曖昧さ回避
概略
国鉄屈指の急勾配のために補助機関車であるEF63の手助けなしには登り降りの出来ない碓氷峠。通過する列車はEF63と協調運転を行うか、動力を切って推進或いは牽引されるかのどちらかをとっていた。しかしEF63の連結・解放がスピードアップの障害となっていた。国鉄はEF63との協調運転に対応した189系の登場後、自力で碓氷峠を通過可能な特急型電車として187系を計画した。
国鉄版ズームカーとも言えるような車両で、出力を確保するために全電動車(但しグリーン車のみ付随車とする計画もあった)で、補機の連結・解放作業を省略することでスピードアップを図ろうというものである。
しかし1編成のみでは運用効率が悪く、189系でも十分スピードアップの目的を達成できていたこと、北陸新幹線の建設が決まっていたこともあり、計画段階で中止された。
当初はアルミ合金製の車体を持つ新造車として計画され、制御装置は界磁添加励磁制御を採用するものとしていたが、折しも国鉄の財政悪化により余剰となっていた183系のグリーン車(サロ183)を改造することに変更された。先頭車は185系に似た意匠とし、さらにフラノエクスプレスの中間車に似せたハイデッカー車を連結するという計画だったが、最終的に計画が中止されたこともあり改造種車として用意されたサロ183は113系のグリーン車への改造種車に変更された。
関連項目
京阪80形…66.7‰の急勾配を毎日自力で通過していた電車の例。