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UFOロボグレンダイザー:たとえ我が命つきるとも

ゆーふぉーろぼぐれんだいざーたとえわがいのちつきるとも

『UFOロボグレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』は2023年11月にフランスで開発・発売された『UFOロボグレンダイザー』初の単独ゲーム作品である。
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注意:記事タイトルの「:」は日本語版公式サイトや公式トレーラーに基づいて全角表記にしてます。


概要編集

永井豪原作のマジンガーシリーズの第3作で1975年に日本で放映されたTVアニメ『UFOロボグレンダイザー』を原作とした1人用のオフラインゲーム。

ジャンルはアクション・アドベンチャー。

開発元は日本ではなく、フランスのゲーム会社であるMicroids、ENDROAD。

Steam版は2023年11月13日に発売。日本語の音声が収録された日本語版は株式会社3gooから2024年4月18日から発売開始となった。同時にPS4、PS5でも販売されている。

プレイヤーは主人公であるデューク・フリードが搭乗する巨大ロボットグレンダイザーを操作してベガ星連合軍と戦っていく。

なお副題の「たとえ我が命つきるとも」は、TVアニメ第7話のサブタイトルである。ちなみに英語版のサブタイトルは「THE FEAST OF THE WOLVES」、直訳すると「狼たちの饗宴」。


ゲームシステム編集

ジャンルはアクション・アドベンチャーとある通り、基本はステージとなるフィールドに降り立ったグレンダイザーを操作してベガ星連合軍が送り込んでくる戦闘ロボット軍団、そしてステージボスである円盤獣と戦う。

加えて、グレンダイザーがドッキングしたスペイザーを操作して空中戦を行う3Dシューティングゲームと、兜甲児が操縦するTFOを操作する2D縦スクロールシューティングゲームがある。

下記の「ダイザー・モード」「スペイザー・モード」「TFOモード」の呼称は日本語版公式トレーラーによる。

ダイザー・モード編集

グレンダイザーを操作してフィールドを探索、ミッションをクリアしてステージボスの円盤獣と戦う流れになる。

本作のグレンダイザーは軽快に動くスーパーロボットであり、他ゲームのスーパーロボット系でイメージされがちな鈍重さはない。しかし防御やガードはなく、敵の攻撃は回避していかなくてはならない。代わりにライフゲージとエネルギーゲージが設定されており、ある程度のダメージには耐えられるし、エネルギーゲージを消費することでライフゲージを回復させることができる。ターゲットはオートターゲット方式であり、プレイヤーの任意で切り替えることができない。

原作アニメにある武装は概ね再現されている。ただし後述の武器名の後ろに「(封印)」と記してあるものは、ゲーム開始時は封印されているため使えない。封印を解放するためにはフィールドで様々な材料を集めて研究所員の林さんに解放してもらう必要がある。

また(E)武器はエネルギーゲージを消費するため、エネルギーが足りないと発動できない。

格闘編集

最も基本的な攻撃手段。コンボに近い挙動で連続攻撃も可能。エネルギーを消費しないばかりか、格闘攻撃を敵に当てることでエネルギーゲージが少しずつ回復していく。

ダイザーパンチ(E)編集

メイン画像のように腕部のクラッシャーを立てずロケットパンチのように腕部を射出する。本作では少し離れた位置の敵キャラを掴んで引き寄せてからジャンプ、そのまま地面に叩きつけるという格ゲーの投げ技のような挙動をする。

ショルダーブーメラン(E)編集

両肩の三日月の刃が飛んで行き、ターゲットを切り裂く。空を飛んでいたり遠距離にいる敵を攻撃するため最初から最後まで出番がある。

ダブルハーケン編集

両肩の三日月の刃を繋いだ棹状武器。格闘と同じくコンボに近い挙動で連続攻撃が可能な上に攻撃範囲内であれば複数の敵にダメージを与えられる。また長押しすることで溜め攻撃も可能。溜め攻撃なら与えるダメージが上がる。

また別の封印解放で雑魚敵を一撃で破壊する「トドメの一撃」が条件付きで使用可能になる。

反重力ストーム(E)編集

胸部から発射する七色の反重力エネルギー波。ダメージはほとんどないし射程が長いわけではなくエネルギーを消費するが、敵のガードを崩したり動きを止める効果がある。雑魚戦では出番が多い反面、ステージボスにはほぼ効果が見込めない。

