、ネタバレを避けたい人はこちらを参考にしてほしい。
※なおメイン以外の重要度を三段階に分けて表現しているが、あくまで重要度であり、読むべき順序とは異なることに注意してほしい。それぞれメインストーリー第一部を読破していれば、基本的にどのストーリーを読んでも大きく戸惑うことはないため、時系列順に読むもよし、気になったストーリーから読むのもよい。また、零と晃牙の関係は公開年が進む度に新しい事実が出てくるため、公開順に読めば当時と同じような流れで二人の進展が楽しめるだろう。
「!」のおすすめストーリー
重要度 | イベント・ストーリー名 | 公開年度 | 季節 |
---|---|---|---|
メイン | メインストーリー(第一部) | 2015年 | 春 |
★★★ | 追憶 それぞれのクロスロード | 2017年 | 追憶 |
★★★ | 生け贄◆不死者たちの復活祭 | 2018年 | 春 |
★★★ | 開演 ダークナイトハロウィン | 2015年 | 秋 |
★★★ | 衝突!思い還しの返礼祭 | 2016年 | 再春 |
★★★ | コーラス★始まりのオペレッタ | 2019年 | 再春 |
★★☆ | 大神晃牙 第一話 | 2015年 | 春 |
★★☆ | スカウト!ゴンドラ | 2018年 | 夏 |
★★☆ | スカウト!拳闘の四獣 | 2017年 | 冬 |
★★☆ | 撮影!ぽかぽかアスレチック | 2017年 | 再春 |
★☆☆ | 宵の宴♪バンドアンサンブル | 2016年 | 春 |
★☆☆ | 灼熱!南国景色とサマーバカンス | 2018年 | 夏 |
★☆☆ | スカウト!波乗りオーシャン | 2019年 | 夏 |
★☆☆ | キャロル*白雪と聖夜のスターライトフェスティバル | 2018年 | 冬 |
※上記は重要度ごと時系列順
(履修の一例:季節順)
・追憶クロスロード→バンドアンサンブル→復活祭→ゴンドラ→サマーバカンス・波乗りオーシャン→ダークナイトハロウィン→拳闘の四獣→返礼祭→ぽかぽかアスレチック→オペレッタ等。
読むのが大変なストーリーとかわいいストーリーを大体交互に記載している。
・そのほか、秋~冬はスト解説で後述するロッキンスターや節分祭、個別のアイドルストでは大神晃牙「バカルテット」や朔間零「Silver Bullet」等もおススメ。
「!!」のおすすめストーリー
重要度 | イベント・ストーリー名 | 公開年度 | 季節 |
---|---|---|---|
メイン | メインストーリー 第1部 | 2020年 | 夏 |
メイン | メインストーリー 第2部SS編 第5章サンドストーム | 2021年 | 冬 |
メイン | メインストーリー 第2部SS編 第8章SS | 2021年 | 冬 |
メイン | メインストーリー 第1.5部 第1章セブンブリッジ | 2022年 | 夏 |
★★★ | アイドルストーリー大神晃牙 第一話、第二話 | 2020年 | 春 |
★★★ | アイドルストーリー朔間零 第二話 | 2020年 | 春 |
★★★ | Howl!魂を燃やす不夜城 | 2020年 | 夏秋 |
★★★ | 分かれ道*憧れた姿とフラッシュバック | 2023年 | 冬 |
★★☆ | 温故知新 継承の御前試合 | 2020年 | 春夏秋 |
★★☆ | スカウト!MIRAGE | 2022年 | 冬 |
★☆☆ | スカウト!バンドBB | 2022年 | 春 |
★☆☆ | 祝辞 爪弾くブライドライト | 2022年 | 夏 |
★☆☆ | 深層 裏腹に潜んだBeast | 2021年 | 秋 |
★☆☆ | ロマンス♪ 歌に乗せるSwing Night | 2024年 | 再春 |
四月馬鹿 | あんさんぶくぶスターズ!!-Cry Wolf- | 2022年 | ? |
特典冊子 | アニメクロスロード特典小冊子Back door | 2023年 | 追憶 |
※※※ | ※随時追加予定 |
(履修の一例:季節順)
・アイドルスト各種→バンドBB→御前試合→不夜城→MIRAGE→Back door→フラッシュバック等。
・そのほか、個別のアイドルスト朔間零「アイドル☆ハイジャック」、「魔王の帰還」、「月下の王」、大神晃牙「不変の咆哮」等もおススメ。
(メインストは独自の流れがあるので、そちらの一連で読むのがおススメ)
メインライターである日日日先生のシナリオや、零晃が揃って出てくるストーリーを重視して紹介しているが、当然、上記以外にも素晴らしい話が沢山ある。数多のストーリーから紡がれる星々のアンサンブルを、どうか大いに感じてほしい。
なお、以下項目のメインストより下のイベント・スカウトストーリー紹介では季節ごと、公開順で並べている。
「!」軸 メインスト第一部
「!」メインストのうち、零と晃牙が出てくるシーンのみ抜粋して紹介する。
※ストーリーのネタバレ及び小説版の描写を含みます。以下は一見解にすぎないので実際にストーリーを読み自分なりの解釈を自分で判断してください。
第九話「餓狼」~第十四話「抑圧」
メインストーリーの序盤に晃牙が登場。
ストーリー中では【龍王戦】にて学院最強の名をもつ鬼龍紅郎と対決。生徒会の闖入により勝敗はつかなかったが、これが後に大きな伏線となる(後述の【四獣】ストーリーを参照)。
この時点で紅郎に「(朔間の)かわいい後輩」「次は朔間をつれてこい」と言われているあたり、晃牙は零の直接的な後輩であるという認識が周りでもあるらしい。(後の追憶ストーリーで晃牙が一年生の春頃から紅郎とは顔見知りの描写があるので、晃牙と零の関係について紅郎はよく知っているのかもしれない。)
第二十話「魔軍」~第二十一話「魔王」
零含む軽音部四人が登場。先日の【龍王戦】を没収試合にされ鬱憤が溜まっている晃牙と、それをなだめる零の姿が窺える。また、ここで初めて零が晃牙を「わんこ」と呼び、過剰な犬扱いをしていることが判明する。(それに対する「俺様は犬じゃなくて誇り高き狼だ!」は最早伝統芸と化しているので今後は割愛)
晃牙曰く「テメ~(零)が不甲斐ないから俺様が暴れてる」、零も「勝手な振る舞いをされると我輩が目を付けられる」とのことで、生徒会や周囲ひいては自身たちの間でも身内仲間であることが示唆されている。
第二十五話「試練」~第三十一話「評決」
【龍王戦】で転校生に迷惑をかけたお詫びとして、縄でふんじばって猿轡をかまされた晃牙(スチルあり)に代わり零が謝罪をする。…えっ、いやなんて?(動揺)零「犬のしでかしたことは、飼い主である我輩の責任でもある」ということで……えっ、だからなんて?(二回目)
ここで「うるさいもの」が嫌いな零が夢ノ咲うるさいもの代表のような晃牙の飼い主である意識があるという重要な事実が判明したが、猿轡と縄を自力で脱出するほど”躾”をされ慣れていたらしい晃牙の方に俄然驚かされる。(この時零は「うちのわんこは躾がなっておらんからのう」と発言していたが、後のハロウィンパーティにて零の弟の朔間凛月が「兄者は駄犬をよく躾けてる」と言ったことから、その間にも躾が施されていたことが考えられる。)そんな非人道的な扱いを受けて居てなお、軽音部を「俺様の聖域」という程度には盲目的である。
そして粗雑な言動で誤解されがちな晃牙を零が「ほんとは優しい良い子」とフォローすることで、晃牙がただの乱暴で嫌なやつキャラから不器用なだけで実は優しいキャラに昇格した。実際、「吸血鬼ヤロ~の酔狂に付き合ってもろくなことにならない」「その女をちゃんと守ってろよ!吸血鬼ヤロ~なんぞにつけこまれやがって」とTrickstarの面々に注意喚起までしてくれている。優しい。
紆余曲折あってTrickstarに力を貸すことにした零が遊木真の特訓を晃牙に命じた時の台詞がこちら。「おぬしは独善的で、他者を顧みぬ。けれど、抜群に優れている」三奇人、ひいては五奇人の頭目朔間零にここまで言わせる大神晃牙が凄いのか、それともただの親バカならぬ飼い主バカなのかは分からないがとにかく零が晃牙を傍においているのはただ犬扱いしているだけでなくアイドルとしてのスキルも評価してのことだということが分かる。また、Trickstarに協力する流れで生徒会とやり合うことを決めた零だが、晃牙に「昨日の仇を自分で討て」「我輩もちからを貸してやる」などと言っていることから、目的の一つは晃牙のためでもあるらしいことがうかがえる(なお晃牙は「生徒会への落とし前は自分でつける!」と言い張っている)。
第五十七話「跋扈」~第六十二話「混沌」
零の画策した【S1】にて相変わらず見事なかませっぷりを披露した晃牙に対し、零は再び相見えた紅郎にも「躾がなってねぇようだな、あんたの飼い犬は」などと言われる始末である(尚小説版では己に噛みつく晃牙にそう言いながらも紅郎はむしろ微笑ましそうにしている)。零は「わんこはいつまでも吠え癖が抜けんのじゃよ」と言いながらも「古来より犬の吠え声には魔を祓う威力がある」とフォローを重ねている。己を魔物と称する吸血鬼の零としては矛盾する言だが、後のストーリーで晃牙を含む後輩たちに向けて「とびきりの良い子たちだからお日様の下を歩いてほしい」と零したことを考えると仲間意識はありながら自分とは違うものとしているのかもしれない。なお、暴れたりない晃牙と喚く晃牙は、最終的にメンバーの乙狩アドニスに引きずられて退場するシーンがスチルとなっている。
(ちなみに小説版にて該当の部分で、晃牙は「飾りではなく本物らしい鎖をじゃらじゃらとつけている」という描写がある。何をもって鎖を本物とするのかは定かではないが、手綱を握る人物の事を考えるとこれが返礼祭での「俺様が嫌々鎖と首輪で繋がれてるとでも思ったのかよ」の部分に繋がってくる。紅月のパフォーマンス中に飛び出したくてうずうずしている晃牙を物理的に制御している零も見られるので是非小説版とあわせて確認してもらいたい。)
第八十六話「粛清」~第八十七話「処刑」
【S1】の後、fineの天祥院英智の挑発に乗ってしまった晃牙は零の承諾も得ずに真昼間のライブの【B1】挑戦状を受け取ってしまう。それについてかなり「折檻」されたらしいというのは後の様々なイベントストーリーで確認できる。しかしそのような処刑の場に渋々とでも姿を現すあたり、零もUNDEADというユニットや晃牙を大事にしていることがうかがえる。(なお、メンバーである羽風薫は最初から会場に顔を出していない)
第百二十三話「覇道」~第百二十四話「対照」
【B1】での恥辱を晴らすため再びfineと対決するUNDEAD(今度はフルメンバー)。何度目かの延長戦の末fineの勝利が確定したが、晃牙は負けを受け入れず何度でも延長戦をやってやる!と吠える。それに対し零は「控えよ、敗残者ほどみっともないものはない」と言いながらも”どこか誇らしげに───零さんはかわいい後輩の見苦しいほどの暴れっぷりを眺めて微笑む。彼のように乱れられない己を、むしろ恥じるようだ。”(小説版内描写)と、一辺倒に晃牙の振る舞いを否定しているわけではない様子であった。
「!」軸 春
幕開け!夢ノ咲サーカス(2015年公開)
「!」リリースから二回目のイベント。fineが出演するサーカスの前座として呼ばれた2winkを、同じ軽音部のよしみで応援する零と晃牙が登場。特訓好きの晃牙がfineの姫宮桃李と(無関係の)真を犠牲にした後、当日は応援のためと称して今度は二人揃って登場する。太陽に弱い零に甲斐甲斐しく日傘(相合傘)を差す晃牙。動物園内をまわるのに零の許可を求めてすげなく却下される晃牙。晃牙を出演動物の群れに本気で放り込もうとする零。二人で出演者への差し入れを真っ先に食べようとするなど、なかなか理解の範疇を越えた奔放な言動をとっていた。
晃牙は零が「やると言ったら本気でやる」ということを身をもって知っているらしく、零の言葉に反発しながらも大人しく聞く案外従順な一面を見せている。
宵の宴♪バンドアンサンブル(2016年公開)
零の弟、凛月とその幼馴染の衣更真緒を中心にしたイベント。零と晃牙は共に☆3カードでの実装だったが、相変わらずの存在感を発揮していた。
学院祭の前夜祭で行われる『春の音楽祭』に参加するUNDEADに、同じく出演を希望するTrickstar。そもそも『春の音楽祭』においてUNDEAD以外の出演者がいなかったのは、晃牙が「他の『ユニット』と一緒だったらステージには立たない」と駄々を言っていたからだという。そのことをユニットリーダーである零が知らないはずもないので、そのわがままを許容し容認しているということになる。権力をもった親バカほど迷惑な存在はないという良い例であった。練習中も、そもそもTrickstarに楽器の手ほどきをするという名目で集まっているのにもかかわらず、真緒曰く「あのふたり、俺らのことは眼中にないって感じで夢中になって練習してる」「気持ち良さそうに演奏してるよな~、ちょっと立ち入れない雰囲気♪」とのことで見事に二人の世界を作り上げていた。本番の舞台でも、零に代わりドラムを叩く晃牙に対し「あれで、なかなか器用なんじゃよ。わんこなのに楽器が演奏できるんじゃ、もしや天才ではなかろうか?うちの子、すごい……☆」と当人が聞いていないのをいいことにべた褒め(ただし犬として)である。
日直を真面目にこなす、ギターと特訓でテンションがはね上がる、凛月と真緒の心配をする、ステージ上ではTrickstarと仲良くしてくれるつもりらしい、零の事を素直に「スゲ~」と褒めそやす、零の号泣に動揺する、零とふたりでギターを担当したいと最後までごねる、しかし零がドラムをやっているのを見ると自分もやりたがるなど、晃牙の意外な一面も必見。ちなみに当CPにおいて切っても切れない縁者である凛月とは、どうやらこの時はあまり仲が良いわけではないらしく「リッチ~」という独特のあだ名もまだ出てきていない。その凛月が「(お兄ちゃんみたいに、大好きな子を永遠に繋ぎ止めておけるような魔力は、甲斐性は俺にはないし)」と発言しているが、「大好きな子」とは特定のだれかを指しているのか、それはだれなのかなど零晃の民としてはお察し状態である。(考察は自由です)
スカウト!カードバトラー(2017年公開)
カードバトルが趣味という小学生男児の心意気を忘れない大神晃牙。『イドバド』というカードゲームにおいて、彼のとっておきの一枚『吸血鬼の饗宴』が強力過ぎる故に現在は使用禁止になったことが語られる(五奇人として封じられた零のオマージュと思われる。なお、晃牙の切り札は『満月に吠える狼』)。自称吸血鬼の朔間兄弟はともかく、吸血鬼自体はカッコイイと思っているのかもしれない(若干中二病の節があるので)。友也によると昔の通り名は『狼使いの晃ちゃん』(ただし友也は学院近所に住んでいること、晃牙の実家は学院から離れていることを考えると若干の矛盾が生じる)。
なお、本ストーリーでは晃牙から「昔は貧乏だった」との発言も出ているが、後述のズ!!イベント不夜城においては「厄介な家庭の事情もない」、アニメクロスロード特典小冊子『Back door』では「平凡な環境」「いわゆる中流家庭」等との発言がある。そのためここでの「貧乏」発言はごく一般的な子供の、当時はお小遣いが少なかった、レベルの話ではないかと推測される。
生け贄◆不死者たちの復活祭(2018年公開:追憶軸の夏含む)
※後述「追憶 それぞれのクロスロード」の内容を一部含みます。
零晃初の二人揃って☆5イベント。また、初年度公開の執事喫茶以来のUNDEAD箱イベである。【DDD】以降なりを潜めていたUNDEADの復活を熱望する晃牙と、一族の儀式を執り行う責任に負われた零の思惑が一致しUNDEADの復活祭としてライブを企画する。謎につつまれた朔間家と、零やUNDEADに対する晃牙の心境が描かれており、クロスロード以降の供給に界隈が沸いた。
「!」軸メインストーリーのTrickStarを中心として描かれた物語の裏で、晃牙が【S1】直後に英智の挑発に乗り勝手にライブを引き受けてしまったために「あれで吸血鬼ヤロ~にしこたま折檻された」ことや、「基本的にフルメンバーが揃わなないならライブはしないと『約束』した」ことが本イベントストーリーで明かされている。晃牙に関して言えば、施錠に厳しい学院内で軽音部の鍵を預かっているので出入りが自由であること、UNDEADの曲の作詞担当が多いことなど、新情報が多かったイベントとも言える。
また、『朔間一族』や『一族の儀式』が本イベントの主軸ともなっており、零が背負う次期頭首としての責任や怪しげな一族の謎の事情等が窺える。そんな中、界隈を驚愕させたのは『一族の儀式』、つまりはキリスト教の『復活祭』に合わせて「春の収穫物に準えた若者から、次の頭首である零が血をもらう」というファンタジーもびっくりな話である。
手近なところで適当に儀式をすませてしまいたいと言う零は薫に「血を吸わせてくれないか」とお願いしたわけだが、当然ながら嫌がる薫は提案した。
「晃牙くんなら、朔間さんのことが大好きなんだから喜んで血を提供してくれるよ!」
それに対する晃牙の回答は以下である。
「つうか俺は駄目なんだよ。たしかその儀式で血を吸われる役になれるのは一人一回までって話だったから。俺は前に血ぃ吸われてるもん、候補から外れる」
既に吸血済み……? 一体どういうことなのだろうか。
この過去の吸血儀式については未だに詳細は語られていない(2023年1月現在)。晃牙一年時の復活祭の時期は、晃牙が零をストーカー……もとい、熱烈な追っかけをしていた時期である。「よく知らぬ相手の血など飲みたくもない」と言っている零だが、なぜ晃牙の血を飲むに至ったのか、疑問は深まるばかりである。
なお、入学して間もない双子から「大神先輩が不機嫌だ!」「きっとまた朔間先輩と痴話喧嘩でもしてるんでしょうね」「あのひとたち『そればっかり』ですものね?」と早速からかわれているところから、この頃から二人が「ラブラブ」だったことは明らかである。周囲からの方が当人たちより状況が分かりやすいというのは、のちの返礼祭につながる部分であろう。
復活祭ではUNDEADが結成した経緯の一端も明らかにされている。
これまでリーダーである零が結成したと思われがちだったUNDEADであるが、実際のところは、零が海外を飛び回っている間に晃牙が場を整えて結成していた。またその影にはデッドマンズの仲間であった蓮巳敬人の存在があった。
当時あまり親しくなかった神崎颯馬に「(晃牙は零に)健気に尽くしているわりに報われているようには見えぬ」と挑発された晃牙は、零がUNDEADとして活動していることを嬉しく思う反面まるで自分に都合の良い夢のようにも思っており、目を逸らしたら全部消えてしまうのではないか、「情けね~けど不安」と零している。
その要因の1つとしては、クロスロードにて零と敬人がひそかに決別していたことや、その後のデッドマンズ解散が根深く関わっていると思われる。事実、零の不在中、晃牙が敬人に一緒にライブをしてほしいと頼んだ際、詳しい説明もないまますげなく断られている。(一方、デッドマンズが正式に解散する前は晃牙と敬人の仲はそこそこ良好であった模様。当初は「お前みたいな(零にあこがれる)奴は五万といる」と特別視していなかった敬人も「お前のことが羨ましい」「(晃牙のような人間が)報われるような世界にしてみせる」と応援するような発言をしている。晃牙の方もライブ前に集中して黙考する癖を持つことが判明しており、これは敬人の様子を見よう見まねで覚えたものであることがうかがえる。)
また、一年前の軽音部は今よりも大所帯だったが、ほとんどは零の信者であり音楽に対するやる気が低かったため、晃牙は彼らのことを嫌っていたようだ。現在の晃牙の極端に反抗的な態度は、己に従順な人間たちに辟易していた零を失望させないための『芸』だと颯馬によって指摘されている(晃牙はこれを否定しているが、事実、追憶の頃は零に追随する面が目立つ)。
零の方も【DDD】の後にはUNDEADとして活動する意欲を見せており、「我輩もいつまでも萎びておらずに華麗に復活せんとな。それまではまぁ……たいへん申し訳ないが、苦労をかける」と言っている。それに対する晃牙の返事は「望むところだよ、テメ~がいつか復活してくれるなら泥水だって啜ってやる」である。
そんな風に零を支える強気な言葉を返した晃牙だったが、零の一族の前での姿(知らない一面)を見たことでかえって不安が増したようで、アドニスに対して「『本当の朔間先輩』はどんなひとなんだろう」「命懸けで、一生をかけて『なりたい』って思ったはずのあのひとのことを何一つわかっちゃいね~んだな」と思い悩む言葉を打ち明けた。アドニスは零と出会った時の思い出と共に「あのひとは素晴らしい歌の、始まりの一節だ」「枝を伸ばしておおきく広がった大樹のようなもののすべてが、あのひとだ」と語ってみせた。ロマンチックな言葉に勇気づけられた晃牙は「いつか作詞とかするか?」と尋ねつつも「俺もそんなふうに(でっかく)なりて~な」と笑ったのだった。
さらに晃牙はアドニスにだけ、自分たちのユニットをなぜUNDEADと名付けたか、その理由を教えている。
「退屈しきって、屍体みたいな目ぇしたどっかの誰かさんに言いたいことがあったんだ」
「勝手に死んでるんじゃね~よ、一緒に生きてくれよ……」
……とまあ段々きりがなくなってきたので多少割愛するがこんな感じである。晃牙視点の回想が多かったためそちら寄りの見解にはなるが、このように晃牙は終始零とUNDEADのことを考え笑って泣いて悩んでいることが分かる。一方この時点の零は「わんこはいつも元気じゃのう」くらいしか言っていないのが微妙に心苦しいところではあるが、思い合うあまりすれ違ってしまった二人の結末はあの伝説の返礼祭なので、そう悲観的になることもないのかもしれない。
何より「一緒に生きてくれよ」という晃牙の切なる願いが、零に人間として生きていく決意を促したことは確かである。
スカウト!悪魔の館(2018年公開)
朔間兄弟が中心となったストーリーであり、はっちゃけた零を見られる。また、五奇人として虐げられた零の状況に対する、凛月の怒りや悲哀がにじみ出る。晃牙は登場しないが、実質、復活祭の補完ストーリーと言えよう。
この話においても「本当の朔間零」という言葉がキーワードとして取り上げられており、復活祭での晃牙の不安やアドニスの言葉に対する零側からの回答とも受け取れる。
余談であるが、エピローグにて凛月が零にごはんをねだるシーンがある。普段は凛月が作っているようだが、零も家族に振る舞える程度には料理が出来るようだ。(さらにちなみに、ズ!!イベント「料理対決/漂流?アイランド」では零の料理上手な一面が数年越しに描写されている)
「!」軸 夏
白熱!夢ノ咲学院体育祭(2015年公開)
真昼間の外行事のためか、登場は晃牙のみ。イベストでは晃牙が一瞬だけ登場し、本人の意向に関係なく零によって勝手にパン食い競争にエントリーさせられたとのことである。クラスも学年も違う生徒の出場書類をでっちあげるところからして零の過去の片鱗が窺えた。
ちなみに「!」体育祭イベントは1~3まで開催されている。
出航!海上の海賊フェス(2015年公開)
海辺で行われたUNDEADと流星隊の合同ライブイベント。日差しに弱い零はライブ中に冷房のきいた保健室で休んでいるため、なかなか出番はなかったが「あとでたっぷり構ってやるから、我慢するのじゃよ」など晃牙に対する意味深(?)な台詞も残している。
ステージ上では薫の一方的なやり方に猛反発するアドニスと晃牙が険悪な状態になってしまい、結果的に晃牙は薫を殴り海賊船のマストにつるし上げるなど薫曰く「躾がなってない」行動が見られた。ライブ後のBBQでも薫の食料は容赦なく奪うが零には自ら食べ物を勧めるなどあからさますぎる様子もあった。
ちなみにアドニスに『弱い生き物』に分類されてしまった晃牙(体力はある方)だが、恐らく日常的に零の躾を受けていることに順ずるのではないかと考えられる。終わりに零が「我輩たち『三奇人』はかつて先輩たちにしてほしかったことを後輩たちにしておるだけじゃ」と述べているが、朔間さんアンタ先輩に躾けられたかったのか?と突っ込んではいけない。
スカウト!ホリデー(2015年公開)
零のみの登場。なずなや創といった、ほのぼのとしたメンバーが休日に出会すストーリーである。
シナリオ中、ペットショップの犬を見て零が晃牙を想起する場面があり、二人が休日もお互いのことを考える関係であることが分かる。また、なずなとはデートではないので特段別行動の許可を求めなくていいらしい。(春のサーカスでは晃牙くんから別行動の許可を求められて却下していましたが……?)
