東の山に魔王あり・・・・
邪悪な心 邪悪な力を持ち 邪悪な姿となりて・・・・
全てを憎むものなり・・・・
CV:安元洋貴
概要
突如としてルクレチア王国に現れて東に魔王の山を築き、民や国土を脅かす邪悪の権化として人々に恐れられている。翼を持つ魔神ないし悪魔的な姿である。
かつてアリシアを身ごもったお后様を拉致し、勇者ハッシュに征伐された。それから20年後、蘇ったらしくオルステッドと結婚したばかりのアリシアを同じように拉致する。そのため、オルステッドとストレイボウ、そしてハッシュおよびその親友で魔王退治の英雄でもある老僧ウラヌスによって再び討伐されようとしていた。
魔王山に着いたオルステッドらに、「この私があの時と同じかどうか···その命をもって知るがいい!」と勝負を仕掛ける。(たいていは)ハッシュの助力で倒されるが、この時戦った際はハッシュ曰く「魔王でもないザコ」。かつてハッシュを苦しめた猛者ではなかったらしい。その後もこの魔王に関する情報は無く、ストーリーから消え去っていた。
そもそも会話で「魔王オディオ」が流れ、戦闘曲「MEGALOMANIA」が流れるボス敵なのに何故かオディオの名を冠していない不自然な点があった。
そのため多数の憶測を呼んだが、2020年3月に公式見解が出る。それはハッシュの言う通りただのザコというものであった。実際リメイク版では、憎しみに囚われた者に共通する「赤い瘴気」が対峙した際にはいっさい存在せず、作中で見られる「オディオ」の系譜とは無関係な存在であることがわかる。
能力
設定上はただのザコとはいえ、能力値は終盤戦の魔法生命体にも劣らない実力派である。広範囲攻撃の「ソニックブーム」、毒と能力低下を見舞う「メルトブレス」、眠らせる「まどわしのひとみ」、そして必殺技で石化させる「バリアバースト」と、邪悪な外見に似つかわしく、隙のない強さを誇る。このうちバリアバーストは、魔王を倒した伝説の技デストレイルへの反撃技であり、発動後に使用者の能力が下がる場合があるため、それを狙ってハッシュに技を使わせるのが望ましい。
邪を以て悪を制するハッシュとオルステッドの技に対する反撃が必殺技と言う所は、ストレイボウの奥義が暗黒魔法による反撃と言うのと並んで、“憎しみ”を思わせる雰囲気を醸し出していると語り草になっている。
リメイクでは行動ゲージのシステムによる手番管理の変更や、デバフが通りやすくなった点など、各方面から弱体化をされており、ハッシュの科白にかなりの説得力が持たされるようになった。
魔王(影)
同じく中世編に登場する中ボス。魔王の死後、夜のルクレチア城内の玉座の間に佇んでおり、話すと無言で戦闘になる。
名称はただ「魔王」だが、外見は生前の魔王より黒ずんでいる。しかもフィールド上の外見は、ハッシュたちが倒した魔王とは異なり、後の「魔王オディオ」のそれである(戦闘になるとハッシュと戦った魔王の姿で現れる)。一切攻撃せず移動するだけで、すぐに倒せるが…戦闘終了後、その姿はルクレチア王の死体に変貌する。
2冊存在する攻略本では正体の解釈が異なっており、NTT版では「王を殺した犯人」、小学館版では「王自身が魔法で姿を変えられたもの」と記述されている。
余談
この魔王、FF3の敵として現れた際の竜王バハムートがとっているポーズと非常に似ている。
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魔王山の魔王像について
偽魔王についてわかっていることは、姿かたちはかつてハッシュやウラヌスが戦った魔王そのものであり、リメイク版でオディオなどの憎しみに囚われた存在が放つ赤い瘴気がなくハッシュによって魔王ではないと判断され、実際ただのザコであるというオチがついたことしかない。
ちなみにアリシアを拉致した者も同じ姿だが、そちらには瘴気があるため、同一人物であるかどうかさえ怪しい。
一方、魔王像についてはリメイク版で多くのオディオたちと共通性がみられる。
まず、各種オディオの石像や偽魔王がいた部屋にあった魔王像には台座があり、ここに文字が刻まれている。そして作中の描写を見る限り、強い憎しみを持った行動で干渉することで、文字が赤く光る共通点がある。また、この魔王山は初代の魔王によって築かれた存在であるため、像各種も魔王が作り上げたことになるので、初代の魔王も憎しみを持っていた存在であることが予測できる。
ただ一つ言えるのが、魔王山にはこの魔王と同じ石像がどこにも無い点である。あるのは謎の石像が偽魔王がいた部屋と魔王山の山頂にあるのだが、全く似つかない姿をしている。
中世編ではストレイボウが最終的に赤い瘴気に呑まれていることから、彼もオディオに匹敵する何がしかの影響を受けている・あるいは魔王像に影響を与えるような憎しみの強さに達したなどの可能性はある。もっともストレイボウとオディオの関係は公式ではなにも言われていない。
そして、魔王オディオを名乗ったオルステッドも、リメイク版では赤い瘴気を得ている。つまり作中の描写からは、魔王とは憎しみを強く持つ存在であることがわかる。
ちなみに、心山拳老師が弟子を殺された際に復讐の感情を持ったものの赤い瘴気には囚われておらず、後戻りできないほど道を踏み外すのが「魔王となる憎しみ」かどうかの分かれ目といった所か(実際、老師は弟子殺しの指示を出したオディワン・リーを自分の手で殺すことに執着を持っておらず、仇討ちの意志は固いが弟子を信じぬき、道を踏み外してはいない)。
なお、リメイク版ではオルステッドが魔王を名乗った際、魔王像に「雷が落ちる(=干渉を受ける)」形で目が光っているため、憎しみをトリガーとして魔王像も「影響を受けた側」と考えられる。
そして、この魔王像と酷似した存在が思わぬ形で立ちはだかることになる。
もしくは、真のラスボスの描写から、魔王は人々の憎しみを集める器であるという見方もできる。
根拠としてはオディワン・リーやオディ・オブライトなど、オディオを冠する者(各ストーリーの大ボス)たちの中には、憎しみで動いている描写が感じられない者がいる。
しかし、心山拳老師や囚われの男は「力による支配は憎しみを生み出すだけ」と称している。即ち、残虐非道、または他者からのエゴで多くの人々から憎しみを一身に受けているのも、魔王となる条件と考えることができる。
そう考えれば、体を奪われて造られた大量の液体人間で動く隠呼大仏、数多の生贄を食らったおーでぃーおー(リメイク版のTIPSから、恐竜がかつて原人に狩られていたことが示唆されている)、そして人々から魔王の汚名を着せられたオルステッドが魔王と化した事にも説明がつく。
もっとも、これらはあくまで想像の範疇であり、公式の見解ではないので留意されたし。