「俺はヤツらにきっちりと さしてやったよ‥‥
とどめをな!」
「俺こそが『最強』‥‥
オディ・オブライトだ!!」
概要
CV:銀河万丈(リメイク版)
現代編の主人公である高原日勝は最強の座を目指すべく、世界の格闘家達と戦って必殺技をマスターしていった。
…彼らの技を体得して最強の座を得た高原が河原でたたずんでいると、その前に現れた悪の破戒僧にして暗黒の魔人と化した格闘家こそが、オディ・オブライトであった。オブライトは、高原と戦った猛者達をあっけなく撃破し、彼らを皆殺しにしていたのだった。
好敵手達を殺され、ことごとく否定された高原は「てめえがやってるのは格闘技じゃない、ただの殺戮だ!」と激怒してオブライトに決死の戦いを挑む。
猛者達から受け継いだ高原の技と怒り、「敗者には死」を標榜するオブライトの殺法が激突する。
能力値・使用技
レベル:4 HP:832 力:48 速:20 体:21 知:33
- デスズサイズ:『死神のカマ』と名づけられた真空二段蹴り。 攻撃と同時に相手の向きを変える。
- テリブルシャウト:『恐怖の叫び』と呼称される回復技。 雄たけびと共にHP・状態異常を回復。
- アクロDDO:必殺の威力の飛び技で麻痺させる。 デンジャラス・ドライバー・オブライト。
- 骨法鉄砲:射程の長い拳技。 威力こそ低いが、遠くからチクチク削られるのが厄介。
各種能力値は平凡だが、それを補って余りあるほどのHPの高さ、現代編では一応森部のじーさんに次ぐレベルの高さを誇るため、レベル2の高原では少々キツい相手である。
ただ、森部のじーさんこと森部生士の使う通打で能力を下げ、向きを変えつつ大打撃を加えるあびせげりでハメてしまえば大抵あっけなく勝ててしまうため、他の技を無理に使う必要はない。
しかし、どうせ倒すなら高威力&麻痺のGスープレックス、遠距離から攻撃可能なトルネードプレス、強力なデスズサイズに反撃可能で足固めも狙えるC.H.ホールド、威力は低いが吹き飛ばしハメが可能なアロハリテなども(ついでにスパイラル・ニーも)叩き込んで、好敵手達の無念を晴らしてやりたいところ。
特にリメイク版では、オディ・オブライト戦限定の特殊セリフが7種類(=各キャラクターの技+大激怒岩盤割り)用意されているため、色々な技を使って戦うとアツい。……のだが、この特殊セリフを発言する確率が妙に低いのがちょっと残念なところ。
通打の能力ダウンと併せればGスープレックスの麻痺、C.H.ホールドの足固め発生率もかなり高くなり、足固め状態ではデスズサイズも移動も向き変えも不可能になるため、通打後のデスズサイズに対する反撃C.H.ホールドで足固めが決まった場合は背後に回りつつGスープレックスの麻痺も与えれば、接近戦でも一方的に攻撃できるようになる(もっとも、能力下げと麻痺と足封じが入った時点で、もはや相手にならない)。
とりあえず「オブライトの正面に立つな」とだけ覚えていれば、なんとかなる……が熟練ライブアライブプレイヤーの談である。
高原は猛者達の技と自身の怒りを炸裂させ、オブライトを見事打ち破る。
倒れたオブライトは「最強のためなら自らの命すら厭わない、俺やお前のような奴が次から次へと現れるのはこれからだ… それでもお前は人間でいられるかな…」と言い残す。
そして、その言葉を裏付けるかのごとく、勝利した高原の元には『最強』の座を求める格闘家が勝負を挑んでくるようになる。
戦闘時の名前は「オディー・O」と何故か伸ばし棒付きの表記がされていたが、リメイク版では伸ばし棒が取り除かれ、表記が統一される。ちなみに英語版では「オディ・O・ブライト」である。
リメイク版の現代編の戦闘フィールドは観客が追加されていたりとSFC版とは違った趣となっているが、このオディ・オブライト戦は戦闘前には日没~戦闘に入ると夜~決着後に夜明けと、この戦いが夜通し行われた事態が表現されている。
また、決着時にエコーのかかった叫び声と共に放物線状に吹っ飛ばされる演出が追加されている。
