SCP-347
とうめいおんな
アイテム番号:SCP-347
オブジェクトクラス:Euclid
SCP財団が管理するSCPオブジェクトの一つ。通称「透明女」。
身長167cm、体重55kg、それ以上の素性はほとんど不明の19~25歳程度の若い女性。自らは「クラウディア」と名乗るが、これは1933年公開の映画『透明人間』の主演男優であるクロード・レインズから取った名前であり、偽名である可能性が非常に高い。
最大の特徴(異常性)として全身が常に完全な透明化状態にあり、彼女の外見を直接肉眼で見る事はできない。体表だけでなく体内も同様で、骨格や内臓などが透けて見えたりする事も無く、排泄物やつばなども彼女の体から完全に離れない限り確認できない。さらに彼女の体から採取された血液や皮膚、毛髪などのサンプルに至っては彼女の体から離れても目視不可能。ただし実体は存在するので、見えないだけで触れる事はできる。
その異常性や収容前の彼女の生活習慣の影響か、基本的に彼女は全裸で過ごしている(一応繰り返すが、その姿を視認する事は不可能である)。そのことに対して下品などと指摘すると彼女から顰蹙を買うので注意。
紫外線や赤外線などを用いた機器であれば居場所を特定する事は可能。また、着用している衣服や体表に塗られたグリースのツヤなどは透明化されない。
彼女とコンタクトを取る場合、注意しなくてはならないのが彼女の手癖の悪さ。
厄介なことにSCP-347はスリとピッキングの達人である。しかも奪われたものを彼女が呑み込んでしまうと、「体内も透明化」する性質によって完全に隠蔽されてしまう。おまけに自分の特定したものだけを自分の胃から吐き戻すという特技(これに関しては「異常性」ではなく、あくまで「特技」)を持っている。この特技は彼女曰く、とある深夜番組で見たパフォーマーの影響らしい。
余談だが、ライツ博士は報告書内で彼女の「見えない盗賊」と揶揄している。彼女の居室は常に施錠され、彼女が滞在している限り1時間毎に鍵が破られていないか確認する事が徹底されている。
元々彼女はとある廃墟にてポルターガイスト現象が確認された事がきっかけで財団に確認された。現場を訪れた職員が赤外線カメラによって彼女の存在を確認し、直接交渉の末に財団に保護される形で収容される運びとなった。数年間、ストリートや廃墟の建物群に住み着いて生活を送っていたらしいが、当時の生活について語る事は断固として拒否しており、強いトラウマを抱えている模様。
収容直後の彼女は精神的に不安定で暴力的な傾向が見られ、数日間は会話にもほとんど応じなかったというが、現在はカウンセリングによってかなり社交的になっている。食事や物品を届けに来た財団職員と会話を楽しむなど、比較的平穏に暮らせているようで、このままカウンセリングを続けていけばいずれはオブジェクトクラスもSafeとなる可能性が示唆されている。
ただ、前述の手癖の悪さや悪戯好きな傾向があり、無警戒の人物の目の前で物品を動かすなどしてからかう事を好む。彼女が物体を「持ち歩く」だけでも傍からはポルターガイストにしか見えないため、恐怖を覚える人もいるのだが、それについて彼女はほとんどお構いなし。
少なくとも現在の彼女は友好的な部類と言って差し支えないだろうが、一応SCPオブジェクトである事は間違いないため、職員も彼女と親しくなりすぎないように指摘されている。特に男性職員は「深い関係」にならないように、彼女から求められたとしても丁寧に断りを入れるようにと提案されている。