タツノコプロのTVアニメ『宇宙の騎士テッカマンブレード』の主人公。
CV:森川智之
概要
未確認生物ラダムの調査をおこなう外宇宙開発機構の前に現れた、謎の青年。
本作の主人公であり、テッカマンブレードとしてスペースナイツと共にラダムに戦いを挑む。
Dボゥイとはノアルがつけた愛称である(Dはデンジャラスの頭文字)。
その素行は粗野で無謀(Dボゥイと言う愛称の理由)。
自称「記憶喪失」らしく、名前をはじめ、自分に関する記憶を一切持っていないと言い通しており、味方であるスペースナイツの面々とさえ一定の距離を置こうとする。
しかしながら、根は善良で熱く、味方が危機に陥ればそれを必死に救おうともする。
はじめこそぶっきらぼうを突き通していたが、自分のことを真剣に考えてくれるスペースナイツの面々に対し、徐々に心を開いていくようになる。
なお、原作アニメにおいての正式な表記はDボウイである(ウが大文字)。続編『II』や他媒体展開ではDボゥイ(ウが小文字)が使われている。
本編の核心に触れています!自己責任でスクロールをお願いします。
正体
本名は相羽タカヤ。
科学者を父に持ち、長兄ケンゴ、三男シンヤ(双子の弟)、長女ミユキと兄弟が3人いる。
家族やクルーらと共にアルゴス号で太陽系外の調査に出る途中でラダム母艦に遭遇。テックシステムへと取り込まれラダムによる地球侵略の尖兵とされそうになる。
しかしシステム不適合者として改造途中でシステムから排除された父・孝三が、唯一ラダムの精神支配が中途半端で、自我を未だに保てていた状態の次男タカヤを命がけで救出(孝三は不完全な改造が仇となって死を待つだけの身体だった)、アルゴス号の脱出ポッドに乗せられる。
そして父から「お前の使命とは、奴らに肉体を乗っ取られたシンヤやミユキをお前の手で倒すことだ」「辛いのはわかる。だがお前がやらなければ全人類は滅亡しその罪を弟や妹達が背負う」との言葉を託され、アルゴス号から射出。地球に向けて脱出させられた。
地球に帰還したのちは、父の遺言とラダムに復讐を果たすべく、テッカマンの力を使って戦うことを決意する。
記憶喪失というのはまったくのデタラメで、自身だけでラダムと決着を付けるべく、周りの人間に自分の素性がばれたり、自分への同情から巻き込まれないように他人を遠ざけるための演技であり、他人に冷たく徹していたのもそこに起因する。
そのため無印テッカマン的には主人公の(宇宙人を憎む)南城二だけではなく、意味深な事しか言わないアンドロー梅田の役割も兼ねている。
アニメ史上、もっとも過酷な主人公
幼少期に人型のまま全身が灰の塊になるほどの火事で母親を亡くし、ラダムに家族、友人を奪われ、洗脳された家族や親しくしていた友人達と殺し合いを繰り広げ、洗脳を免れた妹と再会を果たすも「洗脳されていない=改造途中で排除された」なので余命幾ばくもなく更には弟と友人達により文字通りの八つ裂きにされ殺され、本人も父や妹ほどでは無いとは言え不完全な改造なので余命が短く、一か八かのブラスター化により余命が解消したかと思ったら負担が脳細胞に集中しただけで大切な(幸せだった頃の)家族の記憶やスペースナイツ達との思いでさえも失い始め、弟と決着をつけ、死ぬ間際に洗脳から解放された弟と言葉を交わし、最後の敵の兄との決着を前についに限界に達し、記憶はおろか人格すらも崩壊したがラダムに対する憎しみの感情だけは残り兄を殺し、最後は廃人同然と化し、フリーマンから「忘却を、苦しみから逃れる手段に使ってはならない。だが、彼だけにはそれが許される…いや、許される気がする。もし、神がいるのなら…それは彼に与えたもうた救いなのだ…」と言われアキに無垢な笑顔を向け物語が締められる、アニメ史上稀に見る壮絶な不幸体質。
一応の黒歴史と称される続編では存命し、記憶もある程度回復してことが確認されており、同時に新生スペースナイツ総司令の役職に就いている。記憶を取り戻す術に付いては後日談である『水晶宮の少女』でも取り上げられている。
報われている様にみえるが、ラダム製テッカマンである彼が生きている限り、その思念波で宇宙の彼方に居るラダムを呼び寄せてしまい、地球に於ける第二次・第三次ラダム戦役を引き起こす要因となっている。
その為に普段は本拠地の地下深く閉じ籠り状況を見守っている。名前も『Mr.D』と呼ばれ、素性を知るのは当時メンバーであったアキと本田くらいである。また、ユミを新生テッカマン候補生へ抜擢したのも彼である。
一方スパロボにおいては(ルートやシリーズによっては)結構報われている。
原作アニメより過酷なスタジオOX版(ネタバレ御勘弁)
本放送当時、角川書店から発刊されていたコミックコンプでもスタジオOX版のコミカライズ版が連載されていたが、角川書店のお家騒動の余波で廃刊となり、完結編はバンダイが発刊していたサイバーコミックにて執筆された。
スタジオOX版は月面探索に行っていた相羽家(父・タカヤ、ミユキの3人のみ)と助手のフリッツの前にラダム母艦が直接降下し、皆取り込まれてしまう。
父はテッカマンオメガにされてしまい、脱出不可能となり、タカヤとミユキをラダム製バディロイド・ペガスに乗せ逃そうとするも、ミユキはフリッツが改造されたテッカマンダガー等の追っ手に抹殺され、主を失ったレイピアペガスはミユキのクローン・ミリィを生成、来たるラダムとの決戦に備える。
やがて、タカヤとミリィは合流、短期間の交流を経てタカヤはミリィ達と離れ月へラダムとの決戦へ向かう。
その後ミリィは前世ミユキの記憶を取り戻しタカヤ達と合流、一方のテッカマンオメガは欺かれた事を知られたテッカマンエビルに暗殺され、エビルはラダムの支配者となり、ブレードと対決、そして、エビルは自身がブレードを元に作られた事をタカヤに告げる。
辛くもエビルを倒すも、ブレードはラダムの侵略を食い止める為、1人宇宙へ残り、地球へ帰還したスペースナイツの仲間は何時かブレードを迎えに行く事を誓う傍ら、ミリィは力尽きた様に生死不明の眠りに就く。
原作アニメとは正反対のデラックスボンボン版
デラックスボンボン井上大輔担当のコミカライズ版は同じ原作アニメとは思えない改変ぶりだった。
此方のDボゥイは明るく能天気でお馬鹿な性格で、本当に記憶喪失だった。そして、ラダムへの憎悪は原作アニメ以上で「念仏の時間だ、ラダム!」と非常にピーキー且つデンジャラスな台詞を吐いた。
記憶の方はテッカマンエビルが言ってやっと判った程で、終盤折角再会したミユキに先立たれてしまい、ミユキの死にブチ切れたブレードがテッカマンエビルを一方的にフルボッコにし、ラダムとの最後の戦いを予見する所で打ち切り未完になった。
単行本化されなかった為、幻の作品となっている。
関連タグ
ガッツ:ある意味でDボゥイ以上に過酷な運命にさらされており、よく比較対象にされる。