概要
「三只眼吽迦羅」という三つ目の妖怪であるヒロインのパイが、ひょんなことから彼女と一心同体の不死人「无」となってしまった藤井八雲と共に人間になるため冒険をする物語。
登場する妖怪の名前や設定が中国文化やインド神話がモチーフとなっており、チベットやインド等、日本以外のアジアが多く舞台になっている。
作者曰くウルトラマンの影響が強いらしい。
続編として「3×3EYES 幻獣の森の遭難者」、「3×3EYES 鬼籍の闇の契約者」がある。
登場人物
妖魔
獣魔
用語
妖魔
妖怪のこと。闇の者ともいう。
知能が低く文字通り怪物の姿をしたものから、高い知能と能力を持つ人型まで様々な妖魔が登場する。敵として登場することが多いが、温厚な者や様々な理由で仲間になってくれる者たちもいるため妖魔が全て悪ではない。
また神山依子や後日談に出てくるハズラット・ハーンと綾小路葉子の娘・セツなど所謂半妖も登場しているので、人間と妖魔との間に子を成すことも出来るようだ。
三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)
人間の世界とは異なる空間に存在する「聖地」に住む3つの目を持つ不老の妖怪。
一生に一度だけ他の生物の命を体内に取り込む『不老不死の術』を使い、自らの護衛者である「无」を作り出す。
その為、闇の者達からは不老不死を与える存在として崇拝されている。
外見は人間とほとんど変わらないが、数千年の寿命を持つため、高齢の三只眼は精神が退廃し無気力・無感動になり、残忍な性質になっている場合が多い。
妖怪達の頂点に立ち、強大な霊力と術で彼らを束ねる。他の下級妖怪達には「聖魔」と呼ばれ畏怖されている。
ただし肉体はそれほど頑丈では無く、強大な術を発揮するとしばらく眠りに入って無防備な状態になるので、无を使って身を守るとされる。
无(ウー)
三只眼が不老不死の術で魂を体内に取り込んだ者の総称。
无になった者は額に「无」の赤い文字が現れる。无になった者は主である三只眼が生きている間は不老不死となる。
加齢による成長も老化もせず、たとえ全身を粉々にされても完全に再生するが、痛覚や五感は全てそのまま残っている。
主が人間になれば无も元の人間等に戻る。主が死ぬと无も死ぬため、強制的に无は主の身を守ることになる。
三只眼が命の危機状態に陥ると「無限の力」を発揮するため、他の妖魔達は三只眼に手を出してはならないという鉄則を守っていた。
「无」とは中国語で「無」という意味である。
獣魔術(じゅうまじゅつ)
己の精(ジン)と引き換えに様々な特殊能力を持つ「獣魔」と呼ばれる生物を召喚し戦闘等に用いる。
召喚していない獣魔とも常に血の契約によって繋がっており、獣魔は術者の精を喰らい続けるため、契約出来る者は无か強い力を持った妖魔のみである。
基本的に獣魔を使役出来るのは契約した本人のみであるが、「委任の法」等を用いる事により他者に獣魔の制御権を委託する事も可能である。
三只眼と无の関係に似て契約した獣魔は主の精によって無限に回復出来るらしく、攻撃を受けても傷を負ったり死んだりする描写は作中には無い。
人化の法
三只眼を人間にする術。
三人の三只眼が揃いお互いの妖気が共鳴しあうことではじめて発動する。
しかし人間になるのは二人だけで、残った三只眼が二人分の人格と霊力を吸収する術ということが判明する。
術の行使には『ニンゲンの像』を用いる。
ニンゲンの像
ニンゲンを表す像とも。
三人の三只眼が互いに後ろ向きに屈み、手を繋ぎ合っているのが特徴。
人化の法の補正装置であり、物語の第一部ではこの像を巡っての戦いが繰り広げられる。
シヴァの爪
鬼眼王になる前のシヴァが作った装具。
三只眼吽迦羅の強大な力を抑え適度な力を引き出すだけでなく三只眼吽迦羅の人格が出ないようにさせることも出来る。
パールバティーがはめると本人が制御できるはずの人格の入れ替えを抑え、高齢側の人格が出ることを封じる。
最小の魔法陣でもあり、攻撃呪文「バラス・ヴィダーヒ」(「我に力を」の意)や
穿靈菱(チョアンリンリン)専用の解除呪文「ルドラ・ムシャーテ」の使用例がある。