人物像(TVアニメ版)
宮城ジョージの養子で、義兄に宮城カイ、義弟に宮城リクがいる。陸上部で高跳びを専攻する活発で穏やかな少女。食欲旺盛でよくタイミングを見計らったかのように腹の虫が鳴る。ただ一年以上前の記憶が無く、その事に悩むこともあるものの、理解ある家族や友人に恵まれ、幸せな日々を過ごしていた。
しかし選考会前日の夜、忘れ物を取りに行った学校で「翼手」と呼ばれる怪物に遭遇し、またその場にいた謎の美青年・ハジに彼の血を口移しで飲まされたことで、驚異的な戦闘力を開花させて翼手を殲滅する。
初めは戦いを拒んでいたが、家族の周辺で度々出現する翼手や、その戦いに巻き込まれていく人々を見る中で、自ら翼手と戦うことを決意。
しかし、自身の抱えていた過去は彼女の想像以上に重い宿命であった。
正体
その正体は翼手の始祖とされるミイラが、胎内に宿した繭から生まれた双子の始祖翼手の片割れ。見た目こそ10代半ばの人間の娘ながら、実年齢も既に150年以上が経過した紛れもない人外の存在である。
本来は翼手殲滅組織『赤い盾』の保有する「対翼手の最終兵器」であり、2〜3年の活動と30年の休眠を繰り返す特殊な生命サイクルを持つ。しかしベトナム戦争時代に、功を焦った『赤い盾』の人々に無理矢理ハジの血を注射され、不自然に覚醒させられたことで極度の興奮状態に陥った小夜は暴走。その際に翼手ばかりか一般人まで見境なく殺害してしまい、精神的なショックを受けた彼女は記憶を封印、そのまま一年前まで眠り続けていた。
更に過去を辿れば、元々は動物学者ジョエル・ゴルドシュミット(初代)の養女であり、翼手研究のための被検体として人間と同等に養育されていた。その事実は初代ジョエルの手記にあたる『ジョエルの日記』にも記載されている。
しかし現在の姿ほどに成長した頃、彼女の歌に導かれる形で実妹ディーヴァと知り合い、秘密の友達になる。(ディーヴァの歌は人間には聴こえぬ周波の声であり、ジョエルが小夜とディーヴァの接触を知ることは無かった)
やがて父であるジョエルの誕生日パーティーで彼を驚かそうとディーヴァを解放してしまい、初代ジョエルは死亡。それを契機に世界へ翼手の災厄をばら撒くことになってしまう。
以後『赤い盾』と協力しながら、世界の陰で暗躍するディーヴァ一派を止めるべく、戦いの日々に身を投じていくこととなる。
彼女の血液には自身の体の傷を瞬く間に治す一方で、ディーヴァや彼女のシュヴァリエ等を石化させる猛毒が含まれており、これを何らかの形で相手の体内に入れることで、翼手を殲滅できる。
そのため、彼女専用に造られた日本刀は、峰の部分の根元に体を傷付けるための刃が付けられ、刀身には彼女の血を刃全体に行き届かせる溝が存在する。
また人間を翼手に変える力もあり、自分の傷が血の力で治ることを経験として知っていた小夜は、自分の無理な願いのせいで瀕死の傷を負ったハジに一か八か血を与え、結果彼を自分の眷属にしてしまう。
作中でもディーヴァに殺されかけたリクを救うため、已む無く血を与えた場面もあった。
この血の効果はディーヴァにも同様にあり、つまり彼女の血は小夜と彼女のシュヴァリエ達にとっての致死毒となる。
性格
明るく穏やか、ときとしてオテンバな一面も見せる活発な少女。動き回ることが好きで150年前でもよく屋敷中を駆け回っていた。家族や友人など親しい者には非常に温かな優しさを示したりもする。
自分の存在の不透明さや正しい選択が分からないこと、シフのような第三の存在もあって思い悩む場面が多く、作中でも決心と苦悩を行ったり来たりしていた。
同時に何事も一人で背負いこみやすく、特に第二部以降では『赤い盾』崩壊とリクを喪ったことに責任を感じ、近寄りがたいほどの殺気を放つようになる。
ディーヴァの事は、養父ジョエルやリクを殺めたこともあって不倶戴天の敵として認識するも、同時に「血を分けた妹」としての情も捨てきれなかった。そのため最終的にディーヴァとは相討ち、或いは心中するつもりで戦いに臨むが……。
関連イラスト
左:ゲーム・アニメ映画版 右:TVアニメ版