モデルは「殺人風車」の異名を持つ実在したプロレスラー「ゲーリー・オブライト」と思われる。ただしゲーリー氏は髪の毛と髭を伸ばした巨漢のレスラーであり、オディ・オブライトとは全く似ていない。殺人風車のアダ名ももちろん単なる比喩である。
現実のゲーリー氏は2000年に逝去している。
最終編にて
主人公にオルステッドを選んだ場合は、オブライトを操作して高原を叩きのめせるが、現代編ではレベル上げの機会がないので、アクロDDO2発で瞬殺可能。操作できるオディオの能力値に影響するオルステッドを強く育てていた場合はそれが顕著であり、もはや最強の高原も単なる知力25と化してしまう。回復量も4倍の80になるため、もはや負けは無い。
他の主人公を選んだ場合、再戦時のオブライトのレベルや能力値がアップして強化されており、切り札の通打やアロハリテが効きにくくなるため、高原を鍛え抜くか彼の最強武器“最強バンデージ”を装備させて挑むのが安全策と言える。現代編とは違い初期ステータスに近い状況で挑むと少々辛くはあるが、代わりに最終編ではアイテムが潤沢に使える状況のため、高原を少しばかり鍛えていたり、あるいは鍛え方が足りなくても装備や回復アイテムをしっかり備えていれば、まず負けは無いだろう。
余談
時田氏曰く「リメイク版では色々と技が調整されている」とし、難易度が上がるものとおおむね予想されていた。
所が蓋を開けてみると、確かに最強技のアクロDDOが範囲は広がったものの、かなりのタメ時間が必要となってしまい、チャージゲージが可視化されたのもあって「タメ中に退避」「タメ中に浴びせ蹴り(向き変更)やアロハリテ(ノックバック)などで技をキャンセルさせる」などの対処法が実用的になり、実際の攻略はかなり楽になっており、プレイヤーが感じられる強さの評価は大筋オリジナル版と変わりなかった。
尚、オディオ達の中では珍しく無辜の一般人や社会に対し、あまり関わり(影響)を及ぼさないと思われるオディオであり、皆殺しにしたのはあくまでも最強を目指した格闘家と非常に限定的な存在である。詰まる所、強者同士の殺し合い……すなわち死合の境地に至った者と評価できる。
リメイク版で新たに描写されたオディオの描写を見るに、単純に強さだけを求めて死合に至っただけでなく、有名格闘家を殺し、彼らや彼らを慕う人々からの憎しみを集めている考え方もできる。日勝達が参加する大会は、リメイクに伴うブラッシュアップにより、ほとんどの試合に多数の観客がいる状況なので、試合で対戦相手を殺して観客などの憎悪を煽り、それを集めていた可能性はある。
他、彼の言動を見返すと、対戦相手やその必殺技を貶しプライドをズタズタにし、その上で惨たらしく殺して、対戦相手の死に際に憎悪を抱かせていたとも考えられる。
しかし、この大会は成人マンガにあるような 非合法な裏格闘技大会 と思えず、そうするとオブライトが殺人罪で問われるはずである。
こういう極悪格闘家にありがちな相手の威圧感にビビって手が出せない、捕まえたところでそのまま拘留できるか分からない等、警察組織が動いていない理由は色々と考えられるが、日勝との闘いでは河川敷に佇んでいた所にオブライトが現れている事を考えると、強さを求めるオブライトにとって正式に試合を組む必要性は薄い。
となれば、格闘家たちが人気のない場所を歩いていた、あるいは人気のない場所に誘い出した所にオブライトがストリートファイトを挑んだ、と考えるのが妥当な所だろう。現代編のオマージュ元がコレなので猶更である。
彼が逮捕に至っていないのも、警察が現場・証拠を押さえられていない、あるいはまだ容疑者にオブライトが浮上していない可能性もある(「警察でなんとかなるなら日勝がオブライトと戦う必要性がない」などの意見は置いといて)。
この考察とオブライト自身の言も踏まえると、 "強さを求めている内に殺人を躊躇わなくなり、非公然での殺し合いを強要し、相手の格闘家としての誇りを嘲笑しつつ惨殺して格闘家達から憎悪を集め、更に人々に「有名格闘家を殺した何者か」に対しての憎悪を抱かせ、それすらも糧としていく内に、やがて人間をやめ怪物となり果てた"……のだろうか。