ところで零さん、あなた『うちのわんこ』をポメラニアンとお見合いさせようとしてません??
スカウト!梅雨の華(2016年公開)
意味深な置手紙を残して消えた零と転校生を探す晃牙と葵兄弟のストーリー。
(※当ストーリーに関しては晃牙のキャラクター性に齟齬があるとの声があります。履修の際にはご留意ください)
清夏!!サマーキャンプ(2016年公開)
連日の暑さに参ってしまったUNDEADとRa*bitsが合同キャンプをするイベント。
ここでの晃牙は零の体温が常に低いことを知っており、寝ている時の「ついこの前も死んでるんじゃね~かってくらい冷たいときがあった」ことまで把握している。ご存知の通り零は寝る時には棺桶の蓋を閉めているので、寝ている時の体温は蓋を開けないと知り得ないことである。晃牙くん君は一体何を……?
ちなみに薫によると犬用のサラミが軽音部の部室には常備してあるらしい。一体何のためなのか。
スカウト!千夜一夜(2016年公開)
同じユニットメンバーであるアドニスの過去背景が垣間見えたストーリー。ここで初めてアドニスは零がUNDEADに引き入れたことが判明する。
ストーリーの前半ではUNDEADが定期的にライブを行っているという地下ライブハウス(Valkyrieも御用達)へ集合するメンバーたちだが、アドニスと薫がそれぞれで現場に向かうのに対し日も落ちている時間だが零と晃牙は当たり前のように二人揃って現地に向かっている。そして薫の「ついに二人、結婚でもするの?」という軽口に対し、常であれば全力で噛みつきそうな晃牙が軽く流していることから、そのような冗談は普段から言われ慣れているのかもしれない。薫の「ついに」という言葉から分かるのは、常日頃から恋人と見まごうような距離感を二人が醸し出している(のかもしれない)ということである。
後半ではラジオ番組に挑戦するメンバーたちで、特訓好きの晃牙は例に漏れず真に特訓を頼んでいたらしい。意外と流暢にトークをこなしていたが、アドニスの緊張ぶりにはフォローし切れず、結局見かねた三年生に助けられてしまう。また、ラジオが始まる直前まで話していた内容によると、零の「五奇人」としての後輩である逆先夏目と晃牙はどうも気が合わないらしく、零はどちらもかわいい後輩なので仲良くしてほしいと述べている。
ラジオ終了後、打ち上げとして学院の屋上でバーベキューをするUNDEAD(と転校生)だが、前回の海賊フェスでは薫の取り分まで肉を食べようとしていた(零にはむしろ食べさせようとしていた)晃牙が雑用を「こういうのは後輩の仕事」と言ったり何かと薫も含めた先輩を立てており、短い間で謎の成長を遂げていた。後述のサマーバカンスなどいくつかの仕事を経て、薫との距離も縮まっていたのかもしれない。
輝石☆前哨戦のサマーライブ(2017年公開)
零のみの登場だが、晃牙が畑で育てているトマトを零が勝手にむしって食べる様子が描写されている。誰が育てているトマトなのか、誰のために育てられたトマトなのか…零がそれを知っているのかが数年の間議論されてきたが、のちのズ!イベント「始まりのオペレッタ」の朔間零プロデュースコース「夜闇を統べる王 第3話」にて晃牙が育てたトマトであると零が認識していたことが明かされた。そしておそらく、晃牙はその事実を知らない……。
ドロップ 遠い海とアクアリウム(2017年公開)
こちらも零のみの登場。渉に昼間の水族館に付き添ってもらった際「付き添いなら、あなたのお気に入りのあの子……子犬さんが適役なのでは?」と言われている。これに対して零は軽音部もUNDEADも休みと伝えていたから呼び出すのは気が咎める、とのこと。続けて「あの子(晃牙)、前言撤回したりとか、前に言ったことを忘れたりすると機嫌を損ねよるから」と発言しているが、普通それはだれでも怒るだろというツッコミはさておき、一応普段から晃牙の機嫌を損ねないよう気遣いはしているらしいことが分かる。
ところで、晃牙の休日 夜の挨拶(ボイス欄参照)を聞くに、零はオフの日に滅多に晃牙に連絡をしないらしく晃牙が拗ねている(あるいは心配している)ことがうかがえる。
渉の「あの子なら、あなたが呼び出せば尻尾を振って大喜びで駆けつけると思いますけど」の言葉通り、軽音部もUNDEADも関係なく、ただのオフの日として誘えばきっと晃牙は喜んで来てくれるであろうに、互いへの遠慮で妙にすれ違ってしまう二人である。
スカウト!ゴンドラ(2018年公開)
つむぎ☆5、晃牙☆4、零は☆3としての登場だったはずなのだが――。
イタリアに伝わるトレヴィの泉の言い伝えが取り上げられている。泉に投げ入れるコインの枚数によって叶う願い事が変わるという、詳細は以下である。
・コイン1枚だと再びローマに来ることができる。
・2枚では大切な人と永遠に一緒にいることができる。
・3枚になると恋人や夫・妻と別れることができる。
スカウトストーリーにて、晃牙は学園の噴水にギターのピックを2枚投げ入れていた。その真意とは――。
ストーリーのラストの展開も含めて、零晃好きにはたまらないかわいい話であった。もし見逃している人がいればぜひチェックしていただきたい。
スカウト!鬼火(2018年公開)
2年生(晃牙、真緒、スバル、アドニス)を中心としたほのぼのストーリーだが、真緒と晃牙の口から朔間兄弟について触れられている。晃牙によれば「吸血鬼ヤロ~もよく寝惚けてよう、俺様と弟を見間違えて棺桶に引きずりこんだりする」らしい。真緒も「あそこは兄弟揃って寝起きが悪いよな~」と同意していたが、果たして凛月を溺愛する零が凛月と誰かを見間違えることがあるのだろうか……?
また、晃牙の怖いものが「怒った朔間零」であることも明かされた。
灼熱!南国景色とサマーバカンス(2018年公開)
UNDEADとfineが強化合宿を兼ね、南の島でのバカンスを楽しむイベントである。桃李のfineのメンバーと楽しく過ごしたいという想いを汲んだ弓弦が提案し、英智の計らいによりUNDEADとの合同合宿という形で実現した。一年前やDDDでの因縁を引きずる面もありながら、fineとUNDEADが和気あいあいとバカンスを楽しむ様子が描かれる。またアドニスについては、千夜一夜で触れられていた彼の生い立ちや実家の事情がさらに明らかにされた。
零と晃牙もそれぞれにfineのメンバーとの交歓を楽しみつつ、いつもの二人らしい軽快なやり取りを目にすることができる。
飛行機の中で遊び疲れて到着早々部屋で寝ている晃牙に対し、零が「ゆっくり寝かしてやりたい気もするがのう、あの子は放っておくとあとで文句を言いよるから」と気遣って起こしに行くシーンも見られた。また作中晃牙が、夏の日差しに参っている零を見かねて、
「……おい。良かったら、日焼け止めを塗ってやろうか」
と提案した際、零は以下のように反応した。
「へっ?やだ、わんこったらエッチ!我輩の玉のお肌をベタベタと撫で回したいんじゃなっ、そういうことに興味を持つお年頃なのね!」
晃牙は至って真面目に提案していたため、ユーザーも晃牙も大いに戸惑った。直前にアドニスに対し「今の一言でちょっと恋に落ちそう」などと軽口を叩いていた余裕はどうしたのか……。のちのズ!イベント「始まりのオペレッタ」においても晃牙に対し似たような調子で話すシーンがあるため、零なりの照れ隠し……なのかもしれない。なお、エピローグにて零は頑張ったご褒美だと晃牙に「日焼け止めを塗らせてやるぞい♪」と誘いかけ、晃牙に「……俺様はレオンの毛繕いで忙しい」と断られていた。日焼け止めを塗ることがご褒美になると思っている零、返答するまでに少し沈黙した晃牙、いろいろと突っ込みどころが多かったが、周囲はスルーしていた。
ストーリー後半では、海外というアウェーの場において予想外の規模のライブに驚く晃牙に対し、零が発破をかけるような言動をしている。熱くなる晃牙に引きずられるように零も「沸騰」している様子が見られる。零と晃牙がお互いの熱に引っ張られやすいことが窺える一幕である。
ちなみに、イベントではそれぞれ夏用の私服が実装されたが、零と晃牙/薫とアドニスという組み合わせで、それぞれペアルックとなっている箇所がある(零と晃牙はパンツとベルト、薫とアドニスはシャツとサングラス)。どう見ても同じブランドのようだが……深く突っ込まれることはなかった。(もしかして:シミラールック)
スカウト!波乗りオーシャン(2019年公開)
「灼熱!南国景色とサマーバカンス」の幕間的な位置付けのストーリーである。fineとともに南の島にバカンスに訪れていたUNDEADは、乗っていた小舟が零の棺桶の重みで転覆し、孤島に上陸してしまった。助けが来るまで水や食料を入手して生き延びよう、という話になったものの、その晩、一緒に連れてきていた晃牙の飼い犬・レオンが突如行方をくらましてしまう。動揺し今にも飛び出そうとする晃牙を制した零は、夜は元気もりもりだからと真っ先に島の中へと踏み込み、レオンを探しだした。何やらどこかに案内したい様子のレオンについていこうとした晃牙に対し「このあたりの土は泥っぽいようじゃ。わんこ、足元には気をつけるんじゃぞ?」と気遣う優しさを見せていた。
普段は晃牙をからかうような言動も多い零だが、晃牙の家族を探し出そうと飛び出すほどに、晃牙のことを大切に思っているのだろう。
なお当ストーリーの中で、「朔間さん向けの物件(日の当たらない洞窟=避難場所)を見つけた」という薫に対し、零は「我輩向けの物件? 犬を放し飼いにできるような広い庭がついた、赤い屋根の大きなお家かのう」と発言している。零自身が犬を飼っている事実はないため、零の身近で犬といえばあの人か、もしくは晃牙の飼っているレオンになると思われるのだが、どちらにしてもそういうことである。
「!」軸 秋
開演 ダークナイトハロウィン(2015年公開)
事実上初の吸血鬼兄弟イベント。昼夜が逆転し(本来の人間生活通りになり)体調を崩している様子の凛月と、それを心配する零。「おぬしになら凛月を任せられる」と凛月の様子を見るように晃牙に頼むが、零が目に入れても痛くないほど溺愛している弟を託すほど晃牙を信頼しているのが分かる。
また、冒頭で零が受けた電話に対して誰と話していたか気にする晃牙に、零は「何じゃい、浮気を疑っておるのかや。(中略)今も昔も我輩にとっては、軽音部と『UNDEAD』こそが居場所じゃよ?」と応えている。ストーリーがさらに多く開示された今となっては、追憶時代の荒れていた零が一体いつ頃から晃牙のいる軽音部とUNDEADを『居場所』として定めるようになったのか、興味の尽きないところである。
零の信頼を一身に背負った晃牙は転校生に協力を頼むのだが、その際、過去の零のドンパチについて少しだけ話をしてくれる。
「夢ノ咲学院が平和になったのも、多少は吸血鬼ヤロ~のおかげだろうがよ」
「夢ノ咲学院で大事なやつに楽しい青春を過ごしてもらうため(に戦ったと信じてる)」と、当時はあまり多くは表に見せなかった零への深い想いを垣間見せてくれた。
そして犬じみた嗅覚で凛月を見つけ出し、「自分にできることなら何でもするからちゃんと休め」と促す。対する凛月は色々と思うところがあるようだったが、お菓子の試作品の味見をしてもらうことで妥協した。
その際無理矢理食べさせられたお菓子(味はまとも)のあまりのグロテスクさに失神したり、「ご主人様」と呼ばされたり、首輪を付けられ散歩を強いられたりと散々な扱いだった晃牙だが、凛月曰く「コーギーはしょっちゅうぷんすかしてるから、ガス抜きにはなってるみたいだよ」とのことである。それは畜生扱いしていい理由にはならないのでは。
咆哮 夜空のロッキンスター(2016年公開)
ユーザーよりも晃牙が一番待ち望んでいたであろうロックなイベント。近所で行われるロックフェスに出場したい晃牙だったが、ユニット単位且つ2グループでの参加が条件となっていたため、校内きっての大行事『S1』ハロウィンライブと時期が被っているなか共に出場してくれるユニットを探して奔走した。ちなみに、ロックフェスは毎年行われ晃牙も毎年楽しみにしているようだったが、参加は今年が初めてらしい。去年何故参加しようとしなかったかは定かではないが、おそらく夢ノ咲も零と晃牙も、革命と激動でそれどころではなかった、あたりが真相か。
零は当初、夢ノ咲のハロウィンイベントから日がないこともあり出場を却下しようとしたが、晃牙の強い希望もあって、参加ユニットを晃牙自身で探してくることを参加の検討条件とした。どうやら零としては孤高を標榜する晃牙に、同じように切磋琢磨して頑張る仲間を見つけてほしくて付けた、我が子を千尋の谷に落とす獅子のような条件であったらしい。零からの試練のような難しい条件に対して、果たして走り回る晃牙はそんな仲間を見つけられるのか──。
春のバンドアンサンブルでは「俺様はギターがやりたい、ギターしかありえね~!」と吠え最後まで零とギターを演奏したいとごねていた晃牙だったが、ロックフェスでは「楽器を演奏するだけがロックじゃない」「他のやつらにも楽しんでもらいたい」と協調性を見せるまでに成長していた。そんな愛し子の成長ぶりを目の当たりにした零は号泣(のフリを)し、晃牙を大いに慌てさせていた。騙されやすくて大変心配である。
「!」軸 冬
スカウト!遊園地ショウ(2016年公開)
遊園地でのライブの仕事が入ったと聞いて大喜びする晃牙。UNDEADの面々もその様子を楽しそうに見守り、準備を進めていた。しかし手違いがあり、実際にはライブではなく子供向けのショーの仕事だったことが前日に判明する。晃牙が落ち込む中、子供向けのショーに参加するかどうか仲間内で確認し合うと、意外にも薫が率先して手を挙げた。他二人も参加に異論はなく、結局晃牙もそろって子供向けのショーへの参加を決める。当日はプロデューサーも尽力し、子供向けのショーで成功すればライブにも参加できることになり──。
本ストーリーにおいて、晃牙は色々と気遣ってくれるアドニスを初めて『ダチ』だと認める。一方、仲のいい二人の様子を見た零は、自分たち先輩組がいなくなったときの晃牙が不安だったが杞憂だと分かってほっとしていると述べ、さらに「我輩は安心して夜闇の世界に身を任せよう」等と意味深な発言をした。
あっさりした語り口ではあるが、当時のUNDEADのプロデューサーはそれまでのストーリーで語られてきた零の様子から卒業と別れの予感に震えおののいたという。その約1か月半後に開催されたのが、あの名高いイベント、初年度の『返礼祭』である。
衝突!思い還しの返礼祭(2016年公開)
零晃における「教典」及び「聖典」との呼び声が高いイベント。
二人のズ!における着地点であり、始点でもある。とにもかくにも、零晃に興味を持ったならば、必ず自らの目で読んでほしい。初年度のトリを飾ったイベントでもあり、零と晃牙、ひいてはUNDEADの終着点にこのストーリーがあると知っていたからこそ、ファンは安心して間を埋めていくストーリーを楽しんでいたとも言える。
(一応確認しておくと当イベントでの大神晃牙は☆3カードなので復刻で「あれ・・・?晃牙くんの高レアカード報酬にないじゃん?エラー?」とお問合せすることのないようにご注意いただきたい。これが「返礼祭の☆3には注意しろ」という警告の所以である。)
撮影!ぽかぽかアスレチック(2017年公開)
時系列は返礼祭のすぐ後。大事な事なので二回言うが、返礼祭の後日のイベントストーリー。いわば、ハッピーエンドのその後に続くストーリーである。少女漫画ばりの世紀の公開大告白をかました数日後に顔をあわせた二人がどんな会話をするかと思えば、名前を呼ぶだけで照れてしまうというこっちが死にたくなるような激甘展開を見せてくれた。とはいえ名前で呼ぶことに照れているのは零だけのようで、返礼祭で吹っ切れた晃牙は恥ずかしがる零に向かって「朔間先輩」を連呼していた。
別れ際には零もどうにか舌に馴染ませたらしく「俺もがんばるから、おまえもがんばれよ、晃牙」と、先に卒業する者としてのエールを伝えている。
招福*鬼と兄弟の節分祭(2017年公開)
零のみ登場。様子がおかしいひなたとゆうたのことを案じ、零が凛月や敬人も巻き込んでイベントを開催した。イベント中、零はひなたに「外道なやり口」はあまりUNDEADの子たちには教えたくない、と述べている。
「あの子らはまっとうに、お日さまの差す道を歩んでほしい」「とびきりの良い子たち」「我輩はそれをお墓の下から眺めて誇りたい」との言葉から、どれだけ零が後輩たちを眩しく、遠いものとして感じているかが伝わってくる。一方、「何の罪も犯してはおらぬ」「墓場に置き去りにされた無垢なる赤ん坊」はいささか親バカが過ぎるような気もしなくもない。(晃牙たちの話をしているんですよね??)
