SCP-169
りゔぁいあさん
アイテム番号:SCP-169
オブジェクトクラス:Keter
SCP財団が管理するSCPオブジェクトの一つ。通称「リヴァイアサン」。
旧約聖書に登場する伝説の怪物と同じ名で呼ばれる海生の超巨大生物。(あくまで財団世界においての)地球最大の生物であり、その全長は少なく見積もってもおよそ2,000km、最大で約8,000kmと推測されている。そのあまりの巨大さのために地球上のどんな建造物でもSCP-169を収容できる大きさや強度は持ち合わせておらず、遥か未来に至るまで実質的に収容は不可能と見做されている。
リヴァイアサンと言えば海竜や悪魔のような姿を連想されがちだが、SCP-169は先カンブリア時代より生き続けている節足動物の一種であると目されている。あまりに大きすぎて逆に現在地を割り出す事が難しいが、現在は南半球の何処かに居ると推測されており、1週間に1km未満という非常に遅い速度で移動している。しかし移動の手段は不明であり、その目的も不明(ただ海底を彷徨っているだけの可能性も高い)。他にも餌として何を摂取しているのか、繁殖は行うのか、住処はどこになるのかなど、生態に関する事はほとんどわかっていない。
現在は休眠状態にあり、3か月周期で呼吸しているらしい。しかしこの呼吸の度に周囲の島々の地形に断層を作り出し、それに起因する地震を引き起こしている。つまり寝息だけで地震を起こすような存在であるため、もし完全に覚醒してしまえば世界に途方もない影響を与える事となるのは明白である。財団ではSCP-169に刺激を与える可能性を極限まで抑え込むため、米国政府やNASAなどとも協力体制を組んで徹底的にその存在を秘匿している。
ちなみに、初めてSCP-169を発見したのは米国の軍艦。この軍艦はSCP-169の存在を隠蔽するため、米国政府の許可を得た上で財団の手によって全乗員ごと撃沈された。
しかし、上述したような他のオブジェクトと比較しても相当厳重且つ徹底された監視が行われているSCP-169だが、一度だけその存在に関する情報の一部があろう事かメディアに漏洩するという大問題が発生してしまっている。
それは財団とは全くの無関係(そもそも財団の存在にも気付いていない)である米国海洋大気庁が入手した音波データ。とある海域数千mもの海底から響いてきた超低周波の音波は、財団エージェントの奮闘も空しく「重大な報道」として世界に発信されてしまった。どうやらこの音波はSCP-169の頭部が存在すると推測される場所から発せられていた模様(つまりは「鼾」や「寝言」などにあたるものと思われる)。科学者や民間人によるその音源を特定しようとする試みは結果的に多大な混乱を招く危険性があり、財団は如何なる手段を用いてもそれを阻止する方針を固めている。
SCP-5000に収められていた記録によれば、SCP-169は複数発の核爆弾による爆撃を受けても眠ったままだった模様。流石にここまでくると自然に覚醒しない限りは起きないんじゃなかろうか。
ただそれでも決して無反応ではなかったらしく、少しばかり身じろぎをしたために世界中の沿岸集落が地震と津波に見舞われて壊滅してしまったという。やはり覚醒すれば絶望的な被害が発生するのは間違いないので、大人しく眠っていてほしいものである。願わくばいつまでも。