概要
『月刊FAIRYTAILマガジン』に掲載されていた真島ヒロによる漫画作品。全1巻。
妖精の尻尾初代ギルドマスターのメイビス・ヴァーミリオンが「妖精の尻尾」を設立するに至った、哀しくも美しい物語を描いている。
本作は要するに『FAIRYTAIL』の第0巻なのだが、物語はメイビスが妖精の尻尾のマスターになった所で完結しており、以降の話は第53巻に続く。メイビスが思念態になってしまった理由はもともと「FT0」で描くつもりだったが、やはりそれ以前の物語の方が「0」としてふさわしいという理由で、メイビスの数奇な生い立ちから彼女が一人前の魔導士になるまでの出会いと別れの物語にしたらしい。
後にTVアニメ版『FT』でも丸ごと1クール使って放送された。なお、本作のタイトルロゴにはとある仕掛けが入っている。
あらすじ
時はX679年、天狼島の貧しい魔導士夫婦の家庭に生まれたメイビスは、親の残した借金のせいで魔導士ギルド「赤い蜥蜴」のマスターやその娘・ゼーラに奴隷のように酷使されていた。人間扱いされないほどの逆境の中で、メイビスは早逝した両親の残した「泣き虫は妖精に会えないぞ」という言葉を胸に、くじけずに生きていた。
そんなある日、闇ギルド「青い髑髏」が天狼島に夜襲をかけ、瞬く間に「赤い蜥蜴」は滅ぼされてしまう。メイビスはゼーラを救って森の中に駆け込み、「青い髑髏」の殺戮から身を隠す。
やがて7年の月日が流れた。荒廃した天狼島の図書館でゼーラと共に暮らしていたメイビスは、見よう見まねで魔法が使えるようになっていた。いつか島の外に出て、妖精を見つけたいと願っていたメイビスだったが、ある日突然3人のトレジャーハンターが天狼島に足を踏み入れる。
彼らこそ、後にメイビスを支えることとなる『妖精の尻尾』創設メンバーの若き日の姿だった…。
登場人物
本作の主人公。天狼島を出た後にゼレフと出会う。
赤い蜥蜴のマスター ジーセルフの娘。最初はギルドメンバーと共にメイビスをいじめていたが改心後はメイビスの親友になる。
後のマカロフの父(イワンの祖父でラクサスの曽祖父)。トレジャーハンターギルド『風精の迷宮』の若き有望株で、言葉遊びとお金が大好きな青年(実は10代)。天狼島の秘宝『天狼玉』を探し求めていたが、得意の言葉遊びでメイビスの悪知恵に敗北し、彼女を連れてフィオーレ王国に向かう。フィオーレではゼレフから雷魔法を伝授された。
アルバレス帝国編にてメイビスはラクサスを「ユーリに似ている」と評しており、後に彼の編み出したものと同系統と思われる魔法をラクサスは自力で会得することとなる。ゴッドセレナではない。
後に二代目マスターとなる青年。ゼレフによれば三人の中で最も優れた魔法の才を有していた。冷静沈着で行動力も抜群。トレジャーハンター時代から鎖付きの鏢を使用した優れた格闘術を有しており、後に『悪魔の心臓』マスターとなった際には魔力で鎖鏢を作り出してナツ達を苦しめることとなる。
フィオーレで青い髑髏と戦った時に右目を失明した。ゼレフとはこの時だけではなく単行本53巻で語られたメイビス封印の真相の際にも顔を合わせている。最終的に彼によりその命を絶たれることになろうとは思いもしなかったことだろう。
後の聖十大魔導第4位。ムードメーカーで優しい性格だが、体格通り腕力に優れている。ゼレフに木の魔法を教わった。
フィオーレのとある森で全裸で水浴びをしていた所をメイビスと出会い、彼女の優しさに心惹かれる。魔法の素人の3人に魔法を伝授する。
青い髑髏
闇ギルド。後にあるギルドの誕生に関わることとなる。