さらに「未練じゃ、我輩に憧れてくれたあの子らにせめて華やかな未来を贈ろう」との言葉から、おそらくこの時点で、もうすでにアイドルの道を諦めてしまっていたのではないかと思われる。
また、敬人いわく「恥ずかしいので忘れたい」過去であるデッドマンズ時代のことを、零は「わんこも覚えとらんかもしれんのう」とこぼしている。対する敬人は「あいつは動物だからな」と言い切ったが、続く「あんたもあいつのそういう部分に救われているんじゃないのか」という台詞に零は答えていない。
スカウト!拳闘の四獣(2017年公開)
零は登場せず、また晃牙も☆3。しかしこのスカウトをスルーした零晃推しがいたとしたらぜひ改めて読んでほしいストーリーである。なぜこれがイベントではないのかというくらいの密度であった。一言で表すと一足早い「空手部版返礼祭」という感じだが、ただひたすらに零に憧れ続けた晃牙の想いの変遷も垣間見ることが出来る。
ストーリーは春の『龍王戦』を再度開催し、鉄虎への最後の贈り物にしようとしていた紅郎と鉄虎がすれ違い、ぶつかり合う熱い展開。その過程で『龍王戦』での紅郎の対戦相手である晃牙は、生徒会副会長の敬人に企画の事を打診しに行ったり、無関係の零に根回しを頼んだりなど何気に権力をフル活用していた。大神晃牙を敵に回したくないなあ(バックについている人たち的な意味で)。ついでにちゃっかりひなたの師匠(師父)であるカンフーマスターを紹介してもらうなど使えるものはなんでも使う主義らしい。やっぱり敵に回したくない。
しかしひなたに零と敬人は仲が良かったのか、と聞かれ「無駄に仲がよかった気がする」と曖昧に答えるなど、前述(節分祭)の零と敬人の言葉通り晃牙はあまりデッドマンズ時代の事を覚えていないのかもしれない。あるいは、微妙な関係になってしまった零と敬人への遠慮でもあったのだろうか。
紅郎に憧れずっと後ろをついてきた鉄虎と、零に憧れ続けた自分を重ねているのか、「甘えて、憧れて、それが本人の負担になってることにも気づかない愚かもんがよ」「憧れて真似したって、『本人』になれるわけじゃね~んだぞ。絶対に、『本物』にはなれね~んだ」「大好きなひとから輝きを毟り取って、時間を無駄にさせて、奪って盗んで貶めることしかできね~んだよ」と忠告しているのが返礼祭や後述のクロスロード拝見済みの我々には非常に胸に刺さる。(ぜひクロスロード、返礼祭の読後にもう一度読んで頂きたい。)
さらに大将に挑む際、晃牙は上を行く連中をまとめて叩き潰してもっと高みを目指すと宣言している。そして「地面の下まで、『墓の下まで』届くような咆哮で」世界を震わせるのだと。
このフレーズ、お分かりだろうか。分からなかった方は直前の項目、節分祭の零の台詞を参照されたい。晃牙がこの時、本当に心から声を届けてやりたかったのは誰なのか、きっと分かるはずだ。
スローイング!白銀のスノーファイト(2017年公開)
こちらは晃牙のみの登場。主に光や鉄虎に対しての良い先輩ぶりが見られたが、やはり二言目には「吸血鬼ヤロ~は」である。しきりに零がちゃんと学校へ来られるか、家へ帰れたのかを気にし、実際アドニスに任せるなどして色々手を回していたらしい。
零の登場しないストーリーなどからはっきりわかるのは、晃牙は零以外の人間には割と素直で真っ直ぐな気遣いをする、はっきりお礼を伝える(双子や紅郎など)ということであろう。それが零が相手となると途端に少年漫画のツンデレヒロインのような面倒くさい言い訳を重ねてくるのは皆さんご存知の通りである。
キャロル*白雪と聖夜のスターライトフェスティバル(2018年公開)
クリスマスに開催される「S1」【スターライトフェスティバル】で優勝するため奮起するUNDEADと、Ra*bitsが交流する中で、薫の進路に対する考えや、普段は大人しい創の気持ちの吐露が描かれる。「白雪と聖夜」のタイトルにふさわしい、心暖まるイベントストーリーである。
卒業が迫る時期だからこその、UNDEADのメンバーそれぞれの想いの春からの変化がよく現れており、UNDEAD推しならば履修すべきだろう。
薫の考えを改めるためスタフェス前に一計を案じた零だったが、零自身も一族の頭首として生きるかアイドルの道を進むかの岐路に立っていることが明かされた。この時点ではどちらかといえば頭首としての義務を果たすことを考えていたようだが……零の出した答えは、春先の「返礼祭」を読んで、自分の目で確かめていただきたい。
「!」軸 追憶
これまでに紹介してきたストーリーよりも一年前(零二年、晃牙一年時)の物語である。
※時系列順では最も早い時期のイベントですが、上記、春以降の通常イベントをいくつか楽しんでから挑むとさらに二人のギャップを楽しめると思われます。
追憶 それぞれのクロスロード(2017年公開:一年前の春)
返礼祭にて示唆されていた、零・敬人・晃牙の三人ユニット「デッドマンズ」についての過去ストーリー。2023年にはフルボイス化もされたため、より臨場感を持って物語を楽しむことが出来る。
幼馴染として、友人として認めあっていたはずの敬人と零が、互いの道を決定的に違えてしまう過程を描いている。時期があいたこともあり、初年度公開の返礼祭との矛盾も多々見られるが、概ね「デッドマンズ」の結成理由、活動、敬人の思惑などが判明する。
このストーリー本編からは、零は出会った当初、晃牙のことを全く特別扱いしておらず、自身を追いかけてくるファンの内のひとりという認識程度だったことが読み取れる。しかし当時から晃牙にアイドルとしての素質自体は見ていたようで、当人をからかって楽しみつつも裏では世話をしてくれるバンドを薫経由で紹介したり、自分不在の間に敬人に稽古をつけさせデッドマンズの一員として舞台に上げたり、昔から使って大切にしていたギターを譲ったりしている。
一方の晃牙はそんな零への憧れや尊敬の念を全く隠さないどころか、あの零が『何かいつも気がつくと近くにいるんだよ、怖い』と言うほど付きまとっていたようである。「あのひとに並ぼうなどと思わないほうが身のためだぞ」と忠告をする敬人に対しても、勢いのままに「俺はあのひとのライブを初めて見た瞬間に自分の生きる道を決めたんだ!」「見つけたんだ、出会っちまったんだよ!」「あのひとに近づくために努力をつづければ、俺は今よりマシな俺になれる!」と憧れの理由を語った。しまいにはライブ中ですら(逝っちまいそうな快感!(中略)あんたが真正面から、その地獄の王さまみたいな真っ赤な瞳で俺を見てくれたら! 俺、その瞬間に死んでもいい……!)などと考えており、敬人からも(本当に好きなんだな、朔間さんが……。愛は、ひとを強くする)などと言われている。
余談だが、デッドマンズの正式メンバー(=ユニットとして夢ノ咲に届けられているメンバー)は零、敬人、晃牙の三名。紅郎は敬人が呼んだ当日限りのゲストメンバーであったことが折に触れて語られているので要注意。(ズ!返礼祭、ズ!!フラッシュバック、本スト等より)
なお、ストのみでクロスロードを履修した人にはプロデュースコース、略してプロコもおススメしたい。零のプロコでは晃牙、晃牙のプロコでは零、それぞれの視点での会話となっており、ほぼすべてのプロコであんスタ界屈指のギャルゲー、乙女ゲー展開が楽しめる。いずれも零が晃牙をからかって遊ぶ……構ってやる様子がたくさん見られるのでおススメ。(※追憶軸は転校生がいないため、当時傍にいたキャラの視点になることが多い)1プロコあたり、選択肢2つ × 分岐2つ(ノーマル/レア)=4種類の会話があるので、閲覧の際には注意。
こちらは余談だが、この時期の晃牙は一部のファンの間で「こいぬ」と呼ばれており、追憶軸零晃の人気の高さもうかがえる。
また、2023年にはYou Tubeで始まったアニメシリーズ『追憶セレクション クロスロード』として、待望の3Dオリジナルアニメが公開された。詳細は「ゲーム以外での二人」の項目にて記載するが、一部改変があり「忙しい人のためのクロスロード」ではあるものの、とてもわかりやすくまとめられている。また、先行上映会にて配られた日日日先生書下ろしの特別小冊子『Back door』も零と晃牙推しには必見である。以下リンクより参照されたい。
追憶 春待ち桜と出会いの夜(2017年公開:一年目の春・秋)
晃牙のみ登場。話の軸はTrickstarの四人にあたる。1年時の晃牙はこのとき初出であった。髪を後ろで尻尾のようにくくり、そして左耳に今とは違う十字架のピアスを付け(右耳の軟骨は開けていない)、学校指定のネクタイ(赤)をしていた。ストーリー前半の季節は追憶春、クラスの中で浮き気味なもの同士仲良くしようと、スバルはたびたび晃牙に話しかけにくるが現在同様孤高の狼を気取る晃牙は取り合わない。(なお1年前の1年A組に在籍していた描写があるのはスバル、北斗、晃牙、夏目、嵐、みか)
この頃の晃牙は学級崩壊を起こしているクラスの状況に辟易し、ほとんど学校をサボって近所のライブハウスに通い詰めている(「かわいがってくれているバンドがある」という晃牙の発言は薫経由で零から紹介されたものか)。また、現在軸とは違い実家暮らしであり、それなりに遠いところから電車で通学しているらしいことが判明した。夢ノ咲学院に入学した理由は朔間零と言いかけていたが、詳しいことは話していない(→前述の復活祭にて「昔のあのひとの大ファンで、憧れて夢ノ咲学院に入った」との言及がある)。そしてスバルに「ガミさんみたいに強い目的意識があれば」と言われるように、入学当初から周りに駄々漏れの野心を持っていたらしい。
ストーリーの後半は追憶秋、Valkyrieが失墜する一因となったライブの当日である。この日の前座として一年生四人(Trickstar)がステージに立つことになっていたが、ここで零の弟、凛月と初めてのエンカウント。クラスが違うので仕方がないとはいえ、同じ学年でありながら(凛月は留年しているが)この時期になるまで尊敬する先輩の弟とは全く交流をしていなかったらしい。凛月が嫌がる「朔間零を通して凛月を見る」ことを真正直にしてしまい、案の定険悪な雰囲気になるが、その場に現れた五奇人の日々樹渉と逆先夏目によって有耶無耶に終わる。
晃牙が凛月に掴みかかった理由は、学院内の不穏な雰囲気を感じ取ったからであり、零が厄介ごとに巻き込まれているのではないかという心配からであったが、結局のところその後どうなったかは判明していない。そしてスバルたちのステージが始まり、人と諍いを起こしていても級友の応援の席に着くくらいには義理堅いようである。
ちなみに渉が晃牙のことを見つけた際、「我が友のお気に入りの子」と評している。この時点で零は、晃牙と直接交流のない渉ですら「お気に入りの子」と認識できる程度には話をしているようだ。クロスロード時点ではただの一生徒として認識されていた晃牙が、生まれながらのスーパースターである零の「お気に入りの子」として信頼関係を結ぶまでに一体何があったのか、気になるところではある。(零が登校するたび、クロスロードプロコのような戯れを日常的に繰り返していたのだろうか……)
というか改めて考えると、スーパーアイドルのおっかけストーカーが粘りに粘ってスターダムにのし上がり、果ては憧れのアイドルの隣に並ぶってどんなシンデレラストーリーだよと思わなくもない。
「!」軸 再春
コーラス★始まりのオペレッタ(2019年公開:零卒業後)
あんさんぶるスターズ!と、新章あんさんぶるスターズ!!の間に位置する時間軸で展開され、ズ!においては珍しい未来との中間軸の話となった。新設のES事務所(本ストでは『例の事務所』扱い)や卒業後の活動について触れつつ、数年に渡って描かれてきた朔間兄弟、ひいては朔間家の問題に一区切りをつけるストーリー。さらに、卒業して「人間になった」零と、零の卒業した学院に残った晃牙の関係、未来(「!!」)への布石が丁寧に描かれている。
冒頭では凛月から零不在の晃牙が挙動不審であることが語られたり、今の晃牙の飼い主を自称する等、凛月と晃牙の関係性の変化も窺える。また「アドニスくんがいれば晃牙は安心」と思っている零に対し「兄者はもっと自分の大きさを自覚すべき」等と苦言を呈する場面があるが、零は風の音で聞こえなかった模様。(あるいは聞こえなかったフリの可能性も)
晃牙自身も、卒業までの一年間が無駄足のように感じる等、多々ある悩みで調子が出ていないことを自覚しており、まるで『首輪を外された犬』みたいだと自嘲している。
また、喫茶店で凛月に「(零が夢ノ咲まで会いに来ないのは)コーギーが嫌いだからじゃないの」と揶揄われた際も「何でそんなふうに思ったんだよ…?」と弱気になっており、零との関係に悩んでいる様子が見られる。(ちなみに零も晃牙との再会時、謎に赤ちゃん言葉を使ったり厨二的な言葉を使ってみたりしていて様子がおかしい。浮かれているのか距離感を掴みかねているのか、判断に困るところである)
朔間兄弟の事情について意見を聞かれた際は、家族ではない自分は口を挟めないという認識を見せつつも、相変わらず他者に線引きしてなんでも一人で解決しようとする零に水臭いと抗議した。
日にちが飛んで夢ノ咲にて。アドニスが祖国の事情で里帰りしていることが語られる。晃牙は以前朔間先輩をただひたすら待っていた頃と今を重ねて不安を感じ、零に相談しようとしていた。その際、返礼祭での零の言動を思い出して憤慨する姿を見せており、本心が聞けていないことから零が同情や義理でUNDEADを続けているのでは、と不安に揺れ動く心の一端が見られる。
ちなみにいざ電話する際には大変照れに照れた顔のスチルが見られ、「初恋に悩む小学生女子か!?」というセルフツッコミを見せた末にその百面相を零に見られて大爆発している。
零はわざわざ晃牙に会うために不法侵入してきたらしく、「おぬしと他愛ない話をするのも至福」としつつ、もっと大事な話をするためにきたのだと話した。
部室に移動した零はアドニスの祖国の問題について真っ先に解決を『約束』し、晃牙の前述の悩みの一つをきちんと昇華してから本題である自分の悩みについて口にしている。有能。ちなみに合わせて振る舞われたお茶請けはトマトである(お茶請けのトマトってなに???)。
凛月とうまくいかない零に対して、晃牙は「好きなやつにはすきっつって、そいつが望んでることを理解して何でもやってやるしかないんじゃね~の」と語っている。零に対する晃牙のこれまでの態度を考えると、大変重みのある言葉である。悩む零にさらに晃牙がかけた言葉、そして朔間兄弟が織りなすオペレッタの物語の顛末については、ぜひご自身の目で確かめて欲しい。
以下、零の台詞から特に重要な一部を引用する。
「人間としての我輩と、ともに生きていきたいと望んでくれたんじゃろ。本当に嬉しかった……言葉に、できぬほど」
「……あぁ、おぬしに逢いにきて良かった♪」
(Birthday四話より)
晃牙が自らのユニットを「UNDEAD」と名付けた意味を思い出せば、彼の心からの願いが一年の時を経てようやく零に届いたと言っても過言ではないだろう。
「そんぐらい大好きなんだよ、俺はずっと!」
ちなみにもっと細かいところだと、戦力が低下していない2winkを羨ましがる晃牙に無言で相対する零など、回収されていない謎も多々見受けられ、解決が待たれる。(張るだけ張って放置した意味のない伏線の可能性もry)
またエピローグの最後、朔間先輩の悩み解決を喜ぶ晃牙が「道に迷って悩み相談にきた弱い姿は俺の独り占めだ」などとにやける姿が見られる。……ええと、本気で気になるんですが、弱い姿を独り占めしたいような相手って本当に正しい先輩後輩の関係でいいんでしょうか……?
「!」アイドルストーリー、他
アイドルストーリー
大神晃牙 第一話
最初期から実装されていたストーリーである。零が苦手だという、とある「野菜」を育てて、零を倒そうとしていた晃牙が、その「野菜」――にんにくの臭いに自身も鼻をやられてしまうというコメディチックな内容。一話で一体何度「吸血鬼ヤロ~」と連呼すれば気が済むのだろうか。なお、お察しの通り、このあと晃牙は同じ畑でトマトを育てはじめた。その心は……皆さんご存じだろう。
大神晃牙アイドルスト「バカルテット」(春)
軽音部による日常ストーリー。この話を読む際は、是非晃牙の開花後カードも見てほしい。
晃牙を手のひらで転がす零だが、「結局は二人で遊びたいだけじゃないか?」と思わせるやり取りが繰り広げられる。
ところで、ストーリーの中で零が「晃牙にぴったり」だと勧めたトランプゲーム『バカラ』はイタリア語で『0(ゼロ)』を意味する言葉である。あれ……?「ぴったり」ってどういう意味なんですか『零』さん……??
朔間零アイドルスト「神々の戯れ」(夏)
三奇人が楽しく戯れるほのぼの話である。……が、いつも通り零が晃牙について一方的に語っている。軽音部の部室は日当たりが悪い位置にあるため、カビが生えていることを気にした晃牙が部室を清掃しにかかったらしい。「わんこ、そういうの気にするから……」と聞かれてもいないのに語り出す零を、渉が微笑ましげに見つめている。
また、校内マラソン大会の話題(零によればそんな行事に参加したことはないらしい。渉の冗談と思われる)において「好きなひとに格好良いところを見せたかったんじゃもん♪」という発言をしていた。
渉の冗談に乗っかる形の冗談であったのだろうが、普段の零の晃牙に対する格好つけな場面を思い出すに、あながち嘘でもないのだろう。(余談だが、ズ!!イベスト「フラッシュバック」に合わせて公開された『注目ポイント』において、零は「後輩の前では格好つけたい(意訳)」ことがほぼ明言されている)
朔間零アイドルスト「Silver Bullet」(秋)
晃牙の「偶然見つけたDVDに超絶技巧のギタリストがいた」という発言に対し、何とも言えない表情で相槌を打つ零を見られる。うがった見方をすれば、晃牙が自分以外を褒めることを良く思っていないようにも見えるが……。
しかし結局のところ、超絶技巧のギタリストとは、皆さんご存じのあの人のことであった。
マネージメント会話
大神晃牙マネージメント第一話
体操服を借りたいという理由で、零が晃牙の教室を訪れる。
身長に差のある晃牙よりアドニスに借りた方が理にかなっている気がするが、晃牙も結局は体操服を貸すあたり、二人の普段からの関係性がよく分かる。
朔間零マネージメント第二話
部室でぐっすり眠っていた零の目覚めを迎えてくれたのは晃牙だった。
零が起きるのを待っていてくれたのかとの問いに晃牙本人は否定しているが、双子もいない中、日も落ちて真っ暗な部屋でただ本当に演奏のみしていたのかという疑問は残る。
起きたばかりの零はガーデンテラスのトマトを欲しがって晃牙を怒らせているが、それが晃牙特製のトマトだということを知っているか知らないかはこの時点では定かではない。(絶対知っててからかってるでしょ)
誕生日のお祝い
ズ!の頃からアイドルの誕生日イベントがあり、プロコ、アイドルスト、全般的に大変かわいい内容であった。「!!」に入ってからは全て無料で開放されているので、未見の方にも是非堪能してほしい。以下は零晃に関する内容のみ抜粋する。
2017年:(ズ!ストーリー→プロデュースイベント→アイドルより選択)
晃牙3話「終わっちゃうのは寂しいね」レア。当然のような顔で二次会について語る晃牙。よく聞けば吸血鬼ヤロ~から直々に誘われたようで、転校生も誘ってくれた。……いやそれ、聞いてないんですが本当について行っていいやつなんですか???
零1話「観察する」レア。晃牙はミーティングがあると零を引き留める役だった模様。しかし既に挙動不審だったようで、零に尿意かと勘繰られていた。なんでも尿意のせいにしようとするな。
零2話「おめでとうございます」ノーマル。机にたくさん並べられた料理がトマト尽くしであることが語られる。しかもこのトマト、ガーデンテラスでとれたトマトだそうなのだ。それってつまり……。
零3話「撮りますよ」レア。レアショットを撮ろうとする転校生を見て、晃牙と敬人を連れてデッドマンズを再現しようとする零が見られる。
2018年:(ズ!ストーリー→アイドルストーリーより選択)
晃牙「誕生日のお祝い/朔間零」仲間たちに囲まれ嬉しそうにしている晃牙を温かく見守っている。言葉の一つ一つに愛が溢れているので必見。また、二次会、もとい魔の宴に直々に誘う朔間零の姿が描かれている。
零「誕生日のお祝い/大神晃牙」食べ過ぎて休んでいる零のところにやってくる晃牙。怒りながらも、たくさんある食べ物の一部は転校生たちと共に晃牙が用意したのだとうっかり口を滑らせている。うかつでかわいい。しかも「トマトならいくらでも食べられる」という零の言葉に、嬉しさを隠しきれず「つくったやつも報われる」等と発言している。なお、このトマトの生産者は……。
「!」マイルームボイス
親愛度のランク上げ、また夢コインショップでの購入によってキャラクターのボイスを得ることができる。そのうち、二人がお互いについて触れているボイスを抜粋して紹介する。
※以下、親愛度ボイスのネタバレを含みます。
晃牙
- 春 夕の挨拶:チッ! 吸血鬼ヤロ~……。春は眠気が我慢できね~みたいに言ってたけど、どの季節もずっと寝てるじゃね~か!
- 夏 朝の挨拶:ふんっ、夏の日差しで吸血鬼ヤロ~は弱ってるだろ~な、ざま~みやがれ!
- 秋 朝の挨拶:ふんっ。俺様は吸血鬼ごっこしてるヤロ~とは違って、朝も元気なんだよ!
- 親愛度16/その他-2:学院の変人共、特にあの吸血鬼ヤロ~に付き合うのだけはやめとけ。ろくなことになんね~ぞ
- 親愛度47/朝 朝の話題-3:あぁ?朝は部室に人がいね~から自主練が捗るんだよ。吸血鬼ヤロ~は棺桶の中にいるだろうがよ?
- 親愛度51/朝 親しい挨拶-2:……んだよ、吸血鬼ヤロ~は朝から活動できね~けど、俺様は何時でもかまわね~ぜ
- 親愛度54/夜 親しい挨拶2:俺様はいつだって万全だけどよ、吸血鬼ヤロ~に合わせてると夜型の生活になりそうだぜ
- 親愛度56/部活 朝の挨拶-1:吸血鬼ヤロ~はまだ寝て……。はんっ、こんな時間に寝てる方が悪いんだ、遠慮なくギターを掻き鳴らしてやんよ!
- 親愛度58/部活 夕の挨拶-1:だぁあっ、吸血鬼ヤロ~はまだ寝てやがんのか! これ以上ぐうたらするなら、部長の座から引きずり下ろしてやんよ!
- 親愛度58/休日 夜の挨拶1:吸血鬼ヤロ~のやつ、完全にオフの日は遠慮してやがんのか、滅多に連絡もね~し……ちゃんと生きてんのか?
- 親愛度71/夜 親しい挨拶4:あぁん、ガーデンスペースのほうから物音がした? どうせ、また吸血鬼ヤロ~が散歩でもしてんだろ
零
- 春 夕の挨拶:わんこが家探しをしておったから棺桶を薦めてみたんじゃけど、ふざけんなと言われてしまったわい。冗談の通じぬやつじゃ。
- 親愛度51/朝 親しい挨拶-2:わんこは朝から元気じゃのう……。キャンキャン吠えられて参ったわい
- 親愛度56/部活 朝の挨拶-1:わんこは朝から元気じゃのう……と思ったら、葵くんたちはもっと元気じゃった。若いのう……♪
- 親愛度62/休日 夕の挨拶-1:部活もないし、『UNDEAD』の活動もないし。わんこが『くさくさ』しておるのが目に浮かぶのう……♪
- 親愛度69/夕 親しい挨拶-4:わんこが葵くんたちとキャッチボールをしておるみたいじゃ。あの子は何だかんだで、面倒見がいいのう……♪
この他に、親愛度が低ランク状態の放置ボイス(一定時間ホーム画面をタップしないと発生する)では「わんこの散歩でもしてこようかのう」を聞くことが出来る。
(編集へのご協力ありがとうございました!)