スクリューパンチ編集

ダッシュ中に格闘ボタンを押すことで発動するダッシュ技。ダメージは低いが、複数の敵を巻き込むことができる。また発生する風圧で小規模な火事を消すことができる。

ハンドビーム(封印)編集

両手の甲から放つ光線。本作では敵の攻撃をタイミング良く回避した際に行えるカウンター攻撃であり、プレイヤーの任意で放つことができない。一部の状況を除けば有効なダメージソースになるため、素材が集まり次第真っ先に解放するプレイヤーがほとんど。

スクリュークラッシャーパンチ(E)(封印)編集

ダイザーパンチの強化で解放。解放すると、ダイザーパンチに使うボタンを長押しすることで発動、敵のガードを貫通してダメージを与えることが可能になる。

発動時にデュークのカットインが入る。

ダブルハーケンストーム(E)(封印)編集

ショルダーブーメランの強化で解放。解放すると、ショルダーブーメランに使うボタンを長押しすることで発動、ダブルハーケンをブーメランのように投げつける。発動時にロックオンしていた場所にいた敵とその周辺にダメージを与え続ける。ただし動きが激しい敵には避けられることが多い。

発動時にデュークのカットインが入る。

スペースサンダー(封印)編集

単独の武器だが、画面左上の「サンダーゲージ」を満たさないと使えない。雑魚敵であれば、ターゲットした敵だけでなくその周辺の敵も一掃するボムのような武器。円盤獣にも大きなダメージが入る。


スペイザー・モード編集

飛行中のスペイザー形態を自機とする3Dシューティングゲーム。操作して敵や障害物を避けるのが基本だが、ローリングによる緊急回避ができる回避ボタンがある。

スピンドリル編集

ターゲットした敵を狙い撃つ通常弾。連射可能だが威力は低い。

スピンソーサー編集

ターゲットした敵を自動追尾するホーミング弾。威力はあるが、連射できない。

メルトシャワー編集

画面左上のサンダーゲージを満たした時だけ使えるボム枠。複数の敵に放たれるが、ボムのように画面内の敵全滅ではないのでイマイチありがたみが薄め。

TFOモード編集

飛行中のTFOを自機とする縦スクロールシューティングゲーム。敵の数が多く弾幕が激しく見えるが、スペイザー・モード同様のローリングによる緊急回避ができるため見た目ほど難易度は高くない。進めると回復アイテムや一定時間だけ通常弾を強化するアイテム、ミサイルの補充アイテムも出る。

通常弾編集

原作の機関砲に相当。威力は弱くミニフォーでも最低2発は当てる必要がある。画面に出てくる強化アイテムを取ることで、一定時間だけ連射が速くなったり3WAYになったりする。

ミサイル編集

単装のミサイル。弾数制限があるが、爆発で複数を巻き込める。

ミニフォー搭乗時のみミサイルではなく、前方120度に放つ拡散ビームになる。

ストーリー編集

TVアニメ版の序盤である第7話までを原作とする物語となっている。もちろん完全にアニメ通りというわけではなく、ゲーム用にアレンジされている。アニメ第3話だけは再現が難しかったのかオミットされているが、アニメでは回想で僅かだけしか表現されなかったフリード星での場面が再現された。

フリード星の落日編集

フリード星の王子であるデュークとベガ星のルビーナ王女の結婚式の日、フリード星に突如侵攻してきたベガ星連合軍デューク・フリードは敵に対抗するため封印された守護神「グレンダイザー」を起動させる。

チュートリアルを兼ねた最初のステージ。ダイザー・モードのステージボスは円盤獣フイフイ。ボス戦が終了するとスペイザー・モードになり、クリアするとオープニングが始まる。

兜甲児とデュークフリード編集

TVアニメ第1話で、舞台は宇宙科学研究所が見える平原。TFOモードからスタートするが、原作再現のためTFOは武器を積んでいない。ひたすら避けるだけに専念。クリアすると話が進んでダイザー・モード開始。ステージボスは円盤獣ギルギル

ああ!わが大地みどりなりき編集

TVアニメ第2話。舞台は峡谷。スペイザー・モードをクリア後、ダイザー・モードに移行する。ステージボスは円盤獣ガメガメ

若き血潮は紅に燃ゆ編集

TVアニメ第4話で、舞台は群島。TFOモード→スペイザー・モード→ダイザー・モードのフルコース。TFOモードとダイザー・モードでそれぞれ円盤獣ゴルゴルと戦うことになる。

