概要
電気を通す導線によって、電池や電球などの素子を繋いだりしたもの。記号を用いた回路図で表現される。
抵抗(R)、コンデンサ(C)、インダクタ(L)によって構成されるものが基本的(インダクタはコイルと呼ばれることが多い)。ダイオードやトランジスタなどの半導体素子が用いられる場合は、特に電子回路と呼ばれる。
電気回路の電圧は物理的理解が難しい所があるが、「素子をまたがない限り変化しない」というルールに基づく一種のパズルと見ると解き易い。
グラフ理論やトポロジーと密接であり、そういう捉え方が役に立つ事がある。
電気回路の素子が、グラフ理論の辺に相当し、素子によって分断された導線の連なりが頂点に相当する。電気回路はグラフ理論の辺に特殊な性質を持たせた、一種の拡張と見る事ができる。
電圧源と電流源
電池や発電機などの電源は、電気回路においては主に電圧源と呼ばれる。
対して電流源という概念もあり、現実の電源は電流源としての見方もできなくもない。
電気回路における電圧源は、内部抵抗が0な理想的なものであり、両端の電圧に強制的に特定の差を設ける。
電流源は、内部抵抗が∞であり、強制的に特定の電流を流す。
電圧源の場合、両端に何も繋がなくても問題は無いが、導線で繋げてしまうと∞の電流を流し、∞の電力消費が発生するという異常状態になる。
電流源の場合、両端を導線で繋いでいれば問題は無いが、何も繋がない場合にも電流を流すため、∞の電圧と電力消費が発生するという異常状態になる。
コンデンサとインダクタ
コンデンサとインダクタ(コイル)は主に交流において効果を発揮する。
交流では抵抗と同様、電流を妨げる働きをするが、抵抗とは異なり電力の消費を伴わない。
共にエネルギーを蓄える機構を持っており、消費したように見える電力は蓄えられているだけであって、マイナスの電力という形で周期的に放出されている。
この抵抗のような性質は、通常の抵抗と区別してリアクタンスと呼ばれ、抵抗と総合してインピーダンスと呼ばれる。
CやLが入った回路を普通に解こうとすると、微分方程式になったりして厄介だが、複素数を利用して解く方法が存在しており、通常の交流回路の場合は、これを利用すれば普通の掛け算や割り算だけで解く事ができる。
コンデンサには、一時的な電圧源のような性質があり、コイルには、一時的な電流源のような性質がある。
CとLが共に存在してると共振が起こる。
電気回路と双対
電気回路においては、電圧と電流、直列と並列、コンデンサとコイル、電圧源と電流源が双対の関係を持っている。
これらを反転させたような回路は双対回路と呼ばれる。
直列と並列の反転に関しては、グラフ理論における双対グラフと全く同じ要領である。
この双対関係は電気と磁気の関係に繋がっている。
抵抗の場合は抵抗のままだが、値が逆数となる。
抵抗の逆数はコンダクタンス(G)と呼ばれるため、抵抗はコンダクタンスに置き換わるような形となる。
抵抗の場合、直列がただの足し算になるのに対し、並列は複雑な計算となるが、コンダクタンスで考えると逆に、並列の方がただの足し算となる。
なお、並列抵抗の計算は、平行の記号を用いて表現される事がある。
A∥B=1/(1/A+1/B)という形である。
足し算と並列抵抗の計算の間には、ORとANDの関係に通じる関係がある。
電気と機械
力や速度・質量など、いわゆる物理的・力学的な作用を扱う分野は、電気に対しては機械と呼ばれている。
電気回路は、機械に当てはめて考えられる部分があり、それを押さえておくと互いに理解の役に立つ事がある。
具体的には以下のものが対応している。
関連タグ
抵抗 抵抗器 豆電球 コンデンサ インダクタ アース アンテナ 電圧計 電流計