掛け合いボイス
ホーム画面に設定した二人をタップすると会話が発生する。全員について発生するわけではなく、「!」ではユニットメンバーや部活の仲間等、親しいキャラクターのみに掛け合いボイスが実装されている。
※「!」→「!!」アップデート後当初は「!」も含めて掛け合いボイスが廃止されていたが、2020年8月26日に改めて実装された。
(キャラ設定時)
- 零「我輩を呼びつけるとは、わんこのくせにやりおるのう」
晃牙「いつも呼んでるっつ~のに、テメ~が聞いてね~んだろうが!」
- 晃牙「チッ……吸血鬼ヤロ~かよ。俺様に何の用だ?」
零「喜んでおるのに素直じゃないのう、わんこ♪」
(ホーム)
<零と晃牙>
- 零「わんこ~、わんこや~……? 寝起きで喉がカラカラじゃし、美味しいトマトジュースが飲みたい気分じゃな~」
晃牙「ほらよ、そろそろ起きるころだと思って買ってきておいてやったぞ。……冷え冷えだっ、感謝しやがれ!」
- 零「アドニスくんがのう。日本にきてよかった、わんことも親友になれたし~みたいなことを言っておったぞい♪」
晃牙「ふぅん……親友ねぇ? あいつの場合、いちど話したらみんな親友なんじゃね~の? 知らね~けど」
- 晃牙「だぁあっ、わんこわんこってうるせ~んだよ! 俺様は孤高の一匹狼だって何回も言ってんだろうが!」
零「おぬし、たま~に思い出したようにそう主張するのう。うんうん、他に噛みつくことがないぐらい平和ってことじゃな♪」
- 晃牙「おい、吸血鬼ヤロ~! テメ~、俺様が畑で育ててたトマトをむしって食べやがったな!?」
零「ほほう、名探偵も顔負けの推理じゃのう、わんこ。それとも名犬のごとく嗅覚を使って我輩に辿り着いたのかや?」
<零とひなた>
- 零「くくく。ひなたくんたちがカードゲームで勝負してくれるお陰か、ここのところわんこがずっとご機嫌じゃわい♪」
ひなた「それは良かったです。どっちが遊んであげてるのかわかんないですけど、お陰さまで俺たちも楽しいですよ~♪」
<零とゆうた>
- ゆうた「気づいたんですけど、大神先輩を交えて話すとアニキともわりと意見が合うっていうか、団結力が増すんですよね」
零「おぬしらでわんこを引っ掛けてはおらんかのう。あれは真面目な子じゃから、からかうのも程々にしてやっておくれよ?」
<零とアドニス>
- アドニス「そういえば、朔間先輩はどうして急に喋りかたを変えたんだ? 昔はもっと、いまの大神のような口調だった気がする」
零「おぉ……。急に昔のことを蒸し返すのはいかんぞい、アドニスくん。まったく。悪気はないんじゃろうけど、ちと心臓に悪い……」
<零と夏目>
- 夏目「零にいさんのところの犬ッコロ、本気で調教してもいいかナ? 顔を合わせるたびに噛みついてきて鬱陶しいんだけド」
零「勘弁してやっておくれ。逆先くんが本気を出すと、わんこがわんこでなくなってしまいそうで恐ろしいわい」
<晃牙とひなた>
- 晃牙「おい双子、俺様はちょっと出かけるから、その間に部室を掃除しとけ。あと吸血鬼ヤロ~を起こすのも忘れんなよ?」
ひなた「んもう、大神先輩ってば人使いが荒いんだから! 普段、朔間先輩にこき使われてるからって俺たちに当たらないでよね~」
ゲーム内での二人(!!軸)
「!」のストーリーの正当な続編であり、零と薫が卒業し、晃牙とアドニスが三年に進級した時間軸で展開する。「UNDEAD」はESビル内の事務所「リズムリンク」に所属し、時には卒業生と在校生に分かれるものの、基本的には四人での活動を継続している。
ユニット衣装とユニットロゴも一新したが、零と晃牙が何故か二人とも黒いチョーカーをつけていた上に、私服がお互いを意識したような色であった(シミラールックと呼ぶPも)ため、アップデート以前からさまざまな憶測を呼んでいた。新章では二人にどんな展開もとい進展があるのか、大いに期待したいところである。
※以降、各種ストーリーのネタバレを含みます。以下はストーリーの一部を抜粋した一見解にすぎないので、実際にストーリーを読み自分なりの解釈を自分で判断してください。
アイドルランクで解放されるストーリー
アイドルストーリーのうち、「第〇話」と記載のものはあんさんぶるスターズ!!初期から無料で読めるアイドル個別のストーリーとなる。現時点では各アイドル3話ずつまで実装済み。(2話以降はアイドルのランクupにより解放)
アイドルランクのスト単体では零晃とは言えないものも多いが、メインストも含め、以降のストーリーの根幹にかかわる重要なストなので事前に読んでおくことを強くお勧めする。
大神晃牙 第一話
零と薫の卒業後、いまいち『しっくり』こない晃牙が珍しくプロデューサーに悩み相談をする貴重なスト。晃牙が「命を燃やして生きていく居場所」と定めたUNDEADにおいて『最高の自分』の四人として集まるため、今はそれぞれが力を溜める時期。しかし晃牙は壁にぶつかってしまっていた。UNDEADとして集まる前、あんなに主張しようとしていた『俺』が一体何なのか、分からなくなってしまったのだと言う。
『いったい自分はどこの誰で、何が言いたいのか?』大神晃牙の模索は続く―――。
大神晃牙 第二話(アイドルランクDで解放)
第一話に引き続き、自分を模索する晃牙の様子が見られる。強くなりたいにせよ、ウェイトボールを腹に落とすのは方針として何かがおかしい。『自分を見失っている』と相棒であるアドニスにまで言われてしまう。理由は単純、どうしようもなく焦っているのだ。零やアドニスは海外での知名度があり、薫も最近真面目になって有名になってきている。自分だけが何も為せていない……。自信を持って彼らに並び立つため、何かしらの成長や変化が欲しい。そうした思いに溢れていた。アドニスは焦っても仕方がないと晃牙を諫めつつも、着実に成長する晃牙に穏やかに笑う。そのどんな悩みでも吹き飛ばしてしまう豪快さ、力強さが晃牙のいいところだと。
「待ってろよ。UNDEADの先輩がたよう」
朔間零 第二話(アイドルランクDで解放)
先輩たちの呼び出しにより、リズリンの事務所に集合したUNDEAD。今後の方向性について戦略会議をすることに。零はライブ以外にもアピールの場を設けることも一つの戦略だと告げる。方向検討のため、どういうアイドルになりたいのか、どういう仕事をしたいのかを聞きたいのだと。これからは薫やアドニスは色々なことに挑戦してみたいと言うが、晃牙はライブが本分、中途半端な方向転換には反対の立場だと言う。
一方、人に聞いてばかりの零の意見は―――?
「!!」軸 メインスト 第一部
第二十五話「Wolf」~第二十六話「Monstar」
メインストーリー第二章にて、UNDEADメンバーが新章初登場した。
三年生に進学した晃牙とアドニスが、星奏館に引っ越そうとする天城一彩と白鳥藍良を手助けする。
アイドルオタクの藍良は偶然出会した晃牙に内心興奮し、「マニアの中にはビッグ3(L$(ES内での通貨)累計ランキング上位者 fine、Eden、Knightsを指す)よりUNDEADこそが最強と目するものも多いっていう!」と語っており、UNDEADがアイドル業界で存在感を示していることが窺える。また二十五話の台詞にて、晃牙やアドニスが星奏館に引っ越したことが判明した(零と薫については「!」のオペレッタにて判明している)。
二十六話ではアドニスの口から、アドニスと晃牙が「新たなる二枚看板」とファンの間で呼ばれていることが語られている。学生時代は先輩二人の背中を追うことの多かった晃牙とアドニスが、着実に成長していることが感じられた。
第四十二話「Shade」
UNDEADのライブの宣伝をするRa*bitsのメンバーからUNDEADの現状が語られている。ビジュアル系バンドのように偏見されがちなことや、最近のバラエティ露出に関する賛否両論等、プロの世界に踏み入ったUNDEADのユニットの方針が定まりきっていないことが察せられる。
第五十一話「Darkness」~第五十三話「Crazy:B」
零と薫が初登場。
ESライブステージにて開催されたライブにおいて、久々の四人揃ってのライブということもあってか、なかなかパフォーマンスが噛み合わないUNDEAD。開始早々、零と晃牙は薫に「ちょっとちょっと~。わんちゃん独りだけ走りすぎ。逆に零くんは遠慮しすぎ。どしたの、また喧嘩でもしたわけ?」と突っ込まれている。どうやら卒業してからも二人が(痴話)喧嘩するのは常日頃のことのようだ。
そんな薫に対してアドニスが真顔で「それは変だな。近ごろはまた海外を飛び回ってばかりの朔間先輩に、大神はいつも会いたい会いたいと――」と補足をしている。ついにアドニスまで零晃の補足情報を提供するまでになってしまった……というため息はさておき、零曰く、在校生と卒業生が別々に活動しているため互いが互いを邪魔してしまっているようだ。
晃牙と零は「テメ~はいつまでそのクソ忌々しいおじいちゃん口調で喋るつもりだよ?」「今さら、我輩がわんこのようなチンピラめいた口調で喋りはじめたら皆を戸惑わせてしまわぬかえ?」という会話を繰り広げており、オペレッタの穏やかな会話はどこへ行った?と思わざるを得ない。「離れるのは身を裂かれるより痛くて苦しい」らしいので、やはりこの二人は離れてはいけないのかもしれない。
そんな何処かぎくしゃくしたUNDEADのステージに突如乗り込んできた、「問題児」Crazy:B。その旗頭、天城燐音は、UNDEADに対し「いつまで気の抜けまくった甘ったるい炭酸ジュースみたいな真似を繰り広げんてンだ!とっくの昔に飽き飽きなんだよ、てめェらには!」と暴言を重ね、あまつさえ抵抗しようとした晃牙をステージ上から蹴り落とす暴挙に出た。
燐音にはどうやらESへの並々ならぬ疑惑、反抗心があるようだが――。
その場でUNDEADが逆転し場を盛り返すことは可能だったものの、零は燐音の思惑、新しい萌芽を見定めるため、Crazy:Bの独壇場を一旦は静観することを決めたのだった。
第五十四話「Darkness」
藍良の回想により、あの日がCrazy:Bのデビュー戦であったこと、結局その後、怒涛の勢いで
(まさに不死者みたいに)UNDEADが押し返して逆転したことが判明した。
しかし一方でCrazy:Bは「UNDEADの持ち味と同じ荒々しいパフォーマンスで乱入した上、一度は文字通り舞台から蹴落としたことにより、口コミと共に過剰に喧伝されている」とも語られている。そのため、おそらく荒々しさの観点で同系統、かつ非常に人気が高いUNDEADの隙を狙って刺し、自らの知名度を飛躍的に広めることが狙いだったと推測される。
第九十話「Summit」~第百九話「Pesticides」
ES首脳会議―通称サミットに、リズリン事務所の『補佐役』として零が出席。
※サミットは複数話に分断されて描写されている。なるべく掲載順に記載してはいるが、話数等は実際に読んで確かめていただきたい。
本来、零本人はサミットの会議自体にいい印象は持っておらず、『補佐役』就任も頼み込まれたから。義理の出席のみ、発言もあまりしてこなかった。補佐役であるのは、本人が頑なに『代表』になりたがらないため。(代表は敬人)
そうやって傍観者として気取りがちな零であったが、今回の事態にあたってはとうとう自ら動くことを宣言した。もう誰も喪わないため、一個の人間としてこの世に関わるため。
「生き返ってくれて有難うね、朔間くん」とは英智の言である。
通常のサミットの議題の後、茨からCrazy:Bについての報告、もといお披露目がなされた。
Crazy:Bは数々のユニットに次から次へと挑戦状を叩きつけており、会議では紅月、UNDEADの名前が挙がった。なおその際、零は「最近それで『うちの晃牙』がめちゃくちゃキレ気味じゃよ」などと発言している(第百四話)。仕事場で急に嫁の愚痴(惚気話)をし出す旦那か?
第百九十三話「Pandemonium」~第百九十七話「Impulse」
※かなりの分量となるため、ポイントやツッコミどころのみを記述。
【MDM】の大舞台にてUNDEADのライブステージに辿り着いたCrazy:Bの一人、桜河こはく。だがなぜかそのステージ上に、アドニスに肩車されたHiMERUを発見する。……いや、本当になんで?
こはくが舞台に上がってからも、まるで煽るかのような言動で対峙する零。(時々薫と『We are UNDEAD…♪』をしている)喧嘩は売っていないと言いつつも先日荒らされた舞台の件を引き合いに出し、「存分にムカついてもらおうかのう」と発言をしている。その際『かわゆい晃牙のお尻』等と迷言を残し、大いに界隈を賑わせた。全部マイクオンで会場中に聞こえてるみたいだが大丈夫か?
直後、晃牙からは、観客(や、我々読者)の心配を受けてか、蹴落とされた舞台の下にスタッフが待機して怪我のないようにしてくれたと説明している。なお、その際に零の『かわゆい晃牙のお尻』についてのコメントは一切ない。もしかしてそのたぐいの発言、スルーし慣れてるんですか。
なお話が逸れるが、へたっぴな冗談を言ったアドニスが晃牙を引き合いに出したことに対し、晃牙は『俺様はべつに冗談は言ってね~よ……いつでもガチだよ……』と心外そうな発言もしている。普段の厨二っぽい……きゃんきゃんしてる……かわいい……まあとにかく、そういう発言も本人としては全て「ガチ」の模様。かわいい。
状況についていけないこはく、HiMERUに、零はアイドルとして歌うよう告げる。先日の一戦のような張り合いが欲しいと。なぜか? あの時のCrazy:Bの指摘は、確かにファンも含めて、UNDEADの関係者が漠然と抱いていた不安だったからだ。
先輩と後輩で活動の場が離れて足並みの乱れたUNDEADが、観客に恐怖を抱かせてしまったのだと。この危機を乗り越えるため、UNDEADで幾度も話し合いを重ねたことが零から語られる。遠慮も取っ払って語り合い、一切合切隠さずにぶちまけた、この「話し合い」のきっかけをつくってくれたのがCrazy:Bである、と。
その想いもあって、Crazy:Bも一緒に人生を満喫する『遊び相手』にならないかと誘い、彼らの生き残りのための手助けをするのだった。
この際、零は言う。「やりたいことが、いっぱいいっぱい、あるんじゃ」UNDEADはロック志向のアイドルではあるが、童謡も、ポップスもライブもバラエティも、全部全部、どれも興味深くて尊くてやってみたいのだと。
「!」クロスロードでは心底退屈しきり、死んだような瞳で生きていたはずの零が、返礼祭の前には一族を理由にアイドルや自分の想い全てを捨てようとしていたはずの零が、ここまで表明してくれたこと。これまでの零と晃牙の道のりを見てきた人には、この言葉自体がとても尊く聞こえたのではないだろうか。
※「!!」メインストーリー第二部はイベント形式で順次公開されているため、以下イベント項目の時系列順にて紹介していきます。
「!!」軸 春
スカウト! バンドBB(2022年公開)
アイドルの面々が入寮してまもなくの頃の話。サークル第一号、バンド『BB』結成秘話。
音楽特区にある、2winkなじみのライブハウスが経営難であることを知らされたゆうた。起死回生のライブイベントに恩返しとして参加するつもりでいたが、事務所(茨)にあっさり却下されてしまった。茨の言い分は『大人』として当然の内容ではあったが、悪く言えば情がなく、あまりにビジネスライクなもの。ゆうたは大きく反発し、ひなたに愚痴を言ってやけ食いしてもとうてい発散できない。たまたま通りがかり強く共感した晃牙が協力を申し出て、三人で解決に乗り出すことになった。
十分集客できるような知名度を求め、晃牙の発案で昔のバンド『デッドマンズ』を復活させようと零に相談しに行く。しかし、茨と同じ『大人』の理論であえなく袖にされてしまった。それにひどく憤慨した晃牙は「つまんね~! つまんね~よ、吸血鬼ヤロ~!」と反発を露わにしてゆうたと共に零に背を向ける。二人の頭に血が上った非難と、ひなたの『子供なりの真剣さ』『大人からの侮りに対する怒り』という言葉に触れた零は考え込む仕草を見せ、たまたま事務所に訪れた真緒に相談を持ち掛けることにした。
一方、怒りの冷めやらぬ晃牙とゆうたは、とうとう事務所を無視してゲリラでライブに参加すると言いだしてしまい……!?
大きく成長していくESだけが安泰であれば、その他の音楽が好きな同志を見捨ててもいいのか。事務所の意向に唯々諾々と従って、自らの意志もなくただ『育ててもらう』ことは、自分たちにとって正しい道と言えるのか。「!!」に入ってから提示されている命題に深く触れる話の一つと言えるだろう。晃牙とゆうたの怒りには『大人』の道理を心のどこかで理解しつつも、どうしても納得できない純粋さと真っすぐさが強く表れている。
「!!」での零と晃牙の言い争いの本格的な描写は今回が初めてだが、零は晃牙の言葉に「つまらんことを言うでない。(略)あぁ、つまらん」と返すなど、まるでさきほどの晃牙の「つまんね~」発言にやり返しているかのようだった。その大人げなさは一端脇において、お互いが「つまらない」ところから連れ出してくれた大切な相手だという想いがあるからこそ、その言葉がお互いにとって大事なキーになっているのかもしれない。
零との和解後、解決手段は言えないが信じて欲しいと伝えられた際も、ゆうたは懐疑的だった一方、晃牙は「本当に信じていいんだな?」と強い信頼の姿勢を見せた。
その解決策の詳細はぜひストをご参照いただきたいが、一点。星5カード開花前、晃牙をあんなにもキラキラとしたかわいい顔にさせたのは、間違いなく零の手腕である。(視点も高め……もしかして零から見た晃牙、いつもあんなにかわいいんですか??)
以下は余談だが、音楽特区全体が窮状にある現状、ライブハウスのみを一回の起死回生イベントで盛り立てても正直その場しのぎ的な催しにしかならないだろう。ESに押される音楽特区の根本的な解決策とは決して言い難い。
だが問題ない。実は、音楽特区は後述のイベント「温故知新/継承の御前試合」が初出。こちらのストーリーで本格的な再開発について既に触れられている。
さて、このライブハウスを絡めたひと悶着は春。音楽特区の窮地を憂い、本気で力になろうと努力している晃牙たちの姿を見て、力を貸しているリズリンの副所長がすでにいる。事務所同士のサミットでも少しずつ話題に出しつつ、御前試合では音楽特区再開発を絡めた紅月とUNDEADの合同ライブ(という名の舞台)の企画を打ち出している人物。
そう、朔間零その人である。
零が後輩たちの熱意によって動かされ、弱者を切り捨てずにきちんと助けたいと手を伸ばした結果が音楽特区の再開発と御前試合の舞台、なのかもしれない。
そうであれば事後処理まで含めて完璧すぎる。当人の言う通り、まさしく『チート』の言葉がふさわしいだろう。
「!!」軸 夏
Howl!魂を燃やす不夜城(2020年公開:1/2 夏)
UNDEAD P待望の「!!」初ユニット新曲イベント(センター:晃牙)。ニコ生ラジオ月スタではイベントに先立って新曲MVがお披露目され、全力でギターをかき鳴らす☆5大神晃牙にファンが大いに沸いた。またストーリーの内容も、これまで描写されてきた晃牙の悩みに一歩踏み込む非常に重要なものであった。
UNDEADの先輩たち二人が卒業してからというもの、晃牙はどこか不安定な様子。
6月上旬、薫は繁華街でちょっと身なりの悪い子たちに謎の封筒を渡す晃牙を目撃する。心配になって声をかける薫だが、晃牙には「俺様の問題だ」と突っぱねられてしまう。晃牙と仲のよいアドニスや零に話を聞いても心当たりがない様子。
零も「かわいい晃牙の一大事」「あの子は悩み痛みを他人に察せられないよう、独りで抱え込む悪い癖がある」等と評している。(なお、その際出た薫の零評は「肝心な相手にかぎって地雷を踏む」である)
返礼祭を経て『大神と友になれた』と自負するアドニスが話を聞こうとするも、テメ~には関係ね~だろ、とキツい言葉ではねのけられてしまう。凹むアドニスに弁明する晃牙は、最近の『お茶の間に親しまれるUNDEAD』というユニットのキャラ付け・方向性について愚痴をこぼしつつ、地下ライブハウスに所属するバンドが原因の一つであると語った。
一方、当の地下ライブハウスについても、巨大アイドル事業であるES新設の高波によって経営状態が悪化していることが語られる。そんなライブハウスの様子を見に来た薫と零は、たまたま二人で舞台に立つ晃牙とアドニスを発見した。閑散としたライブハウスの状況を見慣れた薫と、違和感を覚える零。現状に詳しい薫の意見を立てつつ、零は一人呟くのだった。
「晃牙、おぬしは何故、そのように哀しげな声で歌っておる?」
→2/2 秋に続く
祝辞 爪弾くブライドライト(2022年公開)
3年目のUNDEAD新曲イベント(センター:薫)。「!!」三年目にして一番早い時系列である、夏の話となっている。(薫が悩みを相談する内容から、メインスト1部以降の模様)
「!」の頃にお見合いで結婚した薫の姉。薫は自由にアイドルをしている自分の代わりに、望まない結婚をさせてしまったように感じて当時からずっと引きずっていた。今回改めて、身内だけのささやかな『二度目』の結婚式をすると聞き、自分から余興をさせて欲しいと願い出た。
しかし余興の中身がなかなか決まらず、誰かに下手な相談もできず、沈んだ空気をUNDEADの面々に心配されてしまう。UNDEADメンバーは、零の個人の問題にあまり踏み込みすぎるのもよくないという助言を元に、各々の発案で薫を元気づけることにした。
しかし、とある決断をした薫にはその気遣いはかえって怪しく見えてしまい……!?