"真の強さを求めるために正々堂々と戦い、相手の誇りの象徴たる必殺技を正面から体で受けて覚え、更なる強さを手に入れつつ、勝敗を超えた友情を育みそれらを糧としていった格闘家"
が高原日勝であるのに対し、
"真の強さを求めるあまり道を外れ、相手の誇りの象徴たる必殺技を「下らぬ技」と踏みにじり、勝敗は相手を殺してのみ決すると捉え、憎しみを糧としていった格闘家"
がオディ・オブライトであると言える。
”世界最強”の頂点は同じでも、それを求めて進む姿は正反対だったのだろう。
ただし、今際のオブライトが放った「それでもお前は人間でいられるかな」発言から、彼が殺人にまで至った経緯に全く違う見方もできる。
見事にオブライトを破り、ライバル達の仇を討った日勝の背後に、新たなる挑戦者が姿を現した……が、これは格闘技のみならず『頂点』の概念がある勝負の世界の常だが、頂点に就いた者は必ずそれを望む他者に追われてしまう。
日勝のように健全かつ真っ当な精神の持ち主ならば、誰であっても拒まずに挑戦を受けるだろう……が、もしそうでない精神の持ち主であれば、何時しかその状況に精神を病んでしまうかも知れない。
そして、更に追い詰められた場合、頂点に就いた者はこう考えるかも知れない……「自分の地位を不動のものにしつつ、挑戦者が現れない状況にしたい」と。
その結果、ただ強くあるだけではなく「自分に挑めばどうなるのか?」の見せしめを求めたら?……その果てが殺人ではないだろうか。
前述の「それでもお前は人間でいられるかな」の発言自体、単純に「いつまでそんな甘い考えでいられるのか?」とする皮肉だと思われるが、見方によっては日勝に対するオブライトなりの憂慮(=「お前は俺のようになるな」)に見えるのもあり、この推測も可能と思われる。
なお、リメイク版ではオディ・オブライトが勝利時に
最強とはオレの事だ、永遠にな!
とボイスとして新セリフが用意されている……が、
もしかして元ネタはとあるタッグコンビの迷言なのでは……?。
関連タグ
オディワン・リー:同じく己の強さを磨く為に他者に憎しみを生み出したオディオ。
サウザー(北斗の拳):悪の道に走った末に魔王の如き存在と化した格闘家繋がり。尚初代声優はリメイク版でオディ・オブライトを演じた銀河万丈氏である。
フースーヤ:CV、時田プロデュースのRPG繋がり。
ハーゴン、シドー:銀河万丈氏が『CDシアター ドラゴンクエストⅡ』で演じていた魔王系キャラ。
エスターク:銀河万丈氏が『ドラゴンクエストライバルズ』で演じていた魔王系キャラ。
ナイトメア:銀河万丈氏が『星のカービィ』で演じていた魔王系キャラ。後に『スーパーカービィハンターズ』でも類似キャラのアナザーナイトメアの声を担当している。
大魔王デマオン:銀河万丈氏が『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』で演じていた魔王系キャラ。
豪鬼:拳を極めし者=殺意の波動の体現者として限りなく彼はオディ・オブライトに近いと評せる。ただし、豪鬼は死合を求めてはいるものの、合法的な大会ではルールを遵守して相手の命は取らない常識性や、戦いが絡まない時や人々に危機が迫った時の内面の善性も持ち合わせており、その点では人間をやめていないと評せる(仮に出会うような機会があれば、豪鬼はオブライトの背後に存在する者の存在に気付いて叩き潰す可能性が高い)。
サガット:見た目的にはこちらが近い。『LIVE A LIVE』発売時はちょうど『ストリートファイターⅡ』の全盛期であり、この頃のサガットは復讐心に囚われていたので、悪としてのサガットと見れば近しいものがある(デザインを手がけた皆川氏も「『ストリートファイターⅡ』の全盛期だった」と公言している)。ちなみに、TVアニメ版での声の人はリメイク版でオディ・オブライトを演じた銀河万丈氏である。
雷飛:強さを追い求める破戒僧の点では同類。尚、CVはリメイク版で上記のオディワン・リーを演じる櫻井孝宏氏である。
播磨灘:作中で不遜で憎い程最強の横綱だが、最終話では……。
闇(史上最強の弟子ケンイチ):同じく殺人拳を是とする者たちの集団。