概要
最強の配信者ことインターネットエンジェルを目指す承認欲求強めな女の子との生活を描くマルチエンディングメンヘラ育成ADV。開発元はWSS playground/xemono。
2020年11月に発売が告知された。告知時点では2021年の「寒いうち」(「春までには」とあるため1〜3月ごろと見られる)に発売予定であったが、クオリティアップのための二度の延期を経て、2022年1月21日にSteamにて配信が開始された。2022年10月27日にはNintendoSwitch版が発売されている。CEROはD。
タイトルにある「NEEDY」はスラングで「かまってちゃん」「感情表現が重い子」というような意味合いである。
インターネット文化、特にYouTuber・生主などの動画配信活動をモチーフとしており、さらにネットスラングとしての承認欲求、メンヘラといったダークなテーマが主軸となっている。
また、全体的なグラフィックやシナリオコンセプトは1990年代〜2000年代初めの美少女ゲームに強く影響を受けており、緻密なドット絵やどこかシュールでサイケデリックな演出などが特徴的である。
一方「メンヘラ」の女の子をヒロインとしているためか、プレイヤーに精神的な不安を与えるような描写が多々見られ、タイトル通りの行動をはじめとして、精神疾患を茶化す(また、精神疾患への理解を遠ざける)ような表現や、命の危険に関わるような行為・違法行為を肯定的に示唆する描写があると、実際の精神疾患を抱える患者や精神科医から批判の対象にもなっている。→参考
一応、制作陣はその辺りも承知の上であり、ゲーム開始時にはショッキングな描写などに関してプレイヤーに対する注意書きが表れるようになっている(※ただし、上述の参考リンクではこの注意書きも含めてテーマの取り扱いについて批判的な意見が述べられている)。
ゲームシナリオ・企画・原案は、「オタク」ライターで、自身もバーチャルYouTuberとして配信活動を行なっているにゃるらが手がけた。
キャラクターデザイン・キービジュアルはイラストレーターのお久しぶり、ゲーム内のグラフィック(ドット絵)は18禁同人ゲーム『SiNiSistar』を手掛けたグラフィックデザイナーのねんないが担当。音楽は韓国出身の音楽プロデューサーであるAiobahn(本人は初のゲーム作品への参加となる)、主題歌「INTERNET OVERDOSE」の歌唱はにゃるらの希望でシンガーソングライターのKOTOKOが担当している。
また、プロデューサーとして元ドワンゴ社員で「ゲーム編集者」の斉藤大地(Why so serious?代表)や、デザイン・コーティング・ディレクションとしてデザイナーのとりいめぐみ(株式会社xemono代表)が参加している。また、初期にはゲームプログラマーのYuuが参加していることが明らかにされていたが、一度目の発売延期が発表となった時期に離脱している。
ストーリー
『NEEDY GIRL OVERDOSE』は、最強のインターネットエンジェル(配信者)を目指す承認欲求強めな女の子(超絶最かわてんしちゃん)との生活を描くマルチエンディングADVです。配信を行いながら、ちょっぴり病んだり、ストレスが減るやつをキメたりする日常を過ごしつつ、超絶最かわてんしちゃんのフォロワーを増やしていきます。様々な形の破滅を体験しつつ、この物語にハッピーエンドが存在するかどうか、あなた自身の目で確かめてください。
※公式Steamストアページより引用
主な登場人物
おとなしめに見えて、すぐ調子に乗るワガママで承認欲求が強い女の子。性格が悪い。好きなものはピと向精神薬。
インターネットエンジェル(配信者)。あめちゃんが配信時に仮装する姿。性格が良いフリをしている。すぐオタクに媚びる。
- ピ
性別・年齢・あらゆるものが不詳。つまり、あなたなのかも?