反抗期だった薫を優しく見守っていてくれた姉への想いを絡めた、優しく柔らかなストーリー。これまであまり互いのプライベートまで立ち入っていかなかったUNDEADの4人が、カラオケで熱唱したり、お肉屋パンケーキが有名なお店に行ったり、海に行ったりする様はとても微笑ましい。海で水を掛け合う様などはまさに『青春』そのものである。
零と晃牙二人だけの特別な絡みはそう多くはないが、「セレブレイト/第二話」では喫茶店に突然現れた零が晃牙の隣に座り、「俺様のほうに座るのかよ、まあいいけど」などと素直ではない呟きを見せるシーンがある。内心喜んでいるのを気付かれたくないのでそっけない顔をしているのが丸わかりだ。(解釈は自由です)
また、MVでも教会に入る直前に零と晃牙が並んで歌うシーンがあり、お披露目直後はX/Twitterの「零晃」検索サジェストで「零晃 結婚」が出るようになった。気が早い。
メインスト第1.5部 第1章セブンブリッジ(2022年公開)
夢ノ咲七不思議編として始まったツアーイベントの一番目。(※「!!」メインスト開始前の模様)
ユニット縛りではないという触れ込みだったが、主な登場人物はUNDEADとKnightsの後輩組(夢ノ咲在籍組)であった。
夢ノ咲プロデュース科が本格的に運営を開始したはいいものの、他校から引き抜かれたプロデュース科2年生が転校生(主人公)に嫉妬して平和党(※俗称)を結成。転校生の名義でとんでもない七夕祭のイベント案を提出してしまったため、夢ノ咲学院は大混乱に陥った。転校生は自身の不甲斐なさにひどく落ち込んだものの、同じくプロデュース科の黒根ひつぎやその姉であるNEGIに出会い、自分が本当に向き合うべきアイドルたちと腹を割って話すことでプロデューサーとして復活。アイドルたちの支えと助力も受け、七夕祭を去年よりさらに大きく、新しく生まれ変わらせるストーリーである。
ストーリーの中でNEGIは晃牙やアドニスも根城にしている地下ライブハウスで活動する女性(?)アイドルであることが判明する。あんスタ世界では男性アイドルに比べて不遇な扱いを受けている女性アイドルとして一人孤高に音を奏でるNEGIに昔の朔間先輩と似た空気を感じ取った晃牙。NEGIに何か出来ることがないかと申し出るが、「ぶっちゃけ迷惑」とにべもなく断られている。(ところで、晃牙は「!」少年と海の薫に始まり、「!!」バンドBBの悩めるゆうた、「!!」不夜城で世話をしていたバンドの後輩や「!!」プリズンブレイカーズの学校の後輩など、なにかと世話を焼いているように思われる。もしや困っている人、悩んでいる人を見たら助けずにはいられない世話焼き体質なのだろうか)
また、零が学院に埋めたという棺桶も掘り起こされて謎が謎を呼ぶ状態になっているが、本ストーリーのみでは解決していない。(というか棺桶を埋める習性ってなに???)
また肝心の七夕祭本体ではUNDEAD先輩組も参加する予定だったものの、直前までバラエティの収録があったことから遅参している模様。零からは”七夕祭の七つの舞台で勝利すれば実力者として認めてともに舞台に立とう”、などという見え透いた師匠ムーブをかまされており、むやみに晃牙を苛立たせている。おそらく今の晃牙は素直に遅参の謝罪と不在の間の応援を伝えた方が喜ぶだろうに……。零と晃牙のすれ違いはメインストでも描かれているが、少なくともこの時期の零は互いの距離感を測りかね、明らかに迷走中であることが伝わる。(あるいは、晃牙相手ならはしゃいでも大丈夫と羽目を外している可能性もある)
ところで、七夕祭の七つの舞台はそれぞれコンセプトが異なり、「芸術部門」や「可愛い部門」「洋楽部門」「セクシー部門」など、様々な観点で色々なアイドルたちが活躍できる仕様となっている。晃牙とアドニスは先輩たちを見返すため、二人だけで七つの舞台を勝利してきたそうなのだが……可愛い部門やセクシー部門をどうやって勝ち抜いてきたのか、ちょっとでいいから教えて欲しい。ね、ちょっとでいいから!?
「!!」軸 秋
温故知新/継承の御前試合(2020年公開:春・夏・秋)
(ストーリーの主軸は秋のため「秋」に記載します)
「!!」でのUNDEAD、紅月の合同ツアー初イベント。
零と敬人が幼馴染時代に一緒に楽しんでいた時代劇『ばんぱいあ将軍』をUNDEADと紅月で再生する物語である。ズ!クロスロードで決定的に道を違えてしまった零と敬人の、友人としての物語を描くアンサーストーリーとも言えよう。また零の今のおじいちゃん口調が、この時代劇の主人公『ばんぱいあ将軍』徳川綱吉への憧れから真似たものであることも判明した。(大好きな相手の口調を真似た人、すぐ近くにもう一人いますね)
前半ではリズリン事務所におけるUNDEADや紅月、そして上部にそびえたつベテラン勢の簡単な状況説明、ドラマ『ばんぱいあ将軍』の紹介、アドニスの姉の一人が住むリズリンの『音楽特区』の説明等がなされた。
また先輩組が『ばんぱいあ将軍』を見ながら寮でくつろぐ中、「これまで誰かに甘えることをしてこなかった」という零に「去年はわりと甘やかされ放題」だっただろうと紅郎が突っ込み、ようやく自分も晃牙たちに甘えていたのだと気付く場面もあった。神仏と信者の関係ではなく、零を愛し、寄り添ってくれていた愛し子たちと人間として対等に向き合う必要があると自覚したのだ。それにしてもいちいち発言のスケールがデカすぎる人間一年生である。
『音楽特区』再開発計画の一環として『ばんぱいあ将軍』をUNDEADと紅月の合同ライブ【御前試合】(という名の実質的な舞台劇)に落とし込んだ零と敬人。幼い頃から愛していた物語の再始動のために動く二人の熱量、意気込みは気持ちよく見られるだろう。
そんな風に幼馴染のみに没頭していた人は、エピローグ①、突然爆弾が放り込まれるので注意してほしい。憧れの『ばんぱいあ将軍』の不在に想いを馳せていた零が、急に一つの気づきを得るのだ。去年の春ごろの晃牙の気持ちがようやく分かったかもしれない、と。
「歯痒かったじゃろうな、悔しかったじゃろうな。傷つき、疲れ果て、衰えて、見るも無惨な屍となろうとしている英雄の姿を見るのは」「感情任せに吠えたくもなるわい、勝手に死んでんじゃね~よって、俺の許可なく屍体になってんじゃね~よって」「そんなあやつの激情が、痛切な祈りが我ら『UNDEAD』の礎となった」「ゆえにこそ、我輩を生かしてくれた偉大なる男に敬意を表し、その手法をなぞろうぞ」
晃牙の切なる願いは、確かに零に届いていたのだ。
ちなみに一方の晃牙は、そうしてご機嫌に鼻唄を歌う零にご立腹である。全然伝わってない! ちゃんと本人にも言葉で伝えてください!?
また、後述の不夜城のキーとなる晃牙とUNDEADの事情についても大きな伏線が張られている。晃牙は生意気な新入生に最近のUNDEADは日和っていると批判された時、言い返せなかった自分たちに一番腹が立っていると述べている。「俺様の大好きな、尊敬する先輩たち」がバラエティで大御所に弄られまくる様子を見て、朔間先輩が汚されていた昔を思い出して不安になっていたのだと。晃牙の不安、不満はMDM前の話し合いでも話されたようだが、その様子など詳細な内容は本イベント開催当時、まだ開示されていない。
ちなみに朔間先輩は美形だから変な言葉遣い(おじいちゃん口調)も許される、などと語る晃牙も見られる。(やっぱり美形だと思ってたんだな……)
『ばんぱいあ将軍』を巡る物語は佳境に入り、「名無しの権兵衛」に扮する敬人と「ばんぱいあ将軍」を演じる零の直接対決に至る。本項の最後に『ばんぱいあ将軍』の舞台と零晃の奇妙な類似性に関する仮説を紹介したい。(以下、仮説、および編集者個人の解釈を多々含みます)
時代劇『ばんぱいあ将軍』では元々、不慮の事故で当時の将軍役の役者が亡くなってしまっており、苦肉の策で大規模な脚本変更が行われている。行方不明になった偉大な将軍が生きているよう見せるため、従者(名無しの権兵衛)が将軍の姿を真似て必死に奔走するというストーリーへの変更である。
役者が亡くなってしまった将軍は一年前の朔間零のオマージュ、その姿を真似て奔走した従者は大神晃牙のオマージュ、そして昔放映された「従者が主人の偽物を討つ」脚本は、返礼祭において朔間零が描いた本来のシナリオ(UNDEADを解散して晃牙に止めを刺され、アイドルとして完全に隠居する)のオマージュとは考えられないだろうか。
また、返礼祭を経た零は晃牙の『生きて欲しい』『一緒に生きたい』という願いをきちんと受け止めており、その想いのまま必死に自分を引き留めてくれたことを奇跡とすら呼んで感銘を受けている。零の「我輩を生かしてくれた偉大なる男に敬意を表し、その手法をなぞろうぞ」とは、晃牙のように「全身全霊、全ての持てる力を持って自らの大切な願いを叶える」ということ。今回のリメイクでは脚本をアドリブ(なお、おそらく役者陣以外への関係者には根回し済みと思われる)で変更しており、「死んだと思われていた将軍が実は生きていて、従者と共に大暴れ」という形で演じている。これは返礼祭で愛を叫んだ晃牙や周囲の協力者たちによって書き換えられた、新しいシナリオ(零はアイドルを隠居せず、UNDEADも解散せず、返礼祭を一つの区切りにまた一回り強いUNDEADとして歩んでいく)のオマージュとも考えられる。
クロスロードで一度は決別していた親友と再び道を交わらせ、友情を紡ぎなおす。これまでの零がずっと諦めていた、心からの願い。それに再び手を伸ばせるようになった心情の変化の根幹に、二人と一時期共にいた晃牙から分け与えられた熱があるのであれば、そこに尊い以外の言葉はない。
なお、舞台上でのアドリブについて何も聞いていなかった敬人は普通にめちゃくちゃ憤慨した。根が真面目な(ある意味アドリブのきかない)敬人としては当然の反応であろう。
余談だが、ばんぱいあ将軍の主人公「徳川綱吉」は、歴史上の人物としては生類憐みの令を出した『犬将軍』としても有名である。
(参考)
Howl!魂を燃やす不夜城(一周目:秋 2/2)
→1/2 夏より
時は流れて秋、十月初旬(※御前試合より後の模様)。再び繁華街で騒ぐ晃牙を目撃した薫。興奮して当たり散らす晃牙にまるでデートの待ち合わせのような言葉をかけてフリーズさせ、連れ出すことに成功した。チャラ男の面目躍如(?)である。
ちなみにこの際、「本気でこれからデートとかしちゃう?」という薫の言葉に対し、晃牙は「ふざけんなっ、朔間先輩とならともかく何でテメ~と!?」、後日「デートをしていたのか」と質問したアドニスには「(デートなら)もっと良い店に連れてってくれただろうし、べつに色っぽいことは何もなかったからな!」といった迷言を残している。
ふうん…つまりデートは良いお店に行って色っぽいことをするはずだし、さらに言えば朔間先輩とならデートをしてもいい、ということですね…?(※解釈は自由です)
地下ライブハウスに晃牙を連れてきた薫は他愛もない会話や音楽も交えつつ、今度こそきちんと晃牙の悩みを正面から聞くことができた。
晃牙は春以降、UNDEADらしからぬ振る舞いばかりする先輩たちの様子にずっと不安になっていた。大御所に頭を下げるのも、いじられるのも、何の説明もされなかった晃牙の立場からではどうしても意図が理解できなかったのだ。夏の話し合いを経た今では大人の処世術だと理解できるが、当時は先輩たち二人がまるでお笑い芸人のような得体の知れないものに変わろうとしているように見えたのだという。
さらに晃牙は、何も知らされず何の力にもなれていない現状に抗争時代の自身の状況が重なっていた。あの時と同じように、大事にしたかったもの(当時は零、今はUNDEAD)がまたいつの間にかなくなってしまう(変質してしまう)のではないかとひどく怯え、錯乱していたのだ。そして晃牙の愛した『UNDEAD』を、晃牙の魂の咆哮を世界のどこかに残すために必死に足掻き、それをライブハウスの後輩たちに一方的に押し付けようとしていたのだと。
結局上手く『先輩』をやれなかったのだと落ち込む晃牙は、「俺、恥ずかしい……。馬鹿だよ、本当に」とひどく苦しそうな様子を見せた。
これまでのストーリーでも語られてきた通り、晃牙の言葉の端々からは抗争中であった夢ノ咲時代に何も出来なかった自分自身への後悔、トラウマがいまだに深く焼き付いていることを強く実感させられる。
これまた余談だが、ライブハウスの雑談で零と四六時中一緒にいるのはキツいと嘆いた薫に、晃牙は「あのひとと一緒にいられるだけで見る見る生命力が湧いてくんだろ?」と至極当然のように答えた。ちなみに他のストーリーで、(その場の冗談か本当かはともかく)零は相手にくっつくことで生気を奪うタイプの吸血鬼であることも語られている(ズ!Switchハロウィンイベント参照)。
くっついて相手の生気を奪うタイプの吸血鬼と、そのひとと一緒にいられるだけで見る見る生命力の湧いてくる人間。字面だけ見ても相性抜群、零晃永久機関とはこのことである。(「愛ってPowerだよね」とはこの時の薫の言。)
翌日、地下ライブハウスで先に舞台に上がっていた零と薫は、言葉は少なくともライブハウスの経営を立て直すためのライブに晃牙とアドニスを誘った。
無言で考え込む晃牙に、零は以前の口調で言う。
「つまらね~つまらね~って項垂れながら歩いてても、何も面白いもんは見つからね~ぞ」
「おまえが、『俺』に教えてくれたんだよ」
この時の晃牙は上述のとおり「つまらない」から項垂れていた訳では決してなく、零の認識には少々ずれも見受けられる。しかし少なくとも、退屈しきっていた昔の零にとって、晃牙の存在が大きな救いになっていたことは確かに分かる言葉である。
また薫も「君は自分で気づいていないだけで───いろんなものを動かしてるよ」と晃牙に伝えているが、本人は首を傾げるばかりだった。先輩の言葉の真意が実感を持って晃牙本人に届くのはまだまだ先のようだ。
最後にエピローグ⑤では、晃牙が初めて零と出会った時の想いと、晃牙が諦観と共に離れたライブハウスの後輩へのメッセージ、『晃牙のロックへの想い』の一端が語られている。以下に零への想いの一部を抜粋するが、出来ればぜひ、ご自身でこのストーリーを目にしていただきたい。
(あぁ、このひとも同じだ。俺と同じ種類の生き物だ)
(こんな俺でもがんばって努力すればあんなカッケ~ひとになれるかもって───一方的に期待して、その日のうちにギターを買った)
(人生が変わった気がした、真っ暗だった世界に朝陽が差し込んだ)
光を厭う吸血鬼を自称する零に出会い、朝陽のごとき光を感じるのはエモいの一言に尽きる。
零と晃牙はたとえ互いに知らぬところであっても互いを救い合い、眩しく光を感じ合う二人なのだと言えるだろう。
ちなみに曲も最高だが、歌詞、さらには歌詞割りも最高に最高である。作詞の松井氏曰く、『原点を歌う「今」のアンデの歌詞を目指した』『晃牙センター曲に相応しい、自分達を踏まえて歌う混じり気のないメッセージ』とのことだ。MusicのショートMVのみならず、ぜひフルでお聞きいただきたい。
深層 裏腹に潜んだBeast(2021年公開)
2年目のユニット新曲イベント(センター:アドニス)。
(※当ストーリーに関しては、特に後半のシナリオ、および零の言動に違和感があるとの声があります。履修の際にはご留意ください)
バラエティ番組の物まね企画に拒否反応を示す晃牙の意見を組み、他の格好いい仕事としてゴールデン帯の特番ドラマに出演することになったUNDEAD。(※実際は最初に出てきたバラエティは没企画であり、晃牙にすんなりドラマを受け入れてもらうためのブラフである。しれっとだますのやめてあげなさいよ)
「サスペンスと恋愛」をテーマとしたそのドラマ「ラブアンドビースト」では不思議なことに、配られた台本に結末が描かれていなかった。経験の少ないUNDEADの演技に変な影響が出ないよう、犯人、ビースト役を隠しているのか、はたまた単に脚本が遅れているのか。
分からない犯人役とドラマの結末、そして監督個人が抱える問題も合わさり、UNDEADの面々は大きく翻弄されていくことになる───。
普段の仕事とは異なる、恋愛も絡むドラマであるため、後輩たちは特に悪戦苦闘した。UNDEADでの自主練習では恋愛っぽい台詞に照れて顔を赤らめる晃牙や、晃牙に壁ドンをしようとして拒否される零なども見られる。かわいい。
<ドラマ内での役名・職業>
アドニス:猪狩(外交官)、晃牙:大畑(売れない芸術家)
零:佐倉山(天才外科医)、薫:羽鳥(売れっ子ホスト)
(女優):(刑事・ヒロイン)
ドラマの役はそれぞれ当て書きとなっており、本人たちが違和感のない範囲で演技できるように設定されている模様。UNDEADの役全員が『佐倉山社交倶楽部』メンバー。
また、ストーリー冒頭では晃牙扮する大畑が「佐倉山さんが俺のパトロン」と発言したため、ファンの間では大きな激震が走った。
何故天才外科医であるはずの佐倉山が『売れない』芸術家の大畑のパトロンをしているのか。さらにエピローグでは「(刑事さんは)俺の絵を綺麗と言ってくれたただ一人の人」とも発言したことから、佐倉山は大畑の絵を『綺麗』だと褒めたこともないことが分かり、疑惑は一段と深まった。(※解釈は自由です)
ちなみに佐倉山と大畑の派生CP表記は『さくはた(佐畑)』推奨。零晃併記が望ましい。(※大畑の『大』を使うと各地の大学の略称と被りやすいため、全般的に避けた方が良さそうです。)
謎・解/エスケープマンション(2023年公開)
(※当ストーリーに関しては、キャラクターの言動、シナリオに違和感があると指摘されています。履修の際にはご留意ください。)
零がUNDEADへの依頼として持ち込んだ最近話題の脱出ゲームバラエティ【エスケープマンション】への若手アイドル枠としての出演を断った晃牙。初めは薫だけが出演予定だったが、カードゲーム仲間の司から優勝賞品として『イドバト』限定カードを作れる権利を貰うことができると聞き、急遽辞退を撤回することに。敬人を仲間に引き込んで『チーム月光』として参加し、順調に問題を解いていく晃牙。運営側の『ジョーカー』として晃牙を含む参加者たちを翻弄する薫。最終局面にまでもつれ込んだ脱出ゲームバラエティの決着は───?
当初、ハイレアとして発表された晃牙と薫。そして特攻スカウトの星3として参戦したアドニスに対し、UNDEADでは零だけ一人置いてきぼりかと思われた……。しかし、ふたを開けてみれば、零曰く「バラエティに後ろ向きな晃牙が出演すると聞いて」わざわざ別現場と調整して移動中の車内にリモートをつなげてまで駆け付けてきた。その名目での出演はさすがに過保護ではなかろうか?
