R75はドイツ BMWで開発された側車付きオートバイ。1969年に同じくR75を冠するロードスポーツモデルが発売されたが、全く別のモデルである。
サイドカー付きオートバイ
1930年代末に開発が開始された側車付きの軍用オートバイ。
部隊に配備されたのは1940年代に入ってからで、主にドイツ国防軍や武装親衛隊などで広く使用され、第二次世界大戦におけるドイツ軍のマスコット的な存在であった。
エンジンは、BMW製のバイクのトレードマークである空冷式 水平対向型2気筒(745cc OHV)。
エアクリーナーは燃料タンクの上、マフラーもシートのすぐ下くらいと通常のバイクより高い位置まで上げてあるため、マフラーの高さまでは水に浸かっても大丈夫… らしいが、キャブレターや点火系統も水没することになるのでやっぱりヤバい気もする。
軍用の側車付きオートバイとして戦場での使用が想定されており、悪路でも機動性を損ねないように、側車の車輪も駆動させることができる。変速機は通常のバイクのような4速のミッションの他に副変速機が備わっており、低速と高速の2ポジションがある。また、変速操作はフットシフトとハンドシフトの2種類から状況に応じて選べる。
750ccクラスのバイクに駆動輪付きの側車がついて、図体が軽自動車より1回りか2回りくらい小さい程度までデカくなったので、バックギアが付いている。
ドイツ軍では、連絡、斥候、偵察、士官の移動などのあらゆる用途に使用された。
側車にはMG34やMG42といった機関銃を載せることができ、電撃戦、機動戦で威力を発揮した。
製造が終了して70年以上経った現在でも、ケッテンクラートやキューベルワーゲンと並んで世界中に所有しているマニアがいる人気の車両である。
R75は、ソビエト連邦でIMZ・ウラルとしてコピーされたほか、中華人民共和国でも長江・CJ-750としてコピー品が作られた。
ロードスポーツモデル(R75/5)
1969年に発売された民間向けのモデル。
第二次世界大戦期に製造されていたものとは殆ど関連性が無い。
エンジンはやはり空冷式の水平対向2気筒。