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MiG-19

みーぐぢゔぃなーっつぁち

ソビエト初の超音速戦闘機。エンジンを2基装備した高出力の戦闘機で、MiG-15/-17と同じく迎撃戦闘に向いた機である。のちにミサイルにも対応できるように改修され、防空軍の主力を務めた。ただ迎撃戦闘機として特化しすぎた感もあり、あまり多用途には使われなかった。NATOコードネームは「ファーマー(農夫)」。
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(ソビエトで)『初の超音速戦闘機』編集

MiG-19の試作機であるSM9/1は、1954年1月5日に初飛行を遂げた。

このSM-9/1は新式エンジンAM-9B(のちにRD-9B)を2基搭載しており、これは後のMiG-21試作機(後退翼型のYe-2など)にも装備されたエンジンである。


「世界初の超音速戦闘機」はF-100に先を越されてしまったが、このMiG-19は上昇力や空戦能力に優れており、迎撃戦闘機には申し分のない能力を持っていた。

(事実、空戦能力はF-100以上)


迎撃戦闘機として編集

最初の実戦も迎撃戦闘であり、1957年にはU-2迎撃に初出撃を遂げた。だが、高高度性能に優れるMiG-19をもってしてもU-2撃墜は至難であり、とうとう撃墜を記録する事はできなかった。


のちにより優秀なSu-9が配備され、防空軍から引き揚げられたMiG-19は空軍にも配備されている。海外へも供与され、ベトナム戦争を皮切りに撃墜記録もあり、印パ戦争・中東戦争などでも戦果を挙げている。


ただ実際の空戦の勝敗ではイスラエルのミラージュ3に返り討ちにされるなど、敗北の方が多かったとも言われている。ただし、中東での航空戦には未だすべてが公開されている訳ではなく、今後は逆転するかもしれない。


ベッカー渓谷の航空戦編集

公開されていた資料が実は「プロパガンダ混じりの誤り」であった実例がある。


「ベッカー渓谷の航空戦」は1982年、レバノン侵攻に伴う軍事作戦である。

ベッカー渓谷はレバノンに隣接するシリア領土で、ここには防空ミサイル高射砲、さらに手薄な場所を見つけられても大丈夫なようZSU-23-4等の移動可能な防空態勢をしいて待ち構えている「要塞」と化していた。その配備部隊はなんと19個にも及ぶ。ベッカー渓谷の広さを考えると、まさに常識はずれの防空網だった。


この作戦はシリア防空部隊に壊滅的な損害を与え、かわって損害は「披撃墜ゼロ、対空砲火による不時着が1のみ」と報道されてきた。だが、最近では公開資料以外での調査が進み、どうやら不時着はもっと多く、披撃墜も実はそれなりの数だった事が分かり始めてきた。


だが、だとしても結局イスラエルは認めないし、その他の国も軍事機密に阻まれて思うように公開することが出来ないでいる。実態を知りたいところである。


主な派生型編集

防空戦闘機として特化した機だったので、防空軍むきの迎撃型以外にこれといった派生型はない。

ただ、初めての超音速機だったのでテスト目的に改造された機もあり、それも考えれば派生型が必ずしも少ない訳ではない。


MiG-19編集

MiG-17と同じく23mm機銃を搭載した初期型。


MiG-19S編集

より発展した防空戦闘機で、23mm機銃にくわえて対空用のロケット弾を装備できる。

のちにR-3ミサイルを使えるように改造される。


MiG-19P編集

はじめてレーダーを搭載した型。

MiG-19S同様、こちらも後にR-3を使えるようにされた。


MiG-19PF編集

23㎜機銃を廃し、武装をミサイルのみとした型。

さらにMiG-19Pから空力的な改善も行われている。


J-6編集

ライセンス生産契約を結び、生産されたMiG-19の中国生産型。

しかし契約の後に中ソ対立が起こってしまい、以降は独自の発展を遂げることになる。


J-6は初期のジェット戦闘機MiG-17の中国版、「J-5」に引き続いて生産された機で、もちろん中国初の超音速戦闘機である。J-6はMiG-19と違って練習機偵察機といったバリエーションがあり、さらにMiG-19の生産が終了した後も長く生産が続けられた。


長い生産期間中には当然手直しも入れられ、そうした部分には中国独自で設計した部分もある。

レーダー装備型のJ-6AやJ-6B、未装備のJ-6Cなどがあり、さらに攻撃機として特化させた「南昌Q-5」のような発展型も存在する。いずれも輸出されており、パキスタン等でも採用され、各種改良型を生み出しながら2012年10月まで生産された。


MiG-19の意義編集

ベトナム戦争では旧式ながらも健闘したMiG-17、世界最先端のマッハ2級戦闘機としてその名を轟かせたMiG-21の間に挟まれ、とかく「中途半端」だの「発展系譜上のつなぎ」などと、MiG-19は残念な扱いをされることも多かった。だが、格闘戦戦闘機としての確かさは中国のJ-6が証明したとおりで、その価値はいささかも揺るぎない。


ただ欠点としては部品の耐久性が低く、頻繁に整備が必要なことだ。もちろん部品代も多くかかる。J-6が売れたのはそれを補ってなお余るほどの「安さ」があったからだが、もちろん戦闘機としての能力もそれなりにあったからだったのは言うまでもない。

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