「!!」軸 冬
メインストーリー 第二部SS編 第5章サンドストーム(2021年公開)
メインスト第二部SS編 UNDEADと2winkのツアーイベント。SS予選会の位置づけである。UNDEADのみならず、今後のストーリーにおいて前提となる、大変重要なストーリーと言えよう。
なお、第二部は途中からでも読める仕様になっているが「今回のSSとは一体どのようなものか」「SS運営やゲートキーパー」「指令や裏指令の存在」等、重要なポイントがストーリー上で少しずつ明らかになっていくため、なるべく前の章から順番に読んでいく方が理解の助けになると思われる。
※メインスト第二部全般に言えることではあるが、しんどい。このストはSSで特にキツいストの筆頭。元気や気力のない時に読むようなストではない。UNDEAD推し、零推し、晃牙推し、ズ!軽音部推しは読む前に十分ご注意されたい。
SS予選会の中国地方に共に参加することになった2winkとUNDEAD。移動するバスの中で晃牙は去年の雪辱を果たすため気合を入れ、薫は修学旅行のノリで楽しみ、思い思いに移動時間を過ごす一行。しかし零だけが変わったマスクをして無言のまま。零に無視されてこの世の終わりのような顔をする晃牙に、離れた席で密やかに忍び笑うゆうた。いつも通りに見えてどこか浮ついたような奇妙な空気の中、次に目覚めた一行は砂漠と謎のホテルで分断されてしまっていた。(砂漠:薫とひなた、ホテル:零、晃牙、アドニス、ゆうた)
砂漠に置いて行かれた薫は他の参加者から、砂漠に仲間がいるユニットたちはSS運営から落ちこぼれとみなされ、予選から切り捨てられるためだけに砂漠コインというアイテムを奪い合うゲームに強制的に参加させられていることを知る。(後に零は、ほぼUNDEAD(というより零)を落とすためだけに英智が仕組み、皆を巻き込んでしまったのだろうと手話でアドニスに伝えている)
零もとある事情によりUNDEADメンバーと話すことの出来ない状況であったが、モノローグでは晃牙に対し(真っ直ぐに貪欲にアイドルとして生きようとするおぬしの姿は、いつでも我らのお手本じゃ)とまたしても眩しそうにしていた。一方で何もすることがなくなってしまった途端後輩たちのお世話を焼きたい、とうずうずする一面も見せた。禁断症状出るレベルで世話焼きだったんですか朔間さん。
ちなみに晃牙は晃牙で、喋れない零の言葉を勝手に代弁した上で「喋らなくても魂でわかんだよ!」等と豪語している。普通に考えてその場のノリと勢いの発言ではあるが、おそらくそう間違ってはいないだろうという晃牙の確信、そして自分がそう言っても許されるという零への信頼が見て取れる。
「喋ってないのに、何でわかるんです?」と問いかけたゆうたが、ひなたとの考えの齟齬にずっと苛立っていたこともふまえると、ゆうたにとってはずいぶん耳が痛い言葉だったかもしれない。(また、晃牙のそういうところが眩しいのかもしれない)
右も左も分からない中でどうにか互いに協力しながら予選を生き残る道を模索していた2ユニット。しかしある日、ひなたが唐突に薫の砂漠コインを奪い、逃げだしてしまう。
そして時同じくしてホテルでも、ゆうたが奇妙に落ち着いた笑みを浮かべ、満を持して零、晃牙、アドニスに牙をむくのであった。
※二回目ですが、しんどいです。また、それぞれの立場から様々な解釈、見解が発信されているストでもあります。解釈は人それぞれではありますが、一つだけをそのまま飲み込むのではなく、色々な視点からご自身なりの想い、考えを見つけ出してくれればと思います。
※※2wink二人の言動は「!」のみならず、「!!」からのストでの動きが大変重要になってきます。余裕のある方はそちらもご参照いただけるとストーリー理解の一助になるかと思います。
なお、零から2winkへのアプローチ・姿勢については2winkバレンタインイベント「Love Letters」、晃牙からのアプローチ・姿勢については「スカウト! MIRAGE」(後述)、二人から晃牙(・アドニス)への返礼については2winkイベント「謝儀!寄せては返すBig Ocean」を参照されたい。2wink二人の変化がどうであれ、零と晃牙、どちらも2winkの二人を変わらず大事な後輩として想っていることだけは変わらないようだ。
メインストーリー 第二部SS編 第8章SS(2021年公開)
二部第8章では、「SS 乱戦/第十一話」に零が、「SS 乱戦/第十二話」にアドニス、晃牙、薫が登場する。どうやら白組総大将であるEdenの”郵便屋さん”として『託宣』というお手紙を各ユニットに渡して回っているらしい。晃牙たちの会話から、UNDEADがメッセンジャーに選ばれた理由やCrazy:Bへの評価などが語られている。Crazy:Bは零からの評価は高いようだが、晃牙は嫌いらしい。第一部でステージから蹴り落とされていれば当然ではあろう。
飛んで、「SS 栄冠/第七話」「SS 栄冠/第十七話」では、第三戦の代表として出場するUNDEADと紅月の戦いについて触れられる。”国民投票”という形で雌雄が決せられるSSでは、高齢者も含むお茶の間の支持を得られる紅月が有利。かつ予選会で手酷い目に合わせられたUNDEADのダメージは癒えておらず、辛くも紅月に敗北を喫したことが語られた。
『託宣』の詳細はここでは割愛するが、「SS 栄冠/第十話」では茨すらも状況に追いつけず、翻弄されている様子が描かれている。UNDEADにメッセンジャーを頼み、この状況を作り出したのはEdenの凪砂のようだが、果たしてその本当の意図とは……?
スカウト! MIRAGE(2022年公開)
メインスト第二部サンドストーム、SS本戦を経た後の、日日日先生からのアンサーストーリーの一つ。SSでの戦いに悔しい思いを残すことになってしまったゆうたの燻ぶりと、これからの成長に向けた第一歩、そしてゆうたが髪を伸ばすことになった理由が描かれている。
以前、双子の片方にのみ出演依頼をしてきた超有名番組【ボルケーノアイランド】から、再び出演依頼が届く2wink。しかし、すっかり屈折してしまったゆうたは番組プロデューサーからの謝罪を見ても全く気が晴れない。むしろそのプロデューサーを罠に嵌めて恥をかかせようと画策する。ゆうたから話を聞いた忍は友達として、ひなたから聞いた晃牙は中学の頃同じように屈折した思いを抱えていた先輩として、それぞれ彼らの力になろうと動くのであった。
これだけ読むと零はまるで関係ないように見える。ところがどっこい、晃牙は出てくるたびに零の話をするのだ。1登場最低1朔間先輩の発言ノルマでもあるんですか?
ひなたに「朔間先輩に似てる」と言われれば「あのひとをリスペクトしている(パクっていない)」と堂々と答え、鬱屈した中学の日々をどうやって脱したかと聞かれると「ロックと出会った、つまり朔間先輩とな」とも答えている。ロック=朔間先輩の図式は今も健在のようだ。
また、視聴覚室で一緒になった忍には「よく朔間先輩に『配線とかわかんないのじゃ~』って呼び出されてた」から機器に詳しいと話している。………えっ?なんて??
寂しいからランチに呼び出す(朔間零アイドルスト「月下の王」より)のも大概アレだが、配線を理由に呼び出すのも結構なかなかである。色んな口実つけて気になる相手を呼び出す女子か??? ちゃんと会いたいって言え。
しかも晃牙は「意外と何もできね~んだよ。つうか(略)何も出来ないふりをしてんのか」と全てを理解しつつも受け入れる姿勢を見せている。ははあ……これが「好きなやつにはすきっつって、そいつが望んでることを理解して何でもやってやる」(オペレッタより)の実践ですか………?
また、晃牙は「朔間先輩の劣化コピーみたいな感じに思われて(略)いつか俺様そのものは忘れられちまいそうで──怖い、な」とも呟いている。零に光を見つけ、一生懸命走って追いかけている晃牙でも時にそんな風に思うことがあると考えると、零の大きさを改めて考えさせられる。(あるいは、そんな思いを押し込めてでもずっと追いかけ続けられる晃牙の芯の強さも感じさせられる。)
Origin★星空を歌うAltered(2023年公開)
アニメ「追憶セレクション エレメント」の先行上映会にて突如発表された、アニメ連動の特別イベント(ツアー形式&新曲2曲の超特別イベントである)。五奇人と旧fineの過去の因縁の清算のようなストーリーであり、零単独での登場。晃牙は出てこないが、名前は折に触れて上がっている。また、エレメント後、初めて当時の零の心境が語られる重要なイベントとなった。
アプリゲーム時間内で1年に渡って続けられていたプロデューサーの企画「シャッフルユニット」。その総決算として、最強の『臨時ユニット』決定戦『OO(ダブルオー)』が数日間に渡って開催された。それぞれが所属するシャッフルユニットとしてライブを披露するESの面々だが、持ち歌も少ないことからどこかのんびりとした空気でイベントを楽しんでいた。
そうしていつもと違った空気の中、夏目から奇妙な話が零たち五奇人に持ち込まれる。『OO』のイベントで空気を読まずに荒稼ぎをしている正体不明のユニット『オルタード』が、五奇人によって結成されたユニットだと言うのだ。この事態に相対するため、五奇人の面々、そして旧fine『fine-o』はそれぞれ舞台に上がり、過去を回想する。その中で夏目は言う。この企画はかつて夏目が描いた、誰も知らないはずの企画書に沿っているように見える、と──。
過去の回想において、五奇人討伐後の零が初めて登場しており、ひどく疲れた様子を友人のつむぎに見せている。普段のお爺さんのような口調も、ここでつむぎに対して披露したのが初であるらしい。零は騒動を経てから初めて人間らしい感情を発露したつむぎにどこか羨ましそうな様子で”生誕おめでとう、友よ”と呼び掛け、人としての生誕を祝福している。(余談だが、ズ!「オペレッタ」では、『Birthday』というシナリオがある。零自身の人としての生誕は返礼祭を経てようやく、ということなのだろう)
一方、言葉を交わすつむぎは零に対し、唐突に「これは、君が望んだ物語でしょう」と問いかける。零は英智の暗い感情や思惑を見抜いていたにもかかわらず、何もしなかっただろう、と。理由を尋ねるつむぎに、零は言う。「できるからやらなくちゃいけないのか?」
ロックを歌うことで気晴らしにはなったけれど、魂までは救われなかった零。
「あの『わんちゃん』と違って純粋じゃね~んだ、俺は。本気でロックを愛してない。(中略)気晴らしにロックを消費してただけだ」
安住の地もそれを探す気力もなくなったと語る零が、心から「居場所」と言える場所(軽音部と『UNDEAD』:ズ!「ダークナイトハロウィン」より)を得るのは、まだ少し先の話ということなのだろう。
ちなみに、当初はのんびりとした空気のイベントだったことから、その場のノリで臨時ユニットが組まれることもあったようだ。敬人と晃牙も自分たちのライブそっちのけで意気投合し、折角の機会にデッドマンズの再結成がしたい、などという話も出たことが語られるが、実際にライブまでこぎ着けたかどうかは定かではない。なお、「スカウト!バンドBB」でデッドマンズの再結成を晃牙に頼まれた零は「因縁の多いユニット」と理由をつけて断っていたが……敬人は、もうそのような因縁を乗り越えた先の心境にいるのかもしれない。
分かれ道*憧れた姿とフラッシュバック(2023年公開)
ES1年目のユニットイベントラストを飾る、UNDEADのユニットクライマックスイベント。
You Tubeアニメシリーズ『追憶セレクション クロスロード』の先行上映会において、星5零、星4晃牙の開花前スチル、イベント楽曲(アプリMV、3Dムービー)が先行公開された。特に星5零の開花前スチルは追憶時代の零が晃牙を全力の笑顔で抱きしめる映り込みスチル、さらにアプリMVは明らかに「晃牙の情熱が零の心に火をつけた」ことが一目でわかる内容であったため、上映会参加のファンからは驚愕と歓喜の叫びが多量に零れていた。
ただし、最新技術であるAIを取り入れたセンシティブなシナリオ、明らかに心理的すれ違いが続く先輩組と後輩組の描写、おそらく意図的な時系列の複雑さ、史実と過去の夢の混同によって、公開直後から分かりにくく賛否両論ある内容にはなってしまっている。
バラエティのファンとロックな音楽を求めるファン、どちらにも曖昧な態度を取った結果、人気が低迷してきてしまったUNDEAD。事務所からの見限りを防ぐために参加した“とある実験”の一環で、メンバーは過去の出来事を追体験していく。しかし、そこでは彼らの記憶とは微妙に異なる事ばかりが起きていて──?
“とある実験”、AIIE。実在するアイドルを模倣した複製、人工アイドル(AIロボット)を作る実験に協力することとなったUNDEAD。備え付けの施設に一週間宿泊することになり、気を張っている晃牙とは対照的に、お泊り会だと楽しげにはしゃぐ零が見られる。
(余談だが、2024年9月に公開されたスカウト!いざよう月の歌 - Look back -では朔間兄弟の過去の話が読める。幼少期の頃から大人扱いされ、凛月以外に心の寄る辺がなかった時期の幼い零を見ると、この宿泊施設の零のはしゃぎっぷりはさらに感慨深くなるだろう。)
その晩、AIIEの実験中に、四人は揃って同じ過去の夢を見る。夢の中で現代の四人には実体がなく、『幽霊』のように過去の夢の自分たちをそばで見ているしかできない。また、『幽霊』状態の彼らは互いの声は聞こえるが、姿は認識できない状況のようだ。ただしその過去も、UNDEADの四人が初めて勢ぞろいした時期が違う、アドニスが”吸血鬼騒動”の主犯として過去の零に連れてこられる等、現実との謎の齟齬が多く見られた。
さらに、ESに戻ってきたUNDEADは由々しき事態に遭遇する。UNDEADがAIIE実験に参加していた間にUNDEADそっくりの何者かがUNDEADを騙り、新基軸『HELLSING』として活動を開始していたのだ。HELLSINGはバラエティには出演せず、”過激で背徳的な”旧来のUNDEADに似た舞台の活動ばかりを行っているという。このHELLSINGが、くだんのAIIE実験の成果、人工アイドルによるものではないかと考えたUNDEADのメンバーは実験施設に急行する。そこでは俺様時代の零や、男に興味がない薫、無口なアドニスに暴れ馬な晃牙、つまり少し昔のUNDEADを再現した人工アイドルが待っていた。HELLSING出現の時期等から考えるに、おそらく昔(追憶時代)のUNDEADの言動を集めたデータから再現されたと考えられる。
UNDEADの人工アイドル(以降、〇〇Ⅱ、等と呼称する)を自分たちのアイドル活動、および黒幕の突き止めにも有用だと考えた零は二手に分かれることにした。具体的には晃牙とアドニスに零Ⅱ、薫Ⅱを預けてHELLSINGのライブ活動を、零と薫で晃牙Ⅱ、アドニスⅡを連れてUNDEADとしてバラエティへの出演をすることにしたのだ。実際にHELLSINGのライブ活動は古参ファンからの絶大な支持を受けたことで全国ツアーが決定しており、UNDEADのバラエティ路線の方もわりと評判がいいと語られている。
一方で晃牙は、零の考えが掴めず困惑するアドニスに「あいつ意外と何も考えてね~ぞ(中略)一時期は、ずうっとあいつのことばっかり考えてたからな」とフォローを入れたり、AIの停止を選ばなかった零を「あいつは自分の手で”他人”の人生を歪めるのにはうんざりなんだろ。」等とも称している。なお、その直後に「大好きなひとにブッ壊されるなら、こちとら本望なのによう」とも語っており、晃牙の零に対する覚悟の強さが見て取れる。
ただ、全国ツアーのことを零Ⅱから報告された際には、「……俺様が一緒に歌いたかったのは、テメ~らじゃね~んだけどな」ともため息をついており、どこか口惜しさや諦観が滲んでいるようにも見られた。
場面は変わり、AIIE騒動の黒幕に当たりをつけた零は犯人確保のために再び『過去の夢』を見る。煩わしさと哀しみしかない祖国を離れ、海外を放浪しながら何か楽しいことを探している過去の夢の自分に、現在の零は「そんなふうに探し回っても、幸せの青い鳥は見つからぬよ、若者よ」とつぶやき、過去の夢に干渉していく。そうして帰国した夢の零は、真っ先にライブハウスにいる晃牙の元に戻ったのだ。
先輩に抱き着こうとしてしまう自分を必死に抑える晃牙を見た零は、自分から晃牙を抱きしめて頭を撫でる。
「よしよし、よしよし……。俺がいなくて寂しかったのかよ、ごめんな、わんこ」
本来、この時期の零は帰国しておらず、晃牙が零を待って寂しがっていることを把握していない。つまり必然的に『晃牙を抱きしめる過去の夢の零』やこの発言自体が、現在の零からの干渉であると考えられる。黒幕を確保するという大義名分があるにせよ、当時目を向けることすら出来ていなかった過去の晃牙を抱きしめたいというささやかな、あるいは無意識の願いによって為された行動だと思うと非常に胸に来るものがある。(話が逸れるが、過去の晃牙を抱きしめたいんじゃ……と念じて干渉する『幽霊』状態の零を想像すると少しシュールで面白い)
なお、ここで夢に『幽霊』状態の晃牙が出てくる。直前のストーリーでは、零と一緒に夢に入ると話していたのは薫なのだが……?(※後述)
当時はもっとうらぶれていたはず、と不思議に思う幽霊晃牙に対し、零はそんな晃牙の様子に絆された、罪悪感があったのだ、と語っている。「我輩が拗ねて目を逸らしているうちに、そんな我輩のせいで傷付いている子がいたのじゃと……当時、おぬしの寂しそうな目を見て、ようやく我輩は理解したんじゃ」「我輩は、我輩と同じ寂しさを、何の罪もなかった子に味わわせておったのじゃと」
このライブがきっかけで、同じユニット、UNDEADを結成することになったと二人は語る。
当時の零は一時的な助っ人のつもりだったが、敬人によって書類上のリーダーに指名されていた。嫌がらせだったのだろうか、と嘆息する零に、晃牙は「海外をふらふら彷徨うあんたに居場所をつくってやったんじゃね~のか。あんたに『UNDEAD』っていう楔を打ち込んで、ふらふら消えね~ようにしてくれたんだよ」と伝えている。
この夢が過去を歪めたものであると語った零は、全ての元凶である黒幕を探すため、幽霊晃牙に手伝いを頼む。当然のように快諾した晃牙は、本来の過去で零がライブ参加の頼みを聞いてくれた喜びを語っている。
「俺様は、『UNDEAD』として幸せだったから。今度はこっちの番だ、朔間先輩」
なお、この時の幽霊晃牙に零がどのような手伝いを頼んだのか、実際に何を行ったのか、本ストーリー上では明らかになっていない。
さらに場面は進み、過去の夢の零、晃牙、アドニスは不良掃討作戦のライブ前日に敬人の寺の墓場に集まって決戦の準備を行っていた。晃牙が自作した楽曲を見せるとき、緊張して敬語になってしまった晃牙に距離を感じた零が嫌がったところ、「すんません、不快なようなら、すぐにまたオラオラしますので」などとおもしろワードを言い出すシーンがあった。ちなみにこのワードはX/Twitterで募集された『あんスタ!!流行語大賞2023』の『UNDEAD賞』を受賞している。おめでとう!
ともあれ、曲を褒められた晃牙が照れる初々しい様子に、自分もそういう純な気持ちを取り戻したいと微笑んだ零は、そこから晃牙がユニットに『UNDEAD』と名付けた理由を悟る。人生にくたびれ、萎れていた零を無意識にでも察し、復活してほしいという晃牙の願いが込められたユニット名。その純粋な想いに触れ、零は言うのだ。
「ずっと喉が渇いてた。なのに、今は不思議と満ち足りてる。
百万の褒め言葉よりも、俺はそれが欲しかった。誰かの純粋な想いが」
再度になるが、本来この時期の零は、晃牙が『UNDEAD』と名付けた理由を知るはずがない。おそらく史実の零は、復活祭で晃牙がアドニスに話すまでは知る機会すらなかったはずである。
翌日のライブでも、史実では最後まで舞台に上らなかったと語られていたはずの零が、この夢の舞台の最後にはテンションを上げてライブに参加している。これらの変化は現在の零が内側から干渉した結果起きたものだと考えられる。
現在の零にとってこの夢は、あの日大切にできなかった過去と後悔を振り返り、改めて自分自身の腕で抱きしめることが出来た夢の世界線なのかもしれない。
この夢を通して黒幕を見つけた零は現実に戻り──。
以降はぜひ、ストーリーをご自身で確認されたい。互いに大切に思い合っているはずなのにすれ違い続けてしまう二人に読んでいてやきもきしてしまう人も多いかもしれないが、星5零の開花前スチルを信じてほしい。
(※)本ストーリーに出てくる『幽霊』晃牙については、ストーリー公開直後から多数の考察がなされている。いずれも断言できるほどの決定打がないため、ここでは以下二つの説の紹介のみ行う。
・現実の晃牙説:ストーリーの最後に、長く過去の夢を見ていた者ほど脳に負担がかかり、記憶が混乱して現実感がなくなるという話が出てくる。そのことから、晃牙も眠った際に同じ夢を見て零たちと共に過去に干渉していたが、夢から覚めた後は記憶の混乱により実際に起こったことが何であったかわからなくなってしまった、という説。
ただし、零と薫は晃牙たちより一回多く薬を飲んだと明言されており、晃牙が薬なしで同じ夢が見られるのか、零や薫が夢を見たタイミングと、晃牙が自然に寝るタイミングが合うのかどうか、といった点が不明瞭である。
・AIの『晃牙Ⅱ』説:零が見ていたライブの夢の直後に、何も知らない『現実』の晃牙が出てきて混乱した様子を見せる。そのことから、実はこの『幽霊』晃牙は本物ではなく、現実の零たちと共に行動していた晃牙Ⅱではないか、という説。
ただし、晃牙Ⅱは登場の際、通常であれば台詞の名前の欄にも【晃牙Ⅱ】と書かれているため、表記が矛盾している。また、AIが零たちの夢に入ってこられるのか、といった点も不明瞭である。
現状では公式からの明言がなく、解釈は読者に委ねられている状態である。
最後に、本ストーリーからあんスタ公式がX/Twitterにてユニットイベントの『注目ポイント』を発表するようになった。ストーリーそのものの解説ではないので扱いには注意が必要だが、公式が伝えたかった重要なポイントであると考えられるため、ストーリーを読了された方はぜひこちらも確認されたい。
詳細は上記リンク先を直接確認していただきたいが、
・零がかつて渇望していた”誰かの純粋な思い”を零に渡したのが他ならぬ晃牙であること。
・零が「後輩の前では『最高で最強に格好いいスーパーアイドル・朔間先輩』であり続けたい」(=格好つけたい)こと(ズ!やズ!!の日常であんなにポンコツな面を見せて甘えているのに…!?)。
・零が晃牙のことを本当に心から大切にしたいと考えて動いていること(なお本人にはまだ伝わっていない模様)。
等、重要な点が公式から実質的に明言されている。
「!!」軸 再春(ES2年目)
ロマンス♪ 歌に乗せるSwing Night(2024年公開)
ES2年目に入り、晃牙たち後輩組が卒業して初めてのUNDEADユニットイベント。
上り調子で多忙なUNDEADに、『アドニスに彼女がいる』という情報を得たマスコミが押し掛ける。強く追及するマスコミに、渦中のアドニスは堂々と『彼女は婚約者だ』と伝えたことで、UNDEADの面々と共にさらに混乱の渦に叩き込まれることとなった。アドニスとその婚約者、ウーラニアの恋のロマンスの行方は──?
