概要
『COLLECTORS PACK 2017』で登場した闇属性・サイキック族のエクシーズモンスター。
ナンバーズに属しているモンスターでナンバーの位置は右の翼。アニメ『遊戯王ZEXAL』には登場していない遊戯王OCGオリジナルのカードである。
裏側除外というナンバーズどころか遊戯王全体でも珍しい効果を持っているが、皮肉にも遊戯王TCGとマスターデュエルではその個性がこのカードを破滅に向かわせることになる。
カードテキスト
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/サイキック族/攻2800/守1200
レベル7モンスター×2
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
相手のEXデッキを確認し、その内の1枚を選んで裏側表示で除外する。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊したバトルフェイズ終了時、
相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを裏側表示で除外する。
(3):相手のカードが裏側表示で除外された場合に発動できる。
裏側表示で除外されている相手のカードの数だけ、
相手のデッキの上からカードを裏側表示で除外する。
解説
(1)は自身のエクシーズ素材を消費することで、相手EXデッキのカードを1枚裏側除外する効果。
ピーピングによって情報アドバンテージを得ながら相手のエースや展開要因を事前に除去でき、後述する(3)の効果ともシナジーが見込める。
EXデッキのモンスターを再利用しづらい裏側除外で除去するため、制限カードやリンクモンスターを起点とするデッキであれば致命打になりうる。
(2)は自身が相手モンスターを戦闘破壊した後、相手の墓地のカード1枚を対象に裏側除外する効果。攻撃力が2800と高めなので発動を狙うのは容易だが、戦闘を介する必要がある上にこのカード自体は一切の効果耐性がないため攻撃に反応する罠カードなどには注意が必要となる。
(3)は相手のカードが裏側で除外された場合、相手のデッキを裏側除外する効果。
相手の裏側除外されたカードの枚数を参照しており、上記の効果で裏側除外カードを増やせばそれに比例してデッキ破壊枚数も増える。
その性質上、強欲で貪欲な壺やトゥーン・キングダムなどの自分のカードを裏側除外するカードにとっては天敵であり、特に前者の場合は20枚以上もデッキを失うことになる。その他、光の封札剣はフリーチェーンでトリガーを満たせるため相性がいい。
状況次第では大量のデッキ破壊が狙えるが相手の裏側除外カードの枚数がデッキの枚数を上回っている場合はそもそも発動自体が出来ないため、狙う場合は注意が必要。
欠点としては相手の盤面に直接干渉する効果を持っておらず、レベル7モンスター2体と召喚難易度が高めであるという点が挙げられる。効果自体は決して弱くはないのだが、どちらかと言えば既に優勢な状況でのダメ押し役としての要素が強く、召喚難易度に見合っているとは言い難い。
更に同じランク7には相手モンスターのコントロールを永続で奪うNo.11ビッグ・アイやトークンを大量展開するNo.42スターシップ・ギャラクシー・トマホークが存在するため、このカードを優先的に出す意義は薄かった。
クシャトリラの台頭
上記のことから良くも悪くも尖った効果を持つデッキ破壊要員として細々と採用されていた本カードだったが、実装から約5年後にクシャトリラが実装。『レベル・ランク7とサイキック族が主軸』、『裏側除外に関する効果を多数所持している』と全ての要素が好相性であり、一躍環境に躍り出る。
特に相手のカードが裏側除外されるとフィールドゾーンを1つ封鎖できるクシャトリラ・シャングリラとは好相性で、これにより最低でも相手のフィールドゾーンを2~3か所封鎖、最大で5か所の封鎖+再利用が困難なデッキ破壊を可能としてしまった。
その対話拒否の極みともいえる盤面を生み出せることを問題視されたのか、遊戯王TCGでは2023年6月5日に禁止カードに指定され、遊戯王マスターデュエルでも2023年10月10日のリミットレギュレーションでクシャトリラの追加カードが登場すると同時に禁止カードとなる。なお、遊戯王OCGでは代わりに相性の良いクシャトリラカードが軒並み規制されているためか唯一制限を免れている。
余談
カード名はスペイン語で「悪魔」を意味する単語「ディアブロ(Diablo)」が由来の一つと思われる。また、英語名では肩書に「the Mind Hacker(精神をハックする者)」とあることからナンバーの"89"は"ハック"から来ているのだろう。
関連タグ
2022年7月に登場したテーマ。「サイキック族のエクシーズテーマ」「レベル・ランクが7軸」「裏側表示除外に関連する効果を持つ」など様々な面でシナジーがある。