ゲームシステム
プレイヤーは、ちょっぴり心の弱い女の子「あめちゃん、そして彼女が「変身」(仮装)した姿である「超絶最かわてんしちゃん」の「ピ」(※恋人を指す「好きピ」であると同時に、プロデューサーの「P」でもある、複数の立場を兼ねた存在)として、日々の配信活動や彼女の精神状態を支えていくこととなる。
承認欲求つよつよなあめちゃんの目標は、「一か月以内にフォロワー100万人到達」。てんしちゃんとしてオタクたちに「媚びて」フォロワーを増やしていく。
朝・昼・晩に行動コマンドを選び、それに伴ってあめちゃんのパラメーターが変動していくというシンプルなADVとなっている。
パラメーターは「フォロワー」・「好感度」・「ストレス」・「やみ度」に分かれており、パラメーターによってシナリオが分岐していく。
朝昼におでかけ・ゲーム等でストレスを解消しつつ配信のネタ探し、晩に集めたネタからトピックを選んでライブ配信を行い、フォロワーを増やす……というのが基本的な流れ。
また配信時はあめちゃんのストレスコントロールとフォロワー稼ぎのため、流れてくるコメント(悪意のある内容など)を弾き、あめちゃんがどんなコメントを読み上げるかある程度指示する必要がある。
作中にはSNSとして「ぽけったー」(現実のTwitterに近いサービス)が存在し、「てんしちゃん」としての本垢(表垢)と、「あめちゃん」としての裏垢の二つが運用されている。各行動コマンド後には、本垢でキラキラツイート、裏垢で本音マシマシ真っ黒ツイートをそれぞれ呟く(呟きの内容はプレイヤーが直接コントロール出来ないため、内容からある程度コマンドの影響を察するのが主な目的である)が、にゃるら…ではなくあめちゃんの癖のある思考は、刺さる人にはもの凄く刺さるかも。
またあめちゃんとコミュニケーションを取るツールとしてメッセージアプリ「JINE」(現実のLINEに近い)が存在し、そこでのやりとりもあめちゃんのパラメーターに影響を与えることとなる。いちおう「既読スルー」もできるが、そんなことをした日には…。
フォロワーを増やすことが目的なのに、配信でオタクに媚びると…ストレスが貯まります!(PV原文そのまま)
それも、おでかけ・ゲーム等の健常な方法では到底解消しきれない程にストレス値が爆増する。一体どうすればいいんだ…
マルチバッドエンディングを謳っており、あめちゃんのパラメーターによって様々なバッドエンディングに分岐する。
1日ごとにシナリオが進行していくが、特定のパラメーターが0or100になった瞬間にいきなり日数が進んでゲームオーバーになることも。
「恋人として適当にガス抜きさせつつ配信を続けてもらう」必要があるため「フォロワー数は多くてもストレスが高い」とか「好感度はとにかく高く、やみ度はとにかく低ければいい」なんてことはない。めんどくせぇ女…。
総テキスト数は14万文字。発売前からTwitter上で募集し、ゲーム内に実装したファンアートは303枚(発売時点。募集は発売後も継続されている)と、価格(1680円)以上のボリュームとなっている。
にゃるらお得意の1990〜2000年代の2ch・ゲーム(エロゲ含む)・アニメのパロディネタも無駄に豊富。あめちゃん何歳だよ。
Switch版では、エンディングが追加された他、「おくすり」が「おかし」に、「えっち」はぼかした単語に修正されているが、演出自体はそのままである。
売り上げは好調で、発売一週間で10万本を突破、2023年夏には全世界累計販売数が100万本を突破したことが発表されている。
なお、発売前に英語圏向けタイトルが『NEEDY STREAMER OVERLOAD』、中国語圏向けタイトルが『主播女孩重度依賴』に変更されている。現時点でタイトル変更の理由については公式のコメントもなく、不明なままとなっている。
日本語タイトルに含まれる『OVERDOSE』が「(薬物の)過剰摂取」を意味することから、薬物の取り扱いに厳しい文化圏で問題視されたと見られるが、やはり詳細は不明。
英語版タイトルの『OVERLOAD』は「過負荷」「過剰積載」「過重負担」を意味することから「媚びる」事であめちゃんにのしかかるストレスを揶揄しているのではないかとされる。
中国語圏版タイトルは、『(依存気質の)“重い女”の配信者』といった意味合いで、他言語版タイトルよりストレートに「あめちゃん=超てんちゃん」というキャラクターを表現している。
公式PV
関連タグ
Arcaea、MuseDash、グルミク:主題歌が収録されることになったリズムゲーム。
Kanoso:Kanonのパロディ同人ゲーム。油断するとすぐバッドエンドのマルチバッドエンドを採用している。他作品パロディも多い。