マスコミから逃げ出す大混乱の後、特に動揺が激しく言動が荒くなっていた晃牙を、なぜか零が何度も楽しげにフォローする様子に界隈は大層ざわついた。極めつけは、アドニスの幼少期の話に涙ぐんだ晃牙の顔をわざわざ覗き込んで「あれもしかして晃牙泣いておるのか? 漫画の登場人物ぐらい目がきらきらじゃない?」と茶化し、「俺様じゃなくて話してるアドニスを見とけよ」と怒られている。他の子が話している最中に好きな子のことばっかり見てるんじゃありません。
また、ウーラニアの対応を考えるために恋愛映画やドラマをUNDEADの四人で見ていた際には、雑誌インタビューの質問にあった『初恋』が話題となる。
アイドルの初恋や恋バナは単なる与太話や楽しい思い出。語る時は嘘も方便である、と語る零や薫に対し、晃牙はありのままの自分を見せびらかしたい、とご立腹。それに対して零は「晃牙はそれでも愛される気はするが」と親バカもかくやのコメントをしている。
一方、初恋話ぐらい自分にもできる、という晃牙の反論には薫共々驚きの表情を見せ、「お互いが血みどろになるまで殴り合うことを初恋とは言わんぞい!?」と大慌ての様子を見せた。……もしかして今から自分との初恋話をされると思ってます?(※ズ!返礼祭では、ゆうたが零と晃牙に発破をかけるため「血まみれになって噛みつきあって、愛しあっちゃってくださいっ☆」と声をかけている)
そして肝心の晃牙の初恋相手はというと、小さなころに通っていたカードショップで対戦1位を常に取り続けていた、少し年上の人。夜に店に顔を出すことが多かった晃牙が、たまたま早い時間(夕方ごろ?)に店に行った時に出会ったのが初の邂逅である。その後何度も勝負を挑んでは負け、追い返されても諦めずに挑む、を繰り返した相手であり、「悔しくて、そいつのことばっかり考えている時期があった。考えすぎて夢にまで見たし、実際に話しかけるときはめちゃくちゃ緊張した。そいつと会って、喋ったりするだけで嬉しかった」という。恋愛事はよく分からない晃牙ではあるが、幼い頃のその感情が恋愛漫画の登場人物の気持ちに似ている、という自覚があるようだ。小さな頃の憧れと恋と尊敬は似ていると語り、今考えればあれが自身の初恋だったのかも、と想いを馳せていた。なんとも晃牙らしい、幼い頃のかわいらしい話である。
ちなみにこのエピソードに零は既視感を覚え、「晃牙はアプローチの仕方が一辺倒すぎるのう」と茶々を入れている。さすが、昔からずっと憧れられているという自負がある人は言うことが違う。ただ一応念のための確認なんですけど、これ恋の話でしたよね……?
なお、その初恋の人の二つ名は『冥府の虐殺者』であり、なんだか誰かさんを彷彿とさせる。晃牙曰く、綺麗な顔をしていた覚えはあるものの、あまり覚えてはいないらしい。薫は『綺麗なお姉さん』として話を進めているが、晃牙からこの人物の性別に対する言及はない。
薫からはダメ押しのように、朔間先輩を見たのが初恋だと言われたらどうしようかと思った、などともからかわれており、終始仲が良くかわいいUNDEADの様子が見られる。
「!!」軸 番外編
あんさんぶくぶスターズ!!-Cry Wolf-(2022年公開・エイプリルフール)
まさかのエイプリルフールに”あの”ぶくスタが登場!
晃牙を中心としたぶくぶ世界のバンドBBストーリー(シナリオ:大川ぶくぶ先生)がぶくぶの姿(新規実装)、フルボイスの豪華仕様で展開された。
ESからの帰り道、行き倒れる謎の犬?を助けた晃牙。ウルフキングと名乗った彼?は晃牙を孤高の狼と見込んでウルフロックの祭典『ウルフェス』に招待した。なお、全て原作通りに書いているので細かくは突っ込まないで欲しい。
狼たちに紛れ、ウルフェスに参加することにしたバンドBBの面々。しかし参加者の狼たちに人間が紛れているとばれてしまい、唸りながら囲まれてしまう。そこで前に出た零は、色々と屁理屈を捏ねて自分たちのライブへの参加を認めさせる。ライブ終了後、晃牙の隣に並んだ零はそっと晃牙を撫でる。晃牙も「……礼なんか言わねえぜ」と意地を張りつつ、その手を払いのけることは決してしないのであった。
あんスタMusicではまさかの『BUKUBU NEW STARS!!』が楽曲として実装。MVではぶくぶの姿のバンドBBがふわふわもちもち歌って踊るムービーと共に音ゲーを遊べるのでぜひご笑覧いただきたい。ふわっっふわな大神晃牙の毛並み(そのままの意味)をぜひ、本当にぜひ、一度は見てほしい。
ちなみに晃牙のぶくぶカードはESコインショップで完凸まで交換が可能なありがたい仕様。カードのSPPは『BRAND NEW STARS!!』。晃牙がぶくぶ姿になってSPPを披露してくれる。
マイルームの立ち絵をぶくスタのすがたにすると完全新規収録ボイス(朝/昼/夕方/夜でも全く異なる)を聞くことが出来る。零やバンドBBの面々にも同様に立ち絵があり、ぶくぶ世界とはいえ、バンドBBの日常の話なども聞ける。めちゃくちゃかわいいのでぜひ。
アニメクロスロード特典小冊子Back door(2023年公開)
ゲーム外のコンテンツではあるが、非常に重要な内容のため当該項目に記載する。
ズ!「クロスロード」の項目でも記載の通り、2023年は『追憶セレクション クロスロード』としてYou Tubeにて追憶シリーズが3Dアニメとして公開された。
その際、先行上映会やライブビューイングにおいて配られた日日日先生書下ろしの特典小冊子がこの『Back door』である。以下公式ページよりPDFが無料で読めるので、未読の方はぜひ追憶クロスロードや追憶エレメントの読了後に読まれたい。特に本記事を見ているような零と晃牙推しの人は必読レベルである。Back doorを読め。
『Back door』は晃牙が地下ライブハウスに零の歌目当てで通っていた頃~零が悪である五奇人として「退治」されて以降までの話になっている。まさかの晃牙の家庭環境、レオンが大神家に来た事情(レオンは血統書付きの犬の模様)、そして当時の晃牙から零への強い憧憬等が綴られている。
「あのひとの音楽が、俺のからからに乾いていた魂を潤してくれた」
そして本冊子では「遠くから見ているだけでよかった」と語っていたはずの大神晃牙と、彼の「神さま」だった朔間零の初対面まで語られている。ノリで注文したものの甘ったるくて持て余していたトマトジュースを、横から誰かさんの手が取り去ったのだ。
「あれっ、(中略)もしかして間接キッスとか恥ずかしいお年頃……?」
「やだ〜、ごめ〜ん……。でも大丈夫、坊やの初めてを奪った責任はとる。うん」
このチャラ男のナンパもかくやな言葉について、零本人が覚えているかどうか、今の零がどう感じるかは本冊子公開時点では定かではない。ただ、晃牙が初期からずっと一貫して主張している「一緒に生きてくれ」の願いを叶え続けることが零の果たすべき責任と考えれば、結果的にはきちんと責任を取っていると言えるのかもしれない。(解釈は個人の自由です)
責任取ろうね、朔間先輩。
「!!」 アイドルストーリー、他
アイドルストーリー
朔間零アイドルスト「アイドル☆ハイジャック」(夏)
アイドルが事務所の垣根を超えて毎月一ユニットずつ担当するラジオ番組「アイドル☆ハイジャック」の初出しストーリー。今月の担当はUNDEAD、二回目の今回は薫と零の出演。番組冒頭には前回担当者からのメッセージ紹介がある。前回担当の一人、晃牙からのメッセージは『俺様の曲をかけろ』。自身の曲のリクエストに薫が苦笑する一方、零はなぜか「晃牙からのおねだりかえ? どうしようかのう~?」などとご満悦な様子。その後、恒例のメール紹介をこなしてCMに入る際、きちんと「おねだり」を聞いて晃牙のソロ曲をかける零なのであった。
零が何故あんなににやけていたのか、何故「おねだり」という言葉をチョイスしたのか。疑問は尽きない。
朔間零アイドルスト「魔王の帰還」(夏)
卒業後も夢ノ咲学院 軽音部室に棺桶を置きっぱなしにしていた零。とうとう「邪魔になってきたから」と晃牙に棺桶を取りに来るよう言われてしまう。零卒業前とさほど変わっていない軽音部室には、見慣れぬ段ボールが一つ。入っていたのは晃牙が学院の畑で収穫したニンニクだった。晃牙の愛情がたっぷり籠っているであろうニンニクをつい手に取ってしまった零。「吸血鬼がニンニクや十字架に触れても平気なのか?」というアドニスのツッコミを受け、照れ笑いと共に箱に戻すのだった。(そもそもUNDEADの衣装にも毎回十字架があしらわれているように見受けられるが……)
渋々ながらも大人しく棺桶を取りに来るあたり、なんだかんだ言いつつも晃牙の尻に敷かれているのかもしれない。しかも晃牙が仕事で不在なことを聞いたら拗ねて帰りたがるなど、いつも後輩には格好つけたがりな零の珍しい一面も見られる。(晃牙がいないからですか?)
朔間零アイドルスト「棺桶のジレンマ」(夏)
零の同室メンバーとの他愛無い日常、そして前回に引き続く棺桶の行き先のストーリー。
学院にいた頃は軽音部の棺桶で寝ていた零。解放感のあるベッドではかえって寝苦しく感じるようになっていた。寮に入ってからしばらく、あまりに寝つきの悪かった零を見かねて事務所スタッフが軽音部の部室から棺桶を取り寄せる。そのまま棺桶で気持ちよく仮眠していた零だったが、何も知らない藍良が発見してしまい、零が死んでしまったと泣きじゃくるほどの動揺を見せる。事情を聞いた英智は溜息と共に、棺桶を撤去するよう伝えるのであった。
最終的に棺桶は軽音部に戻され、零からの手紙を読んだ晃牙の叫びで騒動の幕は閉じていった。
朔間零アイドルスト「月下の王」一話(冬)
零のフィーチャースカウト第二段のストーリー。開幕から社員食堂で一緒にランチを取る零と晃牙の姿を見せられ、ファンは一瞬で吹っ飛んだ。ちなみに晃牙は夏の季節ボイス(後述)でも零にランチで呼び出されている。まさか君たち、夏から冬まで定期的に2人きりのランチ会してるんですか……!?
悩む零をかれこれ十分は待てる晃牙や、「偵察してくるのじゃ!」「おう! 任せとけ──ってふざけんな!」とふざける零にノリツッコミをする晃牙など、二人のありふれた日常が見られる。こ、これが「おぬしと他愛ない話をするのも至福」(オペレッタより)なやりとり……。零に声をかけたいプロデューサーもなかなかに困ったことだろう。
ストーリーの本題は零の【フィーチャーライブ】に向けたパンフレット用の写真である。オフショットというテーマからステージ外の素の姿を見せた零だったが、あまりに緩すぎて使えないというのだ。写真を見た晃牙に苦言を呈され、零もしぶしぶ「晃牙と嬢ちゃんがそう言うなら」と撮り直すこととなった。「これとかかわいくないかえ?」と言う零に対し、晃牙は「バランスってもんを考えやがれ」などと答えている。………零のオフショットがかわいいことは否定しないんですね?
なお、オペレッタでは「弱い姿は俺の独り占め」などと言っているので、そういった姿を表に見せて欲しくはない、という面もあるのかもしれない。
ちなみにこの星5カードはスチルに新機能「エモーション」がついている。スチルで絵柄が動くわけだが、その中で零は月を手元に捕えたり、愛しげに見つめたりしている。
同時期に実装された秋の季節ボイス(後述)では満月を見て某誰かさんを思い浮かべていたようだが、この時は果たしてどうだったのだろうか。
大神晃牙アイドルスト「不変の咆哮」
待望のサークル「バンドBB」スト。零本人は不在だが、サークルで過ごす様子が垣間見られる仲良しストーリー。練習中に零から電話を受けた晃牙は「テメ~がくるころにはあったまってるぜ」とご機嫌に報告。その様子は見えない尻尾がぶんぶん揺られるような気配がするほど。しかし、すぐにその声はトーンダウンしてしまう。どうやら「朔間先輩にフラレちゃった(by真緒)」らしい。元々仕事があり『来られたら来る』という約束だった模様。晃牙は「バンドBBの活動を蹴るからには最高の仕事をしろよ」と発破をかけるのであった。
我々からすれば、その程度の口約束であれば何も言わず蹴ってもおかしくないようにも思われるが、わざわざ晃牙宛に電話をするほどには零も気にしている模様。電話越しにしおしおとトーンダウンする声を聞いても仕事に戻らなければならなかった零の心境はいかばかりか。
8.5周年ハーフアニバーサリー記念ミッション「燃える晃牙」
あんさんぶるスターズ8.5周年記念として突如X/Twitterにて予告、☆4晃牙のカードと共に実装された。流れとしてはズ!!ハーフアニバーサリー「光る☆5スバル」に次いだ次弾といったところだろう。スバルに続き、予告映像もなかなかにはっちゃけ……楽しい仕上がりになっている。
Musicでは☆4晃牙のカードに燃えるユニットMV衣装もついてくるので復刻や交換追加時はぜひ。プロジェクションマッピングとのことだが、MV衣装の襟元等を見るとどう見ても本当に燃えている。
また、今回はさらに進化(?)し、短めだがストーリーもついてくる。ESからのミッションに挑むプロデューサーのため、晃牙が応援に駆けつけてきた、というものだ。その話をなぜこの記事に書くかというと……プロデューサーを応援する晃牙との会話中、急に零がカットインしてくるからである。本当に急でびっくりする。
最近一人でこそこそ何かしていた晃牙が気になった零は、隠れて聞き耳を立てた上、晃牙と一緒にプロデューサーを応援してくれる。しかしミッションが順調に進むのを確認した途端、零は「これから仕事がある」と告げてすぐに去ってしまう、仕事の前なのにわざわざ晃牙を気にして後をつけてきてたんですか……?
代わりにUNDEADの他メンバーに声をかけてくれたらしく、続々と応援に駆けつけてくれるためUNDEADの仲のいい様子も見られる。
ちなみになぜ今回のアニバーサリーに晃牙が選ばれたのかといえば、アニメ「追憶セレクションクロスロード」の公開直後であったことに加え、8周年→「00」→「OOGAMI」に繋がったのではないかと推測されている。(8の横倒し:『00(ダブルオー)』と同じ発想と思われる)
年末恒例の年越し生放送では、年越しライブの直前に『燃える晃牙』が2023年あんスタ流行語大賞に輝いたことも伝えられている。大賞おめでとう!
誕生日のお祝い
「!!」でも誕生日イベントが実装されている。以下は零晃に関する内容のみ抜粋する。
2020年:
- 晃牙「リズリン誕生日パーティ/朔間零」ESでのパーティーの後、バンド『BB』メンバーでの練習に誘っている。晃牙の聞きたい曲を零がギターで直々に弾くといい、晃牙は「絶対だぞ!」と非常に食いついている。自分のギターが晃牙への誕生日プレゼントになると完全に理解しての所業と思われる。
- 零「リズリン誕生日パーティ/大神晃牙」素直にお祝いしてくれる晃牙に涙する零。それに対して晃牙は「誕生日ぐらいいつも祝ってるだろ~が!」と返した。このやり取り自体がもう尊い。
- 零ミニトーク3「素敵ですね」零と薫の誕生日をUNDEADみんなで祝う二次会を開くのだと喜ぶ零。二次会の話を出したのは晃牙なのだととてもとても嬉しそうにノロケ……言ってくる。
しかも「素直にかわゆいと褒めるときっと照れ臭くなって怒ってしまうから、この話をしたことは晃牙には内緒にしておくれ」等とノロケてくる。何を聞かされたんだ。
つまり普段から晃牙のことをかわいいって思ってるし口にもしたいが、怒らせるのは本意ではないから抑えてそれってことですかね……?
2023年:
- 零「朔間零のBirthday/誕生日のひととき」誕生日当日、パーティーの前に少し時間ができたため晃牙と二人きりでギターセッションをしていた零。どうやら晃牙から休憩を言い出すほどの時間、共にセッションをしていたらしい。「我輩に付き合ってくれて感謝するぞい」との言葉から、どうやら零の方から晃牙にセッションをねだったと推測される。たった2年前の追憶クロスロードでは晃牙が零にギターを教えてくれと追いかけまわしていたことを考えるととんでもない関係性の変化である。
ところでプロデューサーがごく自然に話に割り込んでしまいましたが、セッションデートの邪魔してしまったのではないでしょうか…?
「!!」マイルームボイス
掛け合いボイス
ホーム画面に設定した二人をタップすると会話が発生する。全員について発生するわけではなく、「!!」では2021年4月時点、ユニットメンバー同士のみに掛け合いボイスがそれぞれの組み合わせで4種類ずつ実装されている模様。
※「!」→「!!」アップデート後当初は「!」も含めて掛け合いボイスが廃止されていたが、2020年8月26日に改めて実装された。(再掲)以下ネタバレ注意!
零と晃牙
- 晃牙「ん、この匂い何だ? 甘いけど爽やかな香りが、朔間先輩からしてくる気が……?」
零「我輩をイメージした香水……、という洒落たものではなく差し入れのジュースじゃ。晃牙も飲んでみるか?」
- 晃牙「へへっ、俺様とアドニスふたりでやる仕事を取って来たぜ。テメ~らばかりにいい格好はさせね~かんな!」
零「くくく、がんばっていおるようじゃのう。足元をすくわれんように、我輩と薫くんも、更に精進しようぞ」
- 零「わん……晃牙や。すまんがそこにあるペットボトルを取ってくれんかのう」
晃牙「あぁ、おらよ。ってか、俺様のことまだ呼びなれてねぇのかよ吸血鬼ヤ……朔間先輩よう」
(以下、アドニスも含めて一連と思われる掛け合い)
- アドニス「大神、作曲に悩んでいるなら朔間先輩に相談したらどうだ? 喜んで協力してもらえると思うが……?」
晃牙「そんなことはわかってるけど、俺様はひとりでつくりあげたいんだよ、ぜって~朔間先輩には言うなよ」
- 零「アドニスくんや、最近晃牙がどうもよそよそしいんじゃが、何か理由を知っておるかえ?」
アドニス「すまない、朔間先輩。その理由を俺から説明することはできないが、気にしなくても大丈夫だ」
- 零「ほう……、それは晃牙がつくった新曲かえ? 普段のおぬしとはすこしイメージが違うが、良い曲じゃの」
晃牙「なっ、テメ~いつからそこにいやがった! 俺様の許可もなしに勝手に聴いてんじゃね~よ!」
季節ごとのボイス
ESコインショップで入手することが出来る。
零
- 春 -朝の話題-2:花粉症の季節だそうじゃが、わんこの鼻が赤いかどうかで花粉の具合がわかるんじゃよ……♪
- 秋 -朝の話題-4:晃牙にジョギングを誘われたのじゃが、涼しくなっても太陽の光は遠慮したいのう……
- 秋 -夕方の話題-3:おや、このピアノの音色は凛月かえ? 耳に心地良いのう……さすが我輩の愛しい弟じゃ……♪
- 秋 -夜の話題-3:見事な満月じゃのう。こんな夜はわんこの遠吠えが聞こえてきそうじゃの……くくく♪
- 冬 -夜の話題-3:晃牙が連れてきてくれたレオンくんが温かくてのう……たまに湯たんぽとして貸してほしいわい♪
※秋 朝の話題-4は、ここだけだとすげなく断っているように聞こえるが、晃牙の秋 -夜の話題-4を見るとちゃっかり時間を夜にずらしてOKしていることが分かる。ちなみに息が切れるくらいの速さの「ランニング」とは違い、「ジョギング」は隣の人と会話できるくらいの速度が目安の模様。
晃牙
- 春 -朝の話題-4:この時期に植える野菜を何にするかで悩んでてよう。……夏に収穫するならやっぱりトマトか?
- 夏 -昼の話題-1:朔間先輩が昼飯ひとりは寂しいからって呼び出しておいて、まだ来ね~のかよ。……暑くて倒れてね~よな
- 夏 -昼の話題-4:朝に採ったトマトを冷やしといたんだ。切り分けて、朔間先輩にもっていくとすっか♪
- 秋 -夕方の話題-3:何度か聞いたことあるけど、リッチ~やっぱピアノ上手ぇな。今度セッションに誘ってみるか♪
- 秋 -夜の話題-3:月が綺麗な夜は血が騒ぐぜ……って、どこかの吸血鬼ヤロ~みてぇなこと言っちまったな
- 秋 -夜の話題-4:これから朔間先輩と走りに行くんだよ。日が落ちてからが良いって言われちまってさ。
- 冬 -朝の話題-2:ったく、あの吸血鬼ヤロ~、『UNDEAD』でレッスンだって言ってんのにまだ寮にいるのかよ!
- 冬 -夜の話題-3:朔間先輩が寒くて眠れね~からってセッションに誘ってくれたんだ!寒さなんて吹き飛んじまったぜ♪
※秋 夕方の話題-3は二人とも同タイミングで凛月のピアノの話をしている。もしかして近くで一緒に聞いているのでしょうか…?(考察は自由です)
(本人たち以外のボイス)
- 藍良/秋-夕方の話題-1:朔間先輩が満月をバックに窓際で怪しく微笑んでて……すごく画になる~! ポスターにして保存したい!
- 巽/秋-夕方の話題-2:同室の晃牙さんが満月を背に窓辺で歌っていたのですが、まさに月に吼える狼のように雄々しかったです
※上記、零晃それぞれの同室メンバーである。満月の日の窓辺……。朔間先輩、もしや晃牙くんの歌を聞いているのでは……?(考察は自由です)
アイドルランクで解放されるボイス
アイドルランクを上げることによってキャラクターのボイスを得ることができる。
零
- アイドルランクA:晃牙がソロのライブに招待してくれてのう。行ってみようと思うんじゃが、『プロデューサー』どうじゃ?
※プロデューサーは何を聞かれたんだ……?ノロケか??
