曖昧さ回避
概要
アンソロジーコミック「サイバーコミックス01」中で示された宇宙世紀年表、および同書に掲載された漫画『STAMPEDE ミノフスキー博士物語』に登場。
型式番号X-91。機体名「XC」は「ザク」と読む。
宇宙世紀0050年にNASAが試作した人型航空兵器で、西暦1946年に初飛行したX-1に始まる「Xプレーン」と呼ばれるNASAの実験機群の最終型番とされる。
後のモビルスーツ(MS)でも用いられることになる姿勢制御技術「AMBACシステム」を導入した高機動航空兵器のテストベッドであり、過去のXプレーンのうち、航空機の新たな制御技術の実験を担ったX-29などに連なる機体と言える。
機体形状は「頭と手足がついた戦闘機」と例えることができるもので、手足に相当する可動肢を高速運動させ、その反作用を用いて空中での姿勢制御を行う。
このAMBACシステムは、MSでは主に「細かな姿勢制御時の推進剤を節約できる」という理由で採用されることになるが、XCの段階では「新たなタイプの高機動性の獲得」と「推進剤を噴射しないことでステルス性にも配慮する」というのが目的だった。
ステルス性を重視する方針は機体設計にも反映されており、胴体部分の形状はステルス機(特にF-19)に近い。
また、実験機ではあるが胴体内にガトリング砲1門を備えている。
NASAの手でテスト飛行が行われた後、機体は宇宙世紀0073年までにジオン公国に窃取されており、ジオンのMS開発の母体となった。
頭部のモノアイやブレードアンテナなどといったジオン系MSの特徴は元々XCが備えていたものであり、さらに機体名「ザク」は後にジオンが初めて量産したMSへ受け継がれ、ジオンのMSの代名詞となる。
ちなみに、「サイバーコミックス01」の宇宙世紀年表ではアポロ11号が月に着陸した西暦1969年を宇宙世紀元年と定めており、これに従って換算する場合、XCが開発されたのは西暦2019年となる。
バリエーション
MS-00
「サイバーコミックス01」の宇宙世紀年表に文字設定のみ登場。
ジオン軍がクラブマン(MS-01)とともに宇宙世紀0073年に完成させたMS。メカニズム面の多くの部分でXCのものが流用されている。
型式番号的には、この機体が宇宙世紀初のMSとなる。
X-91XC スティルスXC
『模型情報』に連載された近藤和久の「Project Mobile Suit」最終回1988年6月号に登場。
読者のリクエストで描かれたスティルスザクのアレンジデザイン。
スティルスザクは『ミノフスキー博士物語』と同じ「サイバーコミックス01」に掲載された山口宏の小説『TOP GUNDAM』でジオン残党軍が使用する小林誠デザインMSで、
一年戦争末期のMS不可視計画(暗号名=ニューオリンズ計画)の産物で時代的にXCとは離れているが、
イラストには「X-91XC」と書かれており、1993年の画集『Go Ahead』収録に伴い「スティルスXC」の名称と共にXCに近い開発背景の
「NASAの研究機シリーズの最終型番であり、全く新しい高機動、高性能、隠密性を備えた人型兵器」の解説が付記された。
また1988年版のMS大全集においてもXCの図に「UC0050に作られた隠密性を重視した人型航空兵器。地球に残されたジオン軍残党の手に渡る」とスティルスザクと同一機であるかような解説が為されている。
関連タグ
キャトル - XCと同様、MSの祖先にあたる機体。
ガンダムアブルホール - XCと同様に「頭と手足のついた戦闘機」じみた外見の機体。