windows95
うぃんどうずきゅうじゅうご
Windows95とは、Microsoftが1995年8月24日(日本語版は11月23日)に発売したOSであり、Windowsファミリーのひとつ。95からMS-DOSとWindowsが同一製品となった。
内部バージョンは4.0で、DOSバージョンは7.0(OSR2以降は7.1)。Windows3.1までの「オペレーティング環境」ではなくOSと称した。
3.1までと同じく、実は内部にはMS-DOSがある、正確にはデスクトップ環境ないしGUIシェルであるが、専用版MS-DOSを同梱し通常のユーザーからはDOSは見えなくなった。
ユーザインタフェース（UI）の大幅な刷新がはかられ、画面デザインがそれまでのフラットデザイン(IBMが提唱したCUAに準拠したもの)からNEXTSTEP風の立体感を感じさせるものに切り替えられた。
プラグアンドプレイ (PnP、Plug and Play=つなげばすぐ使える）最大の売りにしたが、この概念について理解するには従前のPC/AT互換機の環境について知らなければならない。昔のPCでは新しいハードウェアを導入する際、そのハードウェアが利用する割り込み番号やI/Oポートを把握する必要があり、そのためにはDIPスイッチやジャンパースイッチの操作を必要とした。場合によってはBIOSの設定を変更する必要もあった。これはPCの設定を非常に敷居の高いものにしていた。また、リソースの競合などが発生した場合はトラブルが発生し、この場合の対処はハードウェアを一つずつ取り外しての検証など、熟練者にとっても手間暇のかかるものであった。PnPはOSがリソースを一元管理することによって実現される。しかしWindows95が登場した当時はうまく動作しないこともままあり、Plug and Pray（つなぎ、そして祈れ）と揶揄された。本当の意味でのPnPが実現したのはUSBやPCIが普及してからである。...が、MacintoshやMSXでは遥か以前から「繋げば使える」のが当たり前（再起動やドライバのインストールが必要になることもあったが）であり、AT互換機がそれまでどれだけ遅れていたかということでもある。
ネットワーク設定の容易さも売りであったが、初期バージョンにはインターネット関連の機能は搭載されておらず、パソコン通信への接続を推していたマイクロソフトの戦略は時代遅れとして批判を集めた。インターネット関連の機能が標準搭載されたのはOSR2以降で、それ以前は拡張パッケージのMicrosoft Plus!を導入しなければならなかった。この辺はマイクロソフト（というかビル・ゲイツ）がインターネットの普及はまだ先だと考えていた、という事情があり、発売後すぐ判断が誤っていたことに気づいてOSR2でインターネット関係の機能が標準になったという経緯がある。
UIはNeXTやMacintoshの長所を取り入れつつもタスクバーやスタートボタンなど独自のアレンジが加えられた。
ファイルシステムであるFATを拡張し、VFATとしてWindows 3.1では不可能であった長いファイル名（最大255バイト）が利用可能になった。
WindowsNTからは、32bitに最適化されたソフトウェアの共有基盤としてWin32 APIが取り入れられた（WindowsNT系と仕様が同じではないためWin32cと呼ばれることがある）。
Windows3.1まではOS/2とMS-DOS後継OSの市場を二分していたが、Windows95の成功は、これ以降MS-DOS後継としてのWindowsの地位を不動のものとした（とは言え、長い目で見ればWindowsNTがこなれるまでのつなぎではある）。また、Windows95の使い勝手の良いパソコンが人気となりx86を搭載したパソコンがAT互換機に統一されていくきっかけになった。
AT互換機以外向けのものも存在した。富士通のFM-TOWNSやFMR対応版の出た最後のWindowsでもある（PC-98はもうちょっと後まで出た）。
Windows95のアップグレード版(格安版)を使用する場合、MS-DOS5.0以上またはWindows3.1がインストールされている必要がある。
インストールされていない場合、セットアップ中にアップグレード元のフロッピーディスクが要求される。
また、アップグレード版・通常版問わず、WindowsNTからはアップグレード出来ない。
95からは、Windows98・Windows98SE・WindowsMe・Windows2000Professionalにアップグレードすることが出来る。
95からいきなりWindowsXPにアップグレードすることは出来ない(パッケージによっては95からセットアップを起動し、新規インストールを行えるものはある)。
WindowsMeの「Windows98ユーザー限定期間限定特別パッケージ」を使ってアップグレードする場合、98・98SE(UpdateCDでもOK)を用意する必要がある。
2000以外にアップグレードした場合、アンインストールして95に戻すことが出来る。