※上記ボイス項目について編集協力者を求めています。季節の話題等、ぜひご協力お願いします。
零晃とトマトの関係まとめ
零と晃牙の関係を語るにあたり、切っても切れないのがトマトだ。これまでの記事と被る部分も多いが、細かい小ネタも含めて紹介していく。
・ズ!「大神晃牙アイドルスト」第1話(2015年公開)
零を倒すために、弱点となるにんにくを育てるも自分も匂いにやられてしまうストーリー。晃牙とトマトの畑に繋がる、すべての始まりともいえるだろう。
・ズ!「スカウト! カードバトラー」第2話(2017年公開)
晃牙がうっかりにんにくにやられてしまった畑を有効活用しようと、学院の許可を得てトマト等の野菜を育て始めた晃牙。プロデューサーに『朔間先輩はトマトが好物みたいだしね』と言われ、「あいつのためじゃない」とかなり必死に否定をしてくる。
・ズ!イベント「輝石☆前哨戦のサマーライブ 外敵/2話」(2017年公開)
Trickstarに忠告をしに来た零。かなり真面目な話のあと、帰りがけに道端のトマトをむしって食べる様子が描かれる。えっ、急に何してるの??
直後のスバルからあれが「ガミさんが育ててるトマト」であることが伝えられる。えっ人の育てたトマトを勝手に……? 何……?
零には、晃牙の育てるトマトは自分のためのトマトだという自負があるのかもしれない。
・2018年新年のあいさつ「大神晃牙」
紅組になって喜ぶ晃牙に「トマト色」だから赤、と伝えるプロデューサー。憤慨する晃牙曰く「俺様は、トマトはつくってるけど好きなわけじゃね~からなっ?」らしい。ふうん……? じゃあ誰のために自分は好きじゃない野菜を作ってるんでしょうか……?
・ズ!「スカウト! 夏の花」第2話(2018年公開)
晃牙の畑を手伝ううちに自分も畑の楽しさに目覚めたひなた。真に野菜をお裾分けしながら、晃牙の失態(にんにくの話)を伝えようとしており、じわじわ話が広がっていることが分かる。
・ズ!イベント「鳴鳥の歌*金糸雀館のソワレ」第五話(2019年公開)
晃牙の畑に、レオを探す凛月と司が現れる。この際凛月に「兄者のためにトマトづくりをしてるんだ?」と突っ込まれ、必死に否定する晃牙が見られる。
・ズ!マネジメント会話 ひなた第5話(2019年公開)
頼まれて晃牙の畑仕事を手伝うひなた。今トマトを育てているのは朔間先輩が大好きだからだよね♪ とまっすぐ晃牙に伝えてキレられつつも、なんだかんだ畑を楽しんでいるようだった。
・ズ!イベント「コーラス★始まりのオペレッタ」(2019年公開)
夢ノ咲学院を卒業した零がとある用事で学院まで晃牙に会いに来た際、部室で零に振る舞われたお茶請けがトマトであった。(お茶請けのトマトってなに???)
・ズ!イベント「コーラス★始まりのオペレッタ」朔間零プロデュースコース『夜闇を統べる王 第3話』(2019年公開)
久々に会ったプロデューサーに、晃牙がつくっているトマトについて尋ねてくる。さらに話を聞くと、新鮮でいい出来だから今度お土産に欲しい♪ というおねだりだった。プロデューサーをだしに使わず自分で直接言いなさい。
・ズ!!初期より実装されている星3共通カード『練習風景』(2020年実装)
アドニスのカードではスポドリ3本、トマトジュース1本を持っているが、そのうち1本、トマトジュースは何故か晃牙のカードを経由して零の手元に渡っている。何故晃牙を経由した……?
・ズ!!アニメクロスロード特典小冊子「Back door」(2023年公開)
追憶クロスロードよりさらに前、零と晃牙の初対面であろうシーンが掲載されている。「遠くから見ているだけでよかった」はずの晃牙に対し、チャラ男のナンパもかくやな声かけで甘ったるいトマトジュースを横から搔っ攫ったのは──。
『Back door』を読もう。
他、ズ!朔間零の誕生日のアイドルスト、ズ!、ズ!!のマイルーム画面での掛け合いボイス等にも多くトマトの話題が多く出てくる。かわいい話題が多いため、ぜひ当該項目も参照されたい。
ゲーム以外での二人
TVアニメ「あんさんぶるスターズ!」
2019年より公式アニメとして2クールで放送された。エンディングは毎回各ユニットの撮り下ろし新曲であり、視聴者は推しユニットの出番を楽しみにしていた。UNDEADのImmoral WorldもこのアニメのED曲での発表である。(あの過激で背徳的な曲をアニメのED曲にしてよかったのか?という突っ込みどころはある)
第二十一話「ハロウィンパーティ」
原作アプリ「ダークナイトハロウィン」を下敷きとして夢ノ咲学院のハロウィンの模様を描く。忙しい人のための○○になりがちなアニスタには珍しく、焦点を絞って丁寧に描かれた回であった。
原作通り朔間兄弟の関係を主軸とはしているが、前半では晃牙の零に対する深い思いが吐露される。また、狼の尻尾を(ガチで)振って転校生を待つ晃牙や、転校生を脅かそうとする晃牙、犬に囲まれる晃牙(原作通り)の姿などが見られるため、晃牙推しは必見。円盤ではvol7に収録されているため、未視聴の人はぜひ観ていただき、原作にも触れてほしい。
DVD/Blu-ray1巻「ピクチャードラマ 軽音部」
珍しく照れている零を拝めるピクチャードラマである。たっぷり10分以上の聴き応え。たまには晃牙のギターをメンテナンスしてやろうかと手を伸ばした零。しかし、丁寧に手入れされている様子に気付き、愛しげに笑うのであった。(ヒント:晃牙のギターは零から……)
こんな様子を毎日見せられては双子も「お察しの通り、二人はラブラブなので」と言わざるを得ないだろう……とこちらが納得させられるラブラブっぷりであった。
あんさんぶるスターズ!!追憶セレクション 『クロスロード』
2023年より始まったあんスタのオリジナルアニメシリーズ「追憶セレクション」の一つ。
You Tubeにて公開されている。特集ページは以下。
ズ!「クロスロード」の項目でも触れたが、一部改変(英智を助けたのが千秋ではない等)が入っている。零と晃牙推しとして特に大きな変化としては、『Death Game Holic』がデッドマンズライブより前のシーンで零と敬人のみでの歌唱となっており、ライブでの勝負曲としての描写がなくなったことだろう。本アニメでは零、敬人、晃牙に加え、ゲストの紅郎を含めた4人での『ROCK ROAR』がライブにて使用、3Dムービー、アプリMVとしてあんスタ!!Musicにも実装されている。
アプリのストーリーにおける紅郎の扱いがよく分からなかったこともあり、整合性を取るための改変としては致し方ないところかもしれない。『Death Game Holic』も演奏したが尺の関係で放送されなかった、等と考えてもいいだろう。解釈は自由です。
総合して「忙しい人のためのクロスロード」ではあるものの、とてもわかりやすくまとめられているのでおススメ。抜粋ではあるが、先行上映会では、ライブシーンでの悲鳴、零につきまと……ストー……後を熱心に追いかける晃牙のシュールな絵や、寺で難しい話をする零と敬人の話を首を捻って聞いている晃牙のところで笑い声等、こらえきれなかった声が多々零れていた。
また、2024年2月28日までの限定で、公式が小ネタ含む解説をつけてくれる全話一挙配信があった。語られる話は全て公式からの特出し情報の読み上げ形式であり、初心者向け解説ではキャラクターそれぞれの心境や背景、裏情報など簡単なところから。上級者向け解説では、商店街背景の店の小ネタ情報からライブにおけるこだわりポイントまで、結構マニアックなところまで教えてくれた。
また、再度の記載になるが、先行上映会にて配られた日日日先生書き下ろしの特別小冊子『Back door』も零と晃牙推しには必見である。クロスロード履修後にぜひ。
公式ノベライズ
日日日先生によるズ!公式ノベライズである。アプリのメインストーリーを転校生による地の文を加えた形で描いている。「青春の狂奏曲」「革命児の凱旋」「皇帝の帰還」「歌声よ天まで届け」の計4冊が刊行されている。
基本的にはズ!アプリ版と同じストーリー展開であり、台詞もほとんどアプリと同じである。
……が、転校生による地の文が加わることで、アプリ版よりアイドルたちの関係性が分かりやすくなっている。
特に、一巻「青春の狂奏曲」では零と晃牙が初登場するため、二人についての描写が多く、ファンは必見である。
以下、いくつかの地の文を引用する。
・一瞬だけ彼が放った威圧感に、騒いでいた晃牙くんが息を呑み押し黙った。
そんな彼を愛おしそうにまた撫で撫でしながらも、零さんは悠然と語るのだ。
(「青春の狂奏曲」Restartより)
・棺桶からゴムボールを取りだした零さんに挑発されていると思ったのだろう――晃牙くんがあっさりプッツンした。ギターを床に叩きつけて、棺桶に向かってずかずかと大股で歩み寄っていく。顔を近づけて、キスできそうな距離で威嚇した。
(「青春の狂奏曲」Restartより)
・零さんが、晃牙くんを真似るように稚気に溢れた笑みになる。零さんが晃牙くんにあてられたのか、晃牙くんが零さんに憧れて似た魂を育ててきたのか――軽音部のこのふたりの関係をまだ知らない私には、わからないけれど。
(「青春の狂奏曲」Legendより)
・零さんが荒々しく舞台上で何か吠えている晃牙くんを睨みつけ、それを敏感に察した彼がギョッとして総毛立つ。晃牙くんは見たことのない、雨に濡れて凍える子犬みたいな表情をしていた。あぁ、たぶん後でお仕置きとかされてしまうのでは。
(「皇帝の帰還」Punishmentより)
・げんなりした様子ながらも、どこか誇らしげに――零さんがかわいい後輩の見苦しいほどの暴れっぷりを眺めて微笑む。彼のように乱れられない己を、むしろ恥じるようだ。
(「歌声よ天まで届け」Meteoriteより)
ユニットソングCD
2015年10月28日の「ユニットソングvol1 UNDEAD」を皮切りに、現在アルバムシリーズまで展開されている。クオリティの高い楽曲の数々は、あんスタを人気ジャンルに押し上げた要因のひとつと言える。
1stシリーズvol.1
特典としてドラマパートが収録されている。
初期のUNDEADのちぐはぐ具合が出ているが、珍しく泣いている晃牙の声を聞くことができる。
3rdシリーズvol.6
通常のUNDEADの新曲に加え、ファン待望のデッドマンズの曲「Death Game Holic」が収録された。
なお、CD発売に先駆けて、デッドマンズをメインにした追憶イベント「追憶 それぞれのクロスロード」が開催された。
一年前、零をただひたむきに追いかけていた頃の晃牙。彼らについて、晃牙の中の人は以下のようにコメントしている。
「あのころのアイツらに思いを馳せてもらって、尻尾を振って、「こうかな?こうしたら似るかな??」って一生懸命歌っているガミーを想像しながら聞いてもらえるとうれしいです」
なお、のちのニコ生「Midnightリクエストアワー」において、鬼龍紅郎の中の人(神尾P)はDGHについての視聴者コメント(「晃牙が零を真似て歌ってるのが最高です」)を読んだ感想として、「(晃牙は)本当に(零のことを)好きなんだよなあ」と呟いていた。
DREAM LIVE(通称:スタライ)
あんスタの人気コンテンツの一つ、3Dキャラによるライブ公演である。UNDEADは1stから参加を継続している。(6th~9thは事務所別開催のため、6th、9thはUNDEAD不在)
ただの3Dライブと侮るなかれ、生バンドによる演奏は非常に迫力があり、2019年には「DIVE XR FESTIVAL supported by SoftBank」にて初音ミクやキズナアイと同じステージで公演を行った。2024年4-5月時点で8thまで開催、9thが2024年11月-12月に開催予定である。
アプリでは晃牙から零への想いが描かれることが比較的多いように思われるが、舞台上では意外にも零から晃牙へのスキンシップの方が多い。曲中のパフォーマンスでは、特にImmoral Worldでの突然の手つなぎ(歌詞の「ふいに掴まえた~」を元に、「故意に掴まえた好きな子のお手手」として一部ファンの間で人気)、Nightless Wolrdでのいきなりのマイクシェア(零から晃牙に寄せ、晃牙もマイクを引き寄せている)等を筆頭に、急なふれあいがやってくるため目が離せない。
また、初期スタライ(主に1stから4thまで)では曲間のMCがユニットごとに行われていたため、こちらも必見である。頭を撫でて「よしよし」を基本(ホップ)とするならば、ホップ!ステップ!ジャンプ!!とばかりに充実している。視聴する際はライブ本篇のみでなく、円盤特典映像も必ず確認されたい。たいていいちゃついており、大変かわいい。(同じく1stから4thまでが特におススメ)
パンフレットでも色々な零れ話が掲載されていることが多い。初期(3rdや4th)のパンフではスタンドマイクの練習でレッスン室の天井に穴を開けて怒られた晃牙の話が載っている。7thは特にそういった話題が多く、バンドメンバーから演奏について意見を求められる零と晃牙の話、改札に引っかかった零を笑った次の瞬間に同じく自分も改札に引っかかる晃牙の話、恋人とのデートの話題で晃牙をからかう零の話。「ユニット内なら誰のファンになるか」という話題で「朔間先輩は候補外」とつれない答えの晃牙に「そんな我輩も魅力的じゃろ~!?」と焦る零の話が見られる。
やはり零さん、晃牙にはいつも格好よく思われていたいんですね……。
なお、不定期でWoWoWにて放送されるスタライは円盤には収録されていない公演(バージョン違い)があるため、MCの違い等をチェックされたい方はご覧になることを推奨する。
特に2nd、3rdは関東公演と関西公演で大幅にMC・ライブ本篇が異なったため要チェックである。
StarryStage(通称:スタステ)/Starry Symphony (通称:スタフォニ)
あんスタ声優陣によるライブ公演である。(1st~4th)アルバムシリーズ発売とほぼ同時に開始した当公演も毎度パワーアップしている。2020年4月には新ユニット(アルカロイド、Crazy:B)を加えての3rd公演が開催される予定であったが、大変残念ながら新型コロナ感染症の影響で中止となった。(なお、代替企画として、5周年直前の特別番組「あんさんぶるスターズ!!-50’s “ring”-」が配信されている。(キャスト50名全員が各自でコメントを録音し、リレー形式で配信する形))
UNDEADは2nd公演から参加。本家声優の方々の迫力あるステージは、あんスタの誇る音楽コンテンツを十分に堪能させてくれる。2nd夜公演では、朔間零の中の人があまりにも朔間零だったため、朔間零本人では?という旨のツイートがトレンド入りした。2nd公演の円盤には声優によるコメンタリーが収録されている。その中の、「Gate of the Abyss」での朔間零と大神晃牙の中の人のコメントは必聴であり、聞けばライブの楽しさが倍増するだろう。
また、2021年のスタステ4th(8月公演Day2)ではシークレットとしてデッドマンズの楽曲Death Game Holicが初披露された。Pは軒並み死んだ。
なお、2023年からは生バンドを加えたStarry Symphony (通称:スタフォニ)として改称して再スタートしている。UNDEADは2024年2月開催のスタフォニ2ndに参加。10月現在、円盤の発売待ちである。
ラジオ
夜闇の魔物に怯える子猫
あんさんぶるスターズ!配信開始前に配信されていたラジオである。ネットでの配信は既に終了しているが、DJCDが4枚発売されている。
中でもvol1第一回に収録されている零と晃牙のミニドラマは「!」開始時の二人の関係性をよく表わしており、二人の普段のやり取りを知る上では欠かせない音源である。
月刊あんさんぶるスタジオ
鬼龍紅郎と大神晃牙の中の人をMCとして数年来ユーザーに愛されてきたニコ生ラジオ、通称月スタ。あんスタの最新情報を発表するほか、お手紙コーナーやアフレココーナーなど盛りだくさんな内容を届けてくれる。
2019年12月、ついに朔間零の中の人がゲストとして参戦し、待望の共演にファンは歓喜した。
その際のアフレコテーマは「天祥院英智・朔間零・大神晃牙・鬼龍紅郎の四人でクリスマスパーティーを開催したら」であった。
残念ながら現在はタイムシフト視聴は終了しており聞くことができないが、鬼龍の口から「朔間んとこの(大神)」という発言が飛び出すなど、やたらと零と晃牙の関係が近いことを示すシナリオであったことをここに記しておく(投稿者の方、ありがとうございました)。
また、これ以外の月スタでも中の人が「うちの吸血鬼ヤロ~」などと発言するなど、多々燃料をいただいている。感謝。
なお、2022年7月号からMCに朱桜司、仁兎なずなの中の人のお2人の追加が発表された。今後は4人でMCを持ちまわりで担当していく模様。
舞台「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ」及び「エクストラ・ステージ」
マーベラス主催の舞台版あんさんぶるスターズ。2016年から2020年現在に至るまで公演を重ねており、好評を博している。
UNDEADが出演しているのは、メインストーリー三部作「On Stage」「Take your marks」「To the shining future」とエクストラステージ「Dertruction Road」の4作である。また、舞台版キャストによるライブ「あんステフェスティバル」にも出演している。
UNDEADのキャスト4人は現時点で初演から続投しており、どの公演も原作ファンであれば楽しめる内容となっている。
とりわけUNDEADが初めてメインに据えられ、朔間零役のキャストが座長を務めた「Destruction Road」は、2.5次元に抵抗のないファンには一度は見てほしい舞台となっている。原作のクロスロードと海賊フェスを組み合わせた公演は過去最少人数でのあんステながら、連日満席、立ち見席も完売した超好評公演となった。なお、零と晃牙の中の人は現実でも仲が良いため、二人が好きなのであれば、キャストのSNSに投稿された写真や、円盤特典であるバックステージも見て損はない。
関連イラスト
あんステレポ
他作品コラボ
ラストピリオドコラボ~終わりなきアイドルの物語~
HappyElements同社コラボ第一弾。TrickStarとUNDEADがライブ中に突如ラスピリの世界に転移してしまい、異世界でてんやわんやの騒ぎを繰り広げる。なんと豪華なことにフルボイスである。アニメ化よりかなり前のコラボだったため、当時一番UNDEADの掛け合いボイスを聞けたのはラスピリだという噂があったりなかったりした。
後述するメルストほど衝撃の強い内容ではないが、「わんこ」と「吸血鬼ヤロ~」のいつも通りの軽快なやり取りを楽しむことができる。
メルクストーリアコラボ~不死者の詩、たゆたう魂が紡ぎし奇蹟~
メルスト・あんスタコラボ第二段。
「!」スト 始まりのオペレッタで2019年の供給は終わったと安心しきっていた界隈を斜め上の方向から殴ってきたコラボイベントである。よくあるコラボほのぼのストーリーかと思われたが、まさかの「異世界における零(に似た人)と晃牙(に似たモンスター)ifの感動ストーリー」だった。
ロックフェスが終了し、学院に帰ろうとしていたUNDEADの面々。気付けばハロウィン衣装でメルスト世界(メフテルハーネ)の『死者の国』に迷い込んでしまう。『死者の国』で戻る方法を探しつつ身を寄せた村には、気性が荒くたびたび話題になっていたモンスター、メロディスがいた。なぜか唯一メロディスの言葉を理解し、傍にいられる零。他メンバーが10年に一度の祭りである輝石祭と村を守るために奔走する中、過去にメロディスを遺していなくなってしまった人物との愛しい思い出を一人と一匹で共に辿っていく。ストーリーの最後には、死者の魂がこもると言われる輝石を浄化することで、メロディスは愛しい想い人の死を受け入れ、ようやくその魂を見送ることが出来たのであった。
普段は読めないが、メルストコラボ最新開催時に合わせて無料で復刻解放されることが多い。履修希望の方はチャンスをお見逃しなく。
メロディスの想い人は見た目も口調も零に非常によく似ており、趣味も『わんこの世話』とストレート。さらに名前も「レクサイマ」であることが判明している。これは「朔間零」のアナグラムであり、素直に見ればメルスト世界で生きたifの朔間零と考えてよいだろう。その彼から『わんこ』と呼ばれているメロディス……つまり……?
メロディスも、ストーリーの中で唯一思考が言葉で表されている箇所で『俺様は誇り高きモンスターだ』などと語っており、晃牙と一人称が同じであることが分かる。さらにレクサイマとのイチャイチャ…でれでれ……楽しそうな満面の笑顔からも、レクサイマへの特大の好意が見て取れる。外面はツンツンしてみせるくせに中身はでれでれ……これによく似た人を「!」で知っていますね……。
レクサイマからメロディスへは「近う寄れ愛し子よ」「存分に注いでおくれ、おぬしの光を。灰になっても本望じゃ」「なぁ、わんこよ。こうして共に過ごす時間が、永久に続くといいのう♪」などと伝えられている。これらの言葉は、まさにあんスタ「!」における零から晃牙への当時の(秘めた)想いと重なると考えていいだろう。やはりひいき目に見ても、「異世界においても零と晃牙は互いにかけがえのない存在であり、強い絆で結ばれている」ことが公式によって示唆されたと言える。
※メルクストーリアの制作会社はあんスタと同じHappyElementsである。
ちなみに晃牙をモデルにしていると思わしきモンスター(メロディス)のカード概要には、次のように記されている。
「主に群れをなして暮らしているが、時折それを好まない個体も存在する。そういった個体は自分だけの領域を求め、群れから離れ孤高の日々を送る場合が多い。だが、自分が認めた生涯の伴侶には心を開く」
レクサイマとメロディスの派生CP表記は「レクメロ」が多いように見受けられる。作品投稿時は参考にされたい。(零晃併記を推奨)
公式ビジュアルファンブック
美麗なイラストをスタッフコメントとともに楽しむことができるファンブックである。
vol2の表紙は見ての通りの零晃であり、見たものは買わざるを得ない。
一時期本屋に陳列された際は、それは壮観な光景だったという。
関連イラスト
あんさんぶるスターズ!!軸の二人
あんさんぶるスターズ!軸の二人
追憶時代の二人