クリア後の選択により「炎の愛を夕陽に染めて」と「大空を斬る闘魂」のどちらを先にクリアするが決まる。

炎の愛を夕陽に染めて編集

TVアニメ第5話で、舞台は空港。TFOモード→ダイザー・モードでミッションを進めると、兜甲児が敵から奪ったミニフォーを操縦するTFOモードに突入する。これをクリアすると再びダイザー・モード。ステージボスは円盤獣ドムドム

大空を斬る闘魂編集

TVアニメ第6話で、舞台は東京。ダイザー・モードから開始するが、ミッションをクリアするとスペイザー・モード。東京のビル街をすり抜けていくとそのままステージボスである円盤獣ダムダムと戦う。本作では唯一、スペイザー・モードでボス敵の円盤獣と戦うという変則ステージ。

たとえ我が命つきるとも編集

TVアニメ第7話。

本作ではベガ大王の親衛隊がキング・オブ・ベガの同型艦らしき巨大宇宙船で地球を攻撃にやってくる。デュークは敵の機先を制するためスペイザーで敵の巨大宇宙船内部に突入する。このスペイザー・モードをクリアすると海岸を舞台とするダイザー・モードに移行、途中で円盤獣ダルダルと戦うTFOモードに入る。これをクリアすると再びダイザー・モードになりゴーマン大尉が操縦する円盤獣ギンギンとのステージボス戦になる。

ギンギンを倒すとゲームクリアでエンディング。

危機迫る地球編集

ゲーム本編ではなくダウンロードコンテンツ。条件を満たしていれば、円盤獣ギルギル撃破後から挑戦可能になる。フリード星を脱出して地球に辿り着く前に遭遇したベガ星連合軍と変わった環境の小惑星で戦うオリジナルストーリー。

ステージは短く、割とすぐにステージボスと戦うことになる。ステージボスは再現されなかったTVアニメ第3話に登場した円盤獣バルバル

ダウンロードコンテンツかつ回想シーンという扱いのためか、他の円盤獣と違って何度でも戦うことができる。


キャスト編集

評価編集

下記の通り問題点は多いが、アクションゲームとしては良ゲーと評されている。

良い点編集

アクションが軽快で動かしやすく、アクションゲームとしてはストレスが少ない。機体の強化も分かりやすいものが多い。

またゲーム向けにアレンジされているとはいえ、原作であるTVアニメのストーリーの再現度はそれなりに高い。あとTVアニメ版を意識したオープニングはファンなら一見の価値あり。

問題点編集

概ね好評だがインディーズゲームっぽい、不便な点や要改善点が散見される。

ダイザー・モード編集

まずダイザー・モードのフィールド。マップどころかコンパスすらないため、ちょっと戦闘したらすぐに現在位置が分からなくなる。加えて、移動可能な地形に制限があるのにその境界が接触するまで分からない。

また別の地域へ移動するためには各マップ内にある電波塔に辿り着く必要がある。いやその場でスペイザー呼べよ

さらにジャンプしないと上がれない場所にアイテムが転がっていることがある。いやスペイザー(以下略)。

クリア後限定でもいいからスペイザーで空からフィールドを探索させてほしい。

スペイザー・モード、TFOモード編集

スペイザー・モードとTFOモードはストーリー上のみであり、クリア後の再挑戦やスコアアタックとかもない。

その他編集

エンディングクリア後は各ステージを散策してアイテムやチェックポイントの回収、グレンダイザーの強化くらいしかやることがない。その割にフル強化したグレンダイザーを使えるのはDLCの円盤獣バルバルしかいない。他のステージボスとの再戦はできないしフル強化後の周回プレイもできないなど、やり込み要素が少なすぎる。

セーブは基本オートセーブであり、直近3回分のセーブポイントからしかやり直せない。

物語はTVアニメ全74話のうちの7話までしか実装されておらず、エンディングを見るだけなら7~8時間くらいでクリア可能。ゲームのボリューム感が乏しいという意見も少なくない。

声優に関しては、原作となったTVアニメ版の出演者の多くが死去もしくは引退しているため一新されているが、これは仕方ないだろう。ただグレンダイサーやスペイザーの操作する時、武器使用時の声にエコーがかかっておらず物足りなさを指摘する意見がある。

あと、オープニングは音楽だけでなく主題歌を歌付きで入れてほしかった。

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