概要
ワシントンD.C.にあるアメリカ合衆国議会議事堂は屋根がドーム状になっており、その頂点には鋳鉄の地球儀があり、その上に立つ女神像が "the Statue of Freedom" 。
全高5.9mのブロンズ像で重量は約6,800kg。
「自由」の概念を擬人化(擬神化)したモデルであり、頭に被った兜は鷲の頭と羽根、及び五芒星で飾られており、右手には鞘に納まった剣を携え、左手にはスターアンドストライプの盾と、勝利を象徴する月桂冠を握り、キトンを留めるブローチには "U.S." の文字が刻まれ、肩にかけたブランケットにはネイティブアメリカンの意匠が為されている。
当初の名称は「戦争と平和における自由の勝利(Freedom Triumphant in War and Peace)」であったが、現在の公式表記は「自由の像(the Statue of Freedom)」、また似通った別の像との区別を意識して「武装せる自由の女神像(the Armed Freedom)」とも呼ばれる。
アメリカ合衆国を象徴する代表的なデザインの一つとして広く支持されており、郵便切手や記念硬貨、および勲章にも起用されている。
彫刻家トーマス・クロフォード(Thomas Gibson Crawford)の作で、1854年に依頼を受けたクロフォードはローマの工房で石膏の原型を作成。クロフォード自身は原型が搬出される前の1857年にロンドンで病没した。
原型の搬送は困難を極め、全てのパーツがD.C.に到着したのが1859年。彫刻家クラーク・ミルズ(Clark Mills)によって鋳造され、1862年に完成し国会議事堂の敷地内に一時的に展示され、ストライキを経て事業を引き継いだフィリップ・リード(Philip Reed)の主導で議事堂のドーム上に設置されたのが1863年12月。
ニューヨークの女神像とは別物だが、「自由」の擬人化(擬神化)という点は共通。戯画的に擬人化されたうえでコンビもしくはライバル的な立ち位置で描かれる例もある(銅像としてのサイズ比は5倍以上あるのだが)。
また「アメリカ合衆国」の擬人化であるコロンビア(Miss Columbia)とも、象徴的な特徴のいくつかを共有しており、姉妹のような関係と言えなくもない。