「一月前の仰せの通り卍解を修得して参りました」
概要
京楽春水や浮竹十四郎の生誕よりもはるか昔、2000年以上前に山本元柳斎重國からの言葉を受けて、僅か1か月で習得。
護廷十三隊の隊長らに匹敵するほどの力を有していたものの、雀部自らが「生涯一番隊副隊長として元柳斎の下で仕え続けたい」との思いからこれを秘匿としていた。
能力
始解・厳霊丸が持つ雷を操る能力が強化されている。日番谷冬獅郎の氷輪丸・大紅蓮氷輪丸同様、天相従臨の能力を持ち、周辺の天候を左右する芸当が可能。
発動と同時に斬魄刀から天に向け霊子の雷を放ち、上部に1条、下部に11条の帯が伸びた楕円形の雷雲を形成。標的へ雷の雨を降り注がせる。
これに加え雀部は刀身に帯状の雷を纏わせ、レイピアの形を活かす刺突による攻撃を行う。疾風迅雷の如き一撃は、元柳斎の額に一生の傷を残した。攻撃を受けた元柳斎は「見事な卍解だった」と内心では賞賛するも、敢えて「赤子の様な卍解」だと酷評した。感想を聞いた長次郎は「その通り」だと認めた上で「この先、生涯を賭けてこの卍解を磨き上げて行き、いつか必ず丿字斎殿の役に立つようにする」と元柳斎に誓った。
そしてこの時に受けた傷がキッカケになり、当時、死神統学院と呼ばれる教育機関で教師であった山本は、生徒からは額の傷が丿の字に見える様から「丿字斎」と呼ばれていたが、傷が乾いて前の傷と合わせて十に見えるようになった姿から、新たに生徒からは「十字斎」と呼ばれるようになる。しかし長次郎は「自分がつけた傷が理由で名を変える訳には行かない」と頑なに「丿字斎」の名で呼び続け、そんな元柳斎が彼の心情を慮る意味もあって、新たに自身の今の名前でもある「元柳斎」に改め名乗り始めるようになった。
総じて、元柳斎の右腕、隊長格の1人としても遜色ない卍解であるものの、作中においてその実力が描かれる事は無かった。
活躍
本編にてこの卍解を使用したのは本人ではなく、最終章・千年血戦篇で雀部から命と共に卍解を奪った見えざる帝国の滅却師であるドリスコール・ベルチがメダリオンを用い「星章化(メダライズ)」されたものを発動したのが最初で最後である。
しかし、これを喰らった元柳斎は「(雀部の磨き上げた卍解は)この程度では断じて無い!!!!」と吐き捨ててドリスコールを瞬殺したため、本来の実力は不明。
そして原作終了から6年が過ぎた2022年、千年血戦篇がアニメ化。原作者・久保帯人監修のもと、省略された戦闘描写が補完され、若き雀部がこの卍解を発動する場面の詳細も描かれた。
そこで初めて、雷の帯を剣に纏い、雷鳴の如く超速移動から一閃で相手を斬り伏せる技を披露した。
余談
- 習得直後の雀部がこの卍解を発動した際に現れた雷は黄金色だったが、ドリスコールが発動した際は紫色に変化していた。これが星章化や滅却師が使用した際の影響か、雀部の修練によって卍解自体が紫電として強化されたためかは明言されていないが、この卍解の名は「黄煌厳霊離宮」である、他の星章化された卍解も赤紫色を帯びている、第一話で雀部の卍解によると思わしき雷光(光った直後に元柳斎が「今のは雀部の」と発言している様子から、雀部の卍解による雷光であるのがほぼ確定)が映った時に黄金色であった点から、前者であると思われる。
- 2020年、アプリゲーム『BLEACH Brave Souls』にて、必殺技で卍解を発動する雀部が実装された。目は旧アニメのデザインではあるが、卍解を使用する副隊長時代の雀部を見ることができるのはこのアプリのみである。また、翌年に発売した同アプリの『Official Artworks』には作者直筆である黄煌厳霊離宮の設定画が掲載されており、アプリ内での必殺技やドリスコールが使用した雷の雨を落とす技に加え、後にアニメ『千年血戦篇』で披露した雷の帯を刀に纏わせ攻撃をする技の設